第48話 今から35年前の大晦日の話で今年は終わりとします



「神童チェリー」などでおなじみの作家山田隆道さんが、今年の11月に「虎がにじんだ夕暮れ」(PHP)という本を出されました。「虎バカマガジン」のメルマガにも寄稿されていたので、既にお手持ちの方もいらっしゃると思います。内容を詳細に記してはもったいないのでしませんが、虎ファンの皆様には必読です。今から本屋へ走っていって下さい。たまらなく切なく哀しく、そして何よりも陽気な明るいナニワの家族が生き生きと描かれています。特に、タバコの赤ラークとサントリーのオールドウィスキー(だるま)と阪神タイガースを愛する大正13年生まれのじいちゃんの生きた昭和という時代が蘇えります。是非、皆様にお読みいただきたい小説です。ちなみに、1985年には阪神パッケージのタバコやダルマ型の三楽オーシャンウィスキー(現メルシャン)や2003年にはセブンスターの阪神タイガース仕様が売り出されています。

そして、この「虎がにじんだ夕暮れ」のなかにも、阪神が14得点挙げた試合が登場します。下の2試合が登場する背景や、話の流れも関係しますので、是非ご覧下さい。そして昭和の時代を生き抜いてきた虎キチたちに思いを馳せて下さい。

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 阪神タイガースが14点をあげた試合を、3週連続で書いてきたのですが、この2試合は、阪神、巨人の試合のなかでも、阪神が10点以上の差をつけて連勝した歴史的な試合です。この年、野村監督から星野監督になって二年目、横浜球場の開幕戦を、桧山、赤星の拙守でつまずきながら、その翌日は、その桧山、赤星が名誉挽回のタイムリー、伊良部のタテ縞初勝利などもあり初白星、そこから信じがたいほどの勢いで勝ち星を重ね、7月8日には、セ・リーグ史上最速のマジック49が点灯します。そしてオールスター直前の阪神、巨人甲子園三連戦(三戦目は雨天中止)で、天敵巨人の息の根を完全に止めたのが、この2試合でした。

対巨人戦ではなんと40年ぶりの2試合連続の2桁得点でした。前回は1963年の甲子園球場で、10-1、12-7というスコアでした。村山、小山の力投、並木、ソロムコの2試合連続ホームランでの連勝でした。また18年ぶりの巨人戦勝ち越しにあとM1とした試合でした。この2試合は投げては藪、下柳が好投し、全員安打なども記録するのですが、特に、背番号5番、沖原佳典が甲子園初ホームランを含め、なんと2試合で8打数7安打4打点という大活躍。沖原ファンの私としては忘れられない2試合となりました。この夢のような試合を再び見る事が出来るのでしょうか?

この48話に至って、いまさら申しあげるのも恐縮ではありますが、巷でよく言う「トラキチ度」をAレベルからEレベルに分けて判定するとします。自己診断でありますが、私のレベルは大体Cレベルあたりだと思います。阪神タイガース検定も正解は8割くらいだと思います。ましてや、ここ数年の関東の三球場での観戦は年間でたったの7,8試合というところです。ただし、あらゆる手段を使い可能な限り阪神の試合をテレビ、ラジオで聞く習慣は40年近くは続いています。

それでも一番熱心に球場通いをした年がありました。1978年、阪神タイガースが後藤次男監督指揮のもと、球団史上始めての「最下位」という歴史を刻んだシーズンでした。まさか、その後10回も「最下位」を見せて頂けるとは夢にも思いもしませんでした。年季の入ったトラキチなら当然の事ですが、2リーグ制になってからは、28年間でBクラスはたったの5回だけという、阪神タイガースはとてもとても強いプロ球団なのだという思いが沁み込んでいたのです。「借金39」という、かつてない成績だった1978年は、後楽園13試合、横浜13試合、神宮12試合、関東三球場で38試合あり、すべての試合に応援に行きました。結果は12勝25敗1分けという戦績です。ヤクルト主催の地方球場での試合がたった1試合だけ静岡草薙球場でありました。この試合は阪神が14点とった試合でした。この試合は、この年の最多得点試合ですし、見てる方は最高に楽な展開の試合だったと思います。唯一、見逃した試合がこんな試合になるとは・・・あるパーティーでたいした料理もなく帰った後で凄いご馳走が出た事を聞かされたような心境に近いものはあったのですが・・・。

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 日曜日で新幹線を使えば行けない事もなかったのですが行かなかった事には、ある程度の理由がありました。チケットが取れるかどうかわかわからなかったのです。案の定「30000人満員札止め」となるのですが、皆さまはダントツの最下位なのに昔から阪神ファンは熱心だなーとお思いでしょうが違うのです。この試合、関東のヤクルトファンと地元の巨人ファンが大挙おしかけたのです。この日、首位巨人が負けてヤクルトが勝てばゲーム差は1に縮まります。試合数が巨人より断然多いヤクルト球団にとっては、ヤクルトの初優勝を左右するほどの重要な試合だったのです。この年、ヤクルトは若松、大杉、杉浦、マニエル、ヒルトンという強力打線が機能した年でした。まして広岡監督と長嶋監督の意地が真っ向からぶつかりあったシーズンでもありました。この日の阪神ファンは、気持ちはヤクルトに勝って欲しいと思いながらの応援だったと思います。帰りの電車では「死に虎に蹴られた・・・」と絶叫する、数人のヤクルトの帽子をかぶったおっさん達に絡まれたという報告もありました。

この年、最下位だった阪神ファンにとっては騒然とする出来事が相次ぎます。西鉄の流れを汲むクラウンライターライオンズは破綻し、経営母体が西武ライオンズとなります。その西武に、われらのミスタータイガースこと田淵幸一、男性ファンの人気は抜群だった古沢憲司と真弓、若菜、竹之内、竹田との電撃トレードが決まります。球団に対する不信感いっぱいの、まだまだ気持ちが治まらない中で、今度はドラフト会議で江川卓を1位指名する事となります。この「江川問題」は日本中を巻き込んだ社会問題にまで発展します。全く打開策が見えないまま年を越してしまいます。「江川問題」で三元日特番を組んだテレビ局もあるほど、日本中の話題が集中します。

12月31日、私達、虎ファンの仲間20数名は、虎の応援装束を身にまとい関東のトラキチのメッカ、東中野にある「とら」に集まります。そして、ここから明治神宮に向かって恒例の「優勝祈願」の初詣となるのですが、例年とは全く違い周囲の我々を見る目は明らかに暖かいものでした。あくまで阪神入りを拒否する江川に対するバッシングは日本中を包みます。ここが本当に関東の地かと思うほど、初詣の道中で受けた拍手や「阪神頑張れよ!」という応援の声は考えられないほどの数でした。

「サラダ記念日」でおなじみの歌人俵万智さんは、寅年の12月31日に生まれたそうです。〔寅・虎のうた〕というお題でこのような短歌も作っています。

 うさぎ年になれない少女は十二月三十一日生まれの私

  東京の東中野の駅近くタイガースファンは集う、今夜も

ちなみに彼女は、大の広島カープファンです。

あと数分で2012年が終わります。そしてまもなく2013年を迎えます。2013年は、どんな開幕を迎えるのでしょうか?皆様が納得のいく「新生阪神タイガース」を是非見せて欲しいものです。・・・と書いている間に2013年が明けてしまいました。

あけましておめでとうございます。皆様にとって素晴らしい年でありますように。


週刊虎バカクラブ
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2 コメント

  1. Posted 2015年5月4日 at 4:18 PM | Permalink

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