水島新司さん逝去

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阪神淡路大震災から27年がたった1月17日、水島新司さんの訃報が入ってきた。
よく『キャプテン翼』が日本のサッカー人口増加とJリーグ発足に影響を与えたといわれるが、『ドカベン』こそ日本の野球人口とプロ野球の発展に直結する存在だった。

私も小学生の頃、夢中になって読んだ。少年チャンピオンが発売される毎週金曜日(当時。うちの近所だけ?)が楽しみで、百何十円かを握りしめて本屋に走ったものだ。ドカベン、マカロニほうれん荘、ブラック・ジャック、がきデカ、月とスッポン、エコエコアザラク、750ライダー……。バラエティ豊かで面白かった。

なんといってもドカベンの試合展開が楽しみだった。話の筋は少しずつしか進まないが、適度な荒唐無稽さがちりばめられた登場人物たちや、そのスーパープレーに魅了された。殿間が秘打を決めれば、次の日曜のグラウンドでは子どもたちが延々と本当にできるかどうか試していた。

設定、筋書きといったアイディアも秀逸だったが、迫力満点の表現技法も魅力だった。投球フォーム、打撃フォームは独特のデフォルメが施される。インパクトの瞬間、リリースの瞬間、体はどういう向きで、どこが止まっていて、どこが動いているのか。どこが縮んでいて、どこが伸びているのか。野球の機能美を表現する着眼点が飛び抜けていた。

もし水島先生がいなかったら、昭和後期、平成前期の大プロ野球ブームは違う形になっていただろう。感謝の気持ちを込めて合掌。

コメント

  1. 虎ジジィ より:

    私は梶原一騎先生の「巨人の星」花形満のカッコ良さを見て阪神タイガースファンになり、
    水島新司先生の「ドカベン」で野球そのものの面白さに魅了された一人です。
    ドカベンは、あえて速球派じゃなくひ弱な感じの変則投手里中がエースだったり、破天荒な岩鬼がサード、
    セカンドに音楽のリズムで鉄壁の守備と秘打そして訛り言葉で異彩を放っていた殿馬は大好きなキャラで本当にバランス良く出来たアニメでした。

    主役のドカベン山田太郎の心の葛藤も細かく描かれており、当時「野球の選手ってこんな事を考えながら試合をしているのか!?」と感心させられました。

    水島先生がいらっしゃらなかったら、私のこの年齢までの長い「野球観戦漬け生活」は
    無かったかも知れません。
    心よりご冥福をお祈りします。

  2. 西田辺 より:

    水島漫画が野球界に与えた影響は計り知れませんね。
    私の生まれて初めての水島漫画とのコンタクトは、おじさんの家にあった
    「あぶさん」のコミック第1巻。
    何とも暗くてやさぐれた漫画だなぁと思いながら、景浦安武に惹かれて行ったのを
    覚えています。
    当時私は少年ジャンプ派だったので、「トイレット博士」や「アストロ球団」に
    親しんでいました。
    「ドカベン」は後からコミックで追いかけました。
    水島氏の書く漫画は、どれもキャラクターが多彩で魅力がありましたね。
    色んな作中に出てくる実在のプロ野球選手も、愛情たっぷりに書かれていました。
    景浦の背番号90は、実際にホークスの永久欠番扱いですし。
    「あぶさん」を描いたり「ドカベン」の主要メンバーをパ・リーグ球団に入団
    させたり、当時今のような人気とは程遠かったパ・リーグの振興にも大きく
    尽力されてました。
    また野球のルールの盲点を突いたプレーが描かれることもしばしば。
    実際に同じようなプレーがあった時に「ドカベン」の何話で描かれたプレーと
    紹介されたことも。
    現役選手もOBも水島漫画に描かれることを誇りに思っていたそうです。
    漫画と言うジャンルを越えて、野球界にも大きな影響を与えた水島先生。
    いっぱい楽しませていただき、ありがとうございました。
    心よりご冥福をお祈りいたします。

  3. アルスタ より:

    阪神ファンとして語るべきはやはり「男どアホウ甲子園」。
    脚本家が野球音痴で甲子園近くの南波高校が大阪代表だったり、豆タンがいないときに81人のキャッチャー(打者はすべて三球三振を想定)、カンニングで東大入学とストーリーは破天荒でもあった。50年前の野球少年は毎夕食後10分間の放送を楽しみにしていた。

    https://www.youtube.com/watch?v=ZMDUhOcTVEU

  4. TJ風船 より:

    私はTV放送ねアニメから水島ワールドにハマりました。ドカベンや野球狂の詩など熱中して見てました。自分で稼げるようになってから「大甲子園」を大人買いしました。まさに登場人物たちと時間を共にした感があります。水島先生が一番の野球狂、野球愛に満ちた方だったのだと思います。ありがとうございました。
    御冥福をお祈りいたします。

  5. いわほー より:

    漫画、アニメの話題になると世代間が如実に表れますね。
    私が最初に出会った野球アニメは「巨人の星」。
    あやうく巨人ファンに堕するとこでした。(危機一髪)
    アニメじゃ「アパッチ野球軍」なんかも異色で面白かったな。
    今にして思えば昭和は野球漫画百花繚乱時代でしたね。

    そういえば谷繁さんがドカベンは好きだったけど、山田太郎はあまり好きじゃなかったと語っていたのが印象的。
    足が遅くてずんぐりむっくりのキャッチャー像のイメージが反面教師だったとか。
    今、プロ野球のキャッチャー見渡した時、山田太郎タイプのキャッチャーあまり見かけなくなりましたもんね。
    これも時代の要求?早逝しましたドカベン香川なんか、今の時代ならすぐにファーストにコンバートされてたんじゃないかな。

    • アルスタ より:

      わが母は息子を巨人ファンにさせないために「巨人の星」を見せませんでした。阪神ファンへの英才教育のため小学3年生で「週刊ベースボール」も与えられました。
      母の戦略は成功しました。

  6. 岩修 より:

    昔、トリプルエース藤村甲子園が好きでしたが、現実にタイガースには藤川球児という剛球投手が君臨しました。
    オープン戦ながら東京メッツ水原勇気と田淵さんとの対決シーンではインパクトの瞬間からスタンドに放り込む描写は秀逸でした。
    水島先生が若ければ、今の大山、サトテル、近本、青さんとかそっくりに描かれただろうし観たかったなと思った。合掌。

  7. 虎轍 より:

    捕れないボールがあるものか♪
    私はTVアニメからドカベンに、水島作品に出合いました。
    柔道も野球もしてたので自然とドカベンに入っていけましたね。
    プロ野球編も大好きでした。
    心より御冥福をお祈り致します。

  8. こうさん より:

    先日はフライングしてしまったがコメントを書く直前に知ってしまい書かずにはいられなかった。

    俺も金曜日が楽しみだった。ドカベン、がきデカ、プラレス3四郎、らんぽうなど、アニメは花盛り。チャンピオンを読んでいた自分はストーリーを知っているからヒーロー。…けど数年が経つと世はジャンプ時代。アニメも支配された。置いてかれない為に、そっちも惰性で買っていた。「チャンピオン?絵が汚いじゃん」と言われても負けなかった。

    なぜなら水島新司先生が居てくれたから。ドカベン、大甲子園、虹を呼ぶ男(ストーリーはメチャクチャだったが)、スーパースター編など数々のキャラクターを産み出してくれた。そして俺の幼少期を形成してくれた。先生が発明した真夏のマウンド上の暑さを表現する「モワ~(モア~だったかな?)」は特許だと思っている。

    ニュースで流れた数年前の野球、ファーストへ軽快なスローイングをする先生。…本当に野球が好きだったんだなぁ、と伝わってきた。天国でプロ野球選手になって夢の戦いを堪能してください。

    本当に、お疲れ様でした。ありがとうございました。

  9. より:

    あぶさんがホームランを打つ時のインパクトの瞬間の絵はホンマにかっこええし大山はアレを目指して欲しいです

    水島先生は野球理論も素晴らしくて、例えば「1番から打つやつを順番に並べる」とか「あぶさんに56本塁打させるためにあぶさんを1番で起用して打席数を増やす」など2番最強打者論に通ずる話があったり・・・『ストッパー』で三原新平に投打二刀流させたりもありましたね

    個人的に一番好きな作品は『野球狂の詩』です。岩田鉄五郎目指して生涯草野球現役でいたいです(笑
    水島先生は一番有名であろう『ドカベン』以外にも面白い作品がたくさんあってそれが素晴らしいんですよね・・・