WBC(ワールドベースボールクラシック)をおさらい。そういう時はウィキペディア(Wikipedia)が役に立つ。なんか知的財産の共有って感じがして、「インターネット万歳」って言いたくなる(笑)。
ポイントはMLB機構(コミッショナー事務局)が提唱したものであるということ。基本的にアメリカのショービズのために存在するものである。各国興行主にしてみたら、本来MLBが五輪に協力的であればそれだけでOK、WBCなど必要なかったし、IBAF(国際野球連盟)が主催するワールドカップにMLBが協力的であれば、それを頂点としてくれた方がフェアな運営が望めて良かっただろう。今さら言っても仕方ないことだが、本当はアメリカ以外の各国が結託して、アメリカ以外の国々だけで(A代表を送り込んだ)ワールドカップを開催し、アメリカに当てつけるように「世界チャンピオン」を名乗れば良かった。3回もやれば、アメリカも我慢できなくなってドリームチームを送り込んで来ただろうに(笑)。
日本球界としても、ただでさえ少子化で見込み客が減っている上に、若年層の野球離れが進んでいる現状を打破するため、国別対抗戦の必要性は十分感じている。WBCについて不満はたっぷりあるものの、やらないわけにはいかないと踏み込んだ。それは選手会も同じことだ。議論し、悩んで、交渉して、出場を決めた。第1回大会の大成功は見込めないが、千里の道も一歩からと言い聞かせた結果だった。
で、ことは着々と、いや、つっかえつっかえ決まって、来3/3にはAグループ(アジア4カ国)の第1ラウンドが始まるのである。例年なら、オープン戦が始まったなぁというタイミングで、国を背負った大会が始まるのだ。まったくどうしようもない日程だとは思う。だが、「どうしてもここしかない」と決まったことである。
ホークスという球団を率いながら、この大義のために王貞治が日本代表の監督に立った。彼のこれまでの生き方や発言を振り返れば、私を捨てて、「日本球界のために」という一念からの行動であることはすぐにわかる。数え切れない障害があっても、信念のために突き進む人だからだ。
そこで代表候補に要請を行ったところ、少なからぬ選手から辞退の回答が来ているようだと…。もちろん故障があったり、何があったり、きちんとした理由も言い分もあるのだろうが、例えばドラゴンズは要請を受けた6選手のうち、5人までが固辞し、残る一人は起用法次第(簡単に言えば「控えならイヤ」)と態度保留。親会社の発行する中日スポーツ紙上では、堂々と「ペナント奪回が最優先」と「宣言」しちゃっている。選手の意向というより、親会社の意向が働いているのかと勘ぐってしまう。今回の大会では読売が日本側興業を取り仕切っているようで、そういうウラのゴタゴタも影響しているのか…。確かにその部分はこの大会の暗部ではある。とにかく現象として、非協力的な選手の姿も見えているわけだ。
考え方は色々だろうから、否定はしない。お国のために身を捧げろ!などと言うつもりも毛頭ない。だが一つだけはっきりさせておこう。「集団の意志」として議決したことに対して、後で「自分は反対だった」と言い張る行為は良くない。その集団に守られて、恩恵を受けていることを自覚し、すすんで協力するのが当たり前のこと。それができないのなら集団に所属する権利はない。社会の一員としての基本だと思うが、違うだろうか。
さて、タイガースの選手たちだって、そんな時期にまともな状態をつくれるはずがないというのは一緒。赤星、今岡、藤川、矢野がまずリストアップされていると伝えられているが、みんな前向きにとらえているようだ。岡田監督も一個人の立場なら「開幕前のあの時期に、ホンマ、現場の人間はみんな反対するやろ」がホンネでも、「決まったものは仕方がない。開幕までに戻ってくればいい。選ばれた以上は日本代表でいくわけやから、ゲームの中で調整していけばいい。本人の意思はあるけど、こっちから止めることはないよ」と協力姿勢を表明している。
「私」だけに意識をとどめず、たえず大所高所からものを見るよう心がける姿勢は、リーダーにとって必須の要素。タイガースの選手たち、監督のリーダーシップはカッコイイ!私にはとても輝いて見える。
コメント
ほうほう、どんでんはなんでも受け入れ態勢というか柔軟なお人やな?。
私は日本のプロ野球しか興味ないんで、
ま、オリンピックもさほど興味はなかったけど・・・。
もっと定着してくれば、なんとなくそういうものなのかと分かるだろうケド、
今はいまいち何がなんだか分からないので、
ふ?ん?と言う感じかな・・・
(理解しようと言う気がない???)
中日はなんか来季こわ?い。
鬼気迫る勢いで打倒阪神!ってのが
なんかひしひし感じるんですけど。
Gはまず内部を整えることが重要でしょうから、
それが原さんの腕の見せ所だろうし、
上手くかみ合えば怖いかもしれない。
しかし、とりあえずセ覇者なので、
「ばっちこ?い!」
・・・今日はなんか意味不明(笑)
アジアではどうにか組織だったものの有る野球だが、欧州ではサッカー
の足下にも及ばない。ましてや米国にとっては国技(?)に近い存在
だから米国主導は当分変わらないでしょう。
最近落日の感ある米国も二つの世界大戦で果たした役割の大きさから膨
れ上がった自尊心が「他国なにするものぞ!」の振る舞いになるのも
やむを得ぬのか?
お代官さまとアメリカさんの意向には抵抗できませぬ!どこやらの社主
と同じく“一抜けた”と伝家の宝刀が鞘走る。
国連の場でも似たようなものです。
うちのボスが筋は通すとは現役時代から巷間に聞こえていました。
古田氏以前に選手会の代表としてそれなりに苦闘していたのも事実であり、
選手派遣をケチるなんて姿勢は採らないでしょう。
Jリーグ(日本のプロサッカー)設立の大きな目的は,日本代表のワールドカップ(W杯)出場でした。世界最大のスポーツイベントであり,サッカー選手にとって,国の代表としてW杯に出場することは最高の名誉であるだけでなく,自らの存在を世界中のクラブにアピールする場でもある。全体として大きな一つの目標があるわけだから,これは分かりやすい。しかし,そんなサッカーの世界でも,代表選手の選出や試合日程に関して,各クラブチームと代表チーム,サッカー協会との対立,綱引き,押し問答…といったことは日常茶飯事です。
ひるがえって野球の国際大会。五輪,ワールドカップ,WBCと種類はあれど,どれも「最高の目標」とは言いがたい(少なくとも現時点では)。選手個々にとっても,それは国の代表だから名誉には違いないが,サッカー選手のようにそこで実力を示したからといって自分のキャリアアップにつながるというものでもない。逆に怪我や体調を崩して万全の状態でシーズンに望めなくなるといったこともあるかもしれない。選手自身が,二の足を踏む気持ちは十分理解できます。確かに来年のWBCは課題だらけでしょう。ただ,toraoさんのおっしゃるとおり,NPBの組織として決まったことを拒否する姿勢というのは大いに疑問です。D球団関係者は,いやいや「球団ぐるみ」の拒否じゃない,選手の「個人ぐるみ」の問題で…と言うのでしょうか。
それにしても王監督の立場。想像しただけで胃が痛くなってきます。オールスターの選手起用でも他球団やそのファンから非難を受けることがあるが,今回は開催場所も時期的にもシーズンへの影響はその比ではないですから。岡田監督の積極支持発言も,王さんの心情を察してのものではないか,と思いますがどうでしょう。
余談ですが,
いわほーさん,ばかぼん父さん,since1970さん…
いつもこちらでコメントを読ませていただいていた方々が最近続々とブログを開設されているんですね!
いや楽しいな。次は森御大の…?(それは読みたい,って伝言板にしてすみません)
少なくとも今岡、赤星、藤川、ジェフ、オクスプリング、林、もしかすると金本も。ここまで出す球団は他にないけど、オープン戦の代わりと思えば、時差さえやり過ごせばかえっていい練習になるかも。イチローや松井とチームメイトになるのも、日本代表相手に投げるのも(オーストラリア組)、貴重な経験です。
サッカー選手がワールドカップを目指すのは、最高レベルの舞台でサッカーをやりたいという気持ちが大きいのでしょうが、自分を売り込むための最高の見本市、という側面も大いにあるようです。なにせ予選の試合からして、世界中のクラブチームの関係者が、全試合、目を凝らして見つめているのですから。これほど選手が自己アピールする、またとないチャンスはありません。
同じ視点でWBCを見た場合、MLBが参加する以上、世界最高レベルの舞台になることには違いないが、日本の選手にとっては、「自分を売り込む場」としての関心が薄いことが、もうひとつモチベーションが上がらないの理由ではないでしょうか。そもそもWBCで名前を売って、メジャーから注目されたところで、日本球団に所属する選手は、FA権でも取得しない限り、移籍の自由がないわけですから。1?2年以内にFA権を得られる選手くらいは、張り切るでしょうけれど、そんなタイミングよい選手ったって数名くらいのもの。(いきおい誰かみたいにダダこねてみる?)
そのへんが、我こそWBCで日本代表として戦いたい、というモチベーションが沸かない理由では?それよりシーズンの成績のほうが、生活するうえでの「大問題」なんだ、きっと。
ドラフト制度もそうですが、MLB移籍も視野に置いた選手の権利、球団との契約のあり方について、見つめなおす時期に来ているのでは。今の契約や制度は、あまりにも球団側有利に作られていていると思います。
WBCについては、まずは三年。三年やってみて見極めたい。一年だけで結論付けるのは性急すぎると思います。サッカーのワールドカップもクラブチームからすれば迷惑なれど、それを否定しようがないほど、すでに定着してしまっているのですから。
「アジアカップ2005」同様、いい試合が始まれば、野球雀は黙っちゃいませんから。WBCも然り。
まったくの余談で失礼します。
torao梁山泊の豪傑連のブログ開設に刺激を受け、乃公も一つと立ち上がったのも勇ましいが、その途端にギックリ腰で転倒した。
かねてから不具合のメール送信を偏狭老人に必要なしと捨てていたのを修復に動き、却って状態を悪くした。ここへのコメントUPも普通にワードで下書きしたのをコピー、貼り付けしただけなのに届いたものは出鱈目な段落となる。
ichikenさん、いわほーさんに煽られ、今またおかぼんさん
に煽てられても先の見通しがまったく立たぬ。四十の手習いならぬ古希の手習いは、いささか恥ずかしい!
まず近くのパソコン塾を探すことから始めるか?
見る立場から言えば、サッカーのW杯は、国同士のルールを守ってやるケンカのようにムキになってやるから、各国の国民性が出て面白い。
チームとしてのサッカー勝負は、クラブチーム選手権の方が質的に高いレベルのものが見られます。
正直言って、私はアジアシリーズチャンプと、MLBシリーズチャンプでの、真のワールドシリーズから実現していく方が、選手もファンもとっつきやすい気がします。
ですが、toraoさんのいうとおり、「WBCをやる」と決まった以上は、世界的な野球界の発展のために協力するべき。
しかし、時期的な理由から、柱になる予定の城島も拒否、松井秀もチームが渋りそうだし、今のところ、国内外の選手が「ムキ」になっていないのが残念。(王監督が気の毒な限り)でも、実際Japanのユニホームを着て、試合が近づけば、協力的な選手だけのチームでも、きっと良い試合を見せてくれるんじゃないかな?
ワールドベースボールクラシックって、企画があがったときは、ぜひやってほしい!って思いましたが、時期が悪すぎですよね。
春のキャンプを十分にできないまま開幕へ突入するのは、選手もファンも不安になります。
赤星は、「イチローや松井が呼ばれたら控えに回ることになるかもしれない。そうなったら、キャンプも実戦も十分にできずじまいになってしまい、不安だ」と言っていました。
世界一を決める大会は賛成ですが、やっぱり11月あたりにやるべきでしょうね。
せっかくの休日もなんとなく過ぎ去って…(笑)
to ちょびうささま
日本の野球の最大の問題点は、プレーヤーも見る人も、若い世代が急激に細ってしまっているということです。後少しの間はなんとかもつかも知れないけれど、10年20年後もちゃんとあり続けられるかどうかとなると心配はつきません。辻本投手が思った通り成長して働き盛りになるころ、プロ野球あるんでしょうか…。
で、トップレベルの国際大会が重要だ!という文脈なんですね。だから、今の現役選手や大半のファンにとっては、「自分には関係ない話」ということになるわけです。でも本当に良いのかな?ということ。
極論すれば、来季のペナントレースを獲ることより、WBCで良い戦いをすることの方が意義があるのでは?と思っています。少なくとも私にとっては、郵政民営化よりは、「プロ野球防衛」の方が大きな問題だったりするんですけどね(笑)。
to 森 無礼さま
サッカーワールドカップは、当初発祥の地であるイングランドを省く形でスタートしたそうです。アメリカ抜きではなにも出来ないというという発想が盲点ではないかと思っています。前にも書いたのですが、クラブ世界一戦も、アジアシリーズの覇者対アメリカ以外の北中米覇者の対決をやって、「世界一!」と言っていれば、向こうから「オレと戦え」と言ってくるだろうと。巨人(読売のことではない)を倒すには、力を合わせないとね。でもボビーの活躍のおかげで、真のワールドチャンピオンシリーズが実現すれば、あえてアメリカをのけ者にすることはないんですけど(笑)。
ところで、コメントを入れられるようなら、ブログの開設なんてちょいちょいですよ。気楽にいっちゃいましょう!
to おかぼんさま
「こころざし」ということに尽きるのでしょう。何も自分がそんなことまですることはないと思うか、自分はそういう立場にあるのだから責務を果たすべきだと考えるか。初めての試みなので、大会自体に権威も名誉もないのは当たり前のことで、その第一歩を自分が記そうと思って欲しいなぁ…。妥協の産物とはいえ、この大会が必要だと言うことは誰もが認めているのに…。もちろん王さんをバックアップするという気持ちがあると思いますよ。
to のののーさま
日本の場合、国際大会とかいうと国籍問題とかもややこしくなるのがひとつのネックですね。
「貴重な経験」私もその通りだと思います。
to いわほーさま
WBCは、サッカーのワールドカップに相当するものにしたいわけなので、毎年はやらないようです。06年の次は、09年、以後は4年に1度だそうです(次回からは4月に開催予定)。まあ3,4回やらないと、権威もプライドも出てこないんでしょうね。でもとにかく1回目から最大限やらなきゃ、次がない。次がなくて困るのは日本球界だけかも知れません。
to ばかぼん父さま
ボビーの力で実現してくれるといいですね。ハワイでチャリティー・リアルワールドシリーズ。こっちは毎年開催が良いですね。
サッカーのW杯だって、はじめは「ああ、勝手にやっとるわい」てなもんだったんでしょう。でも回を重ねていく内に、権威も出てくるんです。傍観者として見ていたヤツもやりたくなってくる。ちゃんと志をもってやっていれば…という条件付きではありますが。ま、Tの選手をはじめ、志を見せてくれるプレーヤーがちゃんと出てきてくれると思います。
to まゆキチさま
ということで、第2回、09年大会からは4月開催と決まっているそうです。さてレギュラーシーズンはどうするのでしょうねぇ。結局、大きな志の問題なので、「利己的なこと」とは初めから相容れないもんなんです。だからこそ、価値があると思うんですけどね。続けばですけど…。
なんだか、最近の岡田監督がちょっと眩しく見えるのはなぜでしょうかね(笑)
今回の監督のコメント、野球ファンとしてちょっと嬉しかったです。
人間として魅力のあるヒトって、ちゃーんと周りを見れるヒトだと思います。
日本のプロ野球界にとって、今何をすべきかを考えた上で日本代表監督に就任した王監督は尊敬に値しますし、それを側面から支持しようとする岡田監督も尊敬できます。
世界の舞台で虎戦士が暴れまわるシーン、今から想像するとニヤけてきちゃいますね(^_^)v
相変わらずバランス感覚に優れた、素晴らしい意見をお持ちですね。
将来的なことを考えたら、国際舞台の整備は避けて通れないと思うのですが、これに賛成しないひとというのは、将来のことを考えていない(選手個人の立場としては仕方ないかも)か、現状に危機感を感じていない(一般のファンに多そう)かのどちらかなんでしょうね。今季赤字に転落した中日が、危機感を感じていないとは思えないのですが…。
to ヒロキさま
岡田監督は、空気を読めないところもあったりしますが、すごく良い大局観を持った人だと思います(局地戦に弱いとも言うのですけどw)。迷いを生むような問題があると、出来るだけ上空高くから見ようとしているんじゃないかなぁ。だから、10年単位で考えた時の間違いをしないんじゃないかなって思います。スピードの時代とは相容れないと思いますが、本当は今の時代に必要な考えだと思います。
もう、今回出てくれる選手は、目一杯応援しちゃいますよ!
to maruko1192さま
ホンネの部分で、「それはわかってるけど、なんでオレが割を食わなきゃなんねーんだよ」って感じだったらイヤですねぇ…。
理念を掲げてJリーグが発足して、もう何年経ちましたか…。どうして野球界には理念をぶちあげて、引っ張って行ける人が出てくれないんでしょうか…。虚しいなぁ。