練習

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比重のかけかたというのはあるにせよ、「どっても大事」「みんな大事」っていうバランス感覚は必要なこと。それを実現していく上の方法論として、わざと単純化して考えることはあってもいいが、最終的には全部ひっくるめてより向上していかなきゃいけないのだから、いつだってバランスチェックをしていないと統合した形を維持できない。

と、めっちゃ抽象的な話をした。
たとえば、野球の動作の中では珍しく他への反応の要素が少ない「投球」にしたって、下半身のパワーをいかにロスなく上半身へとつなげるかも大事なら、腕を振ることも大事、手首、指先、つま先、股関節……個々の部位について動かし方や力強さをバランスよく発達させていく必要がある。では、個々の部位の動きさえちゃんとしていればいいかといえば、それだけでは足りない。上半身と下半身など、全身の動きを連動させるタイミング調整ができていなければ、そもそも捕手までノーバンで届かせることすらかなわない。よっぽど単純化しても、個々の動作をバランスよく向上させつつ、全体を制御するバランスを合わせていくことの困難さがわかる。

ここで大事になってくることは、考え方、意識だ。
そんなん難しく考える必要はない――というのは、レベルが低いところの話。
世の中にははじめから、あるいはちょっとした慣れや努力で「なんとなくできちゃう」ということがたくさんある。しかし、それでよいと思えば、そこから先へは進めない。オレはそんなん意識せんでも、はじめっからなんとなくできた。まあ、そうだろう。でも、そういう人がもしも、もっとしっかりと細部まで研究する気持ちを持ち、その細かいことたちがどう連携して全体を構成していくかまで意識して、もっと向上を目指していたならば、どこまで伸びることができたか。意識と時間の掛け算によって、その先の結果は変わっていく。それだけ時間の経過とは残酷なものだ。

投球に比べて、守備は飛んでくるボールに反応しなければならないし、移動、捕球から送球へと次々にやるべきことが変わっていく。走者の動きなど、制限時間もある。だからもっともっと奥が深い。
打撃もそうだ。自分の形だけの問題ではない。相手の投げるボールに合わせ反応するという部分も向上させなければならないし、球種を意図的に変化させて情報操作によってこちらの確立した技術を混乱させようという「悪意ある妨害工作」にも対処しなくてはならない。

物事を単純化することは、ときに必要なことだ。「世の中は単純だ」と思いたいというのもある。わかる。
しかし、それは幻想だ。自分が理想とするボールを投げる、ただそれだけのことでも、プロ野球選手は終わりなき探求として取り組んでいる。なんとなくできていることに満足していてはそこで終わりであることを知っているからだ。
どんな基本練習でも、意識一つで成長の助けになる。とある「練習」をしていて思った。

コメント

  1. 虎轍 より:

    キャンプでは年に一回使うかの練習をしますが、「備えあれば」ですね。
    そういう練習をすれば、備えがあって出来る。
    逆にされれば、対処出来る。
    例えばツーランスクイズや、一塁、三塁の守備でのブルドックもそうであると思いますね。
    どうしても1点が欲しい時にギャンブルスタートをさせて囮にさせて三塁ランナーを還すとか…
    そういう野球脳を育てるのはええ事やと思います。
    タイガースの選手は野球脳の発達が少ない印象ですが、ちょっとでも野球脳が発達すれば、それは戦力向上になると思いますね。
    頑張れタイガース選手一同!

  2. とらかっぱ より:

    飽くなき探求心がなければ進化は止まる、って話でしょうか。何でも少しずつかじり成し遂げることなく、次へ移ってしまう自分に言われているようで心が痛いです(笑)

    今日のスタメンが発表されましたが、木浪近本の1・2番ですね。開幕はこれで行くって意思表示でしょうか?北條、意地見せろ!

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