試合としては、立ち上がりに不安を見せた山井がしっかり立ち直り、序盤から抜群の力強さを見せるボーグルソンとの息詰まる投手戦。
試合が動きやすい1回と5回に点を取り合い、双方譲らずに終盤戦という試合展開だった。普通ならどっちが勝ってもおかしくない試合だというのに、見ていてなぜかドラゴンズが勝つというイメージが浮かんでこない。
ヘンだなぁ、井端が出ればそれだけで大ピンチになり、ウッズを迎えれば意識過剰の失投になる、あの雰囲気がまったくない。首位G3連戦を勢いに乗るような形で勝ち越して来て、堂上兄ら若い力で、福留ショックから立ち直って来たのだと思っていたが、この試合を見る限り勢いの無さが目立った。
投手交代もなく、一人の代打代走すら出さず、出場選手9人でのあっさりとした負け。どうやらもう一度大きな潮目の変化が来るまでは、じっくり辛抱して待とうという腹づもりか。落合監督というおっさんだけはゆめゆめ甘く見てはならないよ。
8回表、同点で久保田。もう何も言うまい。タイガースのトレーナーの力を信じるとするか。毎年登板過多と心配されながら、壊してはいないんだから。二軍にいるヤツらの方が壊れるってのがよくわからないんだけど…。
まあ試合が急に動いたから4点差の球児も仕方ないのか。せっかく投げるならセーブつけてやりたいんだけどね。ドラゴンズにスキは見せられないってことなんだろうね。勝負付けが済むまでは。
赤星が素晴らしい。打率もいつしか.314。林の5位に次ぐ打率6位でランクインしている。出塁率も.370で鳥谷を抜きチームトップ。バットを960gから910gと軽くして、ヘッドが返りやすいようグリップを細くした。この変更はズバリ大成功だった。振りが速くなったため、しっかり引っ張りきれるし、バットコントロールも良くなった。高いバウンド、鋭いゴロによる内野安打も増えた。そして打球のスピンが強くなるから、ポテンがちゃんと落ちる。
去年、ドラゴンズ戦では赤星シフトにはまりまくった。内野はバカにするかのように前に出てきて、外野はどうせここにしか来ないと左に寄って前進していた。ヒット性を正面で捕られる悔しい打席が続いた。それがこの日のように、センターへのヒットはちょっと走らされただけで二塁を奪われ、送球不可のハイバウンド三塁ゴロヒット、さらには名手荒木が打球の勢いに負けて握り直しただけで間に合わなくするスペシャル内野安打。やあ、気持ち良いね、二年越しのスッキリとはこのことだ(笑)。
誰?シーツ今季限りとか言ったの。あ私か(笑)、スマンスマンホントスマン。もし元気なら来年もよろしくプリーズサンキュー。先制タイムリーお見事。ここのところ、赤星&アンディコンビで先制点というのが多くなってきたね。攻撃のパターン化は大変けっこうなこと。2打席目、無死一塁に赤星で初球にセーフティを試みた。視野を広く持って試合に入っている、アンディ絶好調の証拠。8回、同じ場面で送りバントのサインで見事に成功。ここらあたりは選手のやりたいことと、ベンチのやりたいことが噛み合った感じ。岡田監督も変わったね。変えたのはアンディだと思うよ。
1?1同点の8回ウラ。無死一塁で喜んで送りバントを決めてくれる「外国人3番打者」がいるチームは強いよ。間違いない。
で、その8回ウラは金本敬遠で一死一二塁、打者は林。落合監督は投手を代えなかった。山井が良かったのもあるが、他の投手で林を抑えるイメージがわかなかったのだろう。でも悪いがもうこの打席で林が山井に抑えられるイメージもわかなかった。前の打席、あらゆる変化球に対応し、さあ何でも来い!と構えていたら内角にズバっと直球を決められて見逃し三振。ああそれもあったか、だけどそれで全部だろう?なんとかなる。
2球目、逃げるシュートをファール。3球目、外から巻いてくるスライダーを強く振りきる。前進守備の左中間を破り、ボールはフェンスに達する。二者生還、2点タイムリー三塁打で3?1。ベイ戦の葛城もそうだったけど、敬遠の走者まで一気に帰ってくると気持ち良いねぇ。
今年何度も見ている光景、前進守備のD外野陣が頭を越されて、間を抜かれて、一目散に球を追いかける様子…気持ち良すぎる…(笑)。思えば、去年はこういう場面でさえ、フルスイングすらできていなかったもんなぁ。
そして外野フライでもOKの一死三塁。直後に飛び出した桜井のセンターバックスクリーンへの特大2ランHR。快感に快感を重ねられて、もう幸福(笑)。
桜井はちょっとアメリカ人ぽい打ち方をする。もちろんウッズなんかと比べると、下半身の柔らかさは格段にあるが、基本的に上体の強さでバットを走らせるタイプだ。
毎度おなじみ「得物シリーズ」。金本はハンマー。足で踏ん張って、遠心力を使って、重くて固いものでゴン。今岡はテニスラケット。スイートスポットに乗せて、ボーン。林は硬質ゴム。しならせてビュンッ、ビチッ。そして桜井は斧。インパクトでどれだけ体の回転力と腕力を対象物にぶつけられるか。振った後のことなどはどうでも良い。どれだけ力強く、狙った場所にぶつけるか。それだけを考えたスイングだ。たぶんヤツに斧を持たせて森に連れて行けば、相当な腕っこきの木こりになるだろう。
ボーグルソンは安定した投球だった。球審の不安定に広いストライクゾーンに助けてもらったところも多々あるが、それはお互いさま、多くは矢野の構えるミットに正確に投げ込んでいた。谷繁に失投をソロHRされたが、そこから崩れることもなく、淡々と仕事をこなした。特に前の試合2HRで上り調子を心配していたウッズに対し、第1打席、ひやっとするコースでとんとんと追い込み、その後勝負を避けるかのような遠い誘い球の連続、2?3にしてからアウトハイ得意なコースのちょっと遠くにズバンという見事な配球で空振り三振に取って機先を制した。負けそうにない試合展開は、すべてボギーの投球リズム、早く打者を追い込むストライク先行の形にあったと思う。
前日移動日は、ジャンらとともに指名練習。ジャンに「ボーク!」と宣告し、ジャンが帽子を投げ捨てて(シャレで)怒ってみせたという。いいじゃん、ボギー。もっとヘンコかと思っていたけど、そういう茶目っ気もあるんだね。
闘争心とクールさが同居した投手らしい投手。勝ち星には恵まれてないが、仕事きっちり、大当たりだよ。
コメント
昨日の先発、ボーグルソンでしたね。
スポーツ紙や関西ローカルのTVでは、ジャンという予想のありました。
試合後の岡田監督のインタビューで「先週の巨人戦後に今日の先発は決まっていた。無理してジャンを中4日行く必要はない。」といってましたね。
先発は、ボーグルソン、ジャン、下柳、上園、
杉山、能見で決まりですね。
>どれだけ力強く、狙った場所にぶつけるか。それだけを考えたスイングだ。
桜井本人も,しっかりとらえさえすればきちんと結果は出ると分かっているところがいい。自分の状態を冷静に客観的に見られるというのはすごくだいじな資質と思う。
インタビューでは繰り返し「遠くに飛ばすこだわりはあるが,今したら形が崩れると思う」「今年は本塁打は狙わないようにしている」と話していて,それは承知のうえで,桜井に「ねぎらいの言葉」をかけるとすれば,やっぱり「ホームラン打っていいんやで」です(笑)
山井は確かに2回以降とても良かった。
でも悪く言えば,今季未勝利の投手なわけで,「よく打つ状態」になってきた打線の真価はやはり今日からの朝倉,川上に対してどうか,でしょう。でも赤星の復調はホント頼もしい。期待してます。
こないだ負けがついちゃったクボタンに勝ちがついたのは嬉しいですが、7回1失点のボギーの投球があってこその勝利。立派に試合を作ってくれました。ボギーといい、アンディといい、縁の下の力持ち的な仕事をきっちりと気持ちよくこなしてくれる外国人選手は、チームをいい方向に向けてくれますね。GJ!
あ、ボギーとジャンの練習の様子はこちらのページにありましたよ。写真がちょっとカワイイのでご紹介。
http://osaka.nikkansports.com/baseball/professional/tigers/p-ot-tp0-20070814-241378.html
GJといえば、昨夜のすぽると!で、阪神球団のGJな普及活動の特集をやってました。
私のブログで恐縮ですが、紹介しておきましたんで、よろしければごらん下さい。
初回の赤星の2ベース。
あれも去年まで逆の場面をよく見てましたね。
今年の対戦成績9勝4敗1分って。
一体双方の間に何があったんだ?
ま、落合竜がこのまま沈むって言うのも考えづらい。
去年のうちの様に、8月後半から猛攻仕掛けてくるん
でしょうな、確実に。
ボーグルソン。
復帰してから、非常に安定してきましたね。
連打連打で点を取られる感じがしない。
カウントを上手く揃えながら打者のミスショット
を呼び込んでいる。
この辺りが本領なんでしょうね。
ナイスピッチ!
桜井。
斧、なるほど「ランバージャッカー桜井」ですね。
打った後も前方へのフォローが小さいなと思ったんですが
ガツーンと目標にぶつける木こりならフォローは不要ですね(笑)。
金本との勝負を避けても、林?桜井の繋がりは
相手にとって脅威だろうなぁ。
さぁ、相手の元気のない内に一つでも多く取れるものは
取っておこう。
今、夏休みもらって私だけ実家に帰省中。
で、昨日京セラドームに行ってました。
ホームゲーム見るのは久しぶりです。
甲子園じゃないのがちょっと残念だけど。
ドラちゃんなんだか元気がなさそうに感じたんだけどね…。
今後の戦いのために、力を蓄えているのかなとちょっと不気味です。
あ、甲子園のDVD買いました。
それで甲子園にも行きたくなって高校野球も見に行きました。
林、桜井の胸すく連打、泣かせてもらいました。
二人のヒーローインタビュー、笑わせてもらいました。
いずれ、山井はリベンジ登板するに違いありません。そのときも返り討ち、たのんます!
ナゴド3タテからドラゴンズ恐怖症がなくなりました。
しかし、なにも動かない落合さん。ちと不気味ですな。
シーツ、桧山、今岡を暗黒三銃士と呼んだのは誰だ!あ私か。スマン。先生、来年も宜しくサンキュープリーズ。
ボギーはキャンプの段階ではなーんかオク様とおんなじ様なの来たなぁ・と思っていたんですが、これは久々の当たり助っ人みたいですね。
ホント外国人選手は蓋を開けてみるまで分からん。
コーダイとリンちゃんのヒーイン最高でした。
最高でしたが、ふとよぎったあの男。
鳴尾浜でともに汗したあの男と3人でお立ち台に立っていたらなぁ・・。そんなことを考えていたら熱いものがこみ上げてきました。
いやいやもう言うまい。
昨日はあの男も広島で2ベースを放ったとか。
鳴尾浜産の奴らは、やっぱどこに行っても大好きだ!
to ハードリスナーさま
常に調子を見ながらローテを考えているということでしょうね。下柳は、8月が苦手で、間隔を空けた方が良いというデータもありますがから、そこらへんも考えてのことでしょう。また二軍からの突き上げが、上の選手の力にもなりますから、若手らや福原、投球を始めるという安藤も頑張らないといけませんね。
to おかぼんさま
桜井の「落ち着き」には非常に驚いています。なんといっても「やんちゃ」なイメージが定着していましたので(笑)。
やっぱり「よく打つ状態」って不安定ですね(笑)。
to あーちゃんさま
スポーツ選手が、練習中にたわむれる様子は微笑ましいですよね。
そうそう、OBは働かなくちゃいけません。オイシイ時代の恩恵をたっぷり受けてきたんですからね、体が元気なら、野球に還元しなくちゃ!
to 西田辺さま
ランバージャッカー?カチカチ(検索)…カナダのきこり「ランバージャック」より。ランバージャック・デスマッチとは…ふむふむ、なるほど。たしかにそういう気の荒さもありそうだ(笑)。桜井に西洋風の木こりの衣装着せたら、相当似合うと思うんです(笑)。
to ぴよこさま
ドラはあまり元気でないのは確かなんですが、力を蓄えている、反攻の機をうかがっている、そんな雰囲気はありますよね。それと若手が働いているので、必ず活性化して来ると思いますよ。
to 一虎ファンさま
ちょっと「ねぎらいの言葉」が流行りそうな気配?(笑)
to GAIAさま
いろいろありがとうございました。
落合監督という人は、タイミングを見計らうのが上手いのですが、中継ぎが乱れている今は辛抱の時と踏んでいるのでしょう。先発がそれに応えているのがスゴイですね。
to 良虎さま
喜田がきっかけになって連続2塁打で勝利を呼び込んでいましたね。喜田が出ていなかったら桜井の飛躍もあったかどうか。そしてこうして首位イジメでタイガースに恩返ししてくれているのですから、ぜいたく言っちゃいけません(笑)。