辛抱で総力結集ナイスゲーム!

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◇9月15日(火)巨人?阪神22回戦(10勝10敗2分、18時、東京ドーム、40252人)
阪 神 000 102 000 02―5
巨 人 001 101 000 00―3
【阪神】安藤 アッチソン 江草 ○藤川(5勝3敗)
【巨人】ゴンザレス 山口 ●クルーン(1勝3敗)
[本塁打] 鳥谷16号(神) 阿部27号(巨) 矢野2号(神)


 安藤にとっては不本意な内容だったろう。3回二死から2安打であっさり先制される。松本の足、小笠原のスキのなさ。でもその後ラミレスに負けなかった。必死の打撃、必死の走塁ですぐに追いついてもらったのに、またすぐ4回ウラ先頭亀井にストライク入らず、エンドラン決められ、いともあっさり勝ち越される。しかし自分への失望を押し殺し、ダウン寸前でも前を睨み続けて後を断つ。その気持ちに打線が奮起して6回に逆転してもらうも、その直後本当にあっさり阿部に運ばれて同点とされる。それでも心を折らず、後を3人で終わらせる。
 こうして結果を並べると、不甲斐ない投球のようであるが、それでも現実として勝負に勝った。勝った負けたは時の運、やられてもやられても諦めずに立ち向かい続けること。それができれば、後は勝負の神さんのご機嫌次第。この日は、「安藤よ、切れずに投げ出さずにひるまずに、最後まで良くやり通したな」と褒めてもらえたのだと思う。
 アッチソン、江草、藤川、よく頑張った。同点の9回、Gの下位打線を江草が抑えたことで、一番恐ろしい10回の主軸に球児の1イニング目をぶつけられた。一時の底を脱して、小さいようで大きな仕事をした。もちろん当たり前のように2回を塗りつぶしてくれるアッチソンは素晴らしい。最後ガス欠になりながら球児も、なんとか、良く踏ん張った。
 代打の関係で9回ウラの守備から二塁に入った大和が勝利へのキーになった。その回、一死一塁坂本の三塁線三ゴロ、新井?大和で2アウト、大和から関本へゲッツー!大和の身のこなしのしなやかなこと、まるで二塁ベースに壁があって、新井の送球がその壁にぶつかって一塁に反射するようだった。
 勝ち越した延長11回表は無死一塁でクルーンの速球を一発完璧バント。二軍でいっぱいいっぱいバント練習してきたという。流れを作った。
 その裏、2点リードをもらった球児が連打で無死一二塁のピンチを作ってしまう。そして打者は確率変動中の阿部、球児はガス欠だし、もう見てられなかったなぁ(笑)。阿部の強い当たりはボールの上をこすったようなトップスピンのライナー、併殺シフトでややベース寄りにいた大和の正面、急落下するところを落ち着いてキャッチして、素速い反応で二塁ベースカバーに入った鳥谷にトス、二走亀井戻れずゲッツー!わずかな出場機会の中で、3つのキープレーに絡んだ大和、復帰早々存在感があった。
 中盤までのヒーローは文句なしで鳥谷。4回は二死からレフトフェン直二塁打、金本四球を挟んで、新井の二遊間、ショート坂本よく追いついたが、三塁コーチ山脇委細かまわずぐるんぐるん、あっち見てこっち見て、それに気づいた坂本ワンバウンドバックホーム、際どいタイミングながら鳥谷ナイススライディング、ブロックをすり抜け、後ろ手にベースタッチ、セーフ!いやいやギャンブルプレーだったけど、ナイスナイス!
 6回の逆転劇も鳥谷から。積極的に!と念じながら、初球外の鉢巻きスライダーにタイミングを合わせ、ゴンと叩くとライナー性の打球が左中間スタンドに飛び込んだ。精密機械ゴンザレスもこのアグレッシブな一発でグラッと来て、金本、新井に連打、林の送りバント(のようなボテボテw)で二死二三塁となって、関本には粘りに粘られ最後は根負け、甘いスライダーをセンター前タイムリー。二走新井はへたっぴスライディングでアウトになっちゃったけど、たたみ掛ける攻撃は見事だった。
 でも試合を決めたのは、延長11回表、クルーンから決勝2ランを放った矢野。遊エラー(内野安打でも良い当たり)の新井を大和が送って、期待の関本は緩い遊ゴロで二死三塁、この日のクルーンは安定していたが、傾向として引っかかり気味。だから左打者はちょっと怖いけど、右打者は踏み込んでいける。矢野は外角の直球を、しっかり踏み込んで、球速に負けないようヘッドに力を与えることを考えていたと思う。初球狙いどおりの球が来て、狙いどおりの打ち方、ポイントは前にのめりすぎのようだったが、インパクトの瞬間、左ひじを引きつけて強力なテコを利かせる。鋭いライナーがポテン警戒のライト後方へ、バック、バック、フェンスをぎりぎり越えて行く。一塁付近、思わず吠えてガッツポーズの矢野、相変わらずかっこええな(笑)。
 まあ思い返せば、苦しむ投手陣を、辛抱辛抱で我慢させたリードは矢野ならではのもの。丹念に丹念に外低めを要求し、頑張れ頑張れ切れるなと励まし続けていた。会心の矢野ちゃんスマイルで球児と握手してこの試合を締めくくった矢野がヒーローに相応しかったのだ。
 ゴンザレス、山口、クルーンから合計13安打。好走塁、好守備(野原祐ダイビングキャッチトライわずかに届かず惜しかったなんてのもあった)、本塁クロスプレーや盗塁企図もたくさんあって、気力みなぎる良い試合だったと思う。そんなに大きなことが出来る選手たちじゃないけれど、ガシッと気持ちがまとまった時は、「ほぼ全員3割打線」に一歩も引けを取らない。
 難敵を見事に撃破。あと2つ、勝ちたい。Gに「後半やられっぱなし感」を植え付けたい。そんで、意気上がれば借金完済も目の前に見えてくるだろう。そんでそんで、桜井もブラゼルもみんなベストに近い元気な状態で、来るドラゴンズ戦もイイ感じで終わらせて、秋の大運動会に殴り込み、そこで暴れまくりたい。前半の低迷でも腐らず諦めず、切れることなく応援し続けているタイガースファンに、もっともっと楽しい思いをさせてくれよ!3位争いをやっているんじゃない、日本一に向かって歩を進めているのだ、その意識を強く持って戦え!

コメント

  1. ジジィ より:

    『矢野の右方向への打球はよく伸びる!』「あれが入るのかぁ」って思わずビックリのナイス「ドームラン」!
    真弓・原両監督も、目一杯の采配で、素晴らしい総力戦でした。
    しかも、相手は今年のエース格が先発、そして守護神が二回投げての敗戦で、ダメージは『特大』ですね!
    しかし、最後の阿部の打球は「冷や汗」ものでした。 さすがの球児でも2イニングス目はガス欠気味で、改めて(簡単に二回こなす)アッチの凄さを痛感しました。
    大和、地味ながら勝負どころで(バントに守備に)いい仕事をしましたね。すでに一軍に欠かせないパーツになりつつあると思います。「キバれー薩摩隼人!」今日は気分最高です(笑)。

  2. より:

    勝負を決めた矢野さんの一発に最敬礼ですね。大和も決めなければならない場面での一球で決めたバントもナイスでした。
     
    ジジィさんが言っているとおり勝ち越した次の回はヒヤヒヤでした。ノーアウト一二塁で確変中の阿部明らかにサヨナラ3ランフラグがプンプン立ちそうな予感でのセカンドライナーゲッツーで巨人の熱が一気に冷めた気がしました。
    アッチ・球児と連投が続いて負担が掛かっているからこそ今日先発予定の岩田には完投を狙って欲しいです。打線の二桁安打打っていて登り調子な分早い回に勝負を決めて楽な展開に持って行けたら良いなと思っています。
    今日でカード勝ち越しを決めてくれ。そして巨人戦勝ち越しを狙って欲しいです。

  3. 熊虎 より:

    ドー霧よ今夜もありがとう。序盤のワイドストライクゾーン、鳥谷・矢野のホームラン。アレが入っちゃ野球にならんはお互い様ということか。
    歓喜・落胆・ハラハラドキドキ、色々あってもそれでも最後は勝つ・・・・こういうゲームはたのしいな。
    しかし、この球場ミートに心がけて外野へ運ぶ意識でバットを振れば力がある選手はかなり効率にホームランにできるんじゃないかな。特に葛城や桧山、狩野のようなスイングを振り上げてフィニッシュするタイプはホームラン出るんじゃないでしょうかねぇ。
    ・・・まぁ、そんなわけで金本さんには少し力を抜いてもらって、新井さんにはもうちょっと振りぬくことを意識してもらって、そんで、厳しくボールを見極めるではなくこの高さは振りに行く・・・くらいのバッティングをしたら二人とも凄い成績になるんじゃないですかねぇ。
    願望ついでに真弓監督が3連戦野原先発で行
    ってくらないかな。なんか、期待を持っちゃうんですよ。プロ初ホームランなんで見せてくれないかなぁ。

  4. おばちゃん より:

    嬉し、嬉し。今日も頼むよ。

  5. 藤村・別当・若林 より:

    矢野さんがやってくれました!!狭い屋内球場という短所を狙ったベテランの一撃、クルーンのプライドと自信を喪失させたのも大きいですね。
    それに、ナイスプレイで藤川の窮地を救った大和も本当にいい仕事をしてくれました。
    始めから終わりまでハラハラドキドキのし通しでしたが、プラスの連鎖が続いたいい試合でした。
    それにしても、サヨウナラ負けの高田S、エース級を中4日と5日で勝負に出た挙句の悲惨な結果、起死回生は掛け声倒れに終わりそうな雲行き。
    一方、あのチェンから同点にこぎつけた赤ヘルCのしぶとさには脱帽するものの、最後に永川劇場を見せられたファンの方々には同情を禁じえません。
    勝って兜の緒を締める真弓さん、今日もいい試合を期待しています。

  6. ナラノトラキチ より:

    良い試合でしたねえ。
    安藤のいつもの「5、6回を3点くらい取られる」ピッチングも健在(笑)。一度ピシッといってくれよ。
    アッチソン、藤川は盤石だが、酷使が心配。もう一枚、安心感あるセットアッパーがほしい。やはりJFKはすごかったんだと思います。久保田何してるんやろ。先発あきらめてセットアッパーで出直し、っていうのはありませんかね?
    ここ最近の真弓さんはすっかり戦闘モードになっちゃって、
    春から夏にかけての優柔不断采配はなんだったんだろう?
    やはり采配のスタイルを確立するのには時間がかかるんですねえ。
    野原は緊張感ある試合にだしてもらって、すごい糧になってるはずです。少々打てなくても、しばらく我慢して使ってほしいです。

  7. apatite より:

    相手の稼ぎ頭の投手とか、とにかく、負けるなあと思ってた試合に必ず負けていたのに、シーズンも終わりに近くなって予想に反して、やっと勝てたという感じ。しかし、CSに出られたとして、Gと戦えるように思えるようになったけど、その前にDのチェンだとかDの何人かを打たないとDに負けて終わりか。この予想も覆ることを祈る。

  8. PPW306R より:

    昨夜はレフトスタンドで観戦。
    私のいた辺りでは、鳥谷のHRが実に笑撃的でありました。
    私のすぐ前にいたおにーちゃんは、お手製のどデカい真っ赤なメガホンで応援してたのですが、
    このメガホンに鳥谷のHR球がものの見事にスポッと吸い込まれました!
    得点の喜びもさることながら、あまりのハマり具合に一瞬にして爆笑の渦に。
    この回の攻撃終了後、縁起物からご利益を分けてもらうかの如く、
    次から次へと虎ファンがこのおにーちゃんの許を訪れ、
    ビリケンさんに触れるかのように、皆このHR球をスリスリして行きました。
    試合も勝利しましたし、実に楽しい夜でございました。

  9. マチスの部屋 より:

    私にはおかしなジンクスがあるのです、それは
    接戦のときテレビの画面から離れるとタイガースに点が入る、といったものなのですが、昨夜もずばり当たりました。お風呂からでますと、5?3で阪神が優位。嬉しかったです。
    今日もそんなジンクス当たらないように早い回で優位であってほしいですね。

  10. aiko より:

    ドームで安藤投手というだけで、期待通りのひやひや投球をみせられましたが、今回は彼の粘り強さが実りましたね。エースの座をどうこういわれる中、前向きに頑張り続けているのをみると、応援したくなります。同点になって阿部に打たれたときは、また!!と文句いいまくりでしたが。鳥谷選手のHR球のゆくえがわかって楽しかったです。おかしい。こんなことがあるなら、体育館ドームもいってみようか、なんて。矢野さん、ホント格好いい。まだまだ健在ですね。勝てないはずのゴンザレスを打って、勝ち星の岩田投手が打たれるのでは?など、余計な心配をしてしまいますが、結果どうあれ、ここまで来たら、若手の元気なプレーがひとつでもみられたらOKという無欲な気分で応援します。でも勝つかな、闘志満々の岩田君だし。

  11. 虎次郎 より:

    torao様へ
    ここには初めてコメントします。
    ホント狙うのは日本一です。
    職場で言うと失笑されますが虎次郎も真剣に考えています。
    11月4日と5日は有給休暇を申請して、
    練習から甲子園に乗り込みます。
    クライマックスとやらのシステムに一石投じるには、
    阪神が日本一になって讀賣に悔しい思いをさせねばなりません。
    毎日読んでいますが、またコメント入れさせてもらうかも知れませぬ。

  12. 西田辺 より:

    勝ったから言うんじゃないけど、傍目で見ても面白いゲームでした。
    最後は「負けられない度」の高い方が勝ったと言う事かな。
    今回も味方が点を取ったら相手に取られる安藤は、余りにも最初から厳しい所を突きすぎて
    次巡に少しでも甘くなると痛打を喰らう毎度のパターン。
    慎重に丁寧にも良いけれど、打者に慣れられれば厳しい球も厳しさを失う。
    少し「大胆さ」と言う味付けも必要かも。
    多彩な変化球も一つ一つの殺傷能力は低い。
    投げなくても相手が意識せざるを得ない軸となる球を磨く方が
    相手は嫌だと思うんですがね。
    開幕を任せられた投手がこのままでは若い波に浚われるぞ。
    頑張れ!安藤!