昨日取り上げた、育成混成チームが社会人のクラブチーム登録して活動させたいというイースタンリーグの動きについて続報。
プロ編成の育成チームの登録は困難(報知)
社会人野球を統括する日本野球連盟の鈴木義信副会長は14日、プロ野球のイースタン・リーグが育成選手で編成するチームを同連盟にクラブ登録することを決めたのに対し、現段階では今年中の登録は困難、との見解を示した。
この日、プロ側と協議した鈴木副会長は、2軍公式戦に出場可能な育成選手が、社会人大会にも出場できる状況になる点に難色を示した。その上で「育成選手とはいえプロの選手。(社会人には)プロのOBは1チーム3人以内という規定がある。この問題をどうするか」などと指摘した。2月24日に開かれる日本野球連盟の理事会で協議するという。
育成チームのクラブ登録に難色=日本野球連盟(時事)
日本野球連盟の鈴木義信副会長は14日、プロ5球団の育成選手だけで編成するチームが同連盟にクラブ登録をする準備を進めていることについて、「2月の理事会でのクラブ登録は、ものすごくきつい」と述べ、現状では難しいとの見解を示した。
巨人とロッテの育成選手らによる「シリウス」にヤクルト、横浜、楽天が加わるこのチームは、社会人大会への参加を目指している。鈴木副会長は「今年の(社会人の)大会の出場チームは決まっている。今から入るのは物理的にきつい」などと語った。 (2010/01/14-21:28)
《まとめ》
(1)プロ2軍公式戦に出場できる選手が、社会人大会にも出場できる点=大前提の変更
(2)プロのOBは1チーム3人以内という現行規定との整合性=競技ルールの問題
(3)今年の社会人の大会の出場チームは決まっている=調整時間がない
という3つが、社会人側として難色を示す理由である。
ふむ。社会人野球の一つの存在意義は、全国大会などで勝ち進むことによって得られる企業のPRにもある。そこにプロ混成チームが入ってくることで、機会を喪失する…一番の問題点はそこだと思っていたけれど、そういう言い方はしなかったようだ。
プロ側の思いとしては、「企業スポーツ」としての社会人野球が非常に苦しい状況であるから、日本野球界の構造をキープしていくためにも、12球団のプロ野球の次に相当する高レベルな競技組織を活性化させたいというのがある。
またそこに参加している選手の多くにも、プロ野球に進むのが夢だという思いを持っていて、より高いレベルで競技したいと思っている。
だから後は、プロ側からもう一歩、社会人チームを運営している企業やクラブにメリットを与えられる工夫が必要なのかな。
「拙速」「時期尚早」というのもわからないではないけれど、これを逃せば1年後…ってのもどうかと思う。短期集中討議で解決できれば良いなと思う。
コメント
プロ野球OBは1チーム3人まで。というルールが有る限り、育成混成チームの参入は難しいでしょうね。
私は根本的に、混成というのに少し違和感が有ります。ライバルチームの選手と、同じチームで一緒にプレーする。というのはプロとしてどうなんだろう?という疑問が涌いてきました。
社会人側から見ると、確かにメリットが殆ど無いですね。社会人野球から見たプロ野球が、雲の上の存在であるべきとまでは言いませんが、憧れであるべきプロ野球選手が、育成選手とはいえ、あまり身近に感じられてしまうのも、どうかと思います。アマとプロが同じ土俵でプレーするというのにも、違和感が有りますし、社会人野球の存在意義も解らなくなってしまいそうですしね。
古い考え方かもしれませんが、やっぱりプロとアマの線引きは、必要な気がします。
社会人野球では今年から日本選手権の開催方法や予選の参加資格など大幅に変更を行うことになっている。
企業チーム、元企業チームのクラブチーム、純粋なクラブチームが混在する中にプロ野球チームが入ってくることには違和感がある。
JABAはあくまでも日本アマチュア野球連盟だから。
プロチームが社会人の大会に加わることにより注目度がアップすることはメリットかもしれないが、全国大会の出場チームはすでに決まっている。今年からほとんどの大会で予選リーグ+決勝トーナメントという形をとり、出場チームの試合数を確保することにしている。社会人野球の大会にプロ混成チームが都市対抗・日本選手権を目指す大会に出場するのもどうかと思う。各地で行われる全国大会は日本選手権出場への対象大会ともなっておりプロチームの参加は迷惑というのが本音だろう。
年間を通したリーグ戦の共催などやりかたはいろいろあるだろうからうまく共存共栄を考えなければならない。
社会人野球に便乗するのではなく独立リーグを含めてともに戦う場を提供するのがNPBの立場ではないか。
プロ側のシリウス参戦の意義はアマ側も充分理解できているとは思うんですが。
他方で出場機会のない若手の手合わせにアマが利用されるんじゃないかと言う
疑念も生まれたんじゃないでしょうか。
自らの土俵に上がられる事で、アマ野球のプレゼンスが侵される危惧を持ったかもしれない。
日本選手権や都市対抗を目標とするチームとしては、選手の経験の上積み
だけでは、余りメリットは見いだせられない。
逆にシリウスに現行の体系を引っ掻き回されたくない思いもあった
と言うのは穿ち過ぎでしょうか。
やはり、相手の土俵でやる以上は目に見えるメリットを見出せない限りは
進展は難しいかもしれませんね。
満を持してのスタビ復活劇!!ここから刻まれる、新たな一コマ