◇4月23日(木)中日?阪神5回戦(中日3勝2敗、18時、ナゴヤドーム、30850人)
阪 神000 000 010 003?4
中 日000 010 000 000?1
【阪神】安藤 ウィリアムス アッチソン ○藤川(1勝0敗)
【中日】吉見 岩瀬 斉藤 高橋 平井 ●ネルソン(0勝2敗) パヤノ 菊地
[本塁打]桧山1号(神) 鳥谷3号(神)
1?1同点のまま延長12回表。9回の岩瀬から、降順にカードを切ってマウンドには7番手のパヤノ。逆にタイガースは、ジェフ、アッチソン、球児と昇順に繋いできたのだから、力学的な優位がある。だがこの二死一二塁、打席の鳥谷が倒れれば4時間半の試合、勝ちも価値もなくなる。「引き分けを挟んだ連敗」は止まらず、言いようのない疲労感だけが残る。
初球完全なボールで、その後の2球目は「何でもない球」が真ん中付近に来て、鳥谷意表をつかれて見逃し。3球目、小田が外角に構えたミットが130km/h台前半の半速球の軌道に合わせてインハイに動く。左打席の鳥谷、これを懐まで引き寄せて引き寄せて、やわらかな振り出しから強烈にインパクト。低い弾道は、グーンと伸びて、ものすごい勢いを維持したままライトスタンドに達した。
この鳥谷のホームランの爽快さったらなかった。天国と地獄の境目にある打席で、良く思い切って振った。なんというか、ほんのひととき、心が救われるような気分を味わった。美しい弾道のせいもあるだろう。それまで何本も何本もバットをへし折られ、嘲笑われているような気になっていたのもあるだろう。こんなに苦労しても、それでも勝てないのか…そんな悔しい気持ちを粉々にひっぱたいてくれるようなホームランだった。
後で聞けば、打たれたパヤノは前の打者への投球で肩を痛めていたという。ケガしても詳しく発表しないというチーム方針が選手にまで徹底しているワケじゃないだろうが、タイガースにとってはラッキーだった。まあそんなことで、打てて当然という状況だったようだが、それでも鳥谷はよう打ったよ。
でも本当にチームを救ったのは、8回表先頭打者、好投した先発安藤への代打として打席に立ち、見事な同点ホームランを放った桧山だった。この回無得点なら、予定通り9回岩瀬が出て来ておしまい。4連敗への流れは止められなかったろう。まさに沈み行くチームを一撃で救う起死回生の一発だった。
それにこの一打はたくさんの人を救った。5回、「負けの1点」は珍しい平野の悪送球からだった。何でもないゴロ、握り損ねから荒木の足に焦って高投。
さらには盗塁を読んで、ウェストしたのに高い送球でアウトにできなかった狩野も救われた。守る方でも順調に自信をつけて欲しいのだが、ここ最近は送球の乱れが目立つ。そして前からだけど、投球を投手に返す球のひどいこと。届かないことしばしば。あれじゃ投手も乗っていけない。なんか特別な理由があるのかどうか知らないが、それくらい何とかせいよ。
そしてそんな味方のミスをなんとかカバーしようとしたが、カバーしきれずに井端、森野に連打され先制を許してしまった安藤をも救った。でも安藤は頑張って投げていたもん、本当に。その安藤の代打で、少なくとも安藤の負けを消したんだから、安藤はありがたかっただろうね。
この森野の右翼フェンス上部直撃で、一走井端が本塁で憤死。葛城のクッション処理、平野の中継も良かったが、ここは三塁苫篠コーチのミス。大量失点に繋がらず大いに助かった。
さて、桧山の一発。先発で好投の吉見はこの8回まで。気合を前面に出して、最後の力を振り絞っていた。逆に気が入りすぎてカウント0?2。吉見が投げた3球目は意図した低めよりやや高く真ん中寄りに入ったが、それでも気の入った良い直球。だが桧山のスイングにはそれ以上の気が入っていた。第1ストライクを第1スイング、それでもドンピシャのタイミングで捉える。快音を響かせた打球は、力強く大きな弧を描きながらバックスクリーン右に飛び込んだ。若々しくて豪快な軌道のホームランだった。
これが代打の神様八木さんに並ぶ13本目の代打本塁打。確かにその集中力、代打としてのノウハウは八木さんレベルに来ている。桧山ってスゴイね。
このホームランで、低調だった打線が少なくとも積極的に強く振ろうという意識に目覚めた。このHRの前の2安打(わずか)は、赤星、関本の逆方向への巧打。しかしこの後に生まれた6安打はすべてしっかり振り切ったハードヒットだった。サヨナラ劇も狩野のそんなヒットからだったし、狩野からの打順になったのも前の回代打で出た藤本の良いヒットから果敢に盗塁(わずかに失敗)を試みたから。
そういう勇猛さを喚起した桧山の一発。この試合だけに終わらせない救済弾としてほしい。
コメント
鳥谷弾、全盛期の掛布氏のような「突き刺さるライナー」美しいHRでした。
気が付けば打率も三割まであと一歩!今年こそ三割30本80いや100打点を達成してくれ!!
余談ですが、メンチ異状なかったみたいですねー…
>[本塁打]桧山1号(神) 鳥谷3号(神)
いつもは「(しん)」と読んでるんですが、今日は思わず「(かみ)」に見えちゃいますね。
鳥谷前打席もいいあたりでしたね、6回の新井のショートゴロも振りぬいたいいあたりでした、何気なく処理してますが、井端のファインプレーです。そろそろクリンナップが機能しだすんじゃないでしょうか!?
まさに「振る」事の大事さを呼び起こした新神様弾でした。
この一打で、この勝ちで、何となく沈み込んでるチームに活気が生まれて欲しい。
開幕から先発マスクの多い狩野。
確かにこの状況の中でよくやっているとは思うが、toraoさんも指摘している通り
>送球の乱れ
>投球を投手に返す球のひどいこと
まず普通に出来る事は普通にやって欲しい。
盗塁を刺す刺せないは、別問題。
投手への返球も乱れると、投手のリズムとスタミナを奪いかねない。
相変わらず走者が出ると、神経の半分以上が打者から逸れてしまう。
常に体重が前に架かった状態になり、キャッチングも無茶苦茶。
余りにも自分の都合を優先させすぎている。
厳しい物言いかも知れないが、そんな所からチームのリズムを狂わせている一因になっていると思う。
あと内角球の多用も気になります。
内角を投げる時の投手と言うのは、ぶつけちゃいけないとか、間違えると痛打されるとか、かなり神経を使います。
一人の打者に何度も内角を投げると、気持ちのスタミナが保たなくなってきます。
もう少し使い方を考えないと、ね。
アッチソンの投球見ていると回の頭からというよりも投球のテンポの問題ですよねぇ。
アッチソンはテンポ命なわけで、けど狩野は返球も含めテンポが悪いのでどうしても投球のリズムが悪くなってしまいますね。
打撃面でもチャンスだと力が出せないことからわかるように考えすぎると体が動かないんでしょう。9回のチャンスは脱却するいい機会だと思ったのですが・・・。
好きな選手なので気楽に構えてやってほしいです。大丈夫だって!!
確かに、狩野の投手への
返球気になりますね。
ただ自分は、昨日は、狩野の成長を感じました。
それは、9回2死2・3塁で
打者森野の時に、フォークを要求した所です。
下手すると、ワイルドピッチやパスボールでサヨナラの場面
試合途中からではなく
最初から最後までマスクを被っての狩野、成長もしています。
本当に財産の一年になるでしょうね。
それと、あの場面での井端の盗塁は、助かったと思いました。
たしかに2塁のフォースプレイは、なくなりますが、
あれで、一塁が空いたために、アッチソンが、森野を歩かしていいと少し開き直れたような気がします。
本塁噴死もあったし
昨日は、井端の走塁に助けられましたね。
しかし、真弓監督は以外な頑固さを見せてますね。
まさか、バルをセカンドで起用とは・・・
監督が信念と通すことに対しては大賛成ですが、前監督の一塁手の守備力重視に感銘を受けたものとしては、他のところで意固地になってほしいなと思っています。
鳥谷はショートで3番というチーム1過酷な役割背負わされてるというのに、ほんと良く頑張ってくれてると思います。
12回2アウトの絶体絶命の場面で、あれだけ迷いなく思い切りのいいスイング出来るなんて素晴らしい。
その前の6回のチャンスも和田の好守に阻まれましたがいい当たりだったし(レフト金本、ラミレスなら余裕で抜けてたでしょう)これからも自信持って積極的に決めにいって欲しいと思います。
次世代のリーダーとして成長してきて頼もしい限り。
対する新井は鳥谷よりも5歳も年上なのに、相変わらず金本の弟分から抜け出せないままで頼りないですねぇ。
新井はもういい年なんだから、いい加減アニキアニキ寄りかかってないでしっかり自立して欲しい。
加えてサードの守備も相変わらずドタバタと酷いし、監督もいつまでも無意味な意地張るの止めて1塁へ戻した方がいいでしょう。
「関本3塁、新井1塁」、または「バル3塁、新井1塁、関2塁」これが野手にとっても味方投手にとってもベストなのに、わざと不慣れなポジション方へ付かせてエラー多発だなんて、明らかに監督の責任です。
久保と岡崎、他のPと狩野の組み合わせは何か理由があってのことでしょうか? どなたかご存知でしたら教えてください。
昨日の「落合妖術」はパヤノが本来の力を出せない状態だったこと以外は「敵ながら天晴れ」だと思いました。「このPの球の軌道は次のバッターには合うだろうな・・・」とこちらが期待していると、その前にスパッと交代されてしまう・・・なんてことの繰り返しでした。あと、キャッチャーの小田は抜群の配球と明確な要求(構え)。さすがに打率一割なくても使われるだけのことはありますね。
とにかく真弓監督も小田&岩瀬のバッテリーに右の代打を出してるようなら落合監督は内心ニンマリしちゃうんでしょうね。
それにしても藤川に9割がた最初のサインに首振られてしまうキャッチャーのセンスはいかんともしがたいと思わざるを得ないんですが・・・。藤川が最初のイニングより2イニング目の方が安定していたのと藤川自身がいつもより余計サインを嫌ったのはきっと「教育的指導」があってのことなんでしょうね。
ホームランにはスカッとしましたが、まだまだ本調子のタイガースはこれからです。・・・よね?
新井サード固定は、「今岡サード」という外野の声を封じるのも目的なので、少し調子が悪いくらいでやめてはいけないのです。
もちろん主目的は、新井サードならライト候補のひとりをファーストで使えることなので、林と高橋の一軍復帰が近い現在、やはり手をつけるべきではないでしょう。
バルのサードは終盤の守備固めで十分。先発ならセカンドかファーストで。シーズン途中で守備を理由に新井をファーストに回すと、シーズン中はもう元には戻せなくなります。
狩野選手のミカタ。
テレビ中継の際、狩野選手の顔をよくご覧下さい。
特に打たれたときとピンチのときの表情。
打たれた時は「ここに投げろよ……」って表情をしてますから。
それとベンチに送る無言のサイン。
常に自軍に「僕は悪くないですよ」って雰囲気をアピールしております。
これらは2年前から変化がございません。
そうすることで確実に投手のやる気を一気に削ぐ事請け合いです。
「捕手は経験」と思いますがその姿勢はいささか気になる方でございます。
最も、経験によりそうなってしまわれたのかもしれませんが。
それでも頑張れ狩野選手。
バルディリスをセカンドってのはどうなんでしょうねぇ?
動物的な感で横に動くのは得意みたいですけど、連係プレーとか大丈夫なのかな?
ちょっと怖い感じ。
>レフトの子虎さん
え??、狩野選手ってそんなにふてぶてしいですか??
けど、そのぐらいふてぶてしいんだとしたら、きっともっと成長するはず・・・と思い込んでこれからも狩野選手を応援し続けますよ!!
「ミカタ」をカタカナにしたところがなんか策士っぽいです(笑)
今季のナゴド初観戦も昨年同様延長12回までもつれ込んだ。
私はバックネット後方の五階席で静かに見ていたが、レフトスタンドの応援はますます熱を帯びホームを圧倒していた。
電車の時刻が気になるがこの攻撃を見ずには帰れない。
鳥谷のライナーがライトスタンドに吸い込まれていった!
通路に出て歓喜に沸くレフトスタンドを見やる。
「お先に。よかったね!」
こんなに爽快なナゴドの帰り道は初めてだ。
これがあるから阪神ファンはやめられない。としておこう・・・。