新生和田タイガース発進!

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【本日は別の場所での連載はお休みして、こちらのみで記事を公開します!】


 ドラフトから一夜、アメリカのワールドシリーズは好勝負、今日からクライマックスシリーズ…野球ファンにはまだまだ楽しいことたくさんの秋。
 ファイターズが東海大菅野を指名し、くじも引き当てた話題が野球ファンの間で大いに盛り上がっている。単純に衝撃的な出来事だったというのもあるし、これまでの経緯から来る感情的な意見もあるし、ドラフトの是非論や日本プロ野球のあり方の問題もある。私自身もこの一日で、愉快不愉快、いろんな思いが入り混じったやりとりをあちこちで経験した。
 そんな中でつくづく思ったのは「ファイターズのドラフト戦略の巧みさ」だ。通常ドラフト戦略と言えば、いかに必要な戦力を獲得していくかということが目的なのだが、今回ファイターズの戦略はもっとデカい。それは早大ソフトボール部大嶋を7位で指名したことにも表れている。
 たとえ、もしこれで菅野が入団に至らなかったとしても、ファイターズはこのドラフトでもっと大きなものを獲得しただろう。プロ野球ビジネスの本質を捉えた巧みさだと思う。
 さて一方のタイガースでは和田新監督の発表と、就任会見が行われた。まあみんな知ってたけど(笑)。
 そつのない会見。粘り強くて実直、浮ついたところなく内に秘めた闘志、現役時代からよく知っている和田さんらしい受け答えだった。
 個人的には今回の人選に反対の立場だった。セクションとしては良い成績ではあるが、攻撃面のチーフとして真弓内閣の中枢にいた存在。責任を負うべき立場だと言える。いずれ監督になる人物だと目していたが、なぜかまだ二軍監督をやっていない。準備途中の幹部候補生という感じだ。
 それより何より、事なかれ主義で内向きな人事に対して本能的に嫌気がした。現役時代からずっと球団内にいて、フロントとして使いやすそうという判断ではなかったのか。
 現在の低迷の原因を単に「真弓監督の采配」に求めていては進歩がない。なぜ真弓監督と長期契約だったのか。なぜ急遽交代になったのか。それらを生み出したものをもっと大きなものとして捉える必要があると思う。
 ファイターズの戦略とは逆で、「大きくなった利益を守ろうとするあまりに企業姿勢が萎縮している」。私にはそう思える。それが事なかれ主義を生み、じり貧を生んでいると思う。
 だからフロントに対して喧嘩できる(その手法はともかく)人物が必要だと思っていた。
 私にとって「和田監督」はその対極に位置するだけに否定的に見えたのは事実だ。
 しかし…なのだ。やっぱりこうして和田さんの顔を見て、その重責に押しつぶされそうになりながら慎重に言葉を選び、それだけではなくて素直に自分の言葉を口にしている様子を見れば、「お前の出番だぜ!」と応援する気持ちでいっぱいになる。打てないバッターばかりズラズラ並ぶオーダーの中で、唯一プロらしい数字を残し続けていた和田選手を応援していた時と同じ気持ちになる。一人の選手としてチームを激変させることはできなかったけれど、監督としてならできるかも知れない。暗黒とは何か、暗黒からの浮上とは何かをずーっと見ていた人だから、フロントに対しても愛を持って戦いを挑める人なのかも知れない。
 まずはピリッとした空気を導入できる首脳が絶対に必要だ。そこから先は和田監督の信念が試される。この球団、単なる現場監督では済まない。信念で突き進むしかない。
 応援する気持ちに偽りはない。信念のチーム運営を。信念の采配を。
 来年優勝しよう。

コメント

  1. 熊虎 より:

    私もtoraoさんに同感でして、和田新監督を少々ネガティブに捉えていたところ、監督は就任記者会見の一問一答で随分男を上げたような気がしました。
    来期のセリーグは、戦力的には結局団子レースだと思います。勝つ試合は勝つし、負ける試合は負けるでしょう。ただ、あとちょっとで負け試合を引き分けに持ち込んだり、セコい事してでも勝ち星を引き寄せたりすることで、ペナンとレースを勝ち抜くことが出来る気がします。
    ラディカルな変革をしてくれるスター監督もいいけれど、和田さんにホームランは期待しまい。堅実にコツコツと打者で3割、監督で6割目指し、達成してもらえば万々歳です。
    うん。なんかイケる気がしてきました。

  2. クリキントン飛雄馬 より:

    和田新監督の就任会見は
    心に響きましたよ。
    色々な意見はあると思いますが、自分にとっては新人の頃から現役引退の時まで、そしてコーチの時とすべてはっきりと覚えている
    最初監督が和田豊新監督です。
    大いに期待しています。

  3. いわほー より:

    監督の適性だけは選手、コーチの仕事ぶりだけでは分からない。
    やらせてみないと絶対に能力は測れないものだと私は理解してます。
    タイプ的に和田さんは星野さん、岡田さんのような強烈個性のワンマン監督ではなく、真弓さんのような協調性重視のやや没個性タイプの監督さんのイメージがありますが、こればっかりは蓋を開けて見なければわからんでしょう。
    結局、監督はやらせてみてナンボだと思います。
    お手並み拝見の一年目。
    すべてはそれからでしょうね。
    (ちなみに「内向きな人事」に抗う人選をするとしたら、GMtoraoさんはどなたを推しますか?)

  4. 西田辺 より:

    和田豊本人に何の恨みも、嫌悪の念もないけど、流石に今回の『人事』には「それはどうなのよ?」と言う
    疑念は拭い去れませんでした。
    契約途中の真弓監督を解雇(表向きは「本人申し出による辞任」だが、明らかにマスコミの作り出した
    「ファンの声」にフロントが負けた形)したのなら、真弓野球の否定したのと同義。
    それと内部昇格とは、本来相容れない事柄の筈。
    それでも、どんな野球を見せてくれるのか期待は大きい。
    戦力の把握は充分でしょうし、データ分析にはコーチ時代から定評がある。
    後はどんな組閣をして、どんな野球を目指していくのか。
    現役時代と同じ、渋太く芯の強いチーム作りを。
    行けよ?行けよ?和田豊?お前の出番だぜ?♪

  5. Yalkeys より:

    和田監督の誕生を熱烈歓迎します。
    記者会見で「スパイスを加えれば・・十分戦える云々」というコメントがありました。
    スパイスにもいろいろあります。かなり刺激の強い劇薬?も、たまには加味して欲しいと思っています。

  6. torao より:

    いわほーさん、内部昇格でなきゃ誰でも…って感じですね。「脱内向き」その一点だけに注目するなら、そうですねえ、ボビー・バレンタインとか?(笑)

  7. ☆☆☆ちーまま☆☆☆ より:

    トラオさんこんにちわ。
    どうしたんかな?って思ってましたけど、やっぱりコチラだったんですね。
    和田新監督、私はめちゃめちゃ期待してます。選手に熱い気持ちが伝わってほしいです!去年、ひらのんと一緒にドサクサ退場してはりましたよね
    ?ひらのんが来年ハイタッチの時に和田監督にも闘魂注入タッチ!するのか…早く見たいです。
    コーチ陣も気になりますね。赤星はまだ体調面が不安で辞退…って記事読みました。
    それが引き金になって、やめとけばいいのにまたトラオさんのコラムの赤星の所をクリックしてしまい…結果また号泣。普段は心にフタしてるんやけど、たまに開けるとこんなことになる…。ユニホーム着た赤星がセンターでなくランコーしてたら、それはそれでせつないかもやけど、彼が仲間に加わったら阪神は絶対に変わると思います。
    待ち遠しいです。