さようならカトちゃん

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加藤博一さんが死去。


ホエールズ時代、グラウンドでいつもタイガースファンから「カトちゃ?ん!」「ヒロカズー!」って声がかかっていた。よく手を上げて応えていた。苦労して上がってきた人だから、ファンを大事にする選手だった。だから、活躍してその人柄が知られれば知られるほど、タイガースファン、ホエールズファンだけじゃなく、多くの野球ファンに愛されるようになった。
タイガース時代、江川からホームランを打ったり、盗塁しまくったりした華々しい時よりも、加藤、川藤と控えにいた頃が懐かしいな。その頃を知っていたから、移籍後スーパーカートリオで横浜の子どもたちの人気者になった時、素直に良かったぁって思えたから。
だけどトレードの直後は怒ったよ。なんでカトちゃん出しちゃうんだよ!ってね。その頃のタイガースフロントはアホもいいとこだったから、しょうがないけどね。そこへいくとホエールズのフロントは一番輝く形で売り出したんだから、カトちゃんにとっては最高に良かったんだよね。
各紙記事を読んでいると、解説者としても苦労人らしい丹念な仕事ぶりだったみたい。タイガースOB会の世話役、というかおそらく使い走りをやって、後輩の解説者や選手の面倒を良く見て、上から可愛がられ、下から慕われて。深いシワが刻み込まれた人懐こい笑顔に、彼の性格と生きてきた様が良く表れていると思う。
大きな声で楽しませてくれたその肺がガンに蝕まれ、トレードマークのパンチパーマの髪は抗ガン剤で抜け落ち、最後はファンを魅了した脚にまで転移しただなんて…。どうしてそうなるんだろうね。こんなバカな話があっていいんだろうかね。
明るくて元気な人だったから、いや、そうじゃなくても、いつでも明るくて元気なところしか見せなかった人だから、余計にね。本当に悲しいよ。
さようならカトちゃん。ありがとうございました。

コメント

  1. TT より:

    お久し振りです
    明るいキャラクターの加藤さん、亡くなりましたね。
    ただ、『スーパーカートリオ』と言われていた頃は余り野球を見ていませんでした。
    解説者になった時は、見る機会が多くなり、面白い人だなと思いました。
    ご冥福をお祈り致します

  2. banzai より:

    おいらの記憶が間違ってなけりゃ島野はんの背番号8を譲り受けたのがカトちゃんじゃなかったかな?
    右とスイッチの違いはあったが、俊足&華麗な守備でゲームセットの瞬間にはいつもセンターにいた二人がこの一ヶ月の間に続けて逝っちまった。最後まで駆け足なんだから・・
    引退後も島野はんはコーチとして、カトちゃんは解説者として多くの人から慕われた。
    最近のトラの背番号8に俊敏なイメージは消えつつあるが、いつか島野二世や加藤二世と呼ばれる韋駄天の8番が現れることに期待しよう。 合掌

  3. GENSHU より:

     すみません、「タイガースの加藤」って全然印象にない。
     残念です。

  4. ごんたくれ より:

    阪神から大洋へ移籍して『スーパーカートリオ』と呼ばれていたのは記憶に新しいところ。
    あの屋敷・加藤・高木は敵チームでも愛着のわくトリオでした。
    当時の「ファミスタ」では阪神以外ではよく大洋を使っていました。懐かしいですね。

  5. タイガー・アイ より:

    安藤監督時代のことですが、加藤博一選手が北村選手のツーランスクイズでホームインした場面をよく憶えています。しかし、翌日には若手外野手(田中選手だったと思う。秀太選手とはもちろん別人)と交代でファーム落ち。二度と一軍へ復帰することなく、翌年確か野村投手との交換でタイガースを去りました。移籍してもタイガースのファンから愛された加藤選手だから、逸話や作り話の類いだろうけれど、タイガースがホエールズに勝った時は陰で「六甲おろし」を歌っていたという噂がありました。

  6. fmamiya より:

    幼い僕の記憶ではスーパーカートリオをポンセが返すのが大洋の野球でしたよね?
    ご冥福をお祈りいたします。

  7. 西田辺 より:

    早すぎますね。
    人生まで韋駄天で駆け抜けなくてもいいのに・・・。
    どちらかと言えばタレント系解説者の様に思われがちですが、
    かなり鋭い解説をされていた記憶があります。
    コーチとしての現場復帰を希望してたのかも知れませんね。
    積極的に国内外の現場に赴き、知識の吸収にも貪欲でした。
    人間としても、野球人としても惜しい方を亡くしました。
    心よりご冥福をお祈りいたします。

  8. wr29 より:

    私も現役時代の活躍は見ていないのですが、
    「プロ野球ニュース」での際立ったキャラクターが大好きでした。
    決して選手を貶さず、苦労人型の選手に精一杯のエールを送り、
    おちゃらけているだけでなく試合の流れ・ポイントを的確に熱心に伝えてくれました。
    本当に惜しい方を亡くした悲しさで一杯です。
    「大きな声で楽しませてくれたその肺が・・」のくだり、思わず涙がこぼれてしまいました。
    ご冥福をお祈りします。

  9. torao より:

    to TTさま
    愉快な人でしたね。
    to banzaiさま
    あ、本当ですね。8番が…。今は浅井か、今季は外野手ですね。
    to GENSHUさま
    80年はタイガースで.314(打撃5位)、34盗塁という大活躍をしたのですが、そのあと活躍できずにトレードでしたからね。やっぱりスーパーカートリオのヒロカズですよね。
    to ごんたくれさま
    >…『スーパーカートリオ』と呼ばれていたのは記憶に新しいところ。
    いやいや26年前ですよ!記憶に新しくない新しくない(笑)。
    to タイガー・アイさま
    そんことありましたかね。凄いですねー、記憶に残るカトちゃんもすごいけど、覚えているタイガー・アイさんも凄い(笑)。
    to fmamiyaさま
    スーパーカートリオにポンセにパチョレックに遠藤に斉藤、懐かしいですね。
    to 西田辺さま
    優しい語り口でしたが、ちゃんとした解説だったと思いますよ。プロ野球ニュースが懐かしいなぁ。
    to wr29さま
    近年でもフジ系の看板解説者の一人でしたからね。けっこう選手の意地とか、執念とかそういうのにこだわって解説していたのを良く覚えています。

  10. はみ より:

    背番号8、前任者から「(タイガースでは)あんまり良い番号じゃない(笑)」と言われた、と、どこかの記事で読みました。そのあとに背負ったのは確か吉竹…
     ああいう明るくて元気な人が、さっさとあちら側へ行ってしまうのは、なんだか納得できない気がします。「人一倍体力あるくせして、なんでだよ」って思うんです。ずっとずっと長生きして、ようやく一般人と体力イーブンになるまで生きなきゃズルいよ…って。
    ひょうきんで、でも野球には一所懸命で、ともかくファンに愛された方でしたよね。寂しいなあ。こんな寂しい気持ちにさせるなんて…ズルいよ…

  11. 広虎 より:

    昭和61年のオールスターにヨッサンに選んでもらって川籐と一緒に初めて出たんだったかな。
    タイガースのスタッフそれにファンはトレードされた選手にも愛着を失わないのがいいところだと思う。
    そういえば赤松,まさか自分がなんてびっくりしていたようだが,岡本なんかは心積もりしていたようで,この辺が指摘される甘さなのかな。
    でも加藤先輩のように活躍してくれ!

  12. torao より:

    to はみさま
    亡くなって、周囲の人が寂しがる様子を見て、故人の人柄をあらためて知るということがありますが、カトちゃんの場合はまさにそんな感じがしました。
    to 広虎さま
    >タイガースのスタッフそれにファンはトレードされた選手にも…
    きっと他球団のファンもいっしょだと思いますよ。期待していたのに伸び悩んだ選手であればなおのこと。

  13. 奥虎鳳 より:

     はじめまして。ここ2年くらいほぼ毎晩愛読させていただいております。仕事を終えてパソコンと向き合うのを楽しみにしています。解説諸氏と違った独自の切り口に、真夜中に一人感嘆することしばしばです。友人諸氏からは「おめー、夜おせーんだよ」とよく言われています(><)
     昭和48年、小3の当時に讀賣9連覇を阻止せんとマジック1まで優勝に近づきながら自ら掘った落とし穴に落ち2位に甘んじたタイガースにとり憑かれ以来30年以上、トラキチ人生を送っております。
     今日の対横浜5回戦は、1月に急逝された加藤博一氏の追悼試合ですね。阪神時代、ブレイザー監督に見出され一軍に定着。確か昭和54年に、4試合連続完封負けで乗り込んだ岡山球場は対広島戦、40イニングを超える無得点記録を
    山根から放ったランニングホームランでストップ。暗黒時代にも破られることのなかった球団ワースト記録を止める快足を告げるラジオ中継に、歓喜の絶叫をしたことを覚えています。 
     プロ野球ニュース解説者時代、どこのチームか忘れましたが、優勝祝いのビールかけを報じた番組の最後『僕が最後に優勝したのは高校時代(多久工)のクラス対抗がなんですよね。本当に羨ましい』のコメントが深く印象に残っています。
     今季初、今日はレフトスタンドへ行ってきます。開幕ダッシュを止めることなく、連勝モードへ入るようメイチ応援してきます。優勝あるのみ。
     最初から超長いコメントになってしまいどうもすいません。今後も愛読させていただきます。コメントの方は、まずはタマ連を目指します。まずは本日の勝利を期して。

  14. torao より:

    to 奥虎鳳さま
    はじめまして、ようこそ。
    趣深く、ぎゅーっと中身が詰まった気合いのコメントありがとうございます。
    そして素晴らしい試合を見られましたね。
    またどんどん書いて下さい。