企業名はカッコワルイ

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 プロ野球の球団名から、なんとか親会社の名前を外してもらえないだろうかという話。


 なぜ外してもらいたいかというと、カッコワルイから。ナベツネと川淵チェアマンが喧嘩して、Jリーグは企業名を入れなくなったのは大昔のこと。企業名が入らないのはカッコイイと思った。その後生まれるいろんなプロスポーツのチームには、企業名が入らないのが普通だ。
 なんでカッコワルイのかというと、「なーんだ宣伝か」になっちゃうこと。TV見ていて、とっても面白いことやっていて、ぐっと引きつけられて見ているんだけど、最終的にそれが特定企業の商品紹介だと気づくと、「なーんだ宣伝か」とガックリ来る。でもガックリ来ないで、まんまと乗せられる人も大勢いるだろうし、宣伝だってことを承知した上で、商品を購入する人もいるだろう。
 野球の場合も、何も考えずに楽しめているうちはそれで良いのかも知れないが、ここまで産業構造の問題を感じてしまうと、宣伝であるということを承知した上で楽しまなければならないということだ。そんな訳知り顔をしなきゃいけないこともカッコワルイ。
 私は野球が好きだし、プロ野球も好きだし、選手たちも、球場も好きだ。だから野球を応援しようという意志を持ってお金を出している企業も好き。地域の球団を応援しようっていう志を持った中小企業なんて大好き。だけどもし、日本プロ野球の将来にはたいして関心がなく、「知名度向上」だけしか考えていないのならイヤだな。球団名に親会社名が入るということは、そんな「イヤ」を純粋培養したようなものに感じるのだ。だからカッコワルイと感じるのだ。
 もちろんそこに双方の思惑がある、あったということは承知している。プロ野球発展のためには出資する企業と資金が必要で、球団名の宣伝効果がその背骨だ。野球全盛時代に育った私だから、その効果のものすごさは良く知っている。小学生にとって、球団名12すべて言えるかどうかは一般常識問題入門編みたいなもんだった。恐ろしい宣伝効果だった。
 それは今も変わらない。携帯電話もPCも触ったことのない人でも、ソフトバンクや楽天を知っているという人は大勢いるだろう。何をやっている会社かは知らなくてもね。
 しかし、その宣伝効果があるために、プロ野球は「思考停止」に陥っているのだ。
 名は体を表しちゃう。企業名がついている限り、「プロ野球=企業の宣伝」。その企業は「なーんだ宣伝か」のあっち側の人。
 同じことをしていてももし企業名を外せば、その瞬間にその企業は、チームに出資して、チームを支えるスポンサー。一気にこっち側の人になる。
 これからの時代の宣伝は、いかに「こっち側」であるイメージを作っていくかだと、思うんだけどな。チームから企業名を外す勇気ある企業が出たら、大絶賛するよ!
 阪神…は?大阪タイガースに戻す?だけどあそこ大阪ちゃうし(笑)。兵庫?西宮?甲子園?ピンと来ないなぁ。やっぱり「阪神地区」の阪神が一番ぴったりやなあ。まあその場合は、経営統合もしたし親会社を社名変更した方が早そうだな。「タイガース電鉄」とか、あ、それじゃまた一緒か。いや意味が全然違うね(笑)。

コメント

  1. メル より:

    えー、そうですかー?
    プロ野球に興味なかったから、12球団を言えるようになったのは20代だし、「プロ野球=企業の宣伝」とは思ってないですよー。球場で新聞売りや、携帯売り(笑)が回ってくるわけではないし・・・。
    それより○○提供「他球場情報」○○提供「スピードガンコンテスト」というほうが聞いて興ざめしてます。こんなのまでねバラ売りしてるのかと。
    五輪にも出ないマイナー競技の監督さんが、企業広告つけたウェア着たいなぁ。と言ってたのですが、今や企業も広告出す余裕なさそうですねぇ。

  2. ジジィ より:

    私は、阪神タイガースはずっと、「阪神タイガース」でいて欲しいですねー。

  3. run より:

    「横浜ベイスターズ」は企業名がない球団ですよね。
    でも、「チームに出資して、チームを支えるスポンサー。一気にこっち側の人」
    という感じがしないというか、他の球団とあまり差を感じないのはなぜでしょう・・・
    各球団が自分のチームのことだけでなく、プロ野球全体のことを考えて行動していれば、
    企業名はついていてもついていなくてもどちらでもいい気がします。

  4. wr29 より:

    私は球団名含め、企業がプロ野球を使って宣伝をすること自体には全然抵抗がないですね。が、その宣伝の仕方が球場に通う(あるいはテレビで見る)楽しみを損なうようなやり方はやめてもらいたいなあと思うことがたまにあります。例としてはおかしいかもしれませんが、今年改修された神宮のスコアボード。以前の「常時打率・HR数さらし欄」を見て「エッ、阪神ってまだ2ケタHR金本だけ?すっくなー」だの「吉見の打率高いなー」だの言うのが楽しみだったのに、あの場所を「マ○ナビ転職」に乗っ取られてしまい、寂しい思いをしました。逆に、千葉マリンの宣伝なんかはお気に入りです。四球で歩くと、「Walk!」→靴のアニメ→紳士靴の宣伝、とか(笑)、スピードガンと一緒に一瞬だけ表示される「136km お口スッキリ」とか、それ効果あんの?とツッコミたくなるものまで・・。宣伝効果を狙う企業側にも、野球を楽しもう、盛り上げようという意志と配慮が感じられれば、ファンにも受け入れられるのじゃないかな、と思います。

  5. 一虎ファン より:

    ジャンルを問わず、有名選手のウェアには企業ロゴが花盛りです。あれもあまり格好いいものではありません。Jリーグのユニもしかり。
    ただ、百年に一度の恐慌と言われる現況は、プロスポーツにとっても厳しい時代です。とにかく金を出してくれさえすればありがたいということになるのではないでしょうか。

  6. 西田辺 より:

    企業の宣伝媒体。
    これが日本のプロ野球の成り立ち。
    近年、地域名+経営母体+ニックネームを名乗るチームが増えたが、純然たる地域+ニックネームは横浜ベイスターズのみ。
    (阪神は企業名であり地域名なので省きます)
    地域名が付かないのが3球団(讀賣・オリックス・中日)。
    はてさて、この企業名を外すには経営形態の変更、それに代わるオーナー企業のメリットの開拓。
    その他諸々と、かなりの労力を強いる事になる。
    ただこのまま手を拱いていても、この不況下や数年前の球界再編騒動が完全に収束していない現状で事態が好転するとも思えない。
    「プロ野球チームは誰のもの?」論議を真剣にするべき時が近々また訪れる気がします。

  7. torao より:

    メルさん、宣伝と思わないうちに企業名を覚えてもらえるのだから、こんなに良い宣伝はないわけです(笑)。
    ジジィさん、私はずっと阪神が運営の中心でいられたら良いなぁとは思いますが、その看板を下ろすことでもっとたくさんの応援、協賛が得られるのなら、その方が良いと思うのです。
    runさん、そうそう。どちらでもいいからこそ、「外してみない?」と思うのです。ベイスターズについて、本当はその英断をした(せざるを得なかった)のはマルハです。でもそのおかげでマルハが身売りした時、ベイスターズファンは悲しい思いをせずにすみました。TBSは仕方なく買ったというのもあって、あえて社名を入れ直すことを避けたのでしょうね。
    wr29さん、もっと企業の宣伝を活用したいからこそ、企業名を外して、12企業による独占市場をやめて欲しいと思うわけです。1企業が単独で球団を所有するのは非常にきつい。TVから一社提供番組が減っているようにもっと自由度と流動性のある球団所有形態が必要だと思います。実体面ももちろんですが、球団名はその象徴的なものだと思います。
    一虎ファンさん、広告なしはあり得ませんね。要は、企業にとってもそれが好感をもってもらえるような支援であり、宣伝でなくてはいけないということでしょう。
    西田辺さん、あ、まだ「東洋」ついてるんや的なカープも入れたいんですけどね(笑)。「会社は誰のもの」がようやく議論されはじめて、なんとなく実感がわいてきた今、ファンも出資者や球団との関わり方をもう一度考えるべき時だと思います。

  8. コミィ より:

    巨人ファンは巨人と呼ぶのに、他球団のファンはわざわざ讀賣と難しい方の名前で呼ぶあたりにも一つのヒントがありそうです。

  9. 虎之介 より:

    よく分かります!
    だから僕はブログで、「阪神」はつけないようにしています。タイガースで、いいじゃないか?って思ってw
    地域密着を望んでいるので、
    地域名は入れてもいいと思いますけど。
    その代わり、ユニフォームにいっぱい企業が付いても、それはそれでいいんじゃないかと思いますし。
    閉塞感が、まだまだ残ってますねぇ。
    政治、官僚、大企業、銀行…既得権益の塊ですもんね、日本って。同じように野球も…。
    大体、アマとプロの問題なんて…
    っと、話が長くなりそうなので、この辺で。
    失礼しました。

  10. よう より:

    私も企業名はカッコ悪いと思います。日本の球団名には大分慣れているので、あまり違和感がないように感じられますが、韓国や台湾のチーム名を目にすると、宣伝的な側面がとても目に付きます。そういう意味で、日本の球団名も外国から見たら企業主導の物として捕らえられているのではないでしょうか?
    地域名のほうが絶対に潔くて感情移入をしやすいと思います。

  11. イアン より:

    その成り立ちと発展の過程において、各親会社の役割は欠かせないものであったのはどうしょうもない事実です。昭和の日本の歴史の一部でもあります。
    歴史上の功績を鑑みて、いまだに独自の運営ができない球団がスポンサー企業=球団名というのはそんなに悪では無いと思います。
    投資に対して最大のゲインを得ようとする企業の姿勢というものに対しても、それほど悪の部位が含まれてると感じる人は多くも無いと思います。
    又、商品と球団を同じ地平で愛着を持つという構造も、今日までの歴史上、結構好感を持って受け入れられてた気もします。
    私らが生まれた時からこういう風だった球団と親会社の関係に対して、上記のような気持ちから、今のままでも別にそれほど不満には感じませんね、私は。

  12. 一応巨人ファンです。 より:

    どうも権利と義務とか受益者負担といった感覚がまったくないようですね。
    世の中ただでお金をもらえるわけは無く、金銭や役務があればその対価を求められる事は必然ですよ。
    自分は何もしないけど金をくれ、金を払わないけど宣伝してくれ、そんな話は通らない話、もし通ればそこには支配と依存という関係を生むのです。
    自立していこうといならともかく、一方的な負担を求めるのなら、それは一番不健全な形ですよ。

  13. torao より:

    コミィさん、あれはなんなのか私にはよく解りません。蔑称的に使っているようで、すごくキチンと宣伝してあげているようで(笑)。私がヨミウリと書く時は、大戦力のジャイアンツに対してイライラしたり、ムカムカしたりしている時です。
    虎之介さん、たぶんそれは「美意識」の部分だと思うんですよ。企業名が入らない方が単純にカッコイイという。
    ようさん、韓国、台湾は日本システムを真似したのだそうです。成長途上の国において、一企業から一気に大量の投資をさせるためには有効なシステムだったとは思います。でも結局その3カ国のプロ野球は、そろって辛い状況にあると思います。不況になれば、どのプロスポーツも辛い。それは当たり前ですが、ことのほか日本プロ野球型はしんどいと思います。
    イアンさん、これまでは仕方なかったが、将来的にはどうだろう、あるいは、悪ではないがベストではない、そういう話をしています。将来に渡って、発展可能なシステムはどんなものだろう、そういう話です。
    一応巨人ファンです。さん、もちろんわかってて言っています。おわかりと思いますが、この主題は一企業の「受益者負担」だけでは、このシステムはもたないということです。失われる一方の宣伝効果と、親会社からの赤字補填に頼る構造ではもたないということです。プロ野球の受益者は、出資者だけではない。そういう話をしています。そうでなければ、球団名に企業名を入れていないMLBその他、世界中のプロスポーツ(除く、日本、韓国、台湾のプロ野球)の成功を説明できませんから。

  14. あーちゃん より:

    企業名をチームに入れることは是か非か。サッカー系の人間は、97年フリューゲルスが消滅した「Jバブル崩壊」のとき、さんざっぱら議論したんですよね。
    結論は、「チーム名には入れない、そのかわり広告を入れられるものなら何でも入れる」となりました。結果、Jリーグでは、ありとあらゆるものにスポンサー名やロゴが入ります。大きいものはホームスタジアムから、小さいものでは選手が負傷したときに乗る担架の裏にさえも(笑) でもって試合前、「担架のご提供は○×接骨院です」とか言いながら、担架ボーイが担架のロゴを見せつつ場内を一周するんですよ。あの営業魂には頭が下がりました。
    Jバブル崩壊のときにサッカー関係者が学んだこと、それは、「特定企業に頼れば、チーム消滅に抗う方法はない」ということです。プロ野球関係者も近鉄消滅の際に痛いほど思い知らされたと思うのですが、イーグルスができてチーム数が減らなかったことで逆に印象が薄くなっちゃったのかな。
    私は「企業名=悪」とは思いませんが(そうすることで企業が広告費としての支出が容易になるので)、なるべく特定企業に頼らない運営を目指すべきだとは思います。
    ただ、「阪神タイガース」の「阪神」は、すでに企業名の枠を越えて大阪?神戸周辺という地域名になっちゃってるんですよね。本来は「大阪タイガース」だったらしいですが、今更タイガースを大阪だけのものにできるとも思えませんし……微妙な問題ですねぇ。
    J開幕当初、今は亡きフリューゲルスのスポンサーだった佐藤工業(中堅ゼネコン)の社長が、「どうして鹿島と清水は名前を出せてウチはだめなんだ!」と叫んだ逸話を思い出します(笑)

  15. torao より:

    あーちゃん、いつも面白い話をありがとうございます。すごくわかりやすいです。

  16. 魂花 より:

    企業名は廃止したいですね。
    地方名が冠されて、「おらが村の球団」って方がみんな燃えますよ。
    タイガースの人気は、さりげなく広域地域名「阪神」があるからでしょう。
    ヤクルトと読売のどちらが「東京」を名乗れるのか、は微妙ですが、「東京ジャイアンツ」なら、上をいって「関東スワローズ」でいけばいいでしょう。
    俺がオリックスのオーナーなら「近畿バファローズ」あるいは「関西バファローズ」にしますね。

  17. 一応巨人ファンです。 より:

    球団名に企業名を入れていないMLBその他、世界中のプロスポーツ(除く、日本、韓国、台湾のプロ野球)の成功
    簡単な話だと思いますよ。収入に応じた経営、収入に応じたレベルの野球を見せれば、可能でしょう。結果NPBはメジャーの人材供給地、独立リーグ扱いとなり、トップ選手はことごとくアメリカに行く低レベルなリーグに堕するでしょう。Jリーグのように。
    それを成功とみなして、どんなに低レベルでも自立として生き残るのを成功とみなすなら、それもありだと思います。
    私は企業名を入れてでも、ネーミングライツを入れてでも、今のレベルを維持向上する方向が反映だと思っていますので、ちょっとそれは成功とは思えないです。そこに名前を入れることで企業から多額のお金を引っ張れるなら、むしろ積極的にいれるべきですよ。
    親会社の名を外したTBSに、いったい何のメリットが生まれたのか、別に何もいいことは無いのではないですか?
    一企業の受益者負担では持たないなら、複数企業からお金を入れる方法を考えるべきで、それは現在のオーナー企業の名を外すというのと排反事象なのでしょうか?一番の金ずるを外さなくても、方法はあると思いますよ。
    名前を外すことの経済的メリット、これを明確にせずただただ最大の金づるを外すというのは、あまりに無理があると思いますよ。外したいチームが外すのはかまわないですが、現在の親会社よりもっと金を呼び込む方法を考えないと。そしてそのために企業名を外す必要があった時、はじめて外すべきかどうかの議論があるのであって、金の呼び込み方に比べれば企業名がついているかどうかなんて瑣末な部分、話が後先になってしかもどうでもいい部分が中心になっていますよ。
    なんとなく外したいではなくて、その具体的なメリットがないと意味ないですよ。
    だいたいファンだって企業名外野なら勝手にチーム名で呼ぶでしょう。巨人は巨人と呼ばれるし、別に日テレが巨人のことを読売と読んだりしないでしょう。一方阪神は多くの人に阪神と呼ばれ、愛されています。現状で問題を感じないし、”一企業の「受益者負担」だけでは、このシステムはもたない”ということの解決策には全然つながらないというか関係ないように思えます。仮に一企業でもたないとして、それではチーム名を外すことでどう金につなげるのですか?なんとなくかっこ悪いから外したい以上の話につながっていかないのですが。

  18. torao より:

    魂花さん、それは面白い!(笑)。
    一応巨人ファンです。さん、伝わらなかったようですが、最大の受益者負担をすべきはファンだっていう話がしたいんですよ。球団のあり方が、一企業の所有物から脱皮した時に、複数のスポンサーからだけでなく、より多くのファンから支援を受けられるのではないか、これが理想の形ではないかってことです。あえて「カッコワルイ」という言葉で伝えたかったのはそのことです。もちろん大口出資者を切り捨てろという意味ではありません。メリットのないところからどんどん外したらいいじゃないですか。「読売」なんて誰も呼んでないのだから、東京ジャイアンツって言えばいいじゃんと。もう古くから球団をやっているほとんどの企業は名前を入れているメリットなんてないでしょう。球団名に社名がなくたって例の税金優遇は受けられるのでしょう。まあ、どこから始めれば良いか、その答えの一つだという話ですよ。それとJリーグは、順調に発展していると思いますよ。ジリ貧よりはずっと良いんじゃないでしょうか。

  19. あーちゃん より:

    でしゃばりの長文の横レスですが、「一応巨人ファンです。」様へ。
    サッカーが本職で祖母の代から続く阪神ファンで、スポーツは押しなべて見るのが大好きなあーちゃんと申します。
    「チームが企業名を外し企業の支配下から抜け出すことによる明確なメリット」の実例が、Jリーグでは確実に1つはあります。
    2000年、浦和レッズの大口スポンサーであった三菱自動車工業で、大規模なリコール隠しが発覚しました。自動車メーカーとしては許されざる行為で、その後の対応のまずさもあり、会社存亡の危機に。
    もしあのときレッズがまだ「三菱自工サッカー部」のままだったら、よくてリーグ参加自粛、悪ければ廃部の憂き目をみたでしょう。クラブチームとして独立していたからこそ、レッズはあの事件に影響されることなく、むしろ大口スポンサーへの依存度を減らし、経営をより健全化することができました。まあ、世界でも屈指と言われる人気チームだからこそできた芸当であることも確かですが。
    逆に、企業の不祥事や経営不振に巻き込まれて実績あるスポーツチームが姿を消した例は枚挙に暇がありません。記憶に新しいかどうかは微妙ですが、雪印の不祥事によるスキー部廃部などもありましたよね。スキー部には何の落度もなく、充分な実績があったにもかかわらず、廃止されました。もしスキー部が独立したクラブチームで、他のスポンサーを探す余地があったらあるいは…とも思われます。
    ソフトバンクに買収される前のダイエーホークス、そして西武が経営不振に陥った後のライオンズがどれだけ危うい思いをしてきたかも、忘れるべきではないでしょう。小久保なんか出稼ぎにまで行かされたんですから。
    「チーム名に企業名を入れる=命名権を買う」というビジネスモデルが確立していればいいんです(そうすればもしかしたら近鉄バファローズは助かったかもしれない)。ただ、現在のプロ野球のあり方では、「企業がチームを所有している」という証拠ですよね。
    その形では、第2の近鉄バファローズが出てきたときに、消滅に抗う術がないんです。ファンがあれだけ声をあげ、選手会がストを決行してなお、近鉄バファローズの消滅は止められなかったんです。
    「特定企業に頼らない」「特定企業の傘下から抜け出す」ことの大切さを、プロ野球ファンの方にも理解していただきたいと、Jリーグバブル崩壊を見た野球も好きな人間は、切に願うものです。
    toraoさん、長々とごめんなさい。うっとーしかったらこの長文消していいですからね。

  20. G3 より:

     うーん、今回の主張はちょっと古い気がします。
     確かに、Jリーグに勢いがあって、プロ野球に勢いがなかった時代には、こういう主張は凄く説得力がありました。『企業名ではなく、地域名がそのままチーム名になっていることでJリーグは地域密着ができている』といった主張ですね。
     しかし、今ではパリーグを中心に、企業名と地域密着は両立することが分かってしまったわけですね。日本ハムや楽天も見事に地域に根付いてるわけですから。
     これって凄く良い状況ですよね。
     企業名が入っていてもファンは応援するし、親会社にしてみれば宣伝効果が大きいわけですから、より資本を投入しますよね。そしてその恩恵を受けるのは選手であり、ひいてはファンなわけです。いわゆるWin-Winの関係ですよね。
     むしろ企業名を外すメリットを感じられないです。
     >企業名がついている限り、「プロ野球=企業の宣伝」。
     これこそ、思考停止のような。。
     大事なのはファンがどう受け止めるかじゃないですか?大方のファンは、特段ネガティブな感情を持ってないと思います。
     企業名を外せと言うのは、球界の発展のためと言うより、むしろtoraoさんの個人的な思想信条から来ているように感じました。

  21. G3 より:

     横やりですが、あーちゃんさんへ。
     企業名が入らなかったら、楽天はプロ野球に参入しなかったと思いますよ。
     これは企業名があることによって、プロ野球に良い結果が生まれた例ですね。
     それと、スタジアムの建築やチームへの出資金などに税金が注入されているJリーグと、ほぼ民間資金で運営されているプロ野球とは状況が異なるので、Jリーグの論理でプロ野球の企業名を批判するのはちょっと違うと思います。

  22. あーちゃん より:

    横ヤリに横ヤリで失礼ですが、G3様へ。
    私は「企業名=悪」だと主張しているわけではないのです。
    むしろ、「命名権売買の結果としての企業名」ならば、企業とチームの幸福な共栄の結果だと思っています。もしかしたら、そうした形でより幸福になれるチームが、Jリーグの下のほうにはあるかもしれないとすら思います。
    批判したいのは、「企業の都合でチームが消滅する状況」です。フリューゲルスもバファローズも「企業の都合」で、現場の選手や関係者やファンの抵抗空しく消滅しました。それがどんなに悲しいことか知っているから、できることならそうした悲劇を繰り返さないですむ状況であってほしいのです。
    チームは一企業に独占されるのではなく、多くの人によって支えられるものであってほしい。親会社という親亀の上で一緒にコケる小亀ではなく、メインスポンサーという企業と対等な立場であってほしい。
    その上でなら、命名権売買により企業名がチームに入ったとしても、それは正統で幸福な取引だと思います。
    あ、ちなみに楽天は、企業名が入らなくてもJリーグにチームのメインスポンサーとして出資していますよ。
    「シブチンのくせに負けると怒る」「そんなに勝たせたいならアブラモビッチ(世界最強クラブの1つチェルシーのオーナーでロシアの石油王)くらい金出してみろ」とかいろいろ言われてますが(笑) とりあえずヴィッセル神戸を解散の危機から救ってくれた三木谷さんには感謝しています。
    現在のNPBは、ご指摘の楽天など地方チームを中心に地域密着が進みいい結果を出しつつあります。これはとても幸いなことです。
    しかし、この不況下、いつチーム経営を投げ出す会社が現れないとも限りません(この点ではJリーグの方が、外国との取引の多い大企業が中心だけにヤバいという話もありますが)。
    そうした時に、各チームが、どんなによたよたしてもいいから、自分の足で歩ける下地を作っておいてほしいと思うのです。

  23. torao より:

    G3さん、これは古くて新しい問題なんですよ(笑)。新規参入障壁の高さ、身売りの難しさ、それらによって近鉄バファローズのすべての記録と歴史は途絶えてしまいました。12の保護されたオーナー企業に寄り合い所帯は、なかなか変革した姿を見せません。私には企業名の入る球団名はその象徴のように思えるのです。
    例えばニッポンハム(親会社の方ね)の社長が、「このたび、北海道のみなさんに、みなさんのチームとしてよりいっそう応援してもらえるように、また道内のさまざまな企業が一体となって応援しやすいように、球団名から日本ハムを外して、北海道ファイターズになりました。もちろん、今まで通りニッポンハムはメインスポンサーとして、あらゆる角度からファイターズを支援していきます。」なーんて言われたら、すごくカッコイイと思うけどなぁ。それによって親会社の広告効果が急激に下がるとは思えないし、企業イメージは良くなるし、球団営業的なメリットもあるんじゃないかと思うのです。

  24. 一応巨人ファンです。 より:

    toraoさん
    メリットないと思いこんでいるようですが、楽天SBには大きなメリットがあったでしょう。
    チームを持った直後ほどの絶大な効果はないにしても、日々企業名が連呼されているのはそれだけで大きなメリットだと思いますよ。少なくとも親会社はそう考えているでしょう。
    大企業は自社の世間に対する認知や企業イメージの向上に莫大な金を注ぎ込んでいるんです。
    そしていくら注ぎ込んでもその足元にも及ばない効果を、野球で企業名が連呼されることによりもたらされるんです。だから過去企業から球界に莫大な金が流れ込み、今もそれが続いているんです。
    最大の受益者負担をすべきはファンであるというのはかまわないでしょう。でもそれにはまずファンから親会社による負担分以上の負担増をする道筋をつけなくてはいけません。
    あえて企業名がついていることが好ましくないと仮定して言うならば、企業名がついていることは問題の原因ではなくて結果でしょう。問題は自立した経営をするだけの収入が無いことですよ。その収入をアップする方策無く、ただ企業名をはずそうでは意味ないですよ。
    Jリーグは、順調に発展しているといいますが、別にNPBより稼いでるわけじゃないし、はっきりいって世界の偏狭の弱小の田舎リーグとして残っているだけじゃないですか。
    今の野球ファンは、世界の底辺の野球を見せられても興味ないですよ。多くが大リーグに流れるのが落ちでしょう。そしてまた多くが野球からさえ離れると思います。オリンピックで、メダル逃しただけで大敗北とみなす野球と、Wカップに出られるだけで喜ぶサッカーでは、はじめから桁が違いますよ。
    ジリ貧は駄目だからまずどん底になりましょうは、ナンセンスですよ。

  25. 一応巨人ファンです。 より:

    あーちゃんさん 横スレ歓迎です。
    というか、朝起きたら議論したくなるようなレスがついていたので、張り切ってしまいました。
    ご意見、矛盾はなく筋は通っていると思います。
    でも野球ファンはサッカーファンと違い、MLBに次ぐ(匹敵する)プレーを見せないと納得しないですよ。
    こういっては失礼かもしれませんが、Jリーグのやり方で得られる程度の収益では、とてもじゃないけど今のプロ野球のレベルは維持できないです。見習う部分は多いと思いますが。
    もちろん企業名を外すことによるメリットがデメリットを上回るなら、外せばいいと思います。
    実際外したチームもあるし、巨人の事を読売なんて呼び方するのは一部の人間だけだし、広島を東洋と呼ぶ人なんて見たことないし。
    ネーミングライツを導入して企業名を外す、これなどできるような環境を整えるべきだと思いますよ。
    やりたいチームは勝手にやればいいし、やりたくないチームはやらなければいい。
    規約で縛るべきこととは思いません。
    ただ大事なのは、金をうけいれるためにどうするのか、球団自立が必要なら特にその姿勢です。
    そこがなく話が後先になっていて、ただ企業名を外せでは駄目でしょう。
    横浜の今の体たらく見ても、企業名を外しただけで自立はできません。
    それから球団の危機について
    まず私はライオンズは守りたいと思っても、西武ライオンズは守りたいとは思いません。
    そもそも西武グループにはまったく経営危機などありませんでしたが。単なる不祥事でしょう。
    ダイエーにしても、当時ホークスがなくなると思った人がどれだけいるのでしょうか?
    ダイエーがソフトバンクになったから、ホークスの応援をやめた人ってそんなにたくさんいるのでしょうか?
    親会社の変遷は過去もあること、これを危ういと感じるかどうかは人それぞれですが、私はそこまで拒絶感はありません。その時に問題はファンがきちんと受益者負担をしているか、つまりホームチームに観戦料を落としているかどうかでしょう。極論すればジャイアンツがジャイアンツで東京にあり続ければ、読売だろうとドコモだろうとなんだっていいですよ。そしてその体制を守るために必要なのは、ファンがチームを支えていることでしょう。
    問題となるのは近鉄バファローズだけに思えます。
    全日空の都合でフリューゲルス潰れたし、企業名を外せばいいわけではないですよね。
    企業名を外すことで金を呼び込めるなら、検討の価値ありでしょう。
    ただtaraoさんの望む姿が、近鉄の名がつかず、たとえばグッドウィルバッファローズと呼ばれることなのかはわかりませんが。
    そして近鉄消滅、これを防げなかったのは結局、当時野球ファンの思いは12球団という体制を残すことで、バッファローズを残すこととはならなかったからではないでしょうか?
    はたから見てもドーム作って高い使用料払うはノリにやたら高い契約するは放漫経営があったので、なにがなんでもバッファローズを残そうという機運は野球ファンにはなかったのではないでしょうか?
    そこまでの運動を起こすほどの数のバッファローズファンさえいなかったのではないでしょうか?
    もしオーナー側があくまで球界縮小に固執していれば、ストライキ起こしてでも阻止していたと思いますし、ファンも支持したと思います。そしてもし残す価値のある球団を一企業の意向で潰そうとした場合に備える方法は、企業名を外すことでしょうか?企業からの資金に頼っている限り、バッファローズに近鉄の名がついていようといなかろうと関係ないですよ。
    もう少し脱線します。面倒だったらこの段落は飛ばしてください。
    阪神電鉄が三菱やJR西以上の大脱線、大問題を起こしても、それでリーグ参加自粛・解散が起きるでしょうか?阪神タイガースと名乗っていたとしても。
    雪印は偽装でスキー廃部ですが、日ハムの子会社も偽装やらかしています。
    一時は日本ハムといえばファイタースではなく偽装といったイメージの時期もあったでしょう。
    ただ少し時間がたてば皆忘れています。
    球団経営に力を入れはじめたのもこの次期ですし、ファイタースによって日ハムの名が連呼されて、地に落ちた企業イメージが回復していったのではないでしょうか?
    日ハムといえばファイターズ、そう言った印象を植え付けていくことが、スキャンダルを押し流す役割を影で担っていたと思います。
    プロ野球にはちょっとやそっとのスキャンダルイメージも負けないくらいの力があると思いますよ。
    もちろんきちんとした経営をして好感を持たれるチームを作ればの話ですが。
    まあ球団身売りではなく解散に及ぶようなスキャンダルって、ちょっと想像つかないです。
    Jリーグは企業名を外すことでメリットも多いのでしょうが、実際野球界が受けられるメリットってほとんどないですよ。私がみたところ、広島カープはネーミングライツ導入ができればかなりプラスです。それくらいではないですか?
    それ以外だと楽天でさえずっと球場周り等のハード面整備にお金を遣い、そろそろチーム強化に対する投資も始まろうとしているように思えます。
    広島や近鉄のようなチームのために、ネーミングライツを導入すべきというなら話はわかりやすいです。ただ漠然と企業名を外せでは賛成できないです。
    そしてできることなら国や自治体から金を引っ張る、ただ名前を外すだけではなく野球を社会の公器に昇華する、どうせ企業名を外すというならせめてこのくらいのことを考えないと面白くありません。

  26. torao より:

    今後の展開は、お互いに事例を挙げたりしながら、平行線ということになるでしょう。主旨詳細は双方、過去の書き込みを読み直すべし、ということとして、ここらへんでまとめます。
    私の主張=日本(アジア)型の「一社による所有」は限界。
    一応巨人ファンです。さんの主張=日本(アジア)型の「一社による所有」で問題なし。
    以上。
    なお、個別収益改善の話は、追って展開する予定です。

  27. torao より:

    あれ、もういっこついてた(笑)。
    ずっとやっていてもOKですよ。
    えーっと、本分の書き方でわかっていただきたかったんですけど、「企業名外す」っていうのは象徴です。それなら、どうする?とか、そこまでいうならもっといろいろやれ!は当然考えていることです。まずは入り口、今のままでいいの?悪いの?そこからなんです。
    とりあえず、今、私はここまで。

  28. 一応巨人ファンです。 より:

    すいません、私が言いたかったのは、
    「企業名外す」っていうのは入り口ではなく結果であるということです。
    そこを入り口にしても横浜ベイスターズみたいなのが増えるだけで、なにもよくなりません。
    私は日本(アジア)型の「一社による所有」は限界ではなく、もっともっとそれを広げることはできると思います。
    またそれと同時に、市民球団型での発展の方法、余地もあると思います。
    どちらも更なる改善をすべきでしょう。
    でも大事なのは、本質は金であるということです。プロなんだから。「企業名外す」を入り口(スタート)にしてはよくなりません。それを目標に据えるのはかまわないですが、それは収益改善の成果(ゴール)にしないと。本質をすっ飛ばし結果だけをいきなりぶち上げると、本質を失います。

  29. torao より:

    一応巨人ファンです。さん、そういう考え方も大いに理解できます。いずれどうやってよそから金をひっぱってくるかという意味では同じ話をしているっていうのは認識していますよ。
    いつまでも自立しない子を持つ家に近いようにも思うのです。特に自立したいとも、自立させたいとも思っていないので。
    自立を促すにあたって、まずは今まで通り家にすまわせてやりながら、職業訓練を受けて、就職して、給料もらって、それで十分、良い家に住めるようになったら出て行きなさい。これは現実的なのか現実的じゃないのか。
    まずは家からほっぽり出して、いいから一人で暮らしてみろってやるのが現実的なのか現実的じゃないのか。
    地域密着という方向性に活路を見いだしているプロ野球界でも同じような議論が展開されているんじゃないかと想像します。
    反対方向を向いている話ではないと思いますよ。

  30. HiRO@zetton05 より:

    toraoさん
    大変遅ればせながら、出版おめでとうございます♪
    toraoさんの仰りたいことはよく分かります。
    球界改革と一言で言っても、変えなきゃならんところは限りなく沢山あるし、その一つ一つは無関係どころが有機的に関係している。ですから、結果を見据えてなけりゃ、というか、あるべき姿を描きつつ変えていかねばなりません。その意味では「入り口」とか「結果」にこだわること自体がナンセンスですね。
    で、横レスで、かつ、枝葉の部分で恐縮ですが、素通りできないので…
    > それから球団の危機について
    > (中略)
    > ダイエーにしても、当時ホークスがなくなると思った人がどれだけいるのでしょうか?
    結果ソフトバンクに買収され、そのこと自体でHawksファンを辞めたファンはほとんどいないでしょうが、最悪Hawksというチームが解体される恐れもあったし、Marinesとの合併話もありました。何処かが買収するにしても、福岡に本拠地を起き続ける保証はないしチーム名が変わる可能性だってある。現にソフトバンクもチーム名の変更を視野に入れてました。変えていたなら相当の反発を買ったのは間違いないでしょう。
    あの頃は、本当に報道を目にする都度、福岡出身のHawksファンとしては身を切られるような毎日でした。
    Lionsもそうですが、親会社が変わり、チームは残っても、チーム名が変わったり本拠地が変わったりすれば同じチームが存続している、というわけではないのです。現に西武は、今季LionsClassicsで福岡時代のLionsとの繋がりを初めて継承しましたが、今までは福岡のLionsの歴史はなかったものとして扱ってきました。
    球団存亡の危機や応援していたチームの移転、消滅をリアルに感じたこともない、想像しようともしない態度には不快感を隠せません。

  31. あーちゃん より:

    ずっとやっていてもOKというtoraoさんのお言葉に甘えて、もういっちょ。
    実に今日このタイミングで、西武がアイスホッケー部の廃部を発表しましたね。またひとつ、伝統と実績のあるスポーツチームが企業の都合で姿を消しました。
    悲しいのは、西武の選手のうち、旧西武鉄道の選手たちはすでに一度廃部を経験していて、経験のない旧コクドの選手の動揺を慰めている、という記事。長くない選手生活の中で、2度も廃部を経験するとは、心中察して余りあります。
    脅すわけではありませんが、この経済状況下で、いつまで西武が単体でライオンズを維持できるか、不安が募ります。
    私がこのテーマで何を主張したいのかというと、「リスク分散」なんです。
    投資する際にはリスクが集中しないよう投資先を分散させるのは常識ですよね? 同じように、原油など必需品を輸入する際には、リスク分散のために輸入元をなるべく分散させますよね?
    スポーツチームの出資についても、同じように、1つの出資元に依存するのではなく、できるだけ多くの出資者から分散して資金を受けるべきだと思うのです。
    レッズはまさにそれで成功しています。予算規模は70億円。まあ、C・ロナウド一人買えない金額ですが(笑) わずか15年前にクラブとして独立した割に、着実に伸びていると言えませんでしょうか。
    繰り返しますが、私は、フリューゲルスの最後を競技場で看取った者として、あの悲劇を、スポーツを愛する誰にも味わってほしくはないのです。
    そのためのリスク分散=1企業からの独立、というのが私の一貫した(つもりの)論旨なのです。

  32. torao より:

    HiRO@zetton05さん、あーちゃん、ありがとうございます。いずれも理想のプロ野球を考えていく上で、重要な立脚点だと思います。
    プロ野球は経済です。しかもその経済は、イメージが重要な経済です。カッコイイことをどんどんやって、カッコワルイことをどんどんやめて、コツコツと良いイメージを作っていかないと、協賛企業も、放送スポンサーも、身売り先も現れません。良い会社がカネを出してくれません。こう言っちゃなんですが、ろくでもない企業が売名のためだけに集まってくる場所にしてはいけません。今のプロ野球、思い当たるフシがいくつかあった(ある)と思います。
    また今度違う角度からやりたいと思います。

  33. ねみ より:

    巨人ファンの方にはビジネスとして野球をやっていく上での見通しの甘さを指摘され、パリーグファンの方からは「愛するチームがなくなる(かもしれないという恐怖)」体験がないことからくる想像力の無さを批判される。なんだか悲しく、情けなくなってしまいますね。
    阪神という球団は大きな既得権益を手にしながら、それに対する責任を果たしてこなかったという意味では巨人以上に罪深い面があると思っているのですが、そんなチームのファンである我々は一体どういうスタンスで「プロ野球」を語るべきなんだろう、としばしば考えさせられます。
    toraoさんも「阪神ファン」でありながら「野球ファン」になることの難しさ、を感じられることがあるのではありませんか。いつか、「無責任な老舗球団のファンであることの罪」みたいなことについて書いてみてください(リクエストです)。

  34. torao より:

    ねみさん、非難されるべき球団であるとは思いますが、ファンにはなんの罪もありませんよ。ただ野球が好きで、チームが好きなだけ。たまたま恵まれた境遇にあったのは事実でしょうが、それをもって非難されることもないと思いますし。
    経営側、主催側がしっかりしていれば、特に球界についてファンが語る必要性もなかったわけなのですから。くだらないファン同士の言い争いに巻き込まれないよう、冷静にいろんな人の立場を想像しながら語っていったら良いのだと思います。

  35. 西武沿線の東京都民 より:

    なんとなく企業名ナシのほうが、イメージいいなぁとは思いますが、それ以上、論理的な結論は結べそうにないので、ざっくばらんに思ったことを…
    ・阪神は企業名か?
    電鉄会社ですからね、企業名=地域名になるのはある種当然です。どこそことどこそこを結ぶ「鉄道」が、どこそこからどこその「範囲」という地域名にも転訛したものとしても成立しているか否かだけで…。
    ちなみに、阪急も、阪神急行の短縮形ですし、西武は西武蔵。
    西武なんて、東京から埼玉にかけての武蔵の国の西部という意味では、埼玉県「だけ」のチームなんて言われるほうが違和感があるし。
    中日も、中部日本ですから、地域色のある名前ですしね。
    ・税金の問題とか
    企業名がニュースなどで連呼される、所謂パブリシティとして「広告」ってことなんですよね。
    親会社にしてみれば、広告宣伝費として経費として特認されているから税負担の軽減として「やっていける」んですよね。そういや、横浜なんかはTBSの経理上の処理はどうなんでしょうね。

  36. HiRO@zetton05 より:

    ご存知の方にとっては、当たり前すぎて言わずもがなのことですが、多分、この議論をする上での大前提、それをご存じない方と話しても時間の無駄ですので敢えて。
    日本のプロ野球の成り立ちにおいて、現在のプロ野球界に重大な影響を与えている不幸な生い立ちが2つ。
    先ず1点目は、日本のプロ野球自体が読売新聞の拡販のために創設されたようなものだということ。
    戦前、特高創設者の息のかかった警察官僚だった正力松太郎が読売新聞の経営権を握り、共産思想を叩きつつ読売新聞の部数拡大を図った、その一環として日本プロ野球は創設されました。戦後、正力松太郎は一度は戦犯として収監されながらもCIAの意を汲むことで不起訴となった。
    こうした話は普通に「正力松太郎」でググれば幾らでも出てくるので、そのくらいはこうした論を展開する際には、また特に巨人ファンならばその陰の部分として知っておいてもらいたいですね。
    そして、極めて重要、かつ今後、この手の議論をする上で前提として知っておかねばお話にならないのが、昭和29年(1954年)の国税庁の通達。
    「職業野球団に対して支出した広告宣伝費等の取扱について」
    http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/hojin/540810/01.htm
    要は、親会社が広告宣伝のために子会社である球団に投入した費用、野球事業で発生した子会社球団の赤字の補填のために支出した費用は赤字額を上限として「広告宣伝費の性質を有するもの」として扱ってよい、という通達が国税庁出ていて、日本のプロ野球はこれをベースに運営されてきたということです。
    これにより球団の赤字は親会社の広告宣伝費とみなして経費計上できることから、球団単体での利益追求を求めない、という状態で運営されてきました。それが当たり前になっても、日本経済、日本の産業が上向きの時代は、親会社の利益が増えた分、経費を増やし法人税削減の方向に働いたから良かった。そうやって、日本のプロ野球は、親会社の広告宣伝費の一部として運営されてきたのです。これも、その日本プロ野球の成り立ちからすると読売主導によるものでしょう。
    こうした議論を行う上では、これらの事実くらいは背景として当たり前に認識してないと意味がないでしょうし、toraoさんがここで論じようとしているのは、その根本的な部分に手を付けよう、ということだと自分は理解しています。

  37. torao より:

    西武沿線の東京都民さん、ライオンズ黄金期は沿線のファンで所沢球場がいっぱいでしたもんね。「埼玉」という名前に怒りをおぼえた西武蔵地域の人が多いというのはよくわかります。
    税については、後のHiROさんの書き込みをご参照下さい。球団名に企業名が入る入らないにかかわらず、税の優遇は受けられます。Jリーグについても認められているということです。
    HiRO@zetton05さん、お手を煩わせてしまって申し訳ないです。そういうことをしっかり書いておくべきでした。ありがとうございました。

  38. 時々出没するサカ豚 より:

    非常に興味ある話題なので寄り道させていただきました。個人的にはプロ野球は企業名を外す方がメリットがあると思います。昨今のプロ野球人気低迷が叫ばれているのは関東のプロ野球人気低迷から来ているのは野球ファンであればお判りだと思います。
    以前関東地区の巨人人気は絶大でしたが、今や見る影もありません。これは巨人(読売)首脳が全国区にこだわるあまり地元関東住民をないがしろにし巨人=関東アイデンティティーの象徴として共感できないためでしょう。巨人にかぎらず関東5球団はもっと地元住民を大切にし、例えば仙台の阪神ファンが楽天も気にかけているように関東の野球ファンが地元球団にも愛着を覚えるようにならなければプロ野球は縮小の一途をたどると思います。
    あと一応巨人ファンさんはJリーグについていくつか誤解しているようなのでちょっとコメント。
    >トップ選手はことごとくアメリカに行く低レベルなリーグに堕するでしょう。Jリーグのように。
    >でも野球ファンはサッカーファンと違い、MLBに次ぐ(匹敵する)プレーを見せないと納得しないですよ。
    これはJリーグのレベルに対する誤解と偏見からくるコメントですが、Jリーグのレベルは低くない、いやむしろ世界中のサッカー関係者が短期間のうちにレベルが急激に上昇し”奇跡のリーグ”として賞賛される日本の誇るべきスポーツリーグです。ガンバが北中米代表の古豪のパチューカを破りCWCで堂々3位になったのはそれを端的に表しています。メキシコサッカーがレベルが高いことは否定しようもない事実ですがメキシコの古豪を破るレベルまでJリーグは進化しているんです。このリーグをレベルが低い呼ばわりするのはメキシコサッカーに対しても失礼でしょう。あと野球ファンもサッカーファンもどんなレベルだって楽しめて本物のファンというもの。レベル云々で面白い面白くないをいうようでは本当のスポーツファンとはいえないと思います。

  39. torao より:

    時々出没するサカ豚さん、とにかく東京というのは地元意識が日本一希薄な地域なので、なかなか地域密着は難しいですよね。FC東京が東京の西部に的を絞っているように、東京でいくにしてももっと的を絞るのが良いかも知れません。でもジャイアンツの場合は、やっぱり今さら…って感じかも知れません。
    Jリーグは順調に力をつけていますよね。今は厳しい時ですが、ちゃんとビジョンを掲げているのは素晴らしいことです。

  40. 時々出没するサカ豚 より:

    コメントありがとうございます。
    首都圏は確かに競争が激しく確かにただ野球を見せる(サッカーを見せる)だけでは地域住民に見てもらえないかもしれません。
    ただそれも工夫次第だと思います。
    人気チームが東京から近いところにあれば競技に関わらずそれで関東アイデンティティは確立するのではないでしょうか?
    サッカーの場合フロンターレが市民がスタ改修に選手と共に立ち上がったり、南北線沿線の都民が赤ユニを来て埼スタまで駆けつけるようになっています。
    巨人にしろヤクルトにしろ横浜にしろあれだけの立地で地域住民に理解されているとはいえない状況が少し不思議な感じがするのはサカ豚である私だけでしょうか?
    ちなみに巨人に似た状況のベルディーについていえば仮に国立に本拠地移転が認められればかなり集客が回復する余地があるようにも思います。

  41. torao より:

    時々出没するサカ豚さん、Jのチームは地元意識を高めるために、地道に努力しましたから。
    遅ればせながら、今はプロ野球各チームとも地道な地域交流を始めているようですね。