雨のせいで、TD戦がこの日唯一の試合。NHKBSの中継もあったため、引き締まった内容の濃いゲームを全国の野球ファンに見てもらえた。
試合前半は秋山、ロドリゲス両先発による投手戦。とくにロドリゲスの内容がよく、秋山の投球内容次第ではワンサイドゲームになってもおかしくなかった。現に、久々登板となった秋山の出来は決して完璧ではなく、140キロを超さないのは毎度のことながら、追い込んでからの失投を木下拓に放り込まれるなど苦しいところもあった。それでも1球1球気合を込めながら腕を振り続け、緩急コントロールで試合を作った。
最大のピンチは7回表無死一二塁。打線が下位に回るところではあったが、強攻策を封じ込めるフライアウト3つで切り抜けた。
7回ウラ二死走者なし、その秋山に代えて打席に原口。普通であれば、なんということのない状況だが、前の試合と同じ舞台が揃ったことで、全プレーヤーたちの脳内で共通の「連想ゲーム」が発動し、それが試合を動かす。原口はしっかり四球を選び、代走熊谷。
打者近本の初球スタート、二盗成功。この日、ロドリゲス・木下拓バッテリーに2度盗塁を刺されていたが、ひるむことなく走った。
とっておきの代打と代走でチャンスを作り、チャンを拡大。まさにゲームチェンジャーになった。原口に3ボールにしてしまったこと、盗塁されて二塁送球がワンバウンドになったこと、ベースカバーの京田が不自然な位置取りをしたこと、すべてが中日側の「意識過剰」が引き起こしたものだった。そして誰もが連想したとおりに、近本が投手を強襲するようなセンター前ヒットを打ち返し、同点となった。
秋山の負けを消した阪神、8回に自信を持って送り出した岩崎は調子が悪かった。先頭代打福田に四球を与え代走高松。さらに暴投で無死二塁とされる。しかし大島を二塁正面のライナー、京田をセンターフライで二死三塁、最後はガーバーを直球でねじ伏せて大ピンチを切り抜け、逆転の機運を作る。
しかしながら阪神に匹敵する勝ちパターン投手陣を誇る中日。8回はセットアップの又吉が登場して、マルテ、輝明を簡単に打ち取って二死走者なし。打者サンズ。
ここのところ、打席内容にやや陰りが目立ち、ボール球のスイングや、押し込まれての併殺打が出るようになっていた。
初球外から回し入れるシュートを見送って1ストライク。
ここでサンズの読みが冴える。おそらく相手は自分の手が伸びる外甘スライダーを怖がって、内角ファウルでカウントを取りに来る。
2球目、インローに食い込むシュートを狙い撃ち。先に輝明に「逆方向イメージ」のコーチングでホームランを引き出していたが、ここもまさに逆方向イメージのスイング、ステップでボールとの間隔を作りながら、センターへ押っつけるハンドワークで左中間に運んだ。まさに頭脳派サンズの追い込み漁のような一撃だった。
最後はスアレス。先頭ビシエドのおよぎ打ち三遊間を中野がサード守備位置で追いつきジャンピングスロー。メジャー級のビッグプレーでアウトにすると、トントンと問題なくクロージング成功。
雨中止1試合で2連戦となったこのカード、2試合ともに終盤の粘り、二死走者なしからの決定力で、貴重な貯金1を削り出した。選手たち、首脳陣ともに手応えを感じたいいカード勝ち越しだった。
コメント
toraoさんの素晴らしい長文に、昨日のゲームでの確かな手応えを感じます。
昨季までは「2死走者ナシ」には絶望しか連想しなかったけど今季は違う。
個人的にも大好物の素晴らしい投手戦を、ビハインドから
「終盤に足絡め→同点、1発→勝ち越し〜逃げ切り」
のタイガースらしいベストゲームと感じました。
粘投の秋山、
代打で出塁を勝ち取った原口、
タイムリーの近本、
「ここでHRなら最高」のシーンで打ったサンズ、
当たり前のようにゼロに抑えた勝ちパの2人、
9回先頭打者を出すとイラつくスアレスを救った超ファインプレーの中野、
ヒーローがたくさん居る全員野球でしたが、
なんと言っても熊谷の足がまたまた重たい雰囲気を打破してくれました。
7回2死ランナー無しから一昨日と同じく原口出塁→代走熊谷で、相手バッテリーは当然盗塁を警戒する中 見事に盗塁を決めチョロチョロ、相手は前回やられた しぶとい糸原には回したくないので今回は近本との勝負を選択、それを嘲笑うかのように近本の打球がセンターに抜けた時はもう快感、外野守備位置は浅かったけど熊谷のスタートが良く悠々とホームに戻って来ました。
まさに矢野監督が二軍監督時代にやっていた「クソほど走る野球(足絡め)」の真髄を見せられた感じがしました。
ヒーインではお約束の岩崎塩コメントも決まり最高の雰囲気で東京ドームへ乗り込める。
例年とは逆の立場で「3タテ必至」の讀賣と、「とりあえず1つ勝てば」のタイガース。
優位な精神状態で昨日のようなタイガースらしい野球をやって欲しい。
秋山、ナイスピッチング。
梅野、ナイスリード。
原口、よく粘った。よくぞ見た。
熊谷、天晴れ!とても勇気がいったと思います。四球を二塁打にする男。
近本、よくぞ同点打、歓喜した。
岩崎、しびれた。最後の一球だけでも野球を観戦する醍醐味を味わった。
サンズ、やっぱり頼りになる。期待していた。
あそこで、決勝ホームランが打てるサンズ。
toraoさん曰く、まさに読みズバリ。
歓喜、感動、感謝‼︎何回見ても素晴らしい。
これからもゲッツー怖れず、豪打スイングお願い申し上げます。
技術的なことで恐縮ですが、あの内角低めを体幹で回転してもファウルにしかならないところ、スイング開始し始めて、内に曲がって入ってくるボールを強くインパクトした瞬間、フォロースルーを前に押し出すことが出来る右腕の力があってこそ。
スイングタイプの違うマルテ、佐藤輝、サンズのクリーンアップだからこそ、劣勢や接ったゲームでも、必ず誰かがなんとかしてくれるタイガース。強い。
中野、あの守備は凄かった。ドラゴンズの息の根を止めたプレー。
最後にスワレス、圧巻。本当に頼もしい。
さあ、今日から東京ドーム。
ロハスJもそろそろ、好調の兆し。
糸井もいるで!
青柳、頼む。
オンタイムで観れる環境じゃないのでナイトゲームは家族が寝静まった夜中に観ている。途中経過も入れずに1日の終わり(0時を回り1日の始まりになる時もある)に晩酌をしながら至福の始まり。
相手投手のロドリゲスは素晴らしかった。体格的には中継ぎ投手に思えるが「中継ぎ投手が先発」している感じ。スピードはある、変化球も冴えている、ほぼ要求通りのコントロール。長距離ヒッターが増えた(ような)タイガース、ホームランが出そうな打者にはホームランになるようなボールを投げなかった。同点でマウンドを降りなかったらサンズのホームランは生まれていたかどうか。次は昨日以上に手強いロドリゲスになる。
最近は酒が入ると涙もろくなる。昨日は4回も泣いてしまった。
まずは7回、糸原の打席。外野席が映るとカメラには糸原のヒットを願い、祈る女性が立っていた。バットでの応援も良いが祈るほどの想いの強さって、とてつもない。
そして8回は二度、泣いてしまった。まずはサトテルの打席。もう「なんとかホームランを」と望まれる打者になってしまった。それを思うとサトテルが感じているであろう重圧に涙が止まらなかった。もちろん万全な状態で戻ってきてほしいが1日も早い大山の復活を願った。4番も打てるのは分かったから6番で伸び伸びと…と思った。
そして、そんな涙を吹き飛ばしてくれたサンズのホームラン。引き分けになる為にスアレスが投げるのとセーブポイントを手に入れる為にスアレスが投げるのとでは、スアレスのメンタルに雲泥の差がある。後者の状況を作り上げたサンズのホームラン…いや、侠気。真剣に研究し、落ち込みそうになってもコンディションは整え「その時を待つ」が出来ているサンズ。昨日のコメントに書いた球児さんの「コンディションの良さと調子の良さは違う」を体現してくれた(球児さんは『例え調子が悪くても、勝てなくても打てなくてもコンディションを整えるのはプロとして当たり前』と言っていた。だからコンディションと調子は違う…と。スマホでコンディションを調べると『調子』だから初めは不思議に聞いていたが納得してしまった)。
最後は、なんて言っても中野のスーパースロー。アウトにしたのも素晴らしいが、中野に降り注いだタイガースファンの大歓声。ミスしたら、ため息が降り注ぐ甲子園だが、昨日の大歓声を味わってしまった中野は「また味わいたい‼️」となるはず。更に最強のショートへと突き進む。
また一つ、チームになる為の1試合を勝ちきったタイガース。いい試合だった。
こうさん、私は帰宅が遅く見ることが出来ませんでした。
でも、まるで映像を見ているかのような文章に涙でした。
素敵な時間をありがとうございます。
正ちゃん様ありがとうございます。これからも精進します。
自分も泣きました。そんな時はtoraoさんも長文が多い気がします。
藤浪の不調をも吹きとばすナイスゲーム。と、思う。
二死から仕事人原口、弾丸特急熊谷、近本の流れは芸術品。ザキの最後の球も芸術品。さらに中野の守備も芸術品。
生還した熊谷の頭を撫でる秋山の優しい表情も良かった。
サンズはやはり神である事を証明する一発。中継中、画面にスヤスヤ眠ってる赤ちゃんが時々抜かれてました。
サンズの一発の後、元気に起きてたのが印象的だった。
こんな試合をありがとう、タイガース。東京でも頑張って!
いやぁ、痺れる試合でした。
中日先発ロドリゲスは、強い真っ直ぐとキレのあるムービングボールで、
阪神打線に付け入るスキを与えず。
対する秋山も木下への一発は惜しまれるものの、7回1失点のナイスピッチング。
火曜日の同点の場面もそうでしたが、原口が出て代走熊谷が走ってタイムリー
のパターンが2度続きました。
何となくシンドい時でも、こうなればそうなるみたいな期待感が生まれますよね。
原口本人は、本来の捕手としての出番がない事に忸怩たる思いもあるかも
知れませんが、勝つためのピースに徹してくれる姿勢は頭が下がる思いです。
サンズも決して好調とは言えませんが、あの場面であの一打が打てる選手は
なかなか外しづらい。
ロハスがもう少し調子が上がれば週1くらいの積極的休養もアリかなとは思い
ますけどね。
さぁ、今日から前半戦の山となる読売3連戦。
気負わず、今まで通りの野球をやれば、きっと活路は開いてくれるはず。
先ずは青柳さん。
今日は雨の心配しなくていいぞ(笑)
torao様の文章で昨日の試合がよみがえってきました(笑)
ただね、熊谷の盗塁の場面で京田はブロックしたような感じで熊谷の足に乗っかかりそうになってましたね。熊谷の足を潰しにきたんか?と思ってしまいました。
じっくり四球をもぎ取った原口、勝ち越しホームランのサンズも勿論ヒーローですが、秋山の粘りの投球がヒーローですね!GJ
昨日は一塁ベンチ上くらいの座席にツレが行ってたんですが、前の席にサンズの子供さんが居たみたいです。子供たちの前で決勝ホームランを打ったパパも立派なヒーローです!GJありがとう!
今日も気負わず平常心で勝ちにいこう!
疫病退散!
頑張ろう日本!
虎轍様、
熊谷のスチールの後、
ほんと、私も足が折れたかと思って心配してました。
Akira28様ありがとうございます。
昔、捕手をしてた細川がホームベース上で完全に潰しに行ってたプレーが頭を過りましたね。
どうしてもアウトにしたい気持ちは解りますが、怪我をさせるのは違うと思いますね。
私もブロックは気になったのですが、あれは走塁妨害にはならないのでしょうか?
ダディダイ様ありがとうございます。
アウトになってればリクエストで走塁妨害、もしくはコリジョンになると思いますが、熊谷が怪我をしてなくて、その後にホームまで元気に走ってたので一安心でした。
ゲームチェンジャー熊谷の盗塁に痺れました。見え見えの状況下一球目から走りセーフになる度胸と技術はかなりハイレベルだと思います。京田の捕球態勢にも助けられましたが楽々でしたね。しかし京田はなぜあんなにベース前まで突っ込んできたのか?危うく怪我しそうなくらいぶつかってましたが走塁妨害にはあたらないの?
当然ながら皆様称賛のコメが多いのですが、苦言を一言だけ。木下に打たれ過ぎじゃない?前回のバンテリンでもタイムリー打たれてましたが、多分捕手ならではの配球を読んで勝負してくるタイプのバッターだと思います。逆に考えれば裏をかきやすいとも取れます。次の対戦ではしっかり抑え込めるよう対策練って欲しいですね。
報道では熊谷の走塁の影に隠れてしまった感があるが9回の中野の守備は凄かった。
打球が見えた時にはほぼ内野安打を確信してしまった。あれをアウトにできるとしたら阪神では中野と小幡くらいでしょう。
あのワンプレーでライバルとの差はまた広がったと思う。
熊谷は一気に知名度を上げてきました。
植田が戻ってきて出番が減るのも予想されたがしばらくは安泰ですね。
代打のいらないスタメンと9回打ち切りのルールが熊谷みたいなタイプにとって追い風になってると思う。
ただ終盤にライトに入るのはどうなの?とは思ってますw
江越はまだか?
熊谷がヒーインでも良かったんじゃないですか。岩崎は自作自演の感じがあるので。今年はコントロールが悪く、ビシッと抑える事が少ないので心配です。
熊谷は原口が打席にいる時から、ベンチからすぐに出られる態勢でカッコ良かった。2度の牽制や梅野糸原がアウトになっているのに、また初球から走るってすげぇわ。
その後の守りですけど、熊谷がセカンド、糸原のとこに山本じゃなくて岩崎はダメだった?
島田が抹消されて誰も上がってこないけど。ロハスが最後まで守って、植田がベンチはちょっと微妙。まさかのウラを考えての陽川の代走なら木浪でも。
その木浪はファーム合流とか。下でホームラン打ってだけど、あの中野の守備を見たら、暫くスタメンは無いか。
もちろん原口も秋山の為に選んだ四球も、サンズのホームランもGJ。
京田のブロックはあの場で抗議するべきだ。熊谷が何とも無くて良かった。
あったらいいな♪
あったらいいな♪ があった甲子園。
7回。もう1点もやれない。なのにタン、タンと無死1、2塁。何とか抑えてくれ〜、何とか、、と祈るばかり。有観客となった甲子園のファンの祈りが通じたのか相手の打ち損じに助けられたのか、ピンチを脱した。さあ、大ピンチの後にチャンスあり、のはずがタン、タンと2死。ため息がでかけたところで原口が貫禄の四球。韋駄天熊谷が待ってましたと当たり前のような足攻撃。近本執念のピッチャー返しで同点。
さあ、あとは逆転あるのみ。相手クローザーは手強いから、8回、クリーンアップに期待が高まる。マルテ珍しく初珠凡退。さあ輝明の一発に期待が高まる。そうは上手くいかなかった、力ない内野凡飛。あー今夜も引き分けか、と思ったらサンズの一撃。
まさに、あったらいいな♪ の快心の勝利だった。
あったらいいな♪ がなかったファーム。
先発は、空いている1軍先発枠を賭けた最終テストの藤浪。
が、無残な結果に終わった。5回89球、失点7、被安打9、与四球2。悪送球あり、捕手のパスボールあり。
頑張れ!リスタートだ!
藤浪が早く甲子園のマウンドに戻ってこれたらいいな♪