景気の悪い話

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 シーズンオフに入って、これからは契約更改だ、新人契約だ、FAだ、メジャー挑戦だなんだとお金の話題が出てくる季節。


 ファンは、無条件に選手を応援する生き物であるし、なんとなく「骨身を削って働く選手」対「陰で操って搾取する球団」みたいなイメージがあるもんだから、「もっと給料上げたってえな」的意見が自然と多く出てくる。しかし昨今の野球を取り巻く情勢は厳しすぎるとしか言いようがない。
 なぜ景気が悪くなったのかについてくどくど書くつもりはないが、ここに来てアジアシリーズの地上波中継取りやめや、マスターズリーグの日程変更(予定の半分を取りやめて、後日地方開催にすると発表・リンク)と、ドタキャン的話題が続いた。
 どうやらいずれもメインスポンサーとして予定されていた企業の支援が打ち切られたり、縮小されたりしたことが原因のようだ。外資からの支援が大きかった企業や、金融投資や不動産投資の大きかった企業、輸出をメインにしている企業は、この短期間の市場変動で大きな打撃を被っていて、長期戦略の宣伝活動やイベントスポンサーをやっている余裕がなくなってしまったのだろう。
 プロ野球の主な収入源は、球場のチケット代を中心とした興行収入、グッズやファンクラブの売り上げ、電波媒体からの放送権料、球場の看板などによる広告料、そして親会社や関係会社からの「赤字補填金」(宣伝費名目)。他にも最近では、ポスティングによってMLBからどーんとお金が入るケースもある。
 スポンサーからの宣伝費がのきなみダウンすると予想されるので、看板の広告料はもちろん、親会社から出せる費用も減る。放送権料も出所はスポンサーであるし、年間指定シートも企業の宣伝(接待)活動と密接に繋がる。
 もちろん本格的な不況となれば、スタンドへの客足や、グッズ売り上げにも影響が出る。
 プロ野球については、経営側の努力が足りない、あるいは努力が間違っているというのは大いにあると思う。しかしここしばらくの金の廻り、特に「なくなっても生死に影響がない」ものが被るダメージは、そんなレベルを超えるものなのかも知れない。これは決して何も野球に限った話じゃないんだけどね。

コメント

  1. メル より:

    とりあえず、景気に関係なく、セパ交流戦は来年の日程が発表になりましたね。
    また、ロッテとのマリスタは土日かー。また楽天との仙台は平日かー、来年もハムの札幌は土日かーいい季節だな、とか心の中だけは景気よく楽しんでみました。消費税率が上がらないうちに(たまったもんじゃない)行かなきゃ・・・。とも思いますが。

  2. 一虎ファン より:

    恐慌とか戦争とかの前では、野球なんて、ちっぽけな存在なのでしょう。
    それだけになおさら、野球を楽しめることのありがたみを、もっとしっかりとかみしめることにします。

  3. DIME より:

    お久しぶりです。
    先日、広島市民球場見学にいきました。ネット裏の一番良いところの年間席の会社名の1つが不況のはしりの頃に倒産で新聞を賑わせた不動産業のU社。そう言えば広島でした。
    こんな良い席を持っていたんだなぁと思いながらも、何気ないようで確実な影響を感じました。
    地元の一部企業がしっかり良席買っているってのは流石は広島ってだけに、倒産とは皮肉です。
    新球場建設に伴う公債も人気のようですが、そういう球団に向かうはずのお金を、新球場を有効活用した効率的な収益手法の確立に繋げて欲しいものです。
    プレミアムのつくサービスを買うって習慣が根付けばプロ野球も変われるし、広島ならそれを根付かせる力はあるはずだから。
    不況のあおりは免れえないでしょうけど、広島には頑張って欲しいですよ。結構切実に。