大山とタイミング

絶賛発売中の『二軍監督奮闘記』で小笠原さんに話を聞いたとき、印象的だった話はたくさんあるのだが、そのうちのひとつが「極論すればバッティングはタイミングだけ」というもの。
不調になるとスイングのフォームが根本的に崩れているような気がしてしまう。結果的に考えすぎてしまうと、スイングをいじってしまって、余計にスランプをこじらせてしまうが、冷静に考えてみれば、そのきっかけは「タイミング」にあるだけだった……そんなことが非常に多い。そもそも子供の頃から反復練習で身につけ、結果を出してきたスイングの基本的なフォームは、そう簡単に変わるものではないし、変えられるものでもない。
タイミングは、体調や疲労度、相手投手の攻め方による「錯覚」などによって基準が狂ってしまうことがある。シンプルにそこに気づければ正しく対処できるのだが、それをどこか自分のフォームに狂いがあるように感じてしまうと迷路にはまり込んでしまう――といった内容だった。
プロフェッショナルの技術や心理を追体験することはできないが、なるほどなあと思った。

昨年の大山は春先こそまずまずの滑り出しだったが、その後タイミングの修正に苦労していた。球を見過ぎて振り遅れて詰まる時期、タイミングを早めようと“見切り”でスイングを開始するが上体が早く突っ込むことでかえって間合いがとれなくなり詰まってしまう時期。詰まってもいいからイメージどおりに球を捉えようとする時期。これを繰り返した。
その結果として、「タイミングが合わないのに早打ち」、「なんでも打ちにいって、あっさり凡退」、「ずっと詰まりを修正できない」という形になってしまった。
そこには試合の趨勢を決める重要な打席で結果が欲しいという重圧もあったろう。チャンスで凡退し、チームを勝利に導けなかった責任を感じたこともあったろう。それによって生まれるタイミングのズレが、0.1秒なのか0.01秒なのかは知らないが、わかっていてもその場でできないということもいろいろあったろうと思う。

しかし、それが一生修正できないズレだとは思わない。もともとタイミングが合い始めれば、手が付けられないほど打ちまくるバッターだ。
自分の感覚の通りに体が反応できるようにすればいい。マッチング精度を高め、確実性を持続するるために、必要な運動器を鍛え、リズムを体で覚え、「運動神経」を完成させればいい。
大山の性格なら、それは必ず実現できるだろうし、そう遠い未来の話ではなかろう。


週刊虎バカクラブ
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6 コメント

  1. 西田辺
    Posted 2020年1月8日 at 10:18 | Permalink

    極端な話、プロの技術があればワンタイミングでポンポン放ってくる
    打撃投手の球が打ちやすいゾーンに来れば、かなりの確率で自分の
    思い描く打球が作り出せる。
    配球って、上下左右の2次元の投げ分けと投手の投球フォームや
    球の緩急と言う奥行きで3次元になります。
    よく右打者が外に逃げるボールで、腰砕けになって空振りをするシーンを
    見ると思いますが、あれは球の軌道でと言う要素よりも(それも若干
    あるのですが)ボールの軌道から反応した球種とタイミングが合わない
    方が要素としては大きい。
    いくら人並外れたスイングスピードを以てしても、ボールがバットに当たる
    位置になければ、例え100km/hのボールでもバットは空を切るだけ。
    大山の場合、一時期右方向への大きな打球が出て、そっちに意識が傾いて
    しまったのも大きいと思います。
    おそらくそれは、大山が本来持つタイミングじゃなかったのかも知れません。
    それでも、上手くやろうとするに連れてバットの軌道が内側からではなく
    外を回るようになり、変化球を引っ掛け真っ直ぐに詰まる悪循環に陥った
    と考えます。
    プロ野球は、ほぼ毎日試合があるので、どこかで大きく修正するのは難しい。
    そう考えると、器用と言ってしまえば器用なのですが、技術的な芯が無いとも
    言えます。
    過去の結果を出した打者は、大きな幹となるタイミング技術を持っていて、
    あとは応用力と対応力で乗り切っています。
    大山も幹となる技術を磨けば、きっと花開く打者になれるはず。
    楽しみにしてますよ。

  2. Posted 2020年1月8日 at 10:20 | Permalink

    「極論すればバッティングはタイミングだけ」実にシンプルでありますがここが出来てないとバットにボールは当たらない。結局はそういう事ですよね。

    小笠原さんはメットが飛ぶほどのフルスイングが代名詞でありタイミングがあった上でこそフルスイングに意味はあるのですが、合わなくても自分のスイングを崩さず恐れず空振りをする。これも大事なことだと思います。大山に限らずタイガースの選手はタイミングを外されそれでも当てようとフォームを崩していくパターンが多いように思います。投手にすれば自分の形でフルスイングする打者には恐怖を感じると思います。その為には何をすべきか。配球やクセの研究など色々あると思いますが、先ずは下半身強化のうえ自分のスイングを固める=素振りをしまくるって事になるのかなって思います。大山には左腰の開きと右足の粘りを意識した素振りをしまくって欲しいものであります。

  3. ジュビロタイガース
    Posted 2020年1月8日 at 11:26 | Permalink

    極論はタイミングでしょうね。バット当たらなければ何も起こりません。
    コンディション不良により、構えやスイングのブレがコンマ何秒のズレを生むんでしょうね。

  4. なかっち
    Posted 2020年1月8日 at 11:42 | Permalink

    タイミングを合わせるという意味では、配球を読むのも大事な事やと思います。
    マートンは毎回ベンチに帰るとノートに何かを書いていたと記憶してます。
    現DeNA監督のラミレスさんは各球団のキャッチャーの自分に対する配球を勉強していたとも聞きます。配球を読み、追い込まれるまではその球にタイミングを合わせて行くのも一つ飛躍するきっかけかもしれません。
    一番良いお手本が自分の後ろを打っている事に早く気付いて欲しい。福留は配球を読むのが本当に上手いから。

    後、大山は綺麗なフォームで打とうとし過ぎかもしれません。少し泳がされながら打ったホームランでも
    【良いフォームではなかった】
    とヒーローインタビューで言ってた記憶があるので、掛布さんも言われてますが、泳がされるのを怖がらないで欲しいです。
    今年は配球を読み、タイミングを合わせ、フルスイングをしてレフトスタンドに放り込む大山の姿をたくさん見たいですね。

    【今年の大山打つんだ】

  5. いわほー さんのアバター いわほー
    Posted 2020年1月8日 at 12:28 | Permalink

    「詰まることを恐れるな」という言葉を解説者の話でよく聞くことがありますが、素人の私にはその真意が良く理解できませんでした。
    でも、今日の小笠原さんのタイミングの話を聞いて腑に落ちたのは、詰まることを恐れるとインパクトの瞬間、微妙なタイミングに影響を及ぼすからなのかなと。
    藤浪投手の迷いも、ボールが指先からリリースされる瞬間、コンマ1秒に満たないわずかなタイミングだけの問題なんでしょうか。
    迷いが生じた打者や投手へのアドバイスはシンプルな言葉が一番有効なのかも。

  6. 虎轍
    Posted 2020年1月8日 at 16:59 | Permalink

    大山は秋季キャンプでいっぱい振り込んだでしょうね。
    ファン感の時のホームベース5M後方からロングトスバッティングでレフトスタンドに放り込んでましたからね。
    ああいう打ち方をしたら今年は結果を残せると思いましたから。
    ただ、綺麗に打とうとし過ぎてるだけやと思うんですよね。
    自分のタイミングでガムシャラにバットを振れば打球は飛んでいくんですよ。
    バットの下に当たればゴロになる。それでもヒットコースに転がればヒット。
    投手も低めに投げてゴロを打たそうとする。
    それに打ち勝てば打率も残せます。
    大山よ。タイガースの歴史に名前を残す打者になれ!

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