ブラゼルの闘魂に興奮

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◇6月5日(金)阪神?オリックス3回戦(阪神2勝1敗、18時、甲子園、46383人)
オリク 000 000 000?0
阪 神 000 002 02×?4
【オリックス】●金子(5勝4敗) 菊地原
【阪神】○下柳(5勝2敗) アッチソン 藤川
[本塁打] ブラゼル1号(神)


 いつものパターン、シモが粘っているものの援護なく6回まで0?0。6回ウラ先頭金本四球も、新井は良い当たりながらセカンドライナー、ところがこの日エラー連発の山崎がこれを掴みきれず、慌てて拾って一塁のみアウト。打席にブラゼル。
 1打席目は、2回ウラの一死一塁。直球で攻め込まれてカウント2?0、内角直球にやや詰まったように見えたが、力のある二ゴロが山崎のグラブを弾いてライト前へ。記録はエラーながら、まあ良い感じで一死一三塁と好機を拡げた。
 第2打席は、遅いカーブとボールになるフォークを交互に投げられて、空振り3つのノー感じ。大好物の低いところから落とされるのと、緩急。「振る打者」の典型的攻略法にはまる。いずれこの攻め方が徹底されてくるが、なんとかボールさえ見きることができれば相手投手を苦しくできる。積極的に振らせることと、低めを見極めさせること。この相反する高度な能力を備えさせることに成功すればブラゼルは大化けする。
 さてブラゼルの3打席目、6回ウラ一死二塁に金本。その初球、捕手鈴木はインローにミットを構えた。腰を引かせるボール球要求か。あるいは前の打席の連想から、まったく意識していない得意な低め直球でストライクを取ることで一気に対決を優位にする作戦か。しかし金子のボールは予想外の所に流れてきた。シュート回転で真ん中外寄りへ。ブラゼルも予想外の球にずいぶんと差し込まれたが、それを押し返すだけの体幹のパワーと左腕のパワーがある。またシュート回転で球が流れて行ったのでなんとかタイミングが間にあった。ボールは一瞬センター方向に飛び出したと見えたが、大きくフェードしながらレフト最前列まで届いた。全身のパワーでボールの力と喧嘩できるバッティング。まさに外国人のパワー。欲しかった先制点、欲しかったホームラン。2?0。
 「期待していないフリ」を解除した瞬間。ゆうゆうとダイヤモンドをまわる助っ人に、ぐるり一周スタンドの熱狂が降り注ぐ。その熱狂を受けて、さらに興奮状態となったブラゼル、三塁コーチャーを突き飛ばし(誇張)、ホームインするや待ちかまえていた葛城の脳天に杭打ちのようなエルボーを叩き込み(誇張)、ベンチ前で両手を差し出すチームメイトを次々となぎ倒した(誇張)。最後、好投を続ける下柳を見てやっと我に帰って、やさしくタッチ(笑)。「このトラ、あっこへ放り投げたらええん?」とシモに身振りで訊ねる。
 いやあ、興奮したわ。あのガンガン、ハイファイブする列に並んで、闘魂注入してもらいたかったわ(笑)。実際あのホームランの興奮、力強くタッチをかわした時の興奮で、選手たちも大きな刺激を受けたと思う。
 しかしまあ聞いてはいたけれど、レフト方向へ打とうという意識は素晴らしい。なんといってもタイガースの左打者にとっては浜風という難敵がいるから、あっちへ放り込むという意識と技術は非常に重要。それに左打者が並ぶために、ゲーム終盤左のリリーバーを当てられること多い。いかにしっかり踏み込めるか。いかに球を最後まで良く見られるかが大事で、レフト打ちは欠かせない技法。逆に左に放り込めるのなら、左投手の方が怖さを感じることだろう。それだけ第4打席、左変則菊地原に追い込まれながら軽打した2安打目レフト前は、価値があった。
 この二死からのヒットに、同時昇格の代打高橋光が見事なセンター前で続き、外野は前進守備。狩野がカウント2?3となって走者自動スタートなのだから、外野を下げる選択肢もあったと思うが前進のまま、前のヒットを拾う隊形で勝負。狩野の打球はそれを嘲笑うように浅い右中間を破って勝負を決めるタイムリー三塁打、4?0で勝負あった。
 ミツも狩野もしっかり振ってのヒット。チームが変わって来たかも知れないね。
 余談ながら、ブラゼルに代走を送らなかったのが実に不自然だった。結果的に問題なかったが、そこまで「新井に一塁は守らせない」にこだわる必要あるか?私にはどうもげせなかった。
 ブラゼル・デーだから注目がいっちゃうのは仕方ないにせよ、下柳は本当にすごい。ガラじゃないけど、エースの働きだ。本当に立派。5勝目、ナイスピッチング。アッチソンも、藤川も、こういう試合の積み重ねで感覚を取り戻そう。
 狩野も下柳と組んで勉強になっていることだろう。走攻守の活躍、ナイス。
 今日の虎挨拶は「打ちよったなあ、ブラゼル」で決まりやね(笑)。
でそれに続く言葉としては、「これでブラゼルが打ちまくって、チームが刺激されて、連戦連勝になるんちゃう?」などという心の底からの願望はグッとこらえて、「まあマグレやろうけどな。でも、この1本だけでも十分満足したわ」と、まだまだ予防線を張っておこう(笑)。

コメント

  1. イアン より:

    期待半分で新たに加わった選手、下からついに這い上がってきたベテラン選手、苦悩しつつ頑張ってる若いモン、超人的な超ベテラン投手、なにかしら目頭が熱くなった試合でした。

  2. ミス・コンバート より:

    一発がききました。久し振りの快感です。なんか、バースに似てる様な感じです。サンダースの神様がキテクレタヨウデス。まだ、一試合なので、手放しという訳じゃないけど手放しさせてくれることを、期待させてくれます。
    あとは5番打者が打ってくれたら?
    この4連戦で結果が出なければ、監督が仕事をするべきです。危機管理をお忘れなく。
    ミツは見ててやってくれそうな雰囲気があります。今日が大きな節目のゲームになりそうな気がします。

  3. りさでる より:

    >余談ながら、ブラゼルに代走を送らなかったのが実に不自然だった。結果的に問題なかったが、そこまで「新井に一塁は守らせない」にこだわる必要あるか?私にはどうもげせなかった
    ですよね、関本→藤本で万能選手関本が使えなくなったのが直接の原因でしょうが、ブラゼル→平野・
    高橋→バルで、サードにバル・ライト平野、ファーストに新井。の可能性は考えなかった。
    「ファースト新井はない」が現監督の考えなんでしょう。
    3点目が重要な8回裏、PH高橋を使うのなら、
    ブラゼルにPRを使うのは至極普通ですよね。

  4. マチスの部屋 より:

    昨日はスカッとした勝ち方だったので、トラオさんのコメント楽しみにしていました。「誇張」の連発は愉快でした。イチローのように毎試合ヒットを、と頼りにしたくなりますが、ブラゼル効果で選手すべての打撃がよくなることを願っている。
    ガンバレ、タイガース!!!

  5. 芹沢 より:

    白ヘルメットのデカい白人は、どうしてもバースの
    ニオイがしてダメですねw
    外国人は期待しすぎるとアレなので、生暖かく見守りましょう!
    ちなみに、ファースト新井でなくても、ファースト高橋光で良いのでは?
    以前代打で出た後、やってましたよね?
    新井はサード固定より、5番固定の方が問題大きいような?

  6. とらぽるた より:

    葛城が大きくのけぞったのはエルボー叩き込まれたんか(笑)
    負傷したかと心配したが今のところ登録抹消はない。密かに福原の登録抹消も期待したが、今日先発して即抹消、岩田登録か。
    失策した関本の腰に手をやって「ドンマイ!」
    ブラセル、いいヤツだね。きっと「ポジション動いてもらってごめん。」の気持ちが含まれていたね。
    シモちゃん、すごい!中五日も平気、見殺し打線もなんのその。(昨夜は5回まで取る取る詐欺打線でしたが)
    狩野を育てて、「7回?まだ投げたいけど替わってやるか」
    一昨年のオフにFAでメジャー騒動。何ごねてんのかね、一週間以上空けて5イニング、夏場以降はさっぱりのご老体が・・・
    お好きなようにと悪態ついた。
    完全脱帽です!お許しください。

  7. より:

    自分もtoraoさん、りさでるさん同様、ブラゼルに代走出さなかったことが疑問で仕方ありません。
    りさでるさんの言うように、まず何としても本塁に還すべき「3点目の走者ブラゼル」は平野、そして単に「代打には代走」というお決まり起用はバルとするのが当然の策でしょう。もしくは8回表関本→藤本じゃなくバルで、裏の代打光の代走を藤本でもいい。
    そうすれば9回はサードバル(藤本)セカンド藤本(バル)、ファースト新井、ライト平野で守れました。
    結局狩野が3ベース打ったから良かったものの、正に結果オーライ。指揮官として、こんな行き当たりばったり采配で選手に負担をかけてては失格です。
    もし狩野が単打なら2塁走者ブラゼルは本塁でアウト(もしくは3塁ストップ)で1点も入らぬまま不調の球児を出す羽目になってたんだし。
    勝った負けた関係なく、こういう終盤での貴重な1得点を取る事を軽視した雑な采配を続けていては、ただでさえ点取れない阪神にとって致命的でしょう。
    そもそも、こうやって勝負どころの代走起用でこれまでにも足かせになってる模様の「新井サードフル出場」・・・これって一体何の意味があるんでしょうか。
    サード守備で投手助けてるならまだしも新井より上手いサードは他にいるんだし、いい加減選手起用の幅を狭める新井への固執は改めるべきだと思います。

  8. のののー より:

    ブラたんは変化球を一発打つまでは安心できません。「変化球を投げておけば大丈夫」と「失投しなければ大丈夫」では大違いです。
    あの場面は2点差なので、走塁技術を見ることを優先したのだと思います。彼が定着したら四球の山になるので、打順を決める際にこの情報は欠かせません。

  9. 西田辺 より:

    あのハイタッチは強烈でしたね。
    久慈コーチなんて、本当に「痛ってぇ??」って顔してましたもんね。
    あのホームランと共に、挨拶代わりの一発となりました。
    まぁ、打てないコースが結構ありそうなんで、あんな感じの
    大きいの担当で良いんじゃないですかね。
    でも、去年一年日本での野球を経験している分、全くの新外国人選手
    よりかは精神的余裕を感じました。
    チームにいい刺激を与えてくれそうです。