1文字にも妥協しない人

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宣言せず3年契約を結んだ梅野にとっては、「梅野なくして、優勝はない」という言葉が響いたのだという。人間は誰かが発した言葉ひとつで心を動かすことがある。その後の態度や行動を変え、人生を変えることもある。

引退してからのイチロー氏は言葉や行動で影響力を発揮しまくっている。もちろんトップを極めたひとだから、その影響力は絶大なのだが、何をどうすれば最大の効果が得られるか。対象者だけでなく、それを報じる人、報じられた内容によって影響を受ける人のことまでよくよく考えて、自身の言葉を選んで発しているのがよくわかる。

松坂の引退セレモニーで見せたサプライズ登場のかっこよさ。相手を大切に思う気持ちを表現するのに必要なものはなんなのか。

最近は高校野球の現場で指導をしている。そのチームをよく見て、レベルに合った適切な指導が届くようにコミニュケーションを図る。いろいろな記事を読んでいたら、その皮切りとなった智辯和歌山での指導について書いた記事にいきあたった。

イチローさん 野球人生第2章 高校球児に伝えたかったこと【news23】

イチローが指導のあとで選手たちに残した「ちゃんとやってよ」という言葉が話題になっていたが、そのときはあまり詳しいことまで知らなかった。

この記事で私の胸に響いたのはこの部分。

《記者:
「ちゃんとやってね」の“ちゃんと”というのはどんな思いを込めたんですか?

イチローさん:
「ちゃんとやってね」なんて言ってないですよ。「ちゃんとやってよ」って。「ちゃんとやってよ」も時間3日間ないとできないんですよ。あれ1日目で出てこないですよ「ちゃんとやってよ」って。1日で終わってたら、できるだけそこに最後詰め込んで、硬い挨拶して「じゃあ頑張ってね」って。それで終わりですよ。この一言で、あの時間が思い出せるっていうワードなんですよ。》

「ね」ではないことをすぐに指摘したのは、「ね」も含めて最適な言葉を吟味したことの証拠。語尾に付ける「よ」。その1文字が持つパワーを理解した上で、フレーズを選択している。言葉の持つ意味、メッセージの伝達以上に、その言葉がもたらす効果を最大化する工夫を凝らしている。

これからいかようにでも変化する高校生が相手だったからこそ、一切の妥協をしなかったのだろう。イチローのすごさを、この「1文字」のエピソードで感じた。
古い話、周回遅れだったら申し訳ない。

コメント

  1. 西田辺 より:

    「よ」と「ね」なんてどうでもいいじゃない、高校生にしたらイチローの言葉があれば
    そんな細かい事は・・・、って私の様な凡人は思いがち。
    現役の頃から、アマチュアの指導者をやりたいという思いを何度か発してましたが、
    本格的にやったらどんなチームを作るのか非常に興味がありますね。
    ややもすると、元プロが高校野球を短期間で指導する時、イチローの言う「詰め込んで
    硬い挨拶で終わる」野球教室のようなものになりがちですが、彼の言葉を聞いていると
    「教える」と言うのではなく、「伝える」事を第一義としてるのがよく分かります。
    それでいて押し付けるのではなく、高校生がその言葉を受けてどう考えるか、どう消化
    するかを観察してるようにも見える。
    結果的のこの智辯和歌山は今年の夏の甲子園を制覇したが、球児たちにイチローが
    伝えた事を大会中何度もこの3日間を思い出したことでしょうね。
    まさに、「ちゃんとやった」球児たちが栄冠を掴んだ。
    言葉を吟味するで思い出したんですが、来季日ハムで指揮を執る新庄も、人を引き付ける
    言葉を厳選している。
    一見、自由奔放に言葉を発しているようで、結構練りに練られていますよ。
    どういう発言をすれば人が振り向いてくれるか、チームに注目が集まるかを考え抜いています。
    性格的にも行動的にも対極にいる印象の二人ですが「言葉」を大事にしているのが面白い
    ですよね。
    まぁ、それだけ新庄もイチローも「本意が伝わらない言葉」で苦労したのかも知れませんね。

  2. 虎轍 より:

    タイガースの選手にも「ちゃんとやれ」ではなく、「ちゃんとやってよ」と伝えたいですね。
    まずは矢野監督に伝えるべきなんだろうか?
    高校生が出来たなら、プロの人間も出来るはず!
    疫病退散!
    頑張ろう日本!

  3. より:

    これはなかなか素晴らしいエピソードですね
    1文字の大切さ・・・自分自身の言葉はもちろんですが、人の言葉を自分が伝える時にも気を付けないといけないなと思いました(なかなか難しそうですが)

    自分が好きなイチローの言葉は第20回イチロー杯争奪学童軟式野球大会で子供達に送ったメッセージの内の「もしみんながプロ野球選手を目指すとしても、プロ野球選手になれなくても、今大好きな野球を、草野球でもいいし、どんな形でも野球を続けてほしい」です
    https://ichirohai.com/message/%E3%82%A4%E3%83%81%E3%83%AD%E3%83%BC%E9%81%B8%E6%89%8B%E3%81%8B%E3%82%89%E5%90%9B%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%B8%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B82015-2/

    以前、高校まで野球をやっていて肩を壊してしまい20年以上野球から離れていて50歳を前に草野球を始めた方が「高校・大学とレベルが高いところでやってた人程、なかなか草野球はできないと思う」と仰っていました。
    その方もちょっと草野球をバカにしていたところがあったそうで。
    でも久しぶりにボールを投げたら肩も痛くないし楽しいし何より楽しそうにプレーしている人達を見て「俺もやりたい!」となって「現役復帰」したそうです。

  4. いわほー より:

    以前、イチローさんが「学生野球資格回復制度」の研修会に参加してアマチュアの指導資格を取得したというニュースに、当時、張本ご意見番が「野球で最高の技術を持った人がアマチュア、子供、技術がまだ足らない指導者に教えるのに何で研修が必要?」と語って物議を醸したことがありましたが、そもそも教育指導という観点からいっても、技術があるからプロ経験者が誰もかれも指導者たらんとすることには違和感をおぼえる。
    イチローさんを見ていると、もっともそのことを理解している人なんだろうなと感じる。
    プロを指導するよりも、アマチュアを指導することこそが彼のライフワークなんでしょう。
    でも、一度でいいからプロ野球のコーチ、ではなくイチロー監督の姿も見てみたい。
    その時、どんな野球を見せてくれるのか、新庄監督ともども大いに興味がありますね。

  5. こうさん より:

    東京で親友がギターの講師をしている。以前、呑みながら聞いた話では「生徒に対する説明は必ず語尾を『な?』にしている」と言っていた。いろいろ説明して語尾を「ね?」にすると話が軽くなるらしい。…いや、親友が言っていたのは「魂がこもらない」らしい。「生徒からは高額の月謝を払ってもらっている。だからこそスタジオに入れば俺が偉い。そこには失敗は許されない。『自由に弾いていい』という時間を作っているが『好き勝手に弾いていい』とは違う。自由に弾いている生徒を見ながら『何が苦手なのか?どの指の動きが辛いのか?』を見つけ出している」と言っていた。

    矢野監督は選手の自主性を重んじるタイプ。けど、それで選手の弱点を見付けられてるのか?選手の苦しみを汲み取ってやれてるのか?

    来季、たぶん優勝できなかったら矢野監督の最終年。俺は一軍のコーチを変えなかった矢野監督を信用していない。矢野監督がしなければならないのは「たまたまの優勝」ではなく2003年、星野さんが達成した「完全優勝」だ。そうすれば監督として首が繋がる。

    矢野監督就任時「5年、我慢する」とコメントに書いたが4年が限界。やはりタイガースには厳しい監督が必要なんじゃないかと今でも思う。

  6. 岩修 より:

    思いかえせば自分の様な凡人でも誰かに伝わる言葉を発せられたかもしれません。逆にそれが出来てない年くった自分には反省のみなのが侘しい。
    後一歩で優勝を逃したタイガースの選手達にもその3日間を与えて欲しい、後一歩が遠くならない様に。
    野村さん、星野さん、岡田さんの元で開花した矢野監督だから言葉は大切に、二度と「アホ、ボケ」何て言葉は優勝するつもりなら余程の事が無い限り試合中には使って欲しくない。