若松監督の粘り、スワローズの粘りはものすごい。先週の対戦、3試合目に中4日で先発起用した石川を、この2連戦では中継ぎ待機とし、中4日でマウンドに上げた。選手を鼓舞する素晴らしい策だと思う。しかし、岡田監督も言っていたが、どうせ使うなら、藤井を下げた直後の6回から、または逆転直後の7回からの方が、より士気を高める効果があったように思う。
井川攻略法も見事。ここのところタイガース先発陣に安定感があるのは、テンポ良く、直球主体でストライクを先行させる配球パターンにあることを読み切って、ファーストストライクをコンパクトに当てていく戦法を取る。立ち上がりから球が高く、中に入ってしまった井川に連打を浴びせた。
初回、良い球を投げながら、慎重になりすぎて3点を献上した先発藤井のリード、そして9回ダメ押し点となった捕逸(記録は暴投)など、古田の穴を感じざるを得ない試合でもあった。
スペンサーが古田にタックルしたのは1週間前。スワローズはその後5連敗となってしまった。
それは本当に悪かったと思う。しかし赤星と金本にぶっつけるのだけは止めてくれ。もちろんわざとではないだろうが。赤星は腿ウラ、金本は足先。ともに当てられた直後は痛そうだったが、大事ないことを願う。
井川は3回まで、打者18人に対し、10安打を打たれた。信じられない打たれっぷりだ。1回表に苦労して取ってもらった3点を、すぐそのウラに全部吐き出すという背信でもあった。しかし結局6回、107球、4失点でおさまったのは、打たれても打たれても、ストライクを投げ続けたこと、打者に向かう気持ちが切れなかったことがその理由なのだろう。しかし、逆転されたすぐ後、自身への代打が逆転打を放ってくれるところまでくるとツキすぎだ。
藤川の制球に翳りが見え始めると同時に、ウィリアムス、久保田が燦然と輝く。「球児には、いつも助けてもらっていたので、助けたかった」とジェフ。心を繋げば打線は得点力を増す。同じようにリリーフ陣の心が繋がれば、点を失わない。
スペンサーが押し出し四球、四球、四球、三遊間ヒット、センター前ヒットの活躍。ボールがよく見えている。シーズン開幕当初の好調時に近い雰囲気。
7回表、1点ビハインドで一死満塁、打順は8番関本。マウンド上はゴンザレス。代打は「満塁男」濱中だと思った。しかし岡田監督が告げたのは桧山だった。はて、これはどう解釈したものか。この三人のうち、もっとも期待値が低いのが桧山だろう。ファーストストライクを叩けなければ、三振に倒れると誰もが知っている。しかし「初球から行け」と指示した風でもなく、その通りになる。だが、二死となったことで、次の代打・片岡の長打1本で一塁走者まで楽に生還できる状況が生まれ、その通りになる。結果として大正解としか言いようのない代打起用だった。岡田監督の頭の中に、濱中がスライダーを引っかけて6?4?3の併殺に倒れる映像でも浮かんだか?いずれにせよ神がかっていた。
片岡について書こうと、過去の「片岡カテゴリー」を読み返して見た。最後の記事は約半年前、自分で書いたことすら忘れていたが、「最低限成し遂げなければならないことは、戦線を離脱しないこと」なんとも皮肉な内容だ。片岡は最低限のことすら出来ない半シーズンを過ごしてしまった。
もともと「香車」。直球にめっぽう強い打者だった。しかし最近では、直球を待って直球に振り負けることが多くなっていた。片岡も本当に衰えてしまったのか…。
二死満塁、打てばヒーロー、倒れれば戦犯、しびれる打席だが、これを待っていたのだろう。バッテリーは直球で攻める。初球ボール、だが2球目の外角直球に片岡のバットが反応する。ジャストミートの後、片岡がバットをくるくると放り投げる。手応えアリのポーズだ。レフトポール際…飛距離は十分…ファール…。そう直球に強くて、広角に長打が打てる、片岡らしさが戻ってきた。3球目、4球目は低めのスライダーで崩しにかかるが、いずれもファール。くずされた打球がファールになるのは好調の証。5球目のインハイへの直球、空振りを取るには最高のコースに決まる。だがこの手が出ても良いコースをきっちり見送る。配球も読めている。古田なら次も同じボールで空振りを取っていただろう。しかし若い米野は型どおり外角低めにスライダーを要求…しかし指にかからなかったその球は、左打者の肩口から真ん中高めに入って来た。速球も頭に入れていた片岡は、軸足を前方にちょっとずらす片岡独特のスキップ打法でタイミングを合わせ、振り切ったバットが再び空中でくるくると回った。そして打球は右中間を深々と抜いていった。
ヒーローインタビューで、いかにも無神経そうなアナウンサーが大声を張り上げながら聞く。「一昨年のチームと今のチーム、どちらが強いですか?」少し考えて、片岡は小さな声で答えた「今年の方が強いです」。自分も優勝に貢献したと思えた一昨年と、ここまで何もチームに与えていなかった今年とを比較された戸惑いが顔に出ていた。(これからだ)心に決めたに違いない。
コメント
おはようございます。
♪光る海,光る大空,光る大地?
とCMで,懐かしのアニメソング「8(エイト)マン」が流れている。颯爽としたリバイバル。そう,忘れちゃ困る「虎の8マン」片岡の,しびれる一振りでした(テレビ中継見られませんでしたが)。toraoさんの分析を読んで,改めて画像がイメージできました。
1回のスペンサー,2?1からのファールでの粘り,ボールの見極めは見事でしたね。好調になってきたという手ごたえがあるんでしょう。連続ノーヒットのころと比べると自信を持って打席に立っているという感じがあります。調子がいいとああいう先制のチャンスでは逆に力が入って強振しすぎたりするものですが(誰とは言わないが…セキみたいに)決してボールには手を出さない。いい仕事ぶりです。本人のコメントでは「正田コーチとずっと練習してきたから」ということで,正田コーチにも「5」をあげたい!(コーナーが違いました)。
えっ!井川が勝ち投手でええの?
▼ヤクルト?阪神 10回戦(阪神6勝4敗、千葉マリン、12,722人) 神300 000 310=7 ヤ300 001 100=5 [投手] (阪神)井川?藤川?ウィリアムス?久保田 (ヤクルト)藤井?河端?ゴンザレス?石川?五十嵐 [勝]井川9勝3敗 [負]ゴンザレス1敗 [セーブ]久保田3勝2敗16S せっ
よしよし。かぶってるぞ!(爆)
というわけでおはようございます。
片岡、ほんまに男前に見えました。
インタビューアーはたいがいアホが多いから、ありえない質問をよくしますが、それに答えなければいけない方も大変ですよね。
◆7/12対ヤクルト(〇7-5)
対ヤクルト 10回戦 千葉マリン
神|300 000 310|7
ヤ|300 001 100|5
勝:井川9勝3敗0S
S:久保田3勝2敗16S
敗:ゴンザレス0勝1敗0S
神:井川-藤川-ウィリアムス-久保田
ヤ:藤井-河端-ゴンザレス-石川-五十嵐
阪神、片岡の虎魂に「3本の矢」が答えてヤクルトに勝利!
7月12日 対ヤクルト 千葉マリンスタジアム
阪神7ー5ヤクルト
本日のデイリーによると、このまま阪神が勝ち続け、他上位チームが負け続けると最短20日にマジック44がでるそうです。{/hiyob_hat/}
そんなにうまくは行くわけないですが、7月末から8月頭にマジック40ぐら
ひどい両チームの先発投手
どちらの先発もひどいわ。
一応藤井?井川ちゅうたらエース対決やろ。
それやのにどちらもいきなり3失点。
井川は何本ヒットを打たれたんや。{/hiyo_ang1/}
藤井は何球投げってんねん。
でも今の阪神は負けないね。
片岡も「おれもおるぞ」といった感じのランナー一
あ?、あの飛球が切れていくのか…。「戦力になれた気がした」と言う片岡の気持ちに早出の努力…。けれども足の粘りには衰えが…。一日でも長く活躍して欲しいと思いながら、いつか来るその日には…赤星の背番号が変わるとしたら「8」しかない…とも思う。三振前のバカあたりというジンクスを振り切って、切り替えることのできた集中力やすさまじい! けれどもガッツポーズはベースについてからやらないと危ないぞ。古田がいなくて4点ほどもうけた試合でもあったと思う。今の片岡にスライダーは好餌…。次から左の代打は順番が変わるかな?これで次の片岡は期待して見ます。失礼しました。
気持ちが落ち着かないほど強いですね。確率変動状態はまだ打ち止めにならないのだろうか?
(いつまでも続いて良いんだけど、落ち着かない^^;)
私も「なんで桧山やねん」と思いましたが、無理矢理考察してみました。
桧山が働くのは「不意打ち」か「追い打ち」の場面。
あそこの「頼むぞ」の場面では「十中八九あかんやろ」と首脳陣も思っていたと思う。
セキへの代打なので、左でなきゃセキも納得できない。片岡を先に出してもしアウトになって、
2アウトになってからなら桧山なら、百中九十九ダメ。
2アウトなら濱ちゃんで、桧山が後に残る。もう一回くらいあるかもしれない勝負どころに桧山では不安。
それなら、先に桧山でボテボテのセカンドゴロのゲッツー崩れでも起きる事に期待したのだと思う。
ポジティブに言えば「桧山に一皮むけることを促した」期待の采配とも言える。
岡田用兵に選手が応えて、カバーする働きをするから強い。
ジェフにしろ、片岡にしろ、一人失敗しても、カバーをする働きをするのは、チームが一丸となっているから。
それを作ったのは岡田さん、ということになる。
監督業に作戦はいらんのか?うーむ。
to おかぼんさま
ペンスケの選球眼の良さは来日当初からですね。それが不調のころは外の変化球を追いかけてしまいました。おっしゃるように自信がついてきたんでしょうね。そろそろ早いカウントでバシっとでかいの出る頃ですよね。
to かきぴーさま
片岡も見事に打ったことでヒーローになりましたが、凡退してたら猛凡賞でしたね(笑)。
インタビューは、アホ以前に音が割れまくって、よく聞こえませんでした(笑)。
to BSミツルHさま
本当にあのファールからよく切り替えました。確かに古田だったらと何度も考えた試合でした。
to ばかぼん父さま
おそらく、石井に対してもう一度勝負所が来るという読みだったのでしょう。左2枚で勝負できるのはここだけだと。だとすればやはり桧山からで正解なんでしょうかね。けっこう深い起用だったように思います。練習での調子なども重視するようですし、本当のところはよくわかりませんが。
作戦も重要でしょうが、チームとしての心の繋がりの方がさらに大切でしょう。これについては監督の功かどうか不明ですが、かなり高レベルで実現できているようですね。
球児さんが久々に失点しちゃいましたね。 彼が失点する時は、その2、3試合前に「なんか調子悪い」試合があり、周期的なので休ませ時が分かりやすいと思うんですが。
最近藪選手のサイトを見たんですが、 「大リーグでは中継ぎもある程度ローテーションがあり、ブルペンで肩を作った投手は必ず登板するから、肩を無駄に消耗しない。」 ということを藪さんが書いてました。 昨日も6回表までで同点で井川さんも球数がかなりいってましたから、勝ちパターン以外の人が準備してたと思います。確実に勝ち星を拾うのも大事ですけど、中継ぎ以降の負担、特に肩の作りムダをなくすべきだと思います。
さあて、福原は無難に立ち上がりましたね。
to イエローさま
私もそう思います。前にも書きましたが、球児でない投手が準備していたはずですよね。その投手に行かせたらいいんですよ。「よし!逆転したけど、予定通り行くぞっ!」って気合い入れて。それで抑えたらものすごい自信になりますしね。
はじめまして
『ミスタートラ・唐渡吉則のOH!艶歌』
現在、毎週日曜日にAM1179(毎日放送ラジオ)にて21時より放送?
唐渡吉則さん稲野一美さんう?みの3人で放送しています。
の、う?みの情報サイト(ブログ)をしています。四月から、う?みが出演で私も聞き始め、唐さんのためになる話が聞けます。
コチラのブログも、素晴らしいですね。勉強させてもらいます。では、また
こんばんは!
片岡さん、好調になりつつある、という内容の記事を読み、最後の「これからだ!」の一言!
他のどんなコメントより、片岡さん本人のインタビュー&このブログでの記事、が一番、印象強く、詳細で冷静に分析されてるな、と思いました。
オープン戦時、オフ時、かなりな気合の入れ方で、その分、期待も凄かったですが、私は今も、公式戦開催前のまま、片岡さんの活躍をずっと信じて待っています。
これからの片岡さんに期待しつつ、虎の勝利&選手の活躍・故障のないこと、を願いつつ、今?また応援していきますね!!
今週の、う?みの一押し選手は誰だ?
『ミスタートラ・唐渡吉則のOH!艶歌』
現在、毎週日曜日に
MBSラジオAM1179(毎日放送ラジオ)にて
21時より放送?1時間番組です(野球中継が延長の場合は試合終了後に放送になります)
唐渡吉則さん稲野一美さんう?みの3人で放送しています。
★番組へのメッセ
to takoさま
ごくろうさまです。関東からは聞けないので残念です。
to 蓮正さま
褒めて頂いてありがとうございます。でもほらあの、ちゃんと取材しているわけでもないし、テレビで見たことからあることないこと…ごにょごにょ…。つまり、すべて「真実」と思わないで下さいね(笑)。
ヤクルトがローテーション通り来ていたら連敗だったと思われるので、この2連戦はラッキーでした。これで井川はハーラー&勝率トップ、福原は負け数トップというのは納得できない!
負けているこういう試合でもさじーは使われないのか….2軍のリリーフエースだったのに….「藤川問題」には悩まされなくなっても、まだ「5」はつけられません。
to のののーさま
藤井&川島はローテどおりではないんでしたっけ?
江草はサヨナラHRのみそぎが済んでなかったので、早めにということでしょうね。きっと。
toraoさま:
はい、先発が石川だったと勘違いしていました。みぞぎならワンポイントでもいいのに。