9回ウラの先取点でスイープ

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髙橋遥人はいい投球をしたなあ。立ち上がりだけは、ストライクが入らず、あれれという感じだったが、持ち前の鈍感力(なんて、イメージだけで言ったら失礼だけど、あんまり動じない感じあるよね)で被害を拡大させず。特に二死二塁でバレンティンを見逃し三振に斬った外角低めの直球、あれだよねえ。甲子園のスピードガンはちょっと個性的で、とくに左投手には辛いのだけれど、豊かなスピン量でギューンと伸びてくる低めの直球は144キロという表示以上の強さがある。触れると危険と思わせるような感じ。ほんと、惚れ惚れする球を投げる。
3回は二死二塁で青木には低めに動く半速球で誘いゴロを打たせる。5回もエラーの走者を二死二塁と進められて山田との勝負。ここは外角いっぱいの144キロ直球で空を切らせた。ここまでまともに打たれた打球が一つもなく、奇数回の二死二塁で、バレ、青木、山田をピシャリだから、文句のつけようのない投球内容だった。
6回は一死から青木、バレンティンが連打。いずれも遥人を好投手と認定したかのような、非常に謙虚なシングルヒット狙いの逆方向打ち。一死一三塁の大ピンチとなったが、雄平が高いバウンドの一ゴロ、これをマルテがバックホームして梅野の乙女タッチ(ホント、もっとバシッとやったれ)で青木が憤死。二死一二塁となって、続く村上の当たりはセンターへの大飛球だったが、俊足近本が一直線に追いかけて、余裕のジャンピングキャッチを身軽に決めて窮地を脱した。
コンディション維持に注意が必要な投手だけれど、次がまた楽しみになる、実に小気味のいい投球内容だった。

しかし、7回藤川が先頭四球、8回ジョンソンも先頭四球、9回ドリスが先頭バント処理エラーと、「投手のミス3連発」でいずれもスコアリングポジションまで進められて苦しい終盤だった。PJとドリスは3連投だし、できれば消耗しないようなホイホイという展開で行きたかったんだけどね。でも、とにかくゼロに抑えるのが仕事だから、みんなよく頑張った。
問題は今日だよねえ。移動ゲームでPJ、ドリスが使えないという究極の「縛り」となった。もう西が頑張らないといけないね。

さて、素晴らしい投球をする遥人に対して、守備では(あらかた)盛り立てたバックだったが、まあとにかく点が取れなかった。カットボールの使い手「苦手」ブキャナンに対して、二塁上本、ショート北條で対策するも、結果として表すことはできなかった。
初回、近本が内野安打で出て、2番上本とのコンビで、ファウルで粘っているときには近本がスタートを切っていたのに、打った球のときはスタートしておらず、結果的に策なしの三ゴロ併殺。まあタラだけど、ここだけ何か違っていたら、全部違っていたようにも思う。

土俵のあっちの徳俵、今度はこっちの徳俵と、スコアレスのまま進んだ試合は9回ウラ、一死、梅野の四球から動いた。打席はこの日、遊ゴロ3つで併殺気配濃厚のマルテ。ベンチとしては、ここというタイミングで走者を動かすことも考えていたはず。マクガフ・中村のバッテリーも必要以上に走者を警戒する。フルカウントとなり、普通ならどうせスタートを切られるのだからと、警戒を緩めるところだが、マクガフは逆に、梅野のカウンターを取ってアウトにしてやろうと力んだ。牽制球がワンバウンドになり梅野の顔面にヒット。満身創痍の梅ちゃんの新たな痛みとなったが、これで一死二塁。さらにマルテが際どい球を見極めて(手が出なかったようにも見えたけど)一死一二塁。この四球が実は効いた。マルテに代走植田。
ここでスタメン起用の北條。1ボールからの2球目、引っ掛けた打球は弱々しくショート左へ。併殺体制で右に寄っていた廣岡が懸命に追いかけて飛びつくも、その左を抜ける。前進守備だったバレンティンが必死のチャージで、二走梅野は三塁でストップ。代走植田のおかげで、ベースカバーに備えるショート廣岡の守備位置が20センチ右に寄っていた可能性があるから、一走への代走は関係ないようで関係あったかもしれない。

打席には、5/8以来、今季2度めのベンチスタートとなった途中出場の糸原。一死満塁、ゲッツー崩れでも、犠牲フライでもサヨナラなので、ヤクルトは内野も外野もイチかバチかの前進守備しかない。糸原としてはコンパクトに振って、強くコンタクトできればいい。しかし、3球で追い込まれる。バッテリーが欲しいのは三振。4球目のフォークをファウルで逃げる。ここはもうボール球を投げる余裕はない。
5球目、低めへの直球。糸原は、この球に遅れないようにタイミングを合わせていた。小さく振り抜いたバットの芯で球を正確に捉えると、低いライナーがライト雄平の左を襲い、頭上を越えた。

おなじみ選手と同じようにグラウンドに飛び出して、選手以上に喜びを爆発させる矢野ちゃん(笑)。糸原とガシッと抱き合った。
整列する前に、福留親分が植田海にちゃんと三塁ベース踏めよと怒気もあらわに注意する。さすがやね。

この日もこの日で、全然強くない。最後のもそうだが、記録に残らないものも含めてミスばっかりだ。でも、必死に踏ん張って、なんとかしようとしていて、勝ちを拾いながら成長はしている。それが亀の歩みのようであろうとも、負けたくない、うまくなりたいという強い気持ちを持ってやり続けているのが伝わってくる。だから結果はどうあれ見る価値がある。なかなかいいチームだ。

コメント

  1. 西田辺 より:

    一死満塁、糸原の打球はライト雄平の右を鋭く抜くサヨナラの一打。
    ベンチからは、ペットボトルを持ってヒーローを水浸しにしようと選手たちが
    一斉に駆け寄る。
    水しぶきが飛び散る歓喜の輪。
    監督も、選手以上にはしゃいでる(笑)
    苦しかった3連戦、3タテを決めた一打に甲子園が大きく唸る。
    そんな歓喜の輪が解けようかという瞬間、福留が植田に詰め寄る。
    そこにはもう喜びの表情はなく、厳しい先輩の顔があった。
    あの場面、二塁走者の植田はサヨナラを確信し三塁を踏まず歓喜の輪に飛び込んだ。
    もしあれが二死の場面で、ヤクルト側が三塁フォースアウトをアピールすれば
    ホームインは認められずスリーアウト。
    一塁ランナー北條も同じ事をしていれば、三塁二塁でダブルプレー成立でこれも
    得点が認められない。
    福留はおそらく「喜ぶ前にキチンとやることをやれ」と諭したんだと推測します。
    まだまだ、そういう点でも未熟なチームと言わざるを得ないし、今日の勝ち以上に
    大事な事だと思うから若い植田に指導したんだと思う。
    もしかしたら、小さな事だと選手は思うかも知れないけど、野球というのはこんな
    事の積み重ねで成り立つゲームだから、福留にしてみれば看過できなかったんでしょう。
    ベンチ裏で、1対1で注意されるよりみんなが集まっている場所だからこそ、こんな
    小さな事でもチームで共有できる。
    3連勝で緩みがちなチームの気が、これで一気に引き締まったと思います。
    今日から好成績を残す横浜スタジアム。
    でも、横浜の先発陣は今永筆頭に手強いメンツを揃えてきそうです。
    ここで油断することなく、もう一度兜の緒を締めて乗り込んで欲しいですね。

    • らんとら より:

      改めて、福留には、すごいなと感心しました。
      福留が注意しなかったら、監督、コーチは海くんのミスに気づいていたのだろうか?

      • Akira28 より:

        さすがtraoさんや西田辺さん。よくご指摘して頂きました。
        ところが私はというと、外野に飛んだ時点で、植田が既にに三塁に走り出している映像が目に入った瞬間、「おい、植田!まだ一死やで!雄平の頭超えてから走れよ、、、??」
        と叫んでしまいました。
        映像で見る限り、雄平がダイビングキャッチするかもという、ギリギリの当たり。
        一点とれば勝ちのゲームで、まだ一死です。
        あれはタッチアップの場合でしょ!
        梅野はちゃんとタッチアップしてホームインしてますから、捕球体勢次第では、雄平が捕球後に、セカンドに投げられたらダブルプレーの可能性大です。
        植田はホームインする必要はないんですから、暴走ですよね。
        それを福留が指摘したと思っていたら、植田はサードベースも踏んでなかったんですか、、、
        traoさんが、北條のヒットの陰に植田の代走が効いたとのコメントにも、流石と納得しましたが、植田は野球を知らなすぎと言われても仕方ないのでは?
        ちょっと不安です。

    • 西田辺 より:

      らんとらさん
      Akira28さん
      返信どうもです。
      勝った勝ったと喜ぶのも良いんですが、細かい所から崩れてしまうのが野球。
      特に長いペナントを戦うプロ野球ですと、そういうところがキチンと出来るか
      否かで上下大きいですからね。
      まだまだ未熟なチームですから、こういうとこから大きく進めると思います。

  2. 虎轍 より:

    昨日は聖地甲子園で現地観戦でした!
    結果はご存じのまんまです!
    勝てて良かった!
    勝つ為に応援してますからね!(笑)
    勝ったどぉ~(笑)
    遥人は相変わらずのええピッチングでした。GJ
    あの強力ヤクルト打線を無失点で抑えましたからね。
    このカードで過去2試合は失点したけど、遥人は無失点なんですからね(笑)
    それもカード初戦の青柳が
    利いたのか?(笑)
    なにはともあれ、広島に3タテを喰らって、弱り目のヤクルトに3タテを返したのはGJ!
    この調子で交流戦までに6個の貯金を稼いでたいですね。
    ただ言うなら、ウエポン!打っても守ってもそれか?衰えるにはまだ早いやろ?頑張らんかい!
    弟は広島で頑張っとるんやから、負けるな!
    打率は低いながらも結果を出してる糸原が有利やな!
    今日は西と今永のマッチアップですが、今永の防御率1位の座を阻止するのがタイガースでしょ?(笑)
    なんでもかんでも止めてまうタイガースがヤクルトの連敗を止めなかったのは、そういう事でしょ?
    勝とうぜ!タイガース!
    今日は3連投のジョンソン、ドリスを休ませるために西が完封か完投、もしくは大量得点やで!
    頑張れ西!
    頼むよタイガース打撃陣!

    • 鳴尾浜トラオ より:

      あっ、藤川は2連投でしたね。直します。

      • 虎轍 より:

        torao様返信ありがとうございます。
        そういう意味では無くて…(笑)
        選手もtorao様も、虎馬鹿ファミリーもみんなが頑張ってますからね(笑)

  3. 虎ジジィ より:

    普段
    「サヨナラ勝ち」は物凄く興奮するのですが、昨夜は7回を球児が切り抜けた時点であとはPJ様とドリスなので、なんとなく確信がありました。

    先発遥人は
    初回先頭打者になかなかストライクが入らず「今日はアカン」と思いましたが、後続を抑え見事に立ち直りました。
    低めに丁寧に投げる投球は、しっかりコントロールされており「間違い」が起こり難い見事な投球でした。

    左腕の先発枠争いはガルシアも上がれば、遥人.岩田.岩貞.ガルシアの厳しい争いになりますが、今の遥人なら十分にローテの資格はあると思います。

    打撃陣、
    木浪の打撃に疲れが観られたのと、
    前日勝ち越しのお膳立てをした上本へのご褒美もあり、
    二遊間を上本&北條でのスタメン起用はオプションとして有りだと思いましたがなかなか機能はしなかったですね。

    守りの人マルテが、途中下手なベースカバーはありましたが、あのバックホームで一点を防いだのは大きかった。
    まあ打つ方は遊ゴロ×3、最後は上手く選んで(手が出なかった?)サヨナラに繋がったので良かったですが。

    北條も最後の打席で一本出て一安心。
    もしアレが無かったら脚のある熊谷あたりと入れ替えられたかも知れません。

    しかし、この3連戦は全て梅野が勝利に絡んでのモノでした。
    三塁ベースに当てたり、完璧なHR打ったり、牽制球を顔面で受けてサヨナラのお膳立てしたりと
    大活躍の3連戦でした。
    顔は藤井コーチが雑に拭いてあげてた程度なので大丈夫とは思いますが、本当に怪我だけは気をつけて欲しいです。

    決めた糸原はさすがキャプテン!
    一番良い場面で一番打てそうな打者に回ったのもラッキーでした。

    この勢いでホーム(笑)ハマスタでも3つ勝ってしまえー!

  4. こうさん より:

    迷わず顔面痛打の梅野に駆け寄った矢野監督。厳しいことを梅野に言っても身体は嘘をつけない。藤井コーチの「拭いてあげた俺、男前だろう?」というドヤ顔が堪らない。

    偶然にも現役捕手と元捕手の3人がカメラに収まった場面。今のタイガースを象徴する1シーンだった。

  5. とらかっぱ より:

    ロースコアの展開はタイガースペースと知りながらも、ハラハラの展開でした。789回は三連投トリオが仲良く自作自演でしたが、よく抑え切りました。特にドリスの場面が一番怖かったけど、バント処理も含めよく後続を切ってくれました。昨年までよりランナー背負った時の投球が落ち着いてきた感じがします。

    最後は糸原がよく追い込まれながらも振りぬきました。1球目見逃し2球目ハーフスイングでのファールでヤバそうな気配プンプンでしたが、ここでスイッチが入ったのか死んだフリだったのか(笑)文句なしのサヨナラ打でした。

    そのサヨナラの場面を作りあげたのはほぼ梅野でしょう。ファールになりましたが3球目のスタート(エンドラン?)がマクガフに与えたプレッシャーが、牽制悪送球をはじめ後続の出塁に大きく影響したものだと思います。エンドランなら作戦を立てたベンチの功でもあると思います。3連勝の文句なし立役者ですね。

    海はもちろん反省ですが、それを見逃さなかった福留の観察眼はスバラシイの一言。今後ともチームを見守り続けて欲しいですね。

  6. yalkeys より:

    広島戦の3連敗をチャラにした今回の3連勝はチームにとって計り知れない大きな出来事だと思います。投手陣の頑張りが嬉しいです。個人的には近本が一時の低迷を脱したことが嬉しいです。昨夜のレーザービームはチームのピンチを救うエポックメイキングなプレーでした。この勢いを維持して得意なハマスタ戦を勝ち越したいですね。

  7. いわほー より:

    シーズン前、センターラインがまったくカオスな状態でしたが、梅野、近本の軸がしっかり固まってきつつありますね。
    ショート、セカンドはまだ流動的な部分もありますが、当面は主戦は木浪ー糸原で、オプションとして上本、北條を使い分けしていけばよいかと。
    とらかっぱさんも書いてますが、単独なのかエンドランなのかマルテが打席の時に梅ちゃんが走ったのは驚きでしたが、後々ヤクルトバッテリーに動揺を与えて影響を及ぼしたように思います。
    ランナーを動かすと盗塁のアウトセーフでしか表に見えないけど、波及効果は想像以上に大きいかと。
    前々日の近本も一球目から走ってアウトになったことも、あれもあれで一球目からガンガン来る奴と相手バッテリーに刷り込んだことが後々効いてくるはず。
    野球って本当に深いね。

  8. ごま より:

    こんにちは。

    昨日は仕事の都合で生では見ることができませんでしたが、帰宅中スマホ片手に『ニヤリ』
    帰宅後に録画を9回裏から身始めました。
    福留の海に注意は見逃していましたが、グッジョブですねー。

    今日から横浜での三連線、勝ち越したいですね。まずは西と今永、狭い浜スタ、どういう展開になるでしょうか。

    今年の私の一押し遥人くん、勝ちはつかなかったけど、6回無失点、偉いぞ〜!

  9. ジュビロタイガース より:

    遥人が先発で、前回エラー連発の木浪が、今回はどうかと楽しみにしていましたが、出ませんでした、残念。

    映像は見れていなかったので、一球速報で北條がレフト前ヒット、守備はバレンティン。雄平の時は本塁突入したのに、止めるなんてどんな当たりか気になっていましたが、ニュースを見て納得。
    キャッチャーが捕れれば、多少逸れようが、肩が弱くても必ずアウトになりそうな位置で捕球してました。

    3試合連続の1点差勝ちのスイープ。広島は絶好調、ヤクルトは絶不調の巡り合わせだったでしょうか。タイガースは連勝連敗が短くて、もしかして1番安定しているでしょうか。

    今日はジョンソン、ドリスは使えませんが、得意のスタジアムで大勝や。

  10. Akira28 より:

    この3連戦は、ワクワク、ドキドキではなく、ドキドキ、ハラハラの連続でしたが、やあ〜みなさんおめでとうございます。
    藤川の投球にドキドキして、ピンチを切り抜けてシビれたと思ったらジョンソンもドリスもスターウォーズ以上のドキドキ、ハラハラからシビれる場合の連続で、最後は糸原がスカッとさせてくれました。
    そんじょそこらのアドベンチャー映画より、楽しいドラマの3日間でした。
    昨日の試合、個人的には、高橋遥人と近本、梅野にあっぱれ!をあげたいです。
    西田辺さんのコメント欄に書かせて頂きましたが、植田は猛反省ですね!

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