ひと冬は新人監督にとっても大事

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ある程度戦力が整うこと、ケガなどがなく十分なパフォーマンスができること。これらは優勝争いに食い込むために大切なこと。しかしたとえそれがあっても運営(経営、マネジメント、指導、コーチ……まあそこらあたりの言葉と置き換え可能)が悪ければ成績はともなわない。

そんなはずはない、やるのは選手なんだから選手の能力さえあれば勝てるのだ!と言う人もいるのだけれど、チームスポーツはそう簡単じゃない。
ただ、よくいう「采配」は私も大して重要だとは思わない。試合展開の中で采配で勝つ、采配で負けるということはあるにはあるけれど、それは「選手の実力」に比べれば大して重くはない。

では「運営」の何が大切なのか。それは心理、精神面への働きかけを適切にすることだ。期待感、集中力、やる気、危機感、団結力、求心力……いかにチームの心をまとめあげ、戦う集団のハートを作るか。それが運営の力だ。
卑近な例になるが、どんなに能力のある個人が集まった会社でも、「この会社にいてもダメだ。上がなっちゃいないから、オレの力が発揮できない」なんてメンバーに思わせてしまったらもう簡単にパフォーマンスはダウンする。そうなれば、逆に能力はたいしたことなくても、組織力を活かしてコツコツと行動するチームに簡単に駆逐される。過去のプロ野球でもよくあった話だ。

金本監督は1年目を受けて「責任は自分にある」と言っているが、では2年目に向けて何をどう反省し、どこをどう変えるつもりか。
それともとくに変えるべきところはないと考えるのか。単純に経験不足が問題なのであり、1回目は失敗したけど、2回目は成功する可能性がアップすると考えているのか。

すべてを否定することはない。その人の持ち味は最大限活かすべき。しかしどこかに間違いがあったのではないかと疑問を持ち、他者から助言を求めることができるかどうか。
トップが謙虚な組織は成長できる。「新人監督」にとって、このオフが非常に重要な成長の時期だ。

コメント

  1. 虎轍 より:

    確かにやるのは選手ですから、采配云々は選手が活躍してこその采配ですよね。
    前監督のように固まって、やってもらわないと困る。になってしまいますからね。
    来年は新人監督ではなく、監督二年目になって、勝負の二年目ですね。
    手探りの一年目から、挑む二年目。糸井も獲得して挑む二年目。
    勝てる采配を身に付けてるはず(笑)

  2. 西田辺 より:

    昨年、金本氏が監督に就任する際、一番期待したのがモティベーターと
    しての存在でした。
    選手にやる気を起こさせる、集中力を持続させる術に長けていると。
    今年その役割は「見るべきモノがあれば、ルーキーだろうと何だろうと
    登用する」という事で実行されていました。
    それは決して間違ってはいないと思いますが、来年は更に選手のケツを叩く
    手段が新たに必要になってきます。
    でも、ここでいうチーム運営は何も監督一人の仕事ではなく、球団として
    取り組まなければいけない事。
    以前の星野さんの様なベテラン監督なら、監督主導でも構わないのでしょうが、
    さすがに1年目を終えた監督にあれもこれもを背負わせるのは酷と言うもの。
    選手は体と技術のスキルアップを。
    指揮官は心のスキルアップを。

  3. とらかっぱ より:

    監督の仕事って何?って、解っている人が良い成績を残しやすいとは思います。

    良い監督と言っても、一括りには出来ないし、色んなタイプがいます。そんな中でも共通して一番重要なのは、如何に選手を機嫌よく仕事させるのか(最大限のパフォーマンス発揮)なんだと思います。そこで躓くとtoraoさんの仰るとおり『上がなっちゃいないから・・・』となり、チームとして体をなさなくなってしまう。

    逆に言えば「この監督の為なら何でもやってやる。胴上げしてあげたい」って思う選手が多けりゃ多いほど、優勝に近くなる。

    金本監督は、実績と人柄で大きなカリスマ性は、持ち合わせていると思います。あとは言動・起用方法を如何に納得させるか。この辺りが肝となって来るのではないかなぁ。

  4. こうさん  より:

    今日の文章のタイトル「ひと冬は…」だが、読み終えて頭に浮かんだのは「トラオさん、日ハムと栗山監督を語る」だった。番組で、どんなに年下の選手にインタビューしても敬語を使っていた栗山さんを思い出した。年上の人に、そんなことをされたら「この人には真剣に話さないと」と思ってしまう。栗山さんのインタビューは、いつも「心地よい緊張感」があった。

    もちろん金本監督に「見習え❗」と言うつもりはない。じっくりとキャンプに手と口を出した金本監督に期待。

  5. なかっち より:

    個人的にはベンチワークの差で負ける試合は多いと思いますし、監督の技量はかなりのウエートを占めると思ってます。
    確かにやるのは選手ですが、その状況に適した人選をして送り出すのは監督の仕事。ジャイアンツの原前監督、ドラゴンズの落合元監督(現GM)は名監督だと思います。監督変われば起用法も変わり、ベンチワークも変わります。ベンチワークで年間15試合勝てれば±30変わってきます。借金10のチームが貯金20のチームに変貌するのです。今年1軍経験をした若虎達が今、必死にトレーニングをし監督の期待に応えようと努力してます。監督もベンチワークで選手を手助け出来る術を勉強してほしいです。