お立ち台に立ったのは決勝点のきっかけを作った野口。
先日、野口の「ええ声」を聞きそびれて悔やんでいた家人を呼ぶ。「うわ、ホント良い声。渋い！」までは良いけど、「画面見ないで聞くともっと良い」ってアンタそら失礼やわ（笑）。でも顔だって、矢野さんには矢野さんの、野口さんには野口さんのカッコ良さがあるというのが二人の結論。
矢野が前日の走塁時に足を痛めたようで、この日は試合前打撃練習もキャンセルして静養。代打出場もあったので大事ないとは思う。こんなところで正捕手を欠くわけにはいかないからね。
というわけで、スタメンは能見と野口のバッテリー。完封コンビで夢よもう一度と思ったが、今回も冴えない投球内容になってしまった。初回先頭の高橋由にど真ん中直球を弾き返されてから、どうもおっかなびっくり投げているような感じ。出だしで失敗すると、なかなか立て直しが難しいのも能見の特徴。四隅に投げ分ける制球力はないんだから、もう思いっきり腕振って気迫出して行くしかないのに。２回５安打１四球、失点１ですんだのが奇跡のようにも思える投球内容だった。まったく褒められないのは間違いないが、それでも良く２イニング稼いだよ。
２番手江草は能見と対照的な良い投球。緩急が好きで、四隅よりむしろ甘めのコースを欲しがるドＭ野口との呼吸も合ってズバンと行ったり、グインと曲げたり、フワッと抜いたり。「競った場面で投げるのが楽しみ」というコメント通りの投げっぷりでゲームをきゅっと締めた。
４回表にはヒットと犠打エラー（バントの打球が大きくイレギュラーしたように見えたので、エラーは気の毒だった）で一死一二塁のピンチもあったが、高橋由、谷を連続三振で切り抜ける。カッコイイ！
先発を早々にあきらめてロングリリーフ、確かにこれが江草が一番輝く時かも知れないね。もちろん先発ローテに入れたって良い投手なんだけど、こっちの方が今のチームにはありがたい存在だろう。順調なら勝ち投手だったんだろうけど、まあ勝ち投手みたいなもんだよ。ホント良かった。
ＪＦＫまでのあと１回、６回は渡辺。もうすっかり「ビハインドチーム」以上の地位を固めた。下位打線とは言っても、阿部、ゴンザレスの代打清水、これを退けて二死。しかしＧも攻めるのはここしかないと、ホリンズ、代打木村拓が連打で二死一二塁。高橋由に回る。でももはや渡辺は、ここで慌ててジェフを前倒しされちゃうような投手じゃない。強い気持ちで踏ん張ってヨシノブを左飛、チェンジ。しんどい経験を積んで、どんどん伸びていく。
攻める方は、立ち上がりに苦労していたＧ先発久保をＫＯできず、立ち直らせてしまう。初回連打と四球で無死満塁、ここで金本が結果としてはまずまずの併殺崩れで１点入って一死一三塁。でもやっぱりこっちにしてもむこうにしても、ここで金本がアウトになっちゃうと風向きが変わっちゃうんだよね。もちろん点が入らないよりははるかに良いのだけれど。５番に入った葛城、さらには桜井も倒れて１点止まり。桜井は惜しいファールはあったんだけどね。こういう大きな試合の大きな場面で自分の内面と向き合う。桜井本人は苦しいだろうけど、大きな財産だよなぁ。
膠着しかかった４回ウラ、先頭の金本がセンターへＨＲ。低めの直球を背筋で持って行く。もともと低い球は好きだと思うが、今季は下半身が十分使えないから、ハンマー投げのような金本らしい打ち方がなかなか出来ない。蹴り上げるような下からの力で振り抜くのではなく、背骨のひねりと上体の力をぶつけていくようなスイング。まあとにかくまともに当たれば飛んで行く（笑）。取られてもすぐ取り返し、「さてよっこいしょ」と勝ち越す。初めから勝てそうもないと思っていそうなＧにとっては苦しい展開だったろう。
ところがどっこい、もう絶対に落とせないというジャイアンツが執念を見せる。６回ウラ、マウンドには高橋尚。絶対に負けられない試合でスクランブルをかけてきた。なんとか実ってゼロ。
７回表、ジェフから先頭谷がセンター前ヒット。打球としては投手真正面へのＰゴロなんだけど、ジェフは投げたあと一塁方向に飛んでっちゃうんだもん（笑）。逆にセカンド方向へのゴロはジェフが捕ることにして、セカンドがあのコースを消すようなフォーメーションにできないもんかね、無理？（笑）。いやでもあそこ狙われるよねぇ。もう代走鈴木を切ってくる。おお、原ジャイアンツ今日は来るねぇ。早速小笠原は見事三振。鈴木は盗塁成功で一死二塁。李は高いバウンドの遊内野安打、まるで人工芝ヒット。この日の甲子園はなぜか良く跳ねた。一死一三塁。二岡には見事に右前に弾き返され同点に追いつかれ、なお一死一二塁。まともなヒットはこれ１本なんだけど、足を絡められると点になっちゃうね。さらに野口パスボールで一死二三塁。しかしなんとか阿部、代打大道を打ち取って同点止まりにとどめる。ジェフが今季２点目の自責点。すごいことだよ、こんな日もそりゃあるよ。
７回ウラ、ザ・わっしょい。Ｇ三番手は厳しい場面で連投の西村。先頭関本粘って見極めて四球。藤本珍しく一発でバント成功、正面だったが打球を殺していた。できればもうちょっと左右に振ってくれ。鳥谷は良い当たりだったが投ゴロ、二死二塁。赤星が叩きつけ内野安打。これデカかったね。叩きつければ面白いということが頭に入った打席、相手投手はこれはイヤだ。二死一三塁でシーツ。今日もボール球を追いかけ回していたのに、場内われんばかりのわっしょいに気合い集中。あんなに苦手にしているインハイのシュートも、アウトローのスライダーも見事にカット。ファール、ファールで粘って粘って、きわどい直球もボールの判定でカウント２?３。上がりかけた主審の手が止まったのも「わっしょい」の力。シーツ１１球目高め直球を右打ち！セカンドキムタク横っ飛び、グラブの先、抜けた！勝ち越しタイムリー！いやあ、凄かった。
二死一三塁、投手山口に代わって、金本は歩かし。満塁となって、葛城が追い込まれながら三遊間をゴロで破るタイムリー、これで４?２。ホッと一息…つける間もなし…。
８回表、久保田。素晴らしいボールをズドンズドン入れる。キムタクへはインローの剛球で見逃し三振、簡単に二死。ヨシノブがまたもハイバウンド三ゴロ内野安打。鈴木尚が送りバントのような打球のボテボテ投ゴロ、ホッっとしたのもつかの間、久保田が一塁へ悪送球、なんと二死二三塁にしてしまう。そして小笠原、どん詰まりフライが赤星の前、どうしようもない場所に落ちて２点入っちゃう。ぜんっぜん打たれてないのに２点失っちゃって同点だって。ツイてないと言えばそうだけど、エラーは余分。そしてジャイアンツの執念もあるかな、多少は。悔しいけど。
８回ウラ、ザ・わっしょい２。先頭野口が初球積極的に左中間へ、そして積極的に二塁へ。前の回から登板の門倉。関本がバントを決めて一死三塁。藤本に代えて代打桧山。この日最高の1.5わっしょいを記録（笑）。これにブルった門倉が当然のようにフォークをひっかけて暴投、当然のように決勝の１点が入る。わっしょいは強いなぁ、つくづく。
恐ろしい流れの試合を食い止めるのは、球児と言えども相当なエネルギーが必要。一死から阿部にヒット、代走脇谷に盗塁を決められるも、なんとか矢野、ホリンズを連続三振で逃げ切った。しかしＧの徹底抗戦の前に、ＪＦＫは相当消耗した。
だけどだけど、もうそんなこと言っている場合じゃない。もう最終局面だからね、体中の力を、体の外にある力も集めてきて、爆発させるしかない。わっしょいわっしょい！だよ！
コメント
私にはどうしても分からないことがあります。
高橋まで出して勝ちにいった原監督。
どうして、８回１死３塁、代打桧山のところで上原を出さなかったのか。
当然そうだと思い、当然３振させられると予想しました。
上原はドームのお返しを桧山にしたかったでしょうし、必ずしたでしょう。
そして、同点で上原と球児の投げ合いになり、連投の球児が不利になる。
そういう展開が、プロ野球なのだと思います。
原監督はおかしい、結局上原が使えなかった。
上原だって投げたかったと思う、故障でなければ。
原監督は安倍首相に似て、時々その場の空気が読めないことがある。
こういう時こそ、最高の舞台を作ってほしかった。
結果、もし負けたとしても悔しいが、納得がいった。
昨日の勝ちは納得がいかない。
よそ様に文句をいっても仕方がないが…。
最後の球児と矢野謙次（この字でいいのかな？）の対決で、矢野が、ファールしたとき、思わず皆風船手から放しちゃったよね。あれって、早くゲームセットをむかえたいという、気持ちが出ていて、なんだか、昨日の息詰まる試合を象徴しているようで、泣き笑いしてしまった。本当に最後に打ち取った時は、風船バラバラで・・・。仕事とはいえ、毎日大変だなぁ、野球選手って、と毎日つぶやいています。
広島･中日と負け越して来ましたが巨人戦はこれで２勝と勝ち越し｡
あとひとつ勝って９連戦勝ち越したいものです｡ですが昨日のような総力戦は避けて欲しい気が…｡また次の９連戦が控えているので｡
巨人戦は接戦ばっかりで、
TVで見ていてもハラハラドキドキ・・・
球場で見てたら、もっと興奮でしょう。
個人的には、赤星☆首の具合が心配ですが
頑張って欲しい！
「わっしょい」も「ゆくぞチャンスぅ」もTVの前でやってます＾＾
今日も「絶対勝つぞ！たいがーす♪」
選手もブログも、人気が出ると、なにかと大変です。
４回、高橋由を三振にとった江草のストレートには胸のすく思いがしました。
勝敗の分かれ目はあちこちにありましたが、あの場面で失点していたら、流れはＧに行ったかもしれません。
それにしても野口。またもや、ええ仕事にええ声！
阪神優勝なら間違いなくリリーフ陣からＭＶＰが出る。いつもＪＦＫにおんぶに抱っこの打撃陣。助けてやりたいと思いながら最小限の事しか出来なかったが昨夜見せた美しい絆。
７回表、今季２度目の自責点のＪをその裏救ったのは僚友・シーツ。
８回表、全部打ち取ってるのに２失点のＫをその裏救ったのは恋女房・野口。
９回表、疲労の色が隠せなくなってきたＦ。
最後の砦がしのいだ！が打たれても良かったんだよ。その裏は３番からだったんだから。いつもＦを休ませようと公言してくれてたアニキ・金本がサヨナラって筋書き出来てたんだよ・・借りは作らない主義のＦらしいや。
立ち上がりの能見に欠けているものは上園の持っている気迫。
打たれたからって命までとられへんのじゃーという割り切り。
昨日勝てたのはわっしょいの力。
疲れたけど勝てて良かった。あーしんどかった。
>ジェフは投げたあと一塁方向に飛んでっちゃうんだもん（笑）
サンテレビアングルでは、画面から左へ消えます。
って、みなさんよくご存じですよね。
渡辺も調子良いと、くるっと後ろ向いてしまうね。
で、両手を前でそろえる。
こういう時は打たれないんだけど、
なんか野手のみんなに「飛んでったらよろしく！」ってお願いしているみたいでかわいい。
↑これも周知のことかな？
今日も全員野球でがんばれー！！
朝日放送も「虎バン主義」なら放映は、試合開始から終了まできちんとしなくてはいけませんね。
ようやく頭一つ抜け出し始めたか、タイガース。
もうひと踏ん張りやから、しっかり白星積み重ねてくれー！
僕等も“2.0わっしょい”でとことん応援したるからなー！！
ところで、わっしょいを超えるような他球団の応援って何かありますでしょうか？
to torao様
午前中忙しくって、やっとこの場に来られました！うれしー♪
予言的中！金本鉄人30号やってくれましたね！
今日の内海を「わっしょい×3」で粉砕しましょうね！
みんなの力を結集だぁ?！
再び、です。
＞PPW306Rさん
中日戦では、「狙い撃ち?」ってゆうのが聞こえてきてました。また「いけ！いけ！いけ！いけ！」って、メガホンを振ってたりもしてました。
けど、やっぱり「わっしょい」最高?！！
なんかお祭りっぽいし、雰囲気がめちゃくちゃgood！！選手の皆さんの心まで届いていることでしょう＾＾
野口の声はホントにすてき。勝った後のヒーインで聞くと、さらにすてき。背筋にくるほどどきどきする（笑）
勝った翌日の習慣で、今朝もスポーツ各紙のサイトを片っ端から読み倒しましたが、デイリー以外はどこも「ＪＫがダメでもＦ」というニュアンスの見出しがついてました。阪神ファン以外だと、あの投球が「ダメ」って言われちゃうのか、とちょっと憮然としました。
45試合自責点なしだよ？ 82試合登板だよ？ これだけ働いてきたセットアッパーを「ダメ」って言い切るのって、どうよ？と思うわけで。ええ。
今日は、ＪＦＫの出番が必要ないトラの猛打を期待します。
いえ、毎日期待してるんですけどね。いいかげん期待に応えてくれ……。
会社で文字情報見てて、能見をあっさり見限り。
どう転ぶかなと思ってたら、すごくいい方に転がりました。
球数の多い江草が、3回投げて一人頭4球程度。
ここでリズムができたことでしょう。
家に帰ってニュース見ました。
野口の声には惚れ惚れしますね。
攻撃陣にはもちろんもっとがんばって欲しいけど、やっぱり先発よ。昨日の勝因は江草の好投と早く能見を見切った岡田采配につきると思う。誰一人完投能力ないやんか。
＞あみひろさん
お返事ありがとうございます。
そうでした。ドラの「ねーらーいー撃ーちー♪」がありましたね。
何年か前、西武とドラの日本シリーズで西武を応援しにグッドウィルドームに行った時、
この応援の迫力に圧倒されたことを思い出しました。
何せドラはアウェーのはずなのに、球場の２／３がドラファンで埋まってましたから、その威力たるや凄まじいものがありました。
（さしずめ、神宮での 阪神×ヤクルト みたいなとこでしょうか）
と同時に、外野の応援団だけでなく内野で観戦してる人間までも一体になれるその応援スタイルに、
憎たらしいけども心の底から羨ましく思いました。
（この時の西武の応援、カブレラの打席ぐらいしか一体になれなかったからなあ…。）
だから今、我等がタイガースへ送る「わっしょい」は、身震いする程興奮し感動して止みません！
原監督、長嶋氏の奥様が亡くなられたので、その夫人の為の
１勝を、と言う気持ちもあったのかな？
監督独断ではなく、チームの総意として。
それが、あの高橋尚投入に見えたのですが。
チームとしても、今期一番の執念が見えました。
わっしょい、わっしょい！
アレやられると、投手などは思わずあのリズムで
投げてしまうのかも（笑）
わっしょい！ホイッ！わっしょい！ピュー！って。
で、一本調子になって痛打を喰らう、と言う仕組み。
能見。
難しい投手だねぇ。
立ち上がりに関しては、杉山より扱いが難しい。
最初に相手に「ワンッ！」って吼えられると
もうダメなんだろうなぁ。
途中で立ち直ったり、徐々に良くなるタイプじゃない
だけに、捕手としても最もリードのし難い投手の典型。
もったいない、もったいない。
こんにちわ、はじめまして。
すごくいいブログですね。虎の強さを感じます。
阪神は本当に強いですよね。
このJFKでの勝ちパターンは脅威ですよね。
相手に与えるプレッシャーは相当でしょう。
僕も野球のことを書いているのでよかったら、遊びに来てください。
日本のことやメジャーのことも書いてます。
http://baseballparks.seesaa.net/
よろしくお願いします。
to じょうさんさま
選手たちの感情がどうなのか、それがわかりませんからなんとも言えませんが、ちょっと変わった采配、投手起用をしますよね。体調など、こっちにはわからないこともあるかもしれませんし、今の状況だと監督自身が説明することもないでしょうが。
ただおっしゃるような、面白くするという方向性は意識して欲しいと思います。
to 田舎の虎おばさんさま
試合終了後の風船は断固反対。禁止希望です。もしあれで試合が中断したら、結果がどうあろうとも、誰も喜びません。無邪気な風船上げは大いに結構ですが、ゲームの進行を左右するようなら止めて欲しいですね。
to ごんたくれさま
大敗自体は別に良いのですが、すっきりしませんでしたね。
to あみひろさま
赤星、ちょっと首痛そうでした。盗塁王争いも厳しい状況ですが、少しでも良い状態でプレーできると良いのですが。
to 一虎ファンさま
江草の１球、良かったですねえ！
to banzaiさま
その展開もすごかったですね。一瞬考えましたとも。
to たまねぎおじさんさま
能見はもどかしいですね。完封した時は、まさに「打ってみろ」って投げていたのになあ。
to x_xさま
投げ終わったあとのポーズもいろいろですね。私はバランス良く守備体勢に入るのが好きだなぁ。
to ＰＰＷ３０６Ｒさま
なかなか抜け出せませんね。もうしゃあないですわ、こりゃ。各チームともチャンステーマはいろいろ工夫していますが、ウチのはボリュームがすごいですからね。銀傘の効果もあるし。
to 真弓さま
値千金の鉄人砲でしたね。予言バッチリでした。
to あみひろさま
Ｄの狙い撃ち、打ちまくれのエンドレスは強力ですよね、けっこうクラクラしてきます（笑）。
to あーちゃんさま
ダメだなんて、よく言いますよね。
期待むなしく…。温存はあくまでもいつもの形で…。
to zero-52さま
江草、いつも笑ったような顔で投げていますが、この日はとりわけ楽しそうに投げていました（笑）。
to 勇虎さま
本当にねぇ。体力尽きる前に追い出されちゃう始末なんだから…。
to ＰＰＷ３０６Ｒさま
チャンステーマには、相手に圧力をかけるという狙いがあるのですが、わっしょいは底抜けに明るいのが良いですね。自分たちが楽しくて、打者を勇気づける。つくづく良い応援だと思います。
to 西田辺さま
偶然でしょうが、王さんも星野さんも奥さまが若くして…。お気の毒でした。
チャンステーマやられると一本調子になるというのは大いにありますよね。終わらない、長い攻撃というイメージが常に頭の中でぐるぐるするでしょうし。怖いですね（笑）。野球と同じように一気に流れがいっちゃうバレーボールの応援にも応用すべきですね（笑）。
to KJさま
はじめまして、ようこそ。
いつでも遊びに来て下さい。
こちらこそよろしくお願いいたします。