岩崎粘投!原口一発!交流戦ラストを勝つ

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阪神岩崎、オリックス西、両先発がピンチでもよく粘り投手戦になる。7回表オリックスは二死満塁として西に代打中島を送るも岩崎が踏ん張り見逃し三振に。以後は両チーム継投に入ったが、8回ウラ、原口がオリックス3番手佐藤達からレフトポール際へ先制2ラン本塁打。3投手による完封リレーで逃げ切り、苦しんだ交流戦を勝利で終えた。

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対オリックス 3回戦 甲子園

オ | 0 0 0 0 0 0 0 0 0 | 0
神 | 0 0 0 0 0 0 0 2 x | 2

勝:藤川3勝4敗2S
S:ドリス2勝2敗3S
敗:佐藤達0勝4敗0S
HR:原口ツーラン6号
オリックス:西 – 吉田一 – 佐藤達
阪神:岩崎 – 藤川 – ドリス

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札幌で試合した時に、大谷が163キロを叩き出すたびに、大きなスクリーンにド派手な表示がされていた。ファンを楽しませる呼び物としては楽しい限りだが、調整基準が不明確で球場によって表示がまちまちなスピードガンはいわば「大きさの違う升」。細かい数字に意味はないどころか、でっかいエラーもある。藤浪がとんでもない数字を出していたこともあった。

「スピードガンより速く感じる」が岩崎のキャッチフレーズだが、この日の第1球、データスタジアムの記録には152キロが残っている。さすがにこれはエラーの類だろう。しかし130キロ台の直球で詰まらせるのが特徴の岩崎が、この日はコンスタントに140キロ越えマーク。後半には腕がよく触れるようになり安定的に144キロを記録していた。状態が良かったのは間違いない。

決め球のフォークは叩きつけてしまうと見切りやすいワンバウンドになるが、うまく抜けるとチェンジアップの軌道で、右打者には遠くへ逃げ落ち、有効だった。4回不運な形で無死一二塁のピンチを招いたが、3,4,5番を詰まらせてフライアウト。打ち損じにも助けられた。
最大のピンチは7回。二死満塁で代打中島。ここまで好投の西に代えての切り札だけに、勝負を左右する場面だった。
岩崎にとってもこれを切り抜ければ今季初の7回完遂。しかし球数はすでに100を越えている。ピンチが拡大していく過程でベンチもあわただしく動いていたが、ここはこの日の岩崎の直球に賭けた。この判断が素晴らしかった。
初球真ん中から逃げ落ちるフォークを空振り。このボールがキーになった。2球目はインハイ直球、梅野の要求通りボール球、中島バットを止める。3球目、初球と同じフォークを同じように空振り。カウント1-2、思惑通りに追い込んだ。
4球目、フォークを連投したが叩きつけてワンバウンド、これには反応しない。
フルカウントにはできない5球目、梅野は打者の近くに寄り、膝元にミットを構える。岩崎が渾身の力を込め腕を振った直球が寸分違わず梅野のミットに吸い込まれる。一拍置いた球審のストライクコールを待てずに、ミットを止めたまま腰を浮かせる梅野。跳ね上がるようなフィニッシュから拳を握りしめた汗だくの岩崎。表情豊かなタイプではないが、高揚した顔に勝負をものにした充実感が表れていた。
強肩でスキを見せず、岩崎を鼓舞し続けた梅野も好リードだった。

と、いう感じの投手戦であったとももちろん言える。ただ、阪神はゴメス、オリックスはT-岡田、中島といった主軸打者がスタメンにいない、そんな一戦は迫力のない貧打戦だったとも言える。
偶数回のたびにチャンスが来た。先頭福留が二塁打で出た2回は、隼太、中谷、北條がフライ3つで走者が進むこともなかった。
4回は西岡、福留、隼太がヒットで一死満塁としたが中谷三振、北條三ゴロ(これは惜しかった)で得点ならず。
先頭西岡ヒットの6回は3番ファーストで先発した原口が見事に送りバントを決めたが、福留敬遠、隼太二ゴロ、中谷三振でチェンジ。この日が勝負だったレフト中谷は絶好のチャンスで3度凡退。2歩進んで1歩下がった。

0-0のまま8回表、2番手として藤川が上がる。ようやく自信を持って投げられる精神状態に入ってきたようだ。小技系の上位を力で封じ込め、糸井は緩急を使って詰まらせた。
岡崎は手堅い選択をしていた。

流れが固まってきた8回ウラ、そうはさせじと佐藤達を投入してきたが、結局これが誤算。まったく感じのない先頭鳥谷を四球で出してしまう。しかし阪神の攻撃もふがいない。頼むとばかりに打たせた西岡は仕掛けられるカウントを整えることすらできず三振。こうなるとバントできる選手だけに「何がしたかったの?」ということになる。

しかしその状況を助けたのが原口の一発だった。アウトローのスミに直球とスライダーを投げ分ける投球。長打のリスクを抑える目的の配球。低い球は見切るが、真っ直ぐ、スライダー一つずつ空振りしてカウント2-2。5球目はアウトローへのスライダー。それまでのピンチでの配球、一発もある自分のスタイル、総合的に考えて内角はなしと決め、踏み込み、仕留めた。切れることなく、スタンドがせり出したポール際に飛び込む決勝の先制2ラン本塁打。飛距離以上に大きい本塁打だった。

最後はドリスが3人締め。走者が出るとやや慌てる癖があるが、ゆったりと真っ直ぐとフォークで勝負できる状況なら安定感が出てきた。

できれば岩崎が投げている間に援護してやりたいものだが、今はぜいたく言えるような状況じゃない。西、岩崎のマッチアップで、ゴメス出せずに若手ずらずら、相手の状況もあるけれど、よう勝った。

全体として金本監督はよく辛抱している。なんと言われようと信念を持ってやるということに関してはさすがの一言。最終的にはソフトバンクのように全員が走れて、出塁力があって、長打が打てて、守りも上手いという野手陣を作る。そういう目標を持ち続けるのはいいことだ。しかし優先順位をつけることもまた大切で、両端のポジションは打撃優先、センターラインは守備力優先の原則を守りつつ究極を目指すことが大事。ベテランも主力も関係なく代わりを用意して競争させることが大事。それを学べたのなら、借金4の交流戦も大いに役に立つことだろう。

岩崎ナイスピッチング!原口ナイスバッティング!福留NPB1500安打おめでとう!

コメント

  1. 虎ジジィ より:

    先発 岩崎ナイスピッチング。
    toraoさんの理論のように、スピードガンはあくまでも参考記録、打者目線からだと岩崎のストレートは10㌔増しぐらいに感じているのではないかな。
    昨夜は懸念されたスタミナも十分でした。
    できれば得点圏のチャンスで北條や中谷が打って岩崎に「勝ち星」が付けば一番良かったのですがまあ仕方ない。
    昨日のような投球を続けて行けば、きっとこれから勝ち星がついてくると思います。
    さしづめ、7回満塁で中島への最後の一球には雄叫びと共にサブイボが立ちました。

    打のヒーロー原口は変化球を上手く拾い、よくスタンドに入れてくれました。
    なかなかHRの出ないチーム状況で、まさに「値千金」。
    ヒーインでの涙をこらえる姿を見て「原口も原口なりにいろいろと悩んでいたんだなぁ」と感慨深かったです!
    原口自身も気持ちが昂ったのか、ヒーイン前にゴソゴソッと聴こえた「(アナ)マイク持つのやりますか」→「(原口)いや今日はイイっす」をアッサリ破り、最後はマイクを奪い勝手にヒーインを締めたのも彼らしく微笑ましかった。

    あと福留選手、NPB通算1500安打おめでとう御座います。
    とはいえ彼にとってこの記録は「目標として設定してるモノではない(イチロー風)」通過点だと思うので、まだまだ「ドングリ若手&中堅外野陣」が育つまでは、生きた手本であって下さい。

  2. 西田辺 より:

    岩崎ナイスピッチ!
    これだけのピッチングを見せた投手に勝ちをつけてやれないのは情けないけど
    勝ちに値する内容でした。
    7回中島への投球はシビレた。
    「こりゃ打てん」の渾身の一球。
    もしかすると今シーズン最高のボールだったかも知れない。
    福留NPB1500安打おめでとう!
    憎っくき「中日の福留」からの積み重ね。
    日米通算2000安打も目前。
    是非良い所での達成を。
    原口ナイスバッティング!
    本来のポジションではないけれど、鳴尾浜で培った一塁守備も無難に熟してた。
    しかし、あの快速球佐藤のタイミングをズラしにかかったスライダーをよくぞ
    我慢してコンタクトしました。
    投手の後ろから撮るテレビ画面だと、真っ直ぐと変化球でフォームの癖が
    分かるんですが、まさか気づいてた?
    でも、やっぱりホームラン打てるというのは良いねぇ。
    これにて今年度の交流戦は終了。
    7勝11敗 借金4はシーズントータル借金と同じ。
    得点44 失点72の-28の得失点差
    決して褒められた数字じゃないけれど、これをどう活かすかがこれからの課題。
    まずは首位独走中の広島戦からリーグ戦再開。
    失うものも恐れるものもないはず。
    喰らいついて喰らいついて、喉元に切っ先を突き付けろ!

  3. とらかっぱ より:

    岩崎の115球目のインロー、痺れましたねぇ。後ろを向きながらのガッツポーズもMAX集中での気合乗りを感じました。今までなら、100球越えた辺りで、ストレートは高めへの抜け球で、苦し紛れの変化球を狙われるパターンでしたが、あの局面でしっかり指にかかった144キロを投げれたって事は、スタミナも付いた証ですよね。梅野のリードも良かった。共にGJ!

    原口はよく拾いましたね。一二打席は西の外スラにクルクル廻って「貴浩かっ(阪神時代)」って程、ノー感じでこの打席の4球目も同じ。この打席もアカンかぁと思ってたら、目付してた外スラが少し甘くなったのを、少し泳がされながら巧く拾えた、技ありでした。捕手でない出場は本意では無いでしょうが、守りの方も少しずつ伸ばしていけば、レギュラーは近いですよ。

    交流戦は、貧打の負け越しでしたが、最後勝った事で気分よく広島戦に臨みましょう。

  4. ガク より:

    昨日の功労者は原口はもちろん岩崎ですが陰の功労者は梅野ではないでしょうか。
    昨年までは打撃、肩はいいのですが配球面に課題があった梅野。岡崎、原口の台頭でかなり勉強したのでしょう。昨日は内角をバシバシついた攻めの配球で無失点に貢献しました。
    もちろんそこへ投げ切る岩崎のコントロールがあってこそですが。
    正捕手は原口で決まりかな?と思いかけてましたが肩の不安があるので梅野にもまだまだチャンスはあります、まだまだ競争はこれから。岡崎も含め正捕手争いから目が離せません。

  5. hi64 より:

    昨日はとにかく中谷が残念でした。
    特に4回裏の打席。
    外角のすべてボールの変化球を3つ振って三振。
    どういう狙いで打席に入ったのか、全く意図が見えない打席でした。
    まさかあの場面で外甘の直球でも来ると思ったんでしょうか。
    技術が劣るのはしょうがないとしても、準備の部分で負けて欲しくはなかった。
    ただ、そういう部分は打撃コーチが補佐できるところなんですけどね。
    まぁ、昨日の反省をいかして、同じミスだけはしないようにしてほしいです。

    それと、梅野は捕手としてのレベルが一段上がったような感じですね。
    ワンバウンドもいい集中力で止められているし、送球も取ってからもう少しコンパクトになればいうことありません。
    同い年の原口といいライバル関係で切磋琢磨してほしいですね。

  6. トラ11 より:

    岩崎ナイスピッチング!
    藤川球児も以前の球児を見ているようで頼もしいです。ドリスも安定してきている。
    梅野も素晴らしかった。
    原口をファーストで起用し、決勝打のホームランは金本監督の采配が大当たり。
    交流戦最後を勝利で終えたことは本当に気持ちの良いもので、これからのカープ戦に勢いをつけるようで嬉しいです。
    岩崎、まだまだ余力があったみたいで今後が楽しみです!

  7. こうさん  より:

    久し振りにトラオさんの文章のタイトルにビックリマークが2つも…❗

    もう、それだけで❗❗

  8. 西宮トラキ より:

    梅野、原口、どっちかが22番つけるのではとずっと思ってます!

    • 虎轍 より:

      西宮トラキ様こんにちは。
      梅野に22番、原口に39番ってのはどうでしょうか?(笑)

      梅野には田淵型。原口には矢野型かと。

      小宮山ファンの方にはすんません。

      • アリさんマーク より:

        コミちゃんずっと応援してるんです。地元神奈川なんで39もらった時はキターッて感じだったんですが…来シーズンは地元横浜へトレードとかでしょうか…

        コミちゃん頑張れ!

        • 西宮トラキ より:

          虎轍サマ、アリさんマークさま、ご返事ありがとうございます。梅野は直々に田淵さんに指名されてますからね。原口は27とかもいいかもしれませんね。

  9. 虎轍 より:

    なんとか交流戦の最終戦を勝って良かった。torao様はじめ、皆様も岩崎がヒーローやったと仰ってます。ホンマにええピッチングやったと思いますね。

    一死二塁で福留を敬遠してハヤタ勝負。打撃の人が打撃で魅せれへんかったらアカンぞハヤタ。

    今日は朝の豪雨からの今は晴れ間。阪神も勝ったので気持ちよく仕事が出来てます(笑)

    まだまだファンは諦めてへんから、週末の広島3連戦で詰めていこう!

    福留先生NPB1500安打おめでとう。

  10. より:

    前半戦総括♪ ペナントは、7、5ゲーム差 借金4 4位。

    これは戦力的に仕方ない…(-_-;)

    さて 超変革金本阪神のチーム作りは?
    先ず3人若手が頭角を表した♪
    岩貞は将来の左のエース候補! 高山は、ホームランは打てない、四球も撰べないが率は残せる 将来の6番位か?
    原口は、将来の3割 20ホームランのクリンナップ候補♪ ただキャッチャーとしては 走られ放題では使えないから、一塁か三塁手あたりかな…。

    しかし3人共 金本監督が作った選手ではない…。

    今、金本監督は、十数人の若手を 一軍に上げたり落としたりの繰り返ししてるが 誰も、頭角を表してはいない…。

    まぁ 就任半年で 結果出せとは 酷な話しだが…。

    ただ、このやり方で、5年後、今使ってる若手がほとんど一流選手になり

    強いチームになるとは 現実的ではない…。

    やはり、強いチーム作りには 運、補強、若手台頭が合わさり、初めて強いチームが出来る♪

    例えば、阪神が来年取るかと言われてる 韓国の三冠王を取れて

    阪神希望と言われてる 清宮を、クジで当てて、

    さらに、エルドレッド、サファテクラスの選手を取れて、

    更に、85年の阪神みたいに 前年まで大した事なかった、 バース、掛布、岡田、真弓が 突然 人生のピークを迎え、大覚醒♪

    なんて 運もなければダメ…。
    そこに ヤクルト山田クラスの若手が一人出てくる、なんて事が重なって、初めて優勝出来るチームになる♪

    今年の優勝候補広島は、その運と鈴木誠也みたいな若手のモンスターが出てきたのが強さかな…?

    阪神タイガースにも その様なチームになる事を願ってやまない…♪

  11. お調子者 より:

    梅雨の中休みのようなスカッとしたゲームでした。
    ここ一番で少し甘く入った岩貞に対し
    ここ一番でしっかり投げ切れた岩崎
    自己表現しない岩崎のガッツポーズ
    タイムリー出た時のような大歓声
    これしかない一発で仕留めた原口
    拙攻貧打のクセに痺れたゲームを見せてくれました
    何度もyahoo!のダイジェスト動画何度も見てもうたがな