「結果論」の物言い

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結果論、結果論。藤浪や阪神球団への批判をまともに受ける必要はない。
なんで、国会やら地方議会やらで代表者が密室に密集して、カンカンガクガク議論するのは許されるのか。
なんで、首相記者会見の密集は許されるのか。
なんで、テレビの生放送の討論番組は許されるのか。
なんで、なんで、なんで……。

その理由は、それぞれの自己管理がしっかりしている(という前提だ)から、てなもんだろう。
でも、もしも結果としてそこが感染源になれば、それまではまったく「おかしい」とも「やめるべき」とも思っていなかったことが、「信じられない」「ありえない」に変わる。そんなもんだ。

そんな映像をテレビで垂れ流すことによって、知らず知らず「人が集まってワイワイガヤガヤすることが問題なのではない。真面目なのはOK」「この非常時に遊んでいるのが不謹慎。ましてや異性交遊など論外」というイメージが人々に刷り込まれていく。実に有害極まりない。
しかもそのことに多くの人が無自覚だ。

ひるがえって藤浪は、若い人たちだって感染し、意図せずともウィルスの媒介になってしまうこと、それには嗅覚・味覚障害というサインがあること、感染すれば結果として所属組織に迷惑をかけてしまい、苦しい立場に追い込まれることを身をもって知らしめた。これは大衆にとって有益だったことこの上ない。
しかも、自分に実害が及ぶのは必至だが、それよりも公益を優先すべきと判断してやっている。極めて自覚的だ。

「外出禁止を通達していなかった阪神球団が悪い」の構図も同じだ。
今のように首相や首長が「自粛要請」を声高に叫んでいた時期でもない。確かに、他球団は「外出禁止」を通達していて、それは立派な危機管理だったのかもしれない。しかし、それをやっていなかった阪神に大きな落ち度があったということでもあるまい。阪神は昔から選手のプライベートまで拘束するタイプの球団ではないし、それが球団の個性でもある。
管理が甘いのそしりは行き過ぎで、「不謹慎だ」に近い。本当にみんな、そんなに会社に管理されたいのか?本当にみんなあの時期に会社から「外出禁止」と言われたかったのか?

今は叩くなといったって、結果論の物言いに無自覚の人には無理なのかもしれない。しかし、やがて少しの時間が経てば大きく変わることもあろう。この2週間でグレーが真っ黒に変わったように、判断基準はどんどん変わっていく。そこに気づいている人と、気づいていない人の差。それこそが、結果論の物言いを自覚している人と、そうでない人の差だ。

コメント

  1. より:

    ホントにそう。
    ここ1日2日こそ鳴りを静めているが、
    「経済を廻せ」や「過剰な自粛は不要」といった主張も沢山あった。
    とにかく無事に元気になりますように。

  2. 西田辺 より:

    今回のような短いスパンでの事象もそうですけど、はるか昔の事を現代の
    価値観に当てはめて「けしからん」と物申す人が多いことに恐怖さえ覚える
    時があります。
    ネットなどに上がっている各球団の対応も、主に遠征時の行動であって
    本拠地(自宅・寮)での行動まで全て規制できていたかは甚だ疑問が残る。
    一番嫌なのが、同棲していた女性まで感染していたという事で、一気に
    スキャンダラスな方向へとマスコミの論調が流れること。
    こんな時は、普段阪神でたっぷり売り上げを伸ばしている媒体も容赦なく
    そっち方向に舵を切りますからね。
    記事が面白ければ(ちっとも面白くはないですが)、売れると見れば情け容赦
    なく攻めてきますから。
    普段普通に生活してたって、すれ違う人が無自覚無症状の保菌者と言う可能性
    は全く否定できない。
    それは私だって、同じこと。
    感染す側にも感染される側にも、今日にだってなる可能性は十分にある。
    国や自治体からの要請や命令も大事だけど、各自の「当事者意識」が今一番
    求められてると思いますよ。

  3. ジュビロタイガース より:

    大阪府が公表することかなあ?

  4. 虎轍 より:

    結果論。
    結果論だけで野球の解説をしてる評論家も居ますね。
    結果論だけでコメンテーターとしてTVで喋ってはる人も居ますね。
    コロナウィルスがこんなにも全世界で蔓延するなんて誰も思わなかったでしょうね。
    私も早く終息して、プロ野球が早く始まって欲しいと思ってました。
    ラグビーやバスケットは中止。五輪は延期になり、サッカーも延期、果たしてNPBはどういう判断を下すのか?
    頑張ろう!日本!
    頑張ろう!世界!

  5. DAN より:

    ほんとそうですね。
    自分も知らず知らずに、そういう物言いになってしまっていたかも知れないなと気付かされたような気がします。
    しかしまぁ、早く平和に野球が観れる日に戻って欲しいなぁ。

  6. なかっち より:

    イギリスのジョンソン首相も感染しました。
    トラオさん仰るように国会は良いのか?テレビ討論は良いのか?となってくる。
    私も含め明日は我が身という気持ちを常に持っておかないとダメですね。

    地元の話で恐縮ですが、現在島根県では幸いにも感染者は出ていません。
    そんな中、金曜日に東京から観光客が島根県に遊びに来て、地元テレビ局のインタビューを受けてました。
    東京は外出自粛要請が発令されたばかりなのに、その方は平気な顔で
    「外出自粛は週末で、島根は感染者が出てないから安心だと思って来ました。」
    と答えてました。
    こういう意識の低い人が感染を拡大させるのかなと憤りを覚えました。

    • なかっち より:

      先程YouTubeの動画を見ていたのですが、そこで驚いたのは、
      警察官は絶対にPCR検査には行かないということでした。
      何故か?
      もし1人でも陽性反応が出たらその部署の人達は全員が濃厚接触者になり、最低2週間の自宅待機を言われます。そうなると警察組織そのものが機能しなくなります。他の部署の人達にも感染者が出る可能性もあり、そうなると警察機関崩壊を招く可能性があるため熱があっても絶対に公表はしないのだとか。
      その動画で語られていたことが本当かどうかはわかりませんが、今各病院での院内感染が増えてきているのを見ると、警察組織での感染が今後増えても不思議ではないですね。
      入院している藤浪、隼太、長坂は軽症なら自宅待機にした方が良さそうかなぁなんて勝手に思ったりもしています。

  7. きびだんご より:

    うーん…確かに3月14日は、昨日今日と比べるとかなり状況が違ったということはそうだと思います。
    ただその時、タイガースの選手が多人数でホームパーティーに参加したことに対し、反省を求める声は「結果論」でしょうか?
    時系列を振り返ってみても、全国で小中学校が休校になったのが3月2日前後でした。そこからセンバツ開催是非の議論が高まって、3月11日に中止が決定。この背景には3月10日前後に兵庫県内で医療機関、老人施設(伊丹市)、こども園(神戸市)など複数の集団発生があり、兵庫県、特に阪神エリアがかなりの緊張感に包まれていたことも関係していると思います(私自身が阪神地区在住のため、そのあたりは肌で感じていました)。
    先日のコメントと被る部分があるかもしれませんが、14日の時点で日本中の野球少年が基本的に自宅で過ごして野球を我慢している状況。そのことがプロ野球選手のオフの時間の過ごし方と何の関係があるか?についてはいろいろな考えがあってよいと思います。
    私は個人的に中学生・小学生2人の子供達が野球をしており、プロ野球選手、特に人気球団のタイガースの選手という存在の影響力はプレイだけではなく、報道で垣間見える私生活も含めてとても大きな存在だと感じております。
    だからこそ誰かが「これ、ひょっとして今自分達が感染したら大変なことになるんじゃないか?」という想像力を持っていてくれたらなぁ…と残念に思うのです(そういった意味では、我々小市民が3月14日に外で飲食することと同列に語ることはやや無理があるように思います。これはいろいろな意見があると思いますが)。
    トラオ様がおっしゃるように、誰だって組織にプライベートな時間への介入はされたくないでしょう。
    プレッシャーの大きな仕事故、リラックスのためにプライベートで羽を伸ばす時間も必要です。そう言った点で他球団に比べて選手の自主性を重んじるタイガースの方針は私もどちらかというと賛成でした。
    ただ、繰り返しになりますが3月14日の段階で本当に多人数のパーティーに参加すべきだったのか?
    そこに反省の余地は無いか?
    本当に結果論なのか?
    選手の自主性を重んじるにあたり球団はどこまで選手に感染リスクを教育していたのか?
    落ち着いた段階で再考の余地があると私は感じています。

    まずは3人の選手が早く退院し、チーム内での感染、ドラゴンズ他関係のあったチームへの感染が広まらないことを祈りたいと思います。
    この件についての私見はここまでにしますが、批判的意見の中にはただ煽りたいアンチも居れば、真剣に応援してきただけに残念だと感じているファンもいるのだということがつたわれば幸いです。
    トラオ様、毎日の記事を楽しみにしております。
    長文失礼しました。

    • 鳴尾浜トラオ より:

      おっしゃるとおり、反省の余地は大いにありました。そして、おそらく選手たちも球団も、みんな大いに反省し、激しく後悔しているでしょう。
      でも、もしも誰も感染していなかったら、「あのときはけっこう危険だったな」くらいで、それほど反省に結びついていないでしょうね。球団にいたっては感染がなければ、問題行動があったことすら知らないので、反省するはずもありません。
      国会議員など人々の上に立つリーダーたちであったり、人々を啓発すべきテレビ番組でも、いまだに感染リスクの高い行動をとっています。まさに大いなる想像力の欠如だと思います。彼らも、感染という結果が起きるまでは、反省も後悔もしないでしょう。感染すると思っていないからです。
      私がもっとも言いたいことは、すでに失敗をして大いに反省して後悔もしている人に、「もっと反省しろ」「もっと後悔しろ」というのはタイミングが遅すぎて意味がない(=結果論)ばかりか、害悪があるということです。
      通常は、問題行動があれば批判も大いにけっこうなのです。ところが、コロナはすでに感染してしまった人を批判すると、あまりいいことはありません。これから我々すべての人たちが感染するリスクがあるのですが、あまりに激しく批判が渦巻いていると、どうしても隠そう隠そうという方向に流れます。また、いわれなき差別を生む原因にもなります。それならば、適切な対応を褒め称えたほうが、結果としていい方向に向かうと思うのです。もちろん失敗した人に対して「再発防止策を考えろ!」は建設的なことですが、それとてさすがに言われなくてもやっているでしょう。
      この件について、繰り返し主張しているのは、こういう考えがあるからです。

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