出さないことより入れること

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張本氏 記者クラブで会見、75年の巨人トレード秘話など披露(スポニチ)

「なぜ今?」は不明だが、ジャイアンツ移籍時に実はよっさんとの間で阪神入りがほぼ決まっていた話など初め聞く話で面白かった。ただ最後のこれ、『最後はメジャー流出が止まらぬ日本球界の現状を憂い「早く日本野球機構(NPB)にはメジャーに行きづらい規則をつくってほしい」と訴えて1時間の会見を締めた』は、問題意識も、その気持ちも本当によくわかるが、「早く」も何も、そんな規則はつくれないよ、ハリさんと言うしかない。

「ここ○○市も昔は良かった。町もにぎわっていた。今は若くて元気いい者がどんどん東京に行ってしまう。役所は、早く東京に行きづらい規則をつくって欲しい」長老として、それではいかんだろう。

ではどうすればいいか。その決定打がなくて○○市(日本の地方都市)は困っている。例えば、一つには負けまいと勝負する手がある。「東京がなんぼのもんじゃい!大阪も負けへんで」まったく同じではなく、少し毛色の違うことで勝負する。規模の違いは認めた上で、活気や勢いで「負けへん!」という気迫をみなぎらせる。

数値的に負けていたとしても「負けへん!」と言い張るためには、気迫だけではなく、最低限の条件は整えていなくてはいけない。都会としての魅力を備えていて、誰のこともウェルカム、そしてそこそこ大きなチャンスが転がっていること。そのたとえをNPBに当てはめると、「閉鎖的」という部分が魅力をそいでいるのではないか。目抜き通りは賑わっているが、一本、二本、通りの裏に入ると、とたんに都会色が消えてしまう、そこの浅さ。それを克服するためには、拡張することに意欲的で、誰をも受け入れる懐の深さが必要だ。そういうところに投資は集まるし、人も活気も集まる。国際化や拡大路線を抜きにして、MLBと戦うことはできない。

まったく違う戦い方を仕掛けるというのも方法。地方と都市の例でいえば、経済規模のことはスパッとあきらめ、地方独特の良さを追求し、逆に今まで都会にいた人を引き寄せようという戦略だ。特産物を販売したり、観光旅行を誘致したり、移住を促進したり。そのポイントとなるのは、インターネットを活用した情報戦ということになるだろう。NBPも世界を相手に商売することを考えればいい。経済規模だけを考えれば小さすぎると思っても、将来的にどうなるかなんてわからない。

「甲子園球場のスタンドの熱」は外国人観光客を十分誘致できると思うし、他の球団、球場だってそういうコンセプトで観客を増やしたり、世界に情報を発信して「どうにかして金にする」ことを考えてもいい。出さないことに意識を向けるのではなく、入れることに集中する。NPBに限らず、日本野球界全体として、「世界の野球選手たち」をごっそり受け入れる「市場開放政策」で、活気を生み出していくことを考えた方が楽しい。少なくとも「行きづらい規則」よりは。

コメント

  1. 虎世界一 より:

    虎バンに張本さんがゲストで来た時もその話ありました。同じくゲストにいた金本との絡みも面白かったです。

    「入れること」で思いつく簡単な策は、まず外国人枠の撤廃でしょうか。今は外国人枠が少なすぎます。
    フィールド上に5or6人までという形にすればベンチ入りメンバーも考える所が増えて良いかもしれません。

  2. 西田辺 より:

    悲しいかな、野球の最新ランキングで世界一に格付けされようと、09・13とWBCで2連覇を果たそうと
    「日本で是非野球をやりたい」と言う選手の増加には繋がってはないんですよね、今のところ。
    各球団の出場選手枠があるにせよ、やはりMLBに多くの選手が靡くのは「お金」なんでしょう。
    資本主義社会である以上は如何ともし難いものがありますが・・・。
    「既得権益をぶっ壊す」などと、安い政治家のような発言はしたくないのですが、チョット妄想ネタをば(笑)
    ・球団経営に外資を参入可能にさせる。
    どうしても日本にある企業じゃないとダメと言うのであれば、外国企業の日本法人をオーナー会社
    にするのも一つの手。
    興業として集まってくるお客さんは幅広いですが、球界自体は極々狭いムラ社会。
    日本企業が太刀打ちできないほどの大資本が参入してきた時、日本球界がどう変革していくかは
    見ものだと思います。
    かなりシビアな世界が繰り広げられるかも知れません。
    勿論、参入に対しての審査は厳正であるべきですけどね。
    あとはやっぱり、球界の統治機構の権力強化でしょうね。
    球団経営側が力を持ってる以上、何も事は進まないと思います。
    この辺は、また後日(笑)

  3. としとまき より:

    今日のトラオさんブログの件、実現は難しいでしょう!
    残念ですが、先日の日米野球観ててもいわゆるバリバリのメジャー級やなくても、野手の動き見るかぎり日本人は負けてたし、日本に来てもらうにしてもいろんな意味でハードルが高すぎるでしょう!

  4. こうさん より:

    マイナーや、その下から来日させ、セ・リーグ、パ・リーグを1チームずつ増やすのは?
    マイナーよりは金になるだろうし。
    問題は誰が金を出すか…。
    ナベツネと孫正義かぁ…。
    セ・リーグに「ハードバンクシャークス」、パ・リーグに「侍ジャイアンツ」で。
    しばらく続けてれば「外国人4人じゃ、あの2チームに対抗できねぇよ!」となり、各チーム外国人枠を3人、増やす。
    1軍の登録は4人のままで2軍にも3人、おいておければ「今年の外国人ハズレだわ〜」ってなっても2軍から入れ替えられる。
    そしたら各リーグ6チームずつに戻す。
    問題は誰が金を出すか…。
    ナベツネと孫正義かぁ…。
    「メジャーには行かせたくない」という話とは全く関係ない提案になってしまった…。

  5. とし虎 より:

    やはり、出れない様に無理やり街を閉鎖するより、出たくない街を作ることが大切ですよね。子供に説明出来ないヤジや「くたばれ讀賣」、相手の好プレーをけなす等、ファンも変わらなければメジャー流出は、止められません。

  6. 虎風 より:

    今日だけは東スポを信じたいんです。

  7. 英くん より:

    メジャーに挑戦するのは、お金が目的の人よりも向上心や力を試したい人(こちらの方が多くあってほしい)が圧倒的多数と感じます。
    最近、気になるのがお金に関して敏感に反応する人が多い事です。日本では、お金の話をすると何か卑しい話をしている印象をもたれてしまう気がします(特にプロスポーツ)
    アメリカやヨーロッパのプロスポーツはお金の契約には日本ほどの反応は無い様な気がします。
    野球だけで無く他の日本人のプロスポーツ選手が海外に行くのも、そんな事も関係があるのかなと思う最近です。

  8. トラ11 より:

    Npbがmlbと同等の魅力.権威を持つことが出来たら(その手段は全く解りませんが)プロ野球の楽しさが倍増すると思います。
    鳥谷メジャー挑戦とか流出という言葉はなくなり、何の不自然もなく他国の球団に行くことができる。
    アメリカだけでなく他の国の有力選手も日本の球団に来ることを希望する、なんてことになったら野球ファンは国際的に選手検索をしなければならないので忙しいが楽しみが広がる。
    日本野球の国際化は実現すれば裾野まで、まだまだ大きく広がる気がします。