矢野監督への勝手な思い入れ

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内と外がある人。「表と裏」だとちょっと感じ悪いけど、まあそういうのがある人だと思う。人当たりはとても優しいが、それはものすごく意識して、そうしていることに違いない。自分に対して厳しいのは、引退してもう何年もたつのに、現役時以上にスリムな体型を維持していることにも現われている。
自分に対して厳しい人は、もし自分に甘い人を見ればすぐにそれと気づくだろうが、だからといって日常ではどうということはない。ただし、監督という立場になれば、そうはいかない。選手に自分への甘さをどう気づかせて、どうやって自分から気持ちを入れ替えさせるかを考えなきゃいけない。そのために、それぞれに有効な「人当たり」を選択していく。「内と外」は絶対に必要なこと。

流されない人。解説者時代に感じたのは、一般論といわれるものや常識的な意見に対して、「僕はあまりそうは思わない」とか「そこはあまり気にならない」という言い方で独自の考え方を述べていたこと。ヒーローインタビューの「そうですね」や、記者連中の質問への「もちろんもちろん」は接頭語であり、人当たりを良くするためのツールでもあるが、そう言いながら、自分の頭の中にある「そればかりでもないんやけどな」という部分と、当たり前の一般論をミックスして、今はどう言っておくのがいいかを冷静に考えているフシがある。うんうんとうなずきながら、心の中では疑り深く考えている。それは流されないとも言うし、やはり内と外があるとも言う。

向上心が強い。道徳心とか信心深さに由来する真面目さが矢野監督の内面を支えているように感じる。人のためになる人生を過ごすためにという大きなテーマが根底に流れているから、勉強したい、成長していきたいという姿勢が自然と表れる。それが謙虚さや、熱心さ、優しさという形をとって周囲に伝わる。自分を持っていて、流されない部分がありながらも、頑固ではなく柔軟であろうと心がけている。しかし、これらの「徳を積んでいきたい」という精神構造は「諸刃の剣」だ。少しでも利己的になると、息苦しさや押し付けがましさになるが、そこを超克していると、とてつもなく懐の深いリーダーと認識される。

世話好き、世話焼き。常に周囲に目を配り、気を配るのが捕手の仕事。内と外ができるのも、そうした習性のせいでもある。ただし、選手を育てるには、世話を焼きたいのをグッとこらえなきゃいけない場面もある。組織を強くするためには、自分で動けばうまくいきそうなことでも、グッとこらえてコーチに自信をつけさせなきゃいけないこともある。余裕のない新人監督は、そういうところで失点してしまうものだが、「徳」について深く学んできた矢野監督はいかに振る舞うか。

あえて自分を大きく見せようとはしない矢野監督だが、監督として成功することをしっかり意識しながら時を過ごしてきたのはうかがえる。
結果がすべてのプロ野球だから、「勝てるのか」だけに焦点が当たるのは仕方ない。ただ、矢野燿大という人物が何を考えて、どう行動していくのかを想像しながら見ていくのも楽しい。

コメント

  1. 虎轍 より:

    今日のtorao様の視点はそういうとこにいきましたか?
    確かに矢野監督は厳しさを全面に出すような方では無いですね。
    なんとなくですが、出来ひん奴は置いてきぼりになりそうな感じですね。
    まあプロとして、職業として野球をやってるなら当たり前な話ですがね。
    前監督が体力をつけてくれたなら、矢野監督は考える野球。シンキングベースボールでええと思いますね。
    去年までは野球脳が無いんか?ってのも沢山ありましたが、今年はそんな事が無いような気がしますね。
    野村克也さんではないですが、ちょっとしたID野球で自分で考えて答えを出したら結果に繋がる。
    そういう感じなんかなぁ…
    いまのところはノーサインで自分達でどうするか?どうなるか?を考えさせて、矢野監督の答え合わせをして開幕に備えるんかな?
    タイガースの選手がどうなるかも楽しみですね。
    頭の中がぐちゃぐちゃにならん事を祈るばかりです(笑)

  2. 虎ジジィ より:

    予祝で矢野監督が昨日
     「皆さんのおかげで、2019年、優勝できました! ありがとうございました。それでは3、2、1、かんぱ〜い!」
    と発言、「クーエ療法」という有言する事で選手たちをその方向に導く効果を期待しての発言、良いと思います。

    矢野監督はキャンプに訪れる(オッカナイ)OBたちの接待も上手く、アドバイスは聞くけど自分のやり方は変えない、そんな信念を感じます。

    さて、キャンプの方
    内野ノックが面白かった!
    藤本コーチの右打席からの正確なノック、盛り上げ役の平田コーチの捕手、土のグランドの微妙なイレギュラーもあり、最後の「声が大きい選手のトコに打球を打ち、本塁にストライク送球すればアガリ→最後に残った選手一人は罰ゲーム」では、ミス連発の板山が残り、潔くスタンドのファンとハイタッチという罰ゲームをこなしていました。
    平田コーチのさじ加減で微妙な判定もあり、真剣な中にも笑顔が絶えない練習が、このキャンプの充実度を象徴していて微笑ましかったです。

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