軋轢を歓迎す

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 主力選手の契約更改が済まず、選手会鳥谷会長、藤川副会長あたりはその場でチーム運営についての見解を質しているという記事があちこちに。


フラストレーションのたまるシーズンだったことは、どの関係者にも同じことで、「勝つために」というテーマで意見交換が活発に行われることは非常に良いことだと思う。
 総合すれば「勝てなかったことに対する不満」ということになるのだが、選手の側にある不満はいろんな要素が絡み合っているのだと思う。藤川の言う「勝つという姿が(近年)あった。ただ、(今季)途中からちがうと受け取った」(サンスポ)は、選手起用や采配面を指していると思われる。選手の本当のコンディションまでわからぬ外野の自称評論家なりに、それは私も思った。特に終盤の競り合いでの先発ローテや、ローテを外れた投手のスクランブル体制にもったいないと思うことがあった。
 続出する年俸の大幅ダウンについての不満も絡んでいるのだろう。球団側は「これまで甘すぎた」というような発言もしており、ベースの見直しもしているようだ。不満が噴出するのは当然のことだが、改めてサインしたとされる年俸を「こちら、プロ野球人事部」でずらーっと眺めてみて、特段不自然さを感じないところを見ると、決して大事にされていないということもないように思う。
その不満の大きな部分を占めるのが、「城島の補強」ということになるのかも知れない。この突出した補強のために、多くのベテラン選手の年俸が下がり、引退が勧告されたように感じたのかも知れない。そして現実問題として、それは否定しきれないのではなかろうか。今岡については十分な準備期間を与えたと言えるだろうが、赤星やジェフについては、しかるべき「温情」があって良かったのではないか?矢野について、そこまで露骨な減俸をしなくても良いのではないか?その選手たちの思いに、球団は「城島補強」抜きで、答えきれないように思う(でも赤星への引退勧告はあくまでも正しいと思う)。
 それでも球団はそれが必要だと経営判断をして断行したのだから、責任を持って選手たちに説明をしたら良いと思う。それがまさに球団が導き出した「勝つための戦略」なのだと。
 この変革で生まれる軋轢、葛藤、衝突は、タイガースが強くなるために必要なプロセスだと感じている。

コメント

  1. grayghost より:

    2002年のオフの血の粛清では24名という大量の退団がありましたが、
    今オフは育成も含め14名の退団。
    球団経営と編成は微妙なバランスで、年俸が適切かどうかは判りませんが、
    自由契約、引退勧告の判断は正しかったと思います。
    02年の4位から金本という起爆剤で優勝出来たように、
    来季も城島が起爆剤になってもらわんとあきませんよね。

  2. torakkochiyo より:

    新聞も選手vs球団を煽るような書きぶりですね。
    私も考え方がネガに陥ってこのままチームが空中分解しちゃうんじゃないかなんて思ってしまっていました。
    しかし、toraoさんのエントリーを読んで、これは必要なプロセスなんだと思えるようになりました。
    気の済むまでとことん話し合って、すっきりしてキャンプインを迎えてほしいです。

  3. 拉麺 より:

    マスコミを信頼せずに、toraoさんの冷静かつ正確な分析を見た方が確かですね。

  4. あかね より:

    マスコミの煽りはともかく、選手たちが危機感を持っていることに、実はホッとしました。
    球児投手は元々「言うことはいう」タイプという印象でしたが、鳥谷選手はマイペースなイメージが強かったので、少し意外というか。これまで本来持っているはずの力を発揮していなかったというか、そんな感じです。頼もしいですよね(^^)
    球団と選手がきちんと話をして、解決すべきことは解決して、すっきり来シーズンを迎えてほしいと思います。

  5. ジジィ より:

    監督自身があんまり、「勝ちたいんだー」という姿勢を見せないので、球児・鳥谷の「強いチームにしたい」訴えは嬉しいですね。
    鳥谷は、我々のイメージとは異なり『熱いハート』を持った男のようです!(ファン感VTR見ても全然クールじゃないし)

  6. 大虎真弓 より:

     最近政治でも言われているが、説明責任がこの国では全く足りていない。
     政治においても野球においてもビジョン無き団体は、衰退していく。
     たとえ絵に書いた餅でも、いかにその目標に向かって全員で努力していくかが重要なファクターである事は皆理解する所である。
     我タイガースにおいても人的な補強はさることながら優勝する為にフロントはどの様な考えを持って一年を戦っていくのか?
     首脳陣や選手は何をどの様にすべきなのか?
    苦手な投手の癖をどの様に分析しているのか?
    など等全員で話し合っているように思えない。
     指揮官に全てを任せるつもりはないが、少なくても選手たちと同じベクトルで上を目指す努力は惜しまずにしてもらいたいものですね。

  7. 熊虎 より:

    チームを「強い集団」に変えていく上で、大いに言葉を尽くすことは大切なことだと思います。
    その上で敢えてチームの中にいる人、外から支援する人に問題として取上げて欲しいことは
    1)例年失速する後半戦のこと。
    2)後半追い上げるシーズンも最後に選手の消耗で追い上げ切れないこと
    3)高齢化問題と若手の登用について
    4)給料以外に自軍のデータをもっと活用すること
    5)シーズンオフくらいは各選手に冷静に平等にチームの問題点をぶつけ合う機会をもつこと
    6)他のチームにあってタイガースにないものとそれを備えるために必要なものごと
    7)投高打低のチームが続いていることや不調の中心選手の扱いについて
    などなど選手会もフロントも首脳陣も必要な痛みを共有できるような話をしてもらいたいですね。
    タイガースは野村時代以降のチーム作りで確かに強くなったけど今のプレイオフ制を勝ち抜ける力をつけるには足りないことが多いように思うんですよ。球児の熱い心だけでは勝てないですもん。

  8. apatite より:

    フロントは、駒を揃える。監督、コーチが駒を動かす。フロントと監督とは、完全に別の仕事のはずです。ところが、監督が頼りないんです。城島が入っても、監督は「勝負しろ」とか「競争だ」とかいってるだけです。これって、狩野、矢野にとっては、全く、無意味です。勝手にしろと言ってるのと同じなんです。これでは、組織を束ねる人間として失格です。狩野、矢野に適切な役割分担を明確に示す必要があります。与えられた駒は、組織の中で、それぞれ、果たすべき役割があって、一人たりとて、窓際にしたり、腐らせたりすれば、チームとしては、強くはなれないんです。野村は、今岡をつかえなかったからだめだったんです。星野、岡田は、その点、駒を有効に使えた。
     野村、星野、岡田は、上手くいかなかったこともあったが、勝に対する執念があった。真弓は、その執念にも欠ける上、高給取りの久保田を働けるようにしなかった。鳥谷、球児が心配するところがよくわかる気がします。
     いくら駒が揃っても、ヤンキース、巨人が勝てなかった時期があったけど、それはやはり、監督が駒を使いきれなかったのが原因です。
     来シーズンはその点が一番心配です。本当に真弓監督で大丈夫なの。