二軍戦で福原が先発、7回ゼロの好投。柴田が戦列復帰。
どえらい試合のその陰で、関本平野の二塁守備にひとくさりしておきたい。競り合いになった後半6回スンヨプの遊ゴロで併殺を取れなかった関本のキレのなさ、大事には至らなかったが、決定的とも思われた追加点を奪われた7回二死阿部の二ゴロを内野安打にしてしまった関本のプレー、8回ウラ一二塁間良く捕ったがベースカバー久保田へ高投してしまった平野。このポジションは常にファインプレーが当たり前であって欲しいのだ。まあ、「大和使ってくれよ頭」が先にあるからそう見えるのは否定しないけどね。
巨人?阪神4回戦(2勝2敗、18時、東京ドーム、42096人)
阪 神 000 005 040―9
巨 人 213 000 100―7
【阪神】能見 渡辺 メッセンジャー 筒井 ○久保田(1勝1敗) S藤川球(4セーブ)
【巨人】藤井 久保 ●豊田(0勝1敗) 金刃
[本塁打]小笠原6号(巨) 亀井1号(巨) 鳥谷1号(神) 新井2号(神) ブラゼル6号(神) 桜井3号(神) マートン3号(神)
序盤で大量リードを奪ったはずなのに、終わってみればひっくり返されている。やる側にまわるのは珍しいけれど、やられることはよくある(今年もすでにあった)ので、どんな具合にやられていくのか、やられる側の心理は良くわかっている。まずどこがやられるのかといえば、頭の中がやられるのだ。やばい、まずい、打たれそう、やっぱり打たれた、やばい、まずい、逆転されたらどうしよう、ああ、やばい…ここから先はあっという間だ。まだ何も終わっていないのに勝ったと思ってしまう心理、あれ?ひょっとして…という疑念、怖いと感じてしまう気持ち、ネガティブなイメージ、負ける時は頭の中から負けていく。
してみればこの試合、前の対戦で能見で先勝しながらGが連勝、しかも力負けの試合だったから、Gにしてみれば能見を後略した時点でほっとするのは良くわかる。足にハリがあるという小笠原を早々に引っ込めるのもわかる。でもそこらへんに初めの気持ちのひび割れが生まれる。まあ大丈夫だろう、まさかね…。タイガースにしてみれば軽くカチンと来るような交代。渡辺、メッセンジャーが自分の生きる場所、生きる道を作るための気迫ある投球。不調を極める鳥谷の良い当たりがスタンドまで届いて2ランHRになる。それまではタイガースもチャンスを掴みながらハードラックな打球で得点できなかった。今までの運の悪さを振り払うかのような、よしこれで鳥谷もチームも変われそうだと思わせる一発。しかしなんのことはない、スコアは6?2だ。ところがやられた方はそう思っていない。6点差もあったのに、大量リードだったのに、次また2ラン打たれたらもう2点差になってしまう…と、まだ打たれてもいない次のことまで計算してしまう。だから、この日打った5本のHRは、すべて価値の高いものばかりだったけれど、ゼロを2にした鳥谷の反撃の狼煙こそ、もっとも価値の高いものなのだと思う。乗って行けよ、トリ!
新井の3点目のHRも良いHR。インハイを詰まって打ったのが大きい。投手にしてみれば打たれないと思って投げた球。しかし新井の頭の中ではしっかり準備ができていて、思い取りに仕留めたHR。これをやられると投手は新井を怖がる。それが大事。
これで藤井を引きずり降ろし、まったく心の準備ができていない久保を引っ張り出す。もう頭の中は「やばいやばい」。城島にストレートの四球「やばいやばいやばいやばい…」。ブラゼル初球を狙い打ち、投げ損ないの高め変化球を無理矢理すくい上げる。高めをすくい上げるという信じられないような形でも彼のパワーをもってすればドームのスタンドには十分届く。
1点差は良いけれど、「HRばかり」と「5点止まり」が気になる。ましていやな松本、いやな足技で1点追加される。確かにこっちの頭の中にも「でも届かないのか」という考えが浮かぶ。でもこっちは気楽なもんだ。まあ6点負けていた試合だもんな、てなもん。
しかしリードを2点にしてもらった豊田の頭の中は、ぜんぜん「よしこれで行ける」にはなっていない。「こうなったら絶対勝たなきゃいけないじゃないか…失敗したらどうしよう、やばいやばい…」頭の中で自分の声がぐるぐる…。前回の対戦の時見た豊田は自信満々だった。直球、フォークとも恐ろしくコントロールが良かった。ところが精神状態が違えば、これだけ投球内容も違ってしまうんだなぁ。初球をフォーク待ちしていた新井に対し、真っ直ぐでストライクを取ったが、新井の打ちそうオーラを怖がるようにボールが続き四球。そうなると城島、ブラゼルを迎えて「ゲッツー取れる」よりも「一発なら同点」の声が強くなる。城島は打ち損じで右飛、ブラゼルは打球上がらず右前ヒットで一死一二塁。「一発で逆転…」頭の中の声が変わる。
「ゲッツーでチェンジ」というイメージを持ちながら桜井の打席を見ていても不思議ではないのに、「一発で逆転」というイメージしか浮かばなかった。それはきっと投げている豊田も、打席の桜井も同じだったのではないか。誰かに操られるように、豊田の初球フォークは、桜井が最も得意とする外よりやや高め、腕が伸びてリストが返って鋭角的に飛んでいくコースにすーっと引き込まれる。いったいこれは誰のイメージなのだろう。イメージ通りのスイング、イメージ通りの打球、思わず小声で「あ、行ったわ」と冷静に言ってしまうほど、イメージ通りのことが起きた。大逆転。ブラゼルが広大をグイッとハグして持ち上げたシーンはしばらく頭の中に残っていそうだ。
1点より2点。この日の仕上げは、マートンの右へ技ありの一発。ホームラン5本、それが得点のすべて。0?6ビハインドからの大逆転勝利。
KOされた能見の負けをみんなで消した。打ちも打ったりではあるけれど、逆襲を促し、逆転を信じて継投したリリーフ陣グッジョブ!マンガのような阪神タイガース。最高に面白かった。
コメント
昨日は序盤2回で完全な負けパターンで見るのやめようかと思ってしまいました。
が、やめなくてよかった!
久しぶりに真弓監督のやる気が伝わった内容でした。うーむドーム恐るべし!
昨日の読売投手陣は全員被弾してるんですよね。読売投手陣はまさにtoraoさんの解説通りの心理状態でしたね。わかりやすい解説ありがとうございます(*^_^*)
大味な試合の中に細かいミスはたくさんありましたが、この流れでミスをなくして今日も勝て?
4回裏から、頭にきてPCのゲームに切り替えた。でもファン心理で今どうなってるのかなーとネットの情報拾ったら、5:6。
おっこれはいかんとTVの前に座りなおしたら、嫌な点の取られ方して、俺が見てるといかんのかなーと思ったが、0:6だったんだから負け元だと見続けていた。
多分、ゲッツーだろうと高をくくっていた桜井がドカーンとスリーラン、いい球投げているんだが、なんかついていない久保田ンに代えて球児の完璧といってよいほどのクロージング、
いやー、最高のゲームでした。
細かいことですが、能見を後略→攻略
久しぶりの現地レフト観戦が凄まじい試合になりました
試合後、全然みんな帰らないんだもん(笑
私も4回くらいで試合を諦めたクチですが、未練がましく途中経過を見て5?6・・・もしかして、もしかするかも!?と思って、そこからはずっと見てましたw
大きかったのが、2点差にされてから新井が先頭で出たこと。離されて「ダメか?」っていう弱気なファンの心理を「いけるいける!!」に変えてくれました。しかし、本当に桜井は東京ドームに来ると、でかいHRを打ちますよね?。なんか、打席に入ったときから予感はしてましたw
まだ気が早いですが、ひょっとしてこの試合は、2005年の時のようなターニングポイントになる試合になるのでは? と思う今日この頃です。
今日も取れば読売に対して更にダメージを与えられます。今日負けて明日取るでも悪くはないんでしょうが、連続で取ることでtoraoさんの言うところの「やばいやばい」心理を、徹底的に刷り込むことができるんじゃないかと思います。今日の先発は内海なら尚更です。
「東京ドームでいくらリードしてても、追いつかれそうで不安になる」っていうのはGの専売特許だったんですけどね^^;
toraoさん、お早うございます。
いつも、詳細で、的確なコメント、楽しく読ませていただいてます。
やっと、「寝ざめの良い朝」を迎えられました。HRでの得点でしたが、しっかり継ないでドカン大きいですね。
鳥様にも一本出ましたから、後は、兄貴の調子が戻れば最高ですね。
そして、平野・関本なんか疲れているようで、ここは「大和」使ってほしいですねかなりやると思うのですが?
最近仕事が忙しい中、久しぶりに仕事が早く終わり、野球楽しむぞと意気込みながら帰路車中にてラジオ聞き出す、あれよあれよと6点先制され能見ノックアウト、、、
超機嫌悪く帰宅しかし晩御飯が大好物の焼きそば、これは何か吉兆の予感!やはりビールと焼きそばで大逆転。
何かを感じた俺がすごいのか、焼きそばを出した家内がすごいのか?
小笠原を交代させたことに怒り心頭とか、平野&関本の不安定さを忘れかけるほど、楽しいゲームでした。
桜井は代打を出されてもおかしくない場面。ガマンした真弓監督にも拍手ですね。
昨日のナマ観戦はさぞかし美味いお酒だったでしょうね、値段も忘れるぐらい(笑)
外出先での速報は0-6、能見打たれる・・・
新井のソロ直後に帰宅3-6
ブラゼルの2ランで5-6 ひょっとして・・・
松本がしぶとく2ベース 5-7に。ヤバッ
出た!桜井の3ラン8-7
マートンのソロ9-7 この1点は大きい
桜井のヒーインも自信たっぷり
8回1死から藤川投入も采配の勝利
今季の忘れられないゲームとなりましたネ
お久しぶりです。
4月12日の「東京ドームで鳥谷爆発してくれんかな」というtoraoさんの一文から昨日の鳥谷選手のブログの一文、
そして今日のtoraoさんの記事。
なんていうか、その流れがtoraoさんと鳥谷選手の気持ち、思いが会話しているように感じました。
昨日の試合はみんなで諦めないで掴み取った勝利でした。
ハデなHR攻勢の試合内容と違い、ほっと安堵の表情で勝利のハイタッチをしていた選手達の表情がとっても印象的でした。
桜井もあの打席まで、全くどの球にも合っていなかった。
もしここで広大が仕留めれる事ができるとしたらどんな球だろう?と思って見てました。
有り得るとしたら、toraoさん仰る通りの半速球で真ん中やや外目の抜けたフォークくらいか。
でもまさかこんな場面で、経験豊富な豊田が間違っても放ってこないわな、と思う間もなく
そんな球が来て、そんな打球がレフトスタンドに消えていった。
げに恐ろしきは東京ドーム。
打球が飛ぶ、狭いと言う現実があらゆる人の心理を揺さぶり続ける。
そんな中、この大逆転劇を導き出した中継ぎ陣に天晴れ!
負けを消してもらった能見も、次回の登板で恩返しして欲しいです。
しかし、豊田って、いいよねえ。
豊田が出てきたら、ピシャリと封じ込められるという印象が
あまりない。数年前の狩野のサヨナラ安打がトラウマになってるんとちゃうかな。
「二番・セカンド」の発想しかなければ、この打線の二番打者は関本がふさわしいと思っていましたが、あの守備はきついですね。
動きにキレがなく球際に弱くなった。1安打、1犠打くらいでは取り返せない。
セカンドは平野、大和の併用で八番に置くのがよい。
二番は前から言ってるように鳥谷。金本とは離すべき。左腕を苦にしないといっても現実にベイ高宮、ドラ小林、高橋あたりに軽くひねられてる。オリックスとのOP戦、「瀬戸内のランディ・ジョンソン」なるファームの荒れ球左腕に、絶好調鳥谷が腰を引いて三振。
毎度々、岩瀬、石川、山口に押さえ込まれる。何よりピンチを迎えても相手ベンチに嬉々として動かれて主導権を握られるのがいけない。
それでは三番は?
マートン? 一番にこだわって最高の結果を出しているのでしばらくはこのままで。
新井さん? ほんとに久しぶりにいい感じなので、正直動かすのは怖い(笑)
もちろん、桜井を推します!
昨夜まぐれで打ったからではなく、八番打者は失格でも三番に置けばそれなりの結果を出しそうな奴といえば甘すぎるだろうか。
守備については初っ端の新井の余裕かまして内野安打献上その他色々ありましたね。
今年の阪神は「守備のまずさは置いといて打線」なので、これだけ打てばアリっちゃあアリなんですけど
2番セカンドには守備とバントはしっかりしてねという前提がある以上、昨日の試合では厳しいものがありますね。
ここはやっぱ、大和でしょう!!!
こういうことがあるから阪神のファンはヤメラレナイっていうことですかねえ。。
試合後のG松本の”呆然”という顔が印象的でした。
東京Dを第2ホームGにしたいぐらいですね。
さあ今日もこの勢いで一気にケリをつけましょう!!
今年の東京ドーム初戦で、この様な試合が出来たのは大きいですね。
ジャイアンツには、このトラウマを、今シーズン一杯、引きずってもらいましょう(笑)。
という事で、特に今日のGバッテリーは、昨日の残像で、どうしても長打警戒の、ビビり目の配球に、なりやすいと思います。
ボール球に手を出さない様、注意してもらいたいですね。
2008年の終盤は、G打線が、どないしても抑えられない、昨日の逆の様な状態でしたよね。
今年はその仕返しが出来そうですね!
序盤の「教科書通り」の野球をやっていた巨人が「漫画みたいな」野球を阪神に負けた試合でしたね。
松本の走塁は仕方ないと割り切れた結果だと思います。
あの場面でバックホームしても絶対に間に合わないのをブラが1つアウトを取ったのが大きいと思います。
今日、勝ち越しを決めれたらいい風が吹きそうな予感がします。
現地は、どちらのホームグランドかわからない程、盛り上がっていました。
後楽園球場の頃から通っていますが、ベスト3に入る「面白い試合」でした!
演出してくれた能見に感謝しています(笑)。
ジジィさん良かったですねぇ
本当にウラヤマシイ。
あのまま、中継ぎが失点され一方的な展開になるのとあの逆転劇場が同じ入場料とはコワイ・・・
そりゃ応援も必死のパッチ(関本風)になりますね。
また、敵ながらG松本は魅力いっぱいですね。あの溌剌さはウラヤマシイ。
力には力で対抗。
去年までとは逆の展開。
お約束の鉄板ネタで
東京ドームの空調(扇風機)担当者が阪神の攻撃時にスイッチを切らなければならないのに、見習いの新入社員が切り忘れたため風が吹いたということで。