交流戦に入って、巨人の調子が上がってきた。投手陣は相変わらずだが、それを上回る打撃陣の爆発が目立つ。
「交流戦だと相手のことをよく知らないので…」これがよく聞くキーワード。したがって投手有利というのが一般論なのだが、どうやらパの看板打者を集めてきた巨人の場合は例外のようだ。ローズ、小久保、清原はパの投手こそ「かつてのイメージ」を感じ、恐れを抱くのだろう。そして各打者も「かつてのイメージ」を思い出しつつあるように見える。
左ふくらはぎ痛の片岡選手だが、ようやく回復近しの報があった。濃密な６連戦が続く交流試合は、ことのほか選手の体力を奪っているように見える。今は出る幕のないように思われる片岡だが、今岡・シーツのサブ、左代打の切り札は必要な役割。
もう焦っても仕方ない。着実に回復させ、最高の状態を作って来て欲しい。
交流戦前半のヤマ場、ＬＨ６連戦は１試合を残して３勝２敗。「控え目な目標」５割をクリアし、「チャレンジ目標」４勝２敗を窺う。それにしても投手陣の集中力が素晴らしい。
そしてそれになんとか報いたいとする打撃陣にようやく繋がりが戻ってきた。
試合展開は理想的。初回金本先制２ランＨＲ，３回今岡の２点タイムリーで加点、２点差に追い上げられた直後の６回金本タイムリー、８回にはシーツのタイムリーと金本のこの２本目の２ランＨＲでとどめを刺す…。素晴らしい。特に前の打者の失敗をカバーするような打撃が多かった。「それでも負けない」前日からのムードが生きた。
やはり阪神打線の顔は金本をおいて他にない。皆で作ったチャンスに力みまくってポップフライ、空振り三振もあるけれど、ここぞとという場面で空気を一変させる力を持つ男こそ４番打者。球界広しと言えども、「４番目を打っている打者」ではない「４番打者」はそう多くはいないだろう。
コンディションはあまり良くなく、右足首に張りがあるという。フルイニング男に休息はありえないが、今年おとずれたただ一つのチャンスであるＤＨにも、「オレがＤＨで出たら、浜中が出れんやろ」と首を横に振ったという。だがそれもあってか、ここのところバッティングは力みがなくなった。威圧的なフルスイングから、コンパクトなミート打法に変えて好結果を続けている。それで十分、あの飛距離なんだから（笑）。
金本にもっとも影響を受けているのが、この日４安打で打率が３割を大きく越えた鳥谷だろう。まずケガをしないで試合に出続ける。試合後も必ずバットを振り込んでから帰る。現時点で力強さは足下にも及ばないが、金本の背中をしっかりと見て、やるべきことをやっている。そんな選手が成功しないはずがないと信じている。
先発下柳投手は、今回も低めの変化球を打たせる投球が冴えた。さらにこの日は意識的に懐を衝くボールを多く配した。もちろんデータの裏付けもあるのだろうが、逃げればどこまでも叩きに来るホークス打線を「それなりに」抑えるには、失投覚悟でも内のボールを投げなければいけない。いつもより早い５回６６球の降板でも、おそらく下柳はクタクタになっただろう。
「リリーフに迷惑をかけてしまった」こんな短いコメントでも、あるだけ珍しい（笑）。だがそんな言葉はなくても、下柳の考え方はチーム全員に伝わっている。
藤川「僕には真っ向勝負しかない。逃げるボールはありませんから」
江草「ああいうところでしっかり投げるのがボクの仕事です」
下柳の後を受ける投手は、いつにも増して集中しているように思えるのは、気のせいだろうか。
９回ウラのベンチ、下柳が降板後のウィリアムスに通訳を介して何事か話している様子が映し出された。自分なりに気づいたことを助言していたようで、ジェフも真剣に聞いていた。
まずは自分の持ち場を目一杯、それができたら、周囲にも助力を惜しまない。藪が米国に去った後、投手陣を静かに、だが力強く牽引している。
コメント
おはようございま?す。
今日の高知は雨模様。ちゅんもなにやら大人しく外を眺めております。
下さんのその発言は素晴らしい。
本当に大人の男ですね。
アニキの濱ちゃんへの思いやりもまた然り。
阪神の選手はよわっちいところもあるけど、
優しさは強さがなければ出来ないこと。
先輩たちの素晴らしい優しさをばねに
「芯の強さ」を見つけて欲しいですね。
アニキも、このまま「おかわりアニキ」で頼みます。
今日はデイゲームですね。
こっちは雨ですが、確か福岡はドームでしたよね？
それにしても昨日の和田君はなにか調子悪そうでした。
どこかが痛いとか言うより、なにか精神面であせっていると言うかなんかおかしい気がしましたが気のせいかな。
| ちょびうさ | 2005/05/22 9:25 AM |
おはようございます。
今日みたいな日は，
「期待通りでうれしいです」
と「シモさん的コメント」一言で十分。
…と思ったけどやはり余計な一言を。
昨日のtoraoさんの
＞今日は、アニキの闘志に期待しますよ。やられっぱなしで黙っているような男じゃないでしょう。
また予言的中（！？）。
もうこうなってくると「脱帽」だけじゃすまずに，頭から頭蓋骨を外しちゃいますよ。
個人的にも「注目」の鳥谷，プロ初の一試合４安打おめでとうです。和田のペースを乱したのはもちろん，１回の赤星の盗塁とアニキの一発ですが，立ち直ろうとしていた３回，先頭の鳥谷のクリーンヒットはけっこう効いたんじゃないかな？
ＳＢＨはここまでセ・リーグ４チームに負け越しなしですが，こうなったらぜひ今日も勝って，「今年の日本シリーズの相手」がだれかを印象づけてほしいですね。
| おかぼん | 2005/05/22 9:30 AM |
金本の２本目のＨＲには精神的な伏線があった（？）。１アウト２・３塁でライト前にヒットを打ったとき、セカンドランナーの藤本が三本間に挟まれた。挟まれた位置からして３塁コーチャーは回していたと思うが、ともかくも藤本が粘っているとき、金本はおとりになるセオリーを怠っている。悔やんだと思う。
０アウト１・２塁。藤本の一見ヘタクソな送りバントを相手投手が３塁へ悪送球したのには伏線があった（！）。藤本が初球のなんでもないストレートを決められなかったとき、セカンドランナー鳥谷のリードは小さかった。３球目を藤本が転がしたとき、投手は悪くもないバントに３塁をあきらめていたが、捕手はランナーの動きから迷わず３塁を指示した。結果…オーライでしたが、鳥谷は気合が入ったと思う。
６回に登板することになった藤川。ちょっと準備不足だったと思う。アウトローのスライダーを克服したかに見えるバージョンアップしたズレータがブラッシュボールにチキンハートを見せ付けてくれたが、７回はいつもの藤川だった。下柳は藤川ばかりでなく江草にも「すまん」という気持ちだったと思う（笑）。
| ＢＳミツルＨ | 2005/05/22 9:32 AM |
to ちょびうささま
福岡は開閉式ドームなんだけど、電気代がかかるから明けないんでしたっけ？（笑）。もったいない。
和田投手…ああ、それは「女のカン」ってやつですね。きっと彼女とうまくいってないんでしょう、知らないけど（笑）。
to おかぼんさま
予言じゃないですって（笑）。でも４番にやられた借りを４番がきっちり（利息つけて？）返してくれたのは嬉しかったです。
なんていうか、ＳＢＨとの試合は剣術の他流試合のようにピリっとしますね。今日は能見と寺原ですか？気持ちで負けないという投球ができれば、勝ち越しのチャンスは大いにありそうですね。
to ＢＳミツルＨさま
あの挟殺はブザマでしたねぇ。先日も同じようなプレーがありました。本塁突入の指示については大きな問題があるままですね。ホント、岡田監督が立てば良いのに（笑）。そう、おとりにもならず、次の塁にも進まず、金本は何かポカンとした顔をしていました。何だったんでしょう。
鳥谷の離塁は小さかったですね。加えてスタートも良くなかった。おしゃるように投手がびっくりしてしまったんでしょうね。え？本当にサード投げていいの？ってなもんですよね。塁上の鳥谷には打席以上に物足りなさを感じます。
それにしても久保田やめて江草という展開多いですね。打線のダメ押しがあるということは、良いことなんでしょうが。藤川ばっかりすり減ってしまいそうで…。明日の休みを前に、今日は藤川に連休をあげられる展開にしないといけませんね。
| torao | 2005/05/22 10:40 AM |
一昨日は松中、昨日は金本と「４番打者」が互いに「仕事」の応酬をして１勝１敗。
今日は、もし負けても倉敷で勝てればＯＫという試合だが（甲子園は交流戦全勝の計算ｗ）、ここまでくれば勢いに乗って勝って帰りたいものです。
しかし、ハシケンの離脱は痛いなあ。その間、今までだって楽をさせてもらっていたわけでもない球児にさらに負担がかかりそう。
その点、投げてみないとわからないが、良いか悪いかがはっきりしている能見が先発なのは、良いかもしれない。
悪ければブラウンでロングリリーフ、良ければ6、７回までスイスイといってくれるだろうから、今日の球児は勝ちゲームの1イニング限定ということで、よろしくお願いします。
| ばかぼん父 | 2005/05/22 10:48 AM |
to ばかぼん父さま
あ、書くの忘れましたが、佐久本抹消、代わりは牧野です。
良い方の能見がインコースに直球を見せながら、スライダーでくるくるコマ回ししてくれるにこしたことはありませんね（笑）。ＳＢＨに完投勝ちしたらすごいなぁ、ちょっと求めすぎですね（笑）。
| torao | 2005/05/22 11:00 AM |
昨日は、ソフトバンクのネット中継のおかげで
最初から最後まで見ることが出来ました。孫社長に感謝！ですね。
スペンサー、相変わらずスタメンで出るとヒット打ってますね?。
もうそろそろ甲子園での一発を見たいですね。
金本選手、さすが4番！発言もさすが4番！
結果的に9-2というスコアでしたが、序盤はイライラする展開でしたね。
特に5回裏の前進守備！1点を怖がるあまり2点目を取られて
その後バティースタを併殺に取れたからいいものの繋がれてたらと思うと怖いですね。
| allen | 2005/05/22 11:03 AM |
初戦の大敗をよい意味で引きずって、それを反発力にしたような快勝でした。やはりこういうときはベテランが牽引力ですね。母親のごとく金本の蓄積疲労を心配するファンとしては、ＤＨでの出場を希望するものの、それを受け入れないだろうことも母親のようによくわかる。
金本以外の選手も交流戦にはいって慣れぬ球場でプレーすることによる疲労はピークに達しているのではと思うだけに、いかに上手く働かせながら休ませるかが、ベンチワークの腕も見せ所。ハシケンも大事に至らず復帰できるならベンチワークの功績。長引くようならベンチワークの失敗。きちんとそのへん見分けておきたい。
# 佐久本投手は１試合でファームにでもどりですか。モチベーションを切らさずに次の出番に備えて欲しい。
| いわほー | 2005/05/22 11:23 AM |
ファームの選手層が厚いチームでは、上げても結果が出なければ１試合で落とされるのはしかたないのではないでしょうか。テストしてみたい選手は他にもたくさんいるわけですから。
むしろ、毎年ファームで優勝争いに加わっている今の阪神では、レギュラーメンバーに故障者がいない時でも、投手・野手１人ずつ「サバイバル枠」を作っておいた方が、ファームのモチベーションも高まると思います。もちろん、数試合続けて結果を出せば、野手の控え組と入れ替わってレギュラーに入れることを前提に。
ただし、セットアッパー３人、内外野の２ポジションで併用という今年の体制では、これは無理な相談ですが。近い将来、野手の先発メンバーは固定して投手枠を１人増やすことを望みます。
| のののー | 2005/05/22 1:29 PM |
連敗阻止できて良かったですね、toraoさん。最低の目標は達成できました。金本は豹変しました。西武戦で打ったHR談話で、”６分の力でもオーバーフェンスできることが判った”と言っていました。チャンスになると、ブンブンマルでポップフライばかり連発していた彼の姿が消えて、テニスのラケットで球を運ぶようなスイングに変身。今頃になって打撃開眼したようです。これでブンブンマルには戻らないでしょう。
シモさん、頼もしいですね。寡黙で黙々と自分の仕事をこなす姿は九州男児の鏡です。そんな彼を、ホークスからトレードにだしたのは王監督だそうで、特別な思いでマウンドを守っているのでしょう。
江草も日進月歩、良化していますね。兎に角、四球連発さえ無くなればベンチからもスタンドからも信頼を勝ち得ると思うのですが。
やっと、期待の鳥谷が輝いてきました。内野コンバートの原拠ですから、周りから文句を言わさぬように頑張って欲しい。未だ不満なのは闘志が外に現れないこと。若虎らしい野性味が欲しい。
昨日の大敗で、虎がトラウマにならなくて良かったです。今日は目出度し目出度し
| 激虎 | 2005/05/22 18:12 PM |
まあ、いろいろと心配事もありますが、なにはともあれ福岡のレフトスタンドを埋めたタイガースファンの前で、あの時のリベンジを果たしてくれたことを、（本来、現在やるべきことと関係ないのを承知しつつ）素直によろこんでいます。やったー！
to allenさま（いつもせまいところに一言ありがとうございますw）
スペンサーに限らず、みんながいい仕事していますよ。その都度の結果は別にして、よく集中しています。
あのバティスタの時の前進守備は微妙ですね。それほど打率の高い打者でもないので、楽に打たせるより、前進してプレッシャーをかけた方が良いという判断だったのでしょう。でもわずかながらも得点圏打率の方が、その他の打率より高いので、おっしゃるように下げて１点くれてやるシフトで良いという考え方もありますね。
私は、無死ではなく一死でしたので、ただで１点あげるより、リスク覚悟で前進守備のプレッシャーをかけたのはそれで良いと思います。結果はアレでしたけどね（笑）。
to いわほーさま
選手のコンディションを見極めながら、休ませながら、活躍させながら、試合にも勝ちたくて…本当にベンチの仕事は大変ですよね。マネージメントっていったって、会社の業務管理なら足し算、引き算、かけ算、割り算でできるでしょうが、出てくる結果が○か●のどっちかなんですもんね。ホント、気が狂いそうでしょう（笑）。
to のののーさま
二軍選手を上に上げたらすぐ使う。ちょっとだけ我慢してダメなら次と代える。私はこれが一番良いスタイルじゃないかと思います。いきなり荷が重すぎる使い方をしてトラウマを与えてしまってもいけないので、順を追ってチャンスを与えていくのが上手い使い方。目先の勝利を追いながらも、常にベンチの選手全員のチャンスに気を配るのが将の仕事なのでしょう。
今のところ、上げても使わない、使う場面が合っていない、合っていない場面で出てしまった１度の結果すら我慢できないという状況がたびたび見られることが気になっています。一軍と二軍の間にある高い壁を、どう低く思わせるか。これもまた妖術の使い所かと（笑）。
to 激虎さま
打の金本、投の下柳。どちらも良くなったきっかけは、「次に登場する仲間を信頼して、自分のつとめを精一杯果たす」という謙虚な心構えのように思います。
鳥谷はきっと激虎さん好みの「闘志を外に現す」ことはないかも知れません。ただひたすら淡々とコツコツと積み重ねていくというのが鳥谷のスタイルなのでしょう。私も当初から激虎さんと同じような感想を持っていましたが、近頃では守備の時に見せる鋭さ、全力疾走でベンチに戻ってくる姿に静かなる闘志を「見たこと」にしています（笑）。
中日に喫した大逆転負けが「最悪の負け」なら、ホークス初戦の負けは「最善の負け」だったのかも知れませんね。
| torao | 2005/05/22 9:54 PM |
今日のゲームは投打の主らが
響きあった結果ですね。
つぎはオリックス。
絶対気を抜いたらあかんとこっすわ。
| らいと | 2005/05/22 11:28 PM |
to らいとさま
いかにも気が抜けそう（笑）。せっかく上がった勢いを持続しつつ、少し力を抜いてほしいものです。
兄貴・金本の２発で快勝！
（分Ｙａｈｏｏ！ＪＡＰＡＮドーム） 阪 神２０２ ００２ ０３０＝９ ソフトバンク０００ ０２０ ０００＝２ ＜投手＞ （神）下柳?藤川?ウィリアムス?江草 （ソ）和田?竹岡?フェリシアーノ?岡本?佐藤 ○下柳５勝 ●和田４勝４敗 ＜本塁打＞ （神）