「12月20日に食事の約束をしているので、それまでは何とか生かせてほしい」仰木さん、イチローに会う次の約束の日まではと担当医に懇願したとか。来いと言えばイチローだって飛んで来ただろうに…。でもそれではダメなんだろうな。約束の日に、何でもないような、いつも通りの笑顔で会いたかったのだろう。仰木さんらしいなぁ…。
V旅行中のボビー・バレンタイン監督が、名球会の集まりを表敬訪問。王監督に、WBCへの全面的な協力と、リアル・ワールド・シリーズ実現への協調を申し出たという。今までもそういう発言はあったし、そういう人であることはわかっていた。でもあらためて、わざわざ「日本球界の要人」が集う場所に出向いて、ビールを注ぎながらこういう申し出をしてくれる、そんな人柄に胸を打たれた。「球界はこのままではいけない」と評論家のように発言する者は多々あれど、自己犠牲をいとわず、真正面から労力と情熱を注ぎ込む人など、ほとんどいない…それが日本球界の現状だ。アメリカ人の一監督が、どうしてそこまで日本球界のために尽力してくれるのだろう。
そういえば、日本の歴史の中では、度々こういう異国からの偉人が登場する。たいていはキリスト教をひろめるためにやって来た医師で、来る日も来る日も病気で苦しむ日本人を助けてくれた。乱暴な言い方だが、宗教的な道徳観がそうさせる部分は大きいのだと思う。
日本人的「無宗教」は、狂信的なものへの嫌悪感など、役立つところも大きいが、昨今の無秩序を思わせる事件の数々を見ていると、宗教観、道徳観の欠如に問題があるとも思う。
死球で鼻骨が砕けた時に、日本人外科医が匠の技で元通りにしてくれたことに感謝したとか、日本製グラブの出来の良さに感動したとか、ボビーが日本びいきになった理由はいろいろと伝えられている。そういうこともあるだろうが、ボビーの行動を見ていると、国だとか、野球だとか、そんな「小さなこと」にとどまらない、大きな愛情のようなものを感じる。
まぁ、それだけの高禄を得てはいるが、それに見合う以上のパワーを目の前の仕事にぶつけていく。いつでも前向きで、笑顔で、情熱的。あちこち衝突しても、自分が信じる「良いこと」から目を反らさない。そのうち、その姿に魅了され、それをサポートする人がどんどん現れてくる。その意志を感じ取り、推進力はどんどん増していく。意志の力が人並み外れている人の周辺には必ずこういう現象が起きているように思う。日米の「意志の人」、ボビーと王さんの周りに、推進力がどんどん集結してくるといいなぁ。
星野SDもMLBコミッショナーと会談をしているようだ。どうか持てる力を出し惜しみせず、力を発揮して欲しいと思う。
コメント
毎日なにかの仰木さんのエピソードが出てきてよけいに悲しいです。スマートに約束どおりイチローに会いたかったんでしょうね。イチローはますますくやしく思っているでしょうね。
ボビー監督が日本びいきになっていった課程を私は知らなかったのでなるほどと思いました。日本を愛して野球を愛してもっと日本野球をよくしようとがんばってくれる姿に心打たれます。プロ野球はほんとに口ばっかりの評論家が多いのでボビー監督のような人がいることがありがたいですね。
WBCは松井の出場とか、いろいろもめたりしているところもありますが本番は盛り上がってほしいです。
>宗教観、道徳観の欠如に問題があるとも思う。
道徳観の欠如に起因することがらが多すぎる昨今、道徳観をいかに養っていくのかが、切実な問題だろう。ただし、特定の宗教にたよらない、偏らない道徳観。この点をきちんと押さえておかないと、戦前、戦中の国家による、あの偏った道徳観の押し付けが繰り返されかねない。
先日はお越しくださいまして有難うございました。
仰木さんの人間性にはどんなエピソードも今となっては涙しか出ません。
本当に残念で、悔しくて・・・いい人ほど早く天に召されるのでしょうか。
「球界を良くする為に」って声高に言ってる人程結局口ばかりで行動が伴ってないように感じるのは私だけでしょうか?
評論家にしても、オーナーや球団経営に携わる人や、解説者もそう・・・
外国人だからとか 行動力があるからとかじゃなく バレンタイン監督が一段と頼もしく感じました。
日本人的「無宗教」・・・これって欧米とは決定的な違いですね。
特にヨーロッパはキリスト教によって一定の歯止めがかかっているとも言えますよね。
ボビー、仰木さん、岡田さんもですが野球が好きで好きでたまらない・・・こんなオーラが全身に表れてますよね。こんな監督と一緒にプレーできる選手は幸せですよね。仰木さんの死に対しての金村さんの号泣を観てもそう思いました。
歴史を見ると、国や組織の転換期にそれを推し進める外国人がかなりいますね。バレンタイン監督の発言や行動を見ていると、ぶれないし、その熱意はどこからくるんだろうとびっくりすすくらいエネルギッシュですよね。ただ、この前ロッテのHPでアメリカでバレンタイン監督を取材してきた記者の人のコラムを読んだんですが、「ボビーはすごい。ボビーは偉大」という感じで、まるでボビー教に勧誘されてるみたいで気持ち悪かったです。
バレンタイン監督が親日家の理由は、いろいろあったんですね。
王監督のような偉大な成績と人望を持つ人間や、
バレンタイン監督のような日本野球に一歩外から意見の出せる人が、
保守的な体制を改善していくきっかけを作っても、
決定権が頭の固いお偉方なのがはがゆいですね。
「踊る大捜査線」のキャリアとノンキャリアみたいなもんでしょうか。
ファンの立場でも出来ることやっていくことが、
小さいながらも推進力になるでしょうね。
このところ幾度も書いたことだけれど、日本を訪れた外国人は
日本贔屓になるようです。とは言うもののそれは或る程度の地位
とか教養とかの基盤を持った人々で、労働で日本に活路を求めて
いる人は見えぬ差別に困惑しているように思われます。
嫌な言葉だけれど島国根性とか、外国とのお付き合いに慣れてない
とか、いろいろと有るのでしょうが、もっと親密になりたいですねぇ!
昔の日本は失われつつあると言われますが、世界から流れてくる
ニュースを見ていると、日本はまだまだ捨てたものでは無いと
確信しています。外交辞令とは思うのですが
「タイガースファンは一番やぁぁぁ」と叫ぶオマリーの言葉は
本音も入っていると信じたいですねぇ!
仰木さんのエピソード、すでに知っているものも、改めて知らされるものも、なんかこう…涙腺を刺激されたり、ぽこんと開いた穴の存在を感じさせられたり、します。しんみりした雰囲気は、きっとお好きではない方だろう、と思うのですけれど、でもなぁ…
昨日、熱狂的な野球好きを自称する御仁に、「パ・リーグはつまんないから嫌いだけど仰木さんは好きだった」と言われて、シバキ倒したろかと思うより前に、どてっ腹に大穴あけられたような脱力感をくらいました。タイガース・ファンが口出すようなことじゃないかもしれないけれど、そんなことを平気で言える「野球好き」もいるんだなあ、と混乱して一日涙目…ちょっと愚痴でした、すみません。
バレンタイン監督、余計なしがらみがないから、自由に動けるというところもあるのでしょうね。日本の球界人は悲しいかな、どうしてもユニフォームを着ては球団の顔色を伺い、OBとなっては次の就職先に気をまわし、偉くなってからは自分の権利を守ることに汲々とする、という傾向があるようです。そこらへんはフツーの人たちと変わらないわけですが、親近感は感じられません(笑。勝手だな(笑。
古田PMをはじめとした、これからの人たちが、それを変えていくのでしょう。バレンタイン監督の行動が、変えていこうとする彼らの動きに対して「Yes」と言っているような気がします。ファンにできる一番簡単なことは、そんな彼らに声援と拍手を送ることでしょうね。
今日、寒いねぇ…。こんな日は読書だな、「牙」面白い!
to かにこさま
行動が大切なんだ!ボビーを見ているとそう思えます。しかも難しい顔してやるんじゃなくて、楽しんで、笑顔で「良いと思ったこと」をする。これですよね。
to いわほーさま
私自身、無宗教(あえて言えば猛虎教?)なのですが、自然への畏れ、先祖への敬いなどは、もっともっと高い価値基準に置かなければいけないなぁと思っています。
to pmたんさま
仰木さんの生き様にも球界の関係者はいろいろと思うことがあるでしょう。自分にできることがあるなら、自分を犠牲にしてでもやらなきゃならない。ボビー、王さん、仰木さん。今季パの指揮を執った3監督からのメッセージは大きいですよ。
to yuさま
>特にヨーロッパはキリスト教によって一定の歯止めがかかっているとも言えますよね。
そしてヨーロッパという多くの国が所属する社会に置いて、サッカーという「ガス抜き」があること、これも無視できないことだと思います。
>ボビー、仰木さん、岡田さんもですが野球が好きで好きでたまらない・・・こんなオーラが全身に表れてますよね。
岡田監督は、まだまだ同列にしちゃダメでしょう。まずは3年目、頑張ってもらいますよ。これからこれから。
to イエローさま
>まるでボビー教に勧誘されてるみたいで気持ち悪かったです。
こんなシーズンの後で、ファンが読んでいることを前提のページなら「マンセー」オンリーも仕方ないでしょう。それを言ったら、タイガースの公式ページもそうでしょうし、関西系スポーツ新聞やデイリーもかなりのもんですよ(笑)。
to grayhostさま
>ファンの立場でも出来ることやっていくことが、
>小さいながらも推進力になるでしょうね。
いや、これが大きいと思いますよ。向かい風を作るのか、追い風を作るのか。最終的に推進力にもっとも影響を与えるんだと思います。
to 森 無礼さま
>日本はまだまだ捨てたものでは無いと
>確信しています。
どうも私はここらへんの確信がゆらいで仕方ありません。
「徳」が軽くなって、「得」ばかり偏重されているようで。
でも、悪いヤツらが捕まっているだけ良いのかな。
>「タイガースファンは一番やぁぁぁ」と叫ぶオマリーの言葉は
>本音も入っていると信じたいですねぇ
本音1割、処世術9割かな?(笑)
to はみさま
>しんみりした雰囲気は、きっとお好きではない方だろう、と思うのですけれど、でもなぁ…
そう、しんみりは喜ばないとは思うんです。できるだけしんみりしないようにしたいんですけどね。ちょっと本人の覚悟と、周囲の覚悟に時間差があったのがキツイですね…。
>バレンタイン監督、余計なしがらみがないから、自由に動けるというところもあるのでしょうね。
ああ、本当にそうですね。だからこそ貴重なんだなぁ。やはり外からの血というのはとても大切なんだなぁ。
>ファンにできる一番簡単なことは、そんな彼らに声援と拍手を送ることでしょうね。
まったくおっしゃるとおり。そして絶対にこれが大きな力になる。斜に構えて、「どうせ…」と言っていても面白くない!仰木さんやボビーのように、おもしろがって当事者になっていくことだと思います。幸いにして、声の出し方は昔に比べてずいぶんと、手軽になりましたし、大きくしやすくなっていますからね。
まぁ!ここで論争する気はありませんが、チョツトだけ反論です。
世情を眺めていると、嫌になるニュースばかりが流れて、自信が
なくなるのは判るのですが、自分の立つ基盤を信じなくて何を
拠り所に出来るのでしょう。謙遜の意味での反省は大いに必要と思いますが、あまりの自虐はどうなのでしょう。
確かに、徳より得の風潮はあります。これも殆どは欧米から来た
思想に基づいているのでしょう。日本を愛した外来人は欧米に無い
精神の日本を愛したのです。我々世代に責任があるのは当然ですが、
良いところだけを元に戻す工夫努力に努めたいと微力ながら努めて
いるつもりです。
本来なら日本のプロスポーツの先駆けとして、経営・運営
その他のモデルケースになるべきなのに、それすら
侭ならない。
この状況を打破するには、やっぱり強力な外圧
が必要なんですかね。
本当は内側からマグマが噴出すのが理想なんで
しょうけどね。
今日、大阪ドームに記帳にいってまいりました。・・・と言うのは表向き、どこかに隠れている仰木さんを探しに行って参りました。
ドーム前のバファローズショップははひっそりとしていました。(日曜だしもう少し人がいると思ったんですが・・・)
それにしても寒かったです(><)
りささんへ
きっと、来季の開幕まで隠れてるつもりなんですよ。始球式に出てきて「びっくりしたやろ? ワシもやねん」て笑うんですよ。
to 森 無礼さま
OK!森さんのお気持ちよくわかりました。もし私が父親に時代が悪いと文句をたれれば、おそらく同じように言われるだろうな(笑)。
薄くはなっていても、無くなってはいない。絶滅さえしてなければ、大切に増やしていけば良いだけのことですもんね。
to 西田辺さま
確かに日本にとってありがたい外圧なんですが、それ以上に、ボビーの純粋さを感じます。ジャパニーズベースボールはもっともっと強くなれる。もっと世界を目指さなくてはいけない。国外にライバルたりえるリーグが存在するということは、メジャーにとっても良いことだ…。「リアルWSは、ハワイでチャリティ」なんて言っている人ですから、損得なんて考えていない。ただただエキサイティングな野球のことだけ考えているんでしょうね。損得がからむとなかなかそういうことはできないのでしょう。
to りさ・ふぇるなんですさま
寒い中お疲れ様でした。私は今度ついでの際に、川崎球場あたりを探してみますね(笑)。
to はみさま
いや、来春はセーフコフィールドかな?(笑)
蒼い眼の盟友
ちょっと前の話し… WBCのメンバー選出を巡って、一部のMarinesファン…
仰木さんは、球場じゃなくて、飲み屋を探さないと見つからないと思います…。
ハハ、toraoさん
岡田さん入れるかどうか迷ったのですよ(笑)
ちょっと格が違いますからね。でも我が阪神タイガースの監督と言うことで・・・。
それに二軍まで自分で観に行くくらいのエネルギー。ちょっと敬意を表しました。σ(^_^;)
to ichikenさま
了解。では川崎駅周辺の飲み屋をあたります(笑)。
to yuさま
鷹揚なだけでなく繊細というところを、この3年目で見せてくれたら、師匠と同じように、監督の前に「名」がつくかも知れませんね。