毎年の話題だが、成人式をむかえる選手に球団社長から記念品を贈呈するという行事。今年は若竹、鶴、大和。
球団公式の写真で、後ろに見えるマンガの額が気になっている。これは何?
昨日は「いちばんつまらない図」を書いてみたが、この3人は今年楽しみだと思うよ。
タイガースにもまだ契約更改が済んでいない選手がいるようだが、あらかた交渉は決着したもよう。そんな中、ライオンズのGG佐藤が下柳(当時F)以来7年ぶりに年俸調停を申請するという。
ところが調停を行う「参稼報酬調停委員会」というのは、日本プロ野球コミッショナーを委員長、セ・パ両リーグ連盟会長を委員として構成されるので、事実上球団側の土俵で、過去の例を見ても、選手側にはほとんど勝ちの目はない。選手の権利のはずが機能不全を起こしている、おなじみの「NPB(ノン・ポリシー・ベースボール)品質」だ。
裁判王国アメリカMLBの年俸調停はもうちょっと面白いものらしい。調停委員は、球団側と組合側で合意した第三者(どうやって選ぶのかな)によって構成され、両者の折衷案を探るようなことは行わず、球団側と選手側、どっちの希望金額が正当かを決める。オール・オア・ナッシングだ。だもんだから、調停の申請数はとーっても多いが、たいていは選手が「調停だ!」と言った瞬間から、両者妥協交渉に入り、ちょうど良いところで妥結するという。
ただ最近はFAのからみで制度が悪用されていたりするらしい(ややこしい話なので、詳しくは、李啓充氏のコラム「年俸調停制度を巡る悲喜劇」参照)。
自分がもらう給料が適正かどうかというのは、プロ野球選手に限らず大変重要であり、難しい問題である。とりわけプロ野球選手は、自由に転職できない、いや野球選手をやめて職を変えることはできるが、「同業他社」への転職は、FA取得までできない。しかも職場はじゅんぐりに指名されて決められちゃう。時にはくじ引きだもんなぁ(笑)。で、同じ働きをしても、職場によっては高い給料、別のところだと安い給料と、金持ち球団と貧乏球団とで差が出てしまっているのが実情だ。
でもMLBの平均年俸のニュース(朝日)もあるが、年俸の高いチームがいつでも勝つかと言えば必ずしもそうじゃない。モチベーションの問題(いわゆるハングリー精神)もあるし、安い選手だから管理側の思うように使えるというのもあるだろうし、まあとにかく野球には勝ち方がいろいろあるということだろう。
ただし、だからと言って「うちは貧乏球団なんだから、これで我慢しろ!」というのは正しいことじゃない。どこのチームであろうとも、客観的に同じ働きをする選手には同じ額の給料が支払われるべきだ。「選手の価値」は絶対的なものであるべきで、球団が金持ちなのか、貧乏なのかといった条件で相対的に変わるべきものじゃない。
もし貧乏球団がその価値に見合うだけの給料を支払えないのであれば、あるいは資金を調達してもその選手を元手に利益を生み出せないのであれば、その選手を放出すべきなのだ。その代わり、新たな安い選手で「それでも勝つ野球」をやったら良いだけのこと。
問題は正当な年俸をどうやって決めるかなんだよね。プロ野球というビジネスが「ケンカするのを見てもらうショウビズ」であるということを踏まえて、健全なケンカ相手を揃えていくという思想のもとに「選手の価値」を決めなければならない。構造的な有利不利を解消することもなしに、ただ金持ち球団の基準に当てはめてしまっては、それはそれで「適正な選手の価値」とは言えないと思う。
コメント
『大リーガーの07年の平均年俸が史上最高の282万ドル(約3億円)に達した。』(http://www.asahi.com/sports/update/0119/TKY200801190037.html)
今朝のニッカンによると、07年、日本の12球団全選手の平均が3553万円とか。格差8倍以上ですか。
ただ、日本の球団の支配下選手が70名なのに対し、メジャーの支配下選手は40名。つまりは日本の球団は3Aの球団も抱えている格好なので、単純比較は出来ませんね。より厳密に比較するなら、日本の球団も各チーム主力40名の年棒で比較する必要があるでしょう。ちなみに日本の一軍クラスの平均だと6148万だとか。ただ、これも球団格差が著しいようで、セの上位3球団やソフトバンクあたりだと1億円前後だというのに、カープ、ファイターズ、楽天あたりになると3000万円台だとか。それでもファイターズがパリーグの覇者になるんですから面白いものです。
はじめまして。
>後ろに見えるマンガの額
うーんJFKの水彩画っぽく見えますねぇ
>後ろに見えるマンガ
水島御大の絵に見えない事もないのですが…
>貧乏球団
ふっと映画「メジャーリーグ」を思い出しました。いや、本当になんとなく。あの映画のラスト近く、満員になった球場の空撮で毎度泣きます。変だって言われます。どうでもいい話ですが。
年俸ってやつも難しい話題で、「いっちょ噛み」程度の人から「プロ野球はカネカネって汚いからイヤ」みたいに言われると、返答に悩んでしまうのですね。説明すればするほど、相手を納得させるような回答から乖離していくという感じで。
なんともせつないのが「球団が払えないくらいの年俸を稼ぐ選手」がいるくらいのチームの試合に「その選手の年俸分くらい払える」だけの観客動員がないってことで。
「ほっといても客は来る」チームが、高い年俸に相応しい選手を獲得してしまって、だから観客動員力の弱いチームはそのまま、観客数が少ないままで、また新たな選手を育てていき…またその選手を…という循環が繰り返されて、「育てる」「獲得する」という二分化になっていくのかなぁと考えてみたりするわけです。
ちょっと考えてみたい問題ですね。
「メジャーマネー」の凄さは、福留獲りに失敗した讀賣も「思い知らされた」事でしょう。
シモさんは、よく残ってくれましたね。
年俸の事は、考える程パニパニッパニックですが、金の心配は「お偉方」に任せて、私は純粋にタイガースを応援していきたい。
>後ろに見えるマンガ
球児と久保田っぽいフォームは確認できますけどねぇ。
メジャーと日本で比べても歴然たる格差にガックリ。
マーケットが違うとは言え、金の基準が違いすぎます。
彼の地で何の実績もない日本人選手に、1球団の選手年俸総額
以上のお金が動き、トップクラスの選手には鼻血の出そうな
契約内容(笑)
メジャーへ行く選手も、夢だ何だと言いながら、気持ち半分以上は
お金の魅力なんでしょ?と勘繰りたくなりますよね。
NPBもNPBで、高額の年俸を払え切れなくなった選手の
引き取り先としてメジャーを利用している感も否めず。
日米間の取り決めも、高騰し続ける年俸問題にも何の策もなし。
toraoさん言う通りノー・ポリシー・ベースボール品質であり
ノー・プラン・ベースボール品質ですね。
後ろの絵っ! こんなチラ絵でフジカー・クボタンって普通に解るがみなさんや自分がw デス
オフなんで29/30のハンドボールでも見て下さい^^
>後ろの漫画
2005年に東京は渋谷で「大大阪80年栄光の歴史展」というイベントがありました。それと連動した企画だと思うのですが
成瀬國晴個展 ドキュメンタリースケッチ「六甲おろしの中で PART2」
つ?のがあって、その中の作品の一つです。
タイガースを描き続けるナニワのイラストレーターさん。
ジェット風船と選手のレイアウトが素敵な絵でした。拙ブログに記事あります。
>成人式
辻本君と同学年のうえむすめ。来年成人式ですが、昨日はや振袖の見学会に行ってまいりました。
まだまだ早いと思ってたら、着付けの先生に「お母様、今は一年前が常識ですよ」と言われましたです・・。知らんかったです。
to いわほーさま
>…単純比較は出来ませんね
そうですよね。生きていく上での物価や税率なんかも違うから、尺度そのものが違うというのもあるでしょうしね。
リーグ内「格差」でいえば、まだ日本の方が少ないみたいですね。
to かずぽんさま
はじめまして。後で答えが出て良かったです(笑)。
to はみさま
私も水島先生によるものかと思ったのですが、球団事務所に飾られるような接点も感じなかったので。
これホント考え出すと無限ループにはまりそうな問題なんですよ。パのように、若手が育つチームが強いという状況がいちばん楽しそうに思えます。
to ジジィさま
そうそう書かれている人はなんとなくわかる(笑)。
シモさんのメジャー行きについては、私依然として「プロテクト枠稼ぎのための球団ぐるみの偽装疑惑」をもっております(笑)。
to 西田辺さま
そうそう久保田ですよね(笑)。
ああそうかあ、1球団の選手年俸総額以上ですねぇ。たまりませんねこりゃ。
to 通りすがりさま
ほんとですね。
ああ例の日韓のみでやるやつですね。あれもひどい話ですよね。
to おりがみさま
ああ!そうだそうだ!それ、私もブログで紹介記事書きましたよね(笑)。本当だ!
成瀬國晴さんのイラストだったんですね。ありがとうございました!
そういえばTVのCMでもやってますね、成人式用の着物の宣伝。