「図面」がチラリ

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高校野球が変わっていくね。まだまだ簡単なことではないが、少しずつ声をあげる人たちが増えて、世論を動かし、現場を動かし、価値観が動きはじめる。
何が大切なことなのか。
損得勘定、勝利至上、自己中心……そこには当然良いこともある。だが、今それをむさぼることによって、将来が不毛になっては意味がない。高いところにいる人は、常に理想の姿を思い描かなければならない。その具体的なことの一つが「子ども」をいかに育てるかということだ。

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表向きは「競争」「白紙」と言い続けながら、常に理想と現実の2つの設計図を描く。図面が白紙じゃ何もできないからね。それが監督の仕事だ。では「競争」「白紙」という言葉は空虚なもので、意味がないかというと、そうではない。理想の将来を実現するためには、チームの活性化が絶対に必要であり、また競争によるチームの活性化によって理想と現実は常に変化していくからだ。
少しずつ、チョロチョロと矢野監督の口から「図面」の一端が語られている。

矢野監督、6番・マルテ構想明かす「チームとしては理想かな」4番は大山(報知)

恐怖の2番!阪神近本が西撃ち 21日セ界デビュー(ニッカン)

2番センター近本、4番サード大山、6番ファーストマルテ。
マルテについてはチームの命運を握るような重責を負わせないということだろう。それは賢い考え方だ。ときにはファーストの先発を変えてみたり、大山をファーストで先発させて二遊間の控え選手をサードの先発で使うこともできる。
もしも「2番近本」という理想形を持っているとすれば、矢野監督の志向性は、ディフェンス重視よりオフェンス重視寄りだと言えるだろう。それは就任直後に発言していたこともある。「そのほうが盛り上がる」といった表現だったと思う。
甲子園球場の「パークファクター」は明らかにディフェンス重視にしたほうが有利だ。
だから私はディフェンス寄りのバランスにして、「打つ方はおまけ」くらいの気楽な気持ちで打席に立たせるのがいいと思っている。

もちろん、賢明な矢野監督ならそれはわかっているはず。それなのになぜ、矢野監督がオフェンス重視を掲げようとしているか。これもまた理屈がある。
甲子園球場にはセイバーメトリクス的に表れないパークファクターがある。それは世界一アホな阪神ファンという存在だ。それをもっとも有効に使えるのが優れたオフェンス力があるときだからだ。
ディフェンス力が強くなければ優勝争いはできない。そこまでは正しい。しかし本当に優勝するためには甲子園球場の阪神ファンを味方につけて、球場全体から爆発的な音圧と風圧で敵チームを萎縮させるのがもっとも効果的だ。相手チームは勢いに飲まれて、「ああダメだ、また負ける」となる。実際、ディフェンス力が高いとき、阪神は優勝争いをするけれど、優勝するときには必ず攻撃力が高い(1985年以後。3回しかないけど)。

もっともこれは今現在の「図面」がチラリと見えただけで、日々書き換わっていくのだろう。

コメント

  1. 西田辺 より:

    >高校野球
    夏の酷暑対策にしても、投手の球数制限にしても、高野連は一体何から誰を
    守ろうとしているのか分かりません。
    新潟の球数制限案についても「全国の足並みが揃ってから」という理由で阻止
    にかかっています。
    部員20人未満のチームが全国で1/4にも達し、投手の頭数を揃えられない学校が
    不利になるらしい。
    凄い冷たい言い方になりますが、そもそも投手が一人しか用意できないチームが地区
    大会において、どれだけ勝ち上がれるのか、という話。
    去年の金足農業なんてレア中のレアケース。
    元々今のシステムでは、質の高い選手を数多く揃えたチームが絶対有利なのは誰の
    目にも明らかでしょ。
    今まで野球留学も、極度の勝利至上主義も知らん顔して放置して来た高野連が今更
    どの口が言うのか、としか思えません。
    選手の健康よりも、お手々つないでみんな一緒ごっこの方が大事なのか。
    35度を超える猛暑の中、選手も応援の生徒も炎天下にさらす事も、成長途上の高校生
    の肉体を限界を超えてでも酷使させる事も、高野連にとっては「教育の一環」なので
    しょうか。
    本当に守るべきは何かを、もう一度考え直して欲しいです。

    • 鳴尾浜トラオ より:

      この高野連の裁定により世間の耳目が集中し、高野連は非難にさらされるでしょう。現場のやり方にも厳しい目が光ることになります。世論が先行して、「行政」が動くという、この国のシステムが変わる1つのパターンに入ったように見えます。そういう意味で、「高野連は変わらない」ようであって、先鞭をつけた評論家の発言や、先日の筒香らの発言、そして新潟の動きによって、確実に高校野球をとりまく環境が変わっていきそうです。

    • いわほー より:

      日本学生野球憲章の基本原理にフェアプレーや法令順守のほかに「学生野球は、部員の健康を維持・増進させる施策を奨励・支援し、スポーツ障害予防への取り組みを推進する。」と明記してあるんですが、連盟はこの一項をどう解釈してるんでしょうかね。

  2. 虎ジジィ より:

    オフェンス重視を掲げる矢野監督の意図も理解できます。
    しっかりした「守備固め」のスペシャリストが居れば、ゲーム前半で得点して後半は守り→逃げ切るカタチが確立できると思います。

    03年、05年の攻撃の中心だった赤星(肩がいまいち)、今岡(守備はお世辞にも…)、金本(守備力のピークは過ぎてた)もディフェンスの選手ではなかったですから。

    打撃絶好調の上本と、昨日 西のストライクはほぼジャストミートしていた近本の1、2番は「打てる走れる」という意味では魅力的であり、勿論6割打者北條も使いたい。
    そこで植田という かつての大和のように内外野上手い選手や、外野に江越、内野に木浪という守備固めから打撃もアピールしたいという選手が控えているのは、実に心強い!

    カープのように「打てて守れる選手」が揃えば何の問題もないけど、そう簡単には揃わないのが現実!

    まあクレバーな矢野監督の事ですから、球場(広さ)によってスタメンに江越を入れたりいろんな事をやるんじゃないかな?!

  3. ジュビロタイガース より:

    日本人が4番に座ることは賛成です。大山は任せられるほどの成長と安定が必要ですね。
    外国人頼みの打線では、毎年当たり外れの振れ幅が大きくなるのは確かですから。

  4. 虎轍 より:

    かつてタイガースには守備堅め要員が沢山居ました。
    代打専用要員も沢山居ました。
    それでええと思います。
    第2の北村や渡真利、大和を作って、使ってもええと思います。
    遠井、真弓、ひ~やんを作ってもええと思います。
    昨日の夜に放送してた「戦え!スポーツ内閣」では矢野監督は満足したキャンプを過ごせてると言ってました。
    そこでタイガースの選手にプロとしての自主性が足りなかったんちゃうかな?とも言ってました。
    このキャンプでは自主性が出てきたんかな?
    マルテは5番、6番くらいで若手で4番を任せたい事も言ってました。
    大山や中谷がはまってくれるとええんでしょうね。
    今日は広島と対戦ですが、今年最初のセ・リーグとの戦いですが、相手チームに苦手意識を植え付けるような試合にしたいですね。

  5. ナラノトラキチ より:

    タイガースとは直接関係ありませんが、高校野球の球数制限について、私は反対の気持ちです。
    大学、社会人、プロと将来も野球を続ける球児は、1割にも満たないと聞きました。高校野球で燃焼したいと思い練習に励む選手が大半です。金足農業の吉田投手のようにエースの力で勝ち進むチームはそんなにレアではないでしょう。複数投手をそろえて質と量で圧倒するチームが強いのは言うまでもありませんが。私の出身高校も、一生甲子園に出ることはないと思える強くない高校でしたが、一人の有能なエースが頑張り、甲子園に一度だけ出場できました。甲子園球場が同窓会場のように、母校のOBで埋め尽くされました。1回戦で負けましたけどね。球数制限が採用されれば、そういう感動的な出来事も皆無になるでしょう。
    私は選手の体がどうなってもいいという意味で申し上げているのではありません。球数制限は、現場に於いて、選手とチームの現状と将来を指導者が十分に見据えて行えば良いと思います。

  6. なかっち より:

    矢野監督は決して守備力を疎かにする監督ではないと思ってます。確かに優勝した年は少なからず良く打ちました。点を取った方がファンも喜ぶのも納得です。
    私は矢野監督は糸井2番構想を持ってると考えてます。
    良い打者を上位に置く。もっとも理にかなった打順かと。

    1番から9番まで打順が関係するのは初回だけ。それ以降は何番が回の先頭打者になるかわかりません。

    1番打席が多く回る上位に上本と糸井を使えば、現状のタイガースにとっては良いような気がしてます。あくまでも私見ですが。

  7. 月見草 より:

    球数制限は日程の詰ま甲子園大会の準々決勝からでよいと思います。部員不足のチームも多いので、エースがマウンドをおりれば試合にならないチームも多いのでは。まず甲子園大会でそうした姿勢を見せることからはじめて、徐々に浸透していけばいいと思います。

  8. イアン より:

    6番ファーストマルテっていうのは6番ファーストアリアスを思い起こしますね。
    ジョージもオリから加入時は4番でいまいちだったところ翌年は6番に下げて成功しましたよね、懐かしー!

    たしか星野監督の言で「プレッシャーから解放させて自由に打たす!」とか言ってたと思います。
    まあ、金本と言う中軸が来たことでそういう考えを実現できたんでしょうが、流石星野さん。
    矢野はそれがずっと頭にあったに違いないと思います(断言!(^^;))

    スポーツマン金太郎という漫画で、4番だった桃ちゃんを6番に下げた川上監督が、しょげる桃ちゃんに、

    「6番バッターはとても大事なんだよ。クリンナップのワンちゃんチョーさんはタイムリーヒットを打って塁に出てるでしょ、その二人をホームに返すという大事な仕事がわが軍の6番バッターなんだよ、桃ちゃんにその仕事を任せたいんだよ」(うろ覚えのため大変な間違いあるかも)

    と言うんですよ。
    これは私のその後の6番バッター像を50年間決定させました(^^)
    6番バッターが好きなんです。(^^)(^^)

    大好きな6番バッターだったジョージの再来を!
    頑張れマテオ!!

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