青柳、輝明、ロハス、岩崎で2勝目

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野球の常識ではあり得ない「敗率」を記録していた阪神。遠い場所から投げた丸いボールを、丸いバットを円く振って打ち返し、その打球を広いフィールドに点在する少数の人が守るという野球は、サイコロとまではいわないが偶然の要素が大きい競技だ。ましてや一国の技術レベルトップだけが集まり、ある程度の戦力均衡策が導入され、たくさんの試合数をこなす日本プロ野球においては、普通にやっていれば全球団がほぼ勝率5割(の近辺)に収束する。どんなにブレても3割を下回ったり、7割を上回ったりすることはない。

17試合もやって1勝15敗1分などというのは、野球競技独特の偶然を上回るような必然が働かなければ起きようもない。それは多分に集団心理的なもので、「我々は今日も負けるだろう」とチーム全体が催眠術にかかった状態でなければまず起きない。阪神の場合は、まずいことにローカルを中心にメディアが扱うことも多いため、ファンやそれ以外の人々にまでチームを覆う集団心理が拡大し、社会的な「現象」にまでなってしまった。

それを切り換えるきっかけはいくつか想定されたが、チームの勝ち頭で本来は開幕投手を務めるはずだった青柳の復活登板はその最有力のもの。しかしことがここまで大きくなってしまうと、青柳ひとりでその大きな流れを変えられるのかどうか……。この試合はそこが焦点だった。

初回、坂本のヒットであっさりと1点を失ったが、そこは「エース」の称号を獲得するまで成長した青柳、ずるずると崩れることなく尻上がりに調子を上げていった。途中、予報になかった雨がパラついたのもチームを「集団催眠」から覚醒させ、いつもどおりの心理を取り戻すのに役立った。しんどい場面で走者を出せば、イヤな予感に覆われてきた甲子園。しかし、持ち味の時間空間をズラす投球で思いどおりに併殺を奪う。小幡・中野の二遊間も「待ってました」と言わんばかりのスムーズさでボールを行き来させた。投球によってフィールディングに息を吹き込む。まさにエースの復帰がチームに与えた影響は想像以上に大きかったし、青柳という投手がそこまでの存在になっていたことを改めて知り、感慨深かった。

スタメンや打線の並びについては、タイミングを見定めながらさらに整えていく必要を感じるが、まずは現在阪神が得点するための機関たる輝明とロハスに走者を置いて長打が出たことが大きい。どちらのホームランも、自分勝手なスイングの結果ではなかった。なんとか今自分にできることをしようと必死に対応して食らいついた結果の打球。彼らが精神的にどっしりと構えられるようになれば、その周辺の選手たちも自分にできることに集中していける。

リードが3点になり、岩崎が締めた。今季チーム初のセーブを、調子が上がってきた岩崎につけたことで、僅差逃げ切りは岩崎に任せるという「チームの合意」もできた。成功失敗はあったとしても、ようやくこれで「納得の形」が整った。

あとは普通にやって、まずは普通の「5割近似値」の野球をすること。自信が戻ってくれば、力が発揮できるようになって連勝、中連勝、大連勝だってできるようになる。ただし、この日の試合後インタビューで、懲りることなく不安定な言動をして人々をポカーンとさせた矢野監督は、今後も不安材料でありつづけるだろうね。

コメント

  1. ガク より:

    すいません、正に初回坂本のタイムリーを目の前で見た時点で「今日もどうせ負けるだろう」と負の心に侵食されてました。
    が坂本の2エラーや読売の3併殺を見て「あ、阪神だけじゃなくて首位読売も併殺するしエラーもするんだ」と我にかえり平常心で観戦することができました。
    この流れを呼んだのはもちろん青柳であり佐藤輝明なんですが。
    昨日が本当の開幕と思えば借金13なんてそんな大したことない、と選手も監督もファンも思えることができればまだまだこれから巻き返せるはず!

  2. 大和 より:

    トラオさんの最後の一文に吹き出してしました(苦笑)

    ロハスは打率こそ低かったですが、打席の内容は良かったのでいつ使うのかと思っていました。
    やはり左を並べすぎると高梨タイプのワンポイントを持つチーム相手には苦しくなりますね。
    3番にロハスか大山を挟んで欲しいところです。

    頑なに糸原を使うのは何か弱みを握られているんでしょうかね。
    豊田は上がりたての旬の時に使わず、調子を落としてからスタメン起用して結果が出ず。髙山も同じ轍を踏みそうですね。

    それにしても青柳の明るさに救われた気分です。病み上がりでよく投げてくれました。
    小幡の強肩は目を見張りますね。トラオさんのセカンド最強論にピッタリの選手です。

    監督の例のインタビューでチームが変な空気にならないことを祈ります。
    あまりに酷いようですと解任の選択肢もアリかと思います。

  3. こうさん より:

    読売の菅野は4回まで「長打さえ打たれなければ」という、タイガースを下に見たピッチングに感じた。それは1点で逃げ切れると思わせていたタイガースの野手も下に見られているようで、イラつきながら飄々とした菅野に握り拳を作っていた。

    要所要所でギアを上げていた菅野の表情を変えたサトテルの逆転ホームラン。久しぶりに震えた。身体が、脳が、こんなにも勝利を渇望していたのかと気付かされたサトテルの逆転ホームラン。もちろん僅差で逃げ切れるとは思っていないが、そんな不安をも忘れさせてくれたサトテルの逆転ホームラン。

    中日の大野からの勝利で雰囲気が変わると思っていたが出来なかった。けど読売の、それも菅野からの勝利は大野以上のインパクトがあった。青柳もナイスピッチング。お帰りなさい。ロハスもナイスホームラン。クリーンアップが固まるかな?

    最後に矢野さんのインタビュー。…言いたかったのは分かるけど「選手の力、波を作ってくれた選手が素晴らしい」って言って欲しかった。他所の人を誉めてる場合じゃないっての。…けど久しぶりの勝利でマスクをしていない矢野さん、痩せたな。

    やっぱりプロは勝たないと。リーグ制覇は厳しいがCSからの優勝は予感させてくれた2勝目。…ギリギリでトラオさんの文章のタイトルに勝利が刻まれた。

  4. 虎ジジィ より:

    青柳も佐藤輝もロハスも岩崎も良かったけど、なんと言っても「6→4→3×3の美しいダブルプレー」が青柳を助け、流れを引き寄せたと思います。

    「小幡の一歩前での捕球→素早いターンから送球→中野の抜群の呼吸と助走からの正確な送球」は気持ちが良い程スムーズで美しいモノでした。

    しっかり守り、積極的に足を絡めれば「何か」が起こる。
    讀賣のエースに勝ったのだから自信を持って昨夜のようなゲームを続けていれば「波」は来るはず。

    てゆーか、矢野監督の謎熱弁は3タテしてからじゃないと説得力は弱いですが…(汗)。

  5. 虎轍 より:

    青柳が初回先頭打者にヒットを許し、簡単に先制点を献上し、初回裏のタイガースの攻撃で満塁のチャンスで簡単にフライを打ち上げる糸原を見て、今日の修業も辛いなぁ…と現地観戦で思ってたら、青柳が雨を降らしながらのナイスピッチングでしたね。
    小幡、中野の二遊間で簡単に併殺をとれたのも良かったですし、小幡はバットを強く振れてたのも良かったです。
    佐藤輝明の打球は弾丸ライナーでロハスJRの打球は打った瞬間に分かるホームランでしたね。
    今日は聖地甲子園に行きませんが、今日も勝ってくれると信じたいです。
    疫病退散!
    頑張ろう日本!

  6. とらかっぱ より:

    ようやくタイガースが目指すべき守り勝つ野球が観れました。

    青柳が素晴らしかったのは当然として、3つのエラーをしたジャイアンツ内野陣と3つ併殺を取ったタイガース内野陣の差が出たように思います。

    佐藤輝は素晴らしいHR 。インストをファールで凌いで根負けしたジャイアンツバッテリーが選んだ甘々スライダーを上手く合わせました。引っ掛け気味になるのを左手放して合わせただけでスタンドまで持って行くとは。この打席は今後他球団の攻め方を変えるものになるかも知れないですね。

    矢野監督はまだまだ病んでますね。勝ちを増やして早く健康に戻してあげましょう。

  7. 岩修 より:

    新甲子園名物?LEDビームが少し恥ずかしいけど現地の方々の喜び溢れる表情を観てぐっと来てしまった。まだ2勝目なのに…。輝明粘りの一撃、出来れば7回も何とかして欲しかった。でもそれを救うロハスの一撃で岩ザキを楽に観ることが出来た。小幡は打てなくても守備が一級品だから中野も連動して動きが鋭かった。
    これを続けて欲しいけど糸原はもう苦しいし、矢野さんの詩人に頼る様な精神論を公共の電波に乗せるのはどうかと思う。辛いのは選手達、そしてファンや私達ファミリーも同じ。立派な詩人の方かもしれないがtorao様に頼られた方がずっと現実的と思ってしまった。

  8. Akira28 より:

    いや、これでやっと開幕したという感じです。青柳が素晴らしかった。7回ランナーに出て、バントで走り、結局無得点に終わった時は青柳の疲労も含めて、8回のマウンドが心配でしたが、素晴らしいマウンドさばきに、鉄壁の二遊間。
    令和の吉田・鎌田になれるか?
    皆様、あまり期待していなかったであろうロハスの見事なアーチに思わずテレビの前で絶叫した私。実は私はタイガースの貴重な戦力として、ずっとロハスを応援してました。矢野は何故かロハスのスタメンを嫌うけど、ロハスのスイングはタイガース打線の中で1番素晴らしいと思う。
    レフトスタメン固定で良いのでは?
    糸井のライトは無理か?
    いずれにしても調子の上がらない糸原に固守する矢野采配には疑問。
    サード・輝で、ライトに島田や小野寺、糸井で闘う方が良いと思います。
    岩崎、シビレました。
    マルテはいつ上がってくるのだろうか。
    潮目は変わったゾ!

  9. 西田辺 より:

    チームの状態が上がらない時、明かな原因があれば手の打ちようもあるけれど、
    今のタイガースの様に、大きな原因が見当たらない(多少の欠員はあるが)チーム
    の立て直しは難しい。
    選手各個人がやれる事をやって、勝ち負けはともかく「良いゲーム」を作る事が
    効果的ではないかと思う。
    前半の多少のビハインドにも試合を諦めず、攻めの気持ちを切らさない。
    昨日表のヒーローは、青柳であり佐藤輝でありロハスでしたけど、影のヒーローは
    3つの4-6-3の併殺を完成させた、小幡・中野の二遊間。
    取れる併殺をキッチリ取るというのは、アウトを増やす意味でも投手の疲労軽減
    と言う意味でも大きい。
    「やれる事をシッカリやる」と言うのが如何に大事で如何に難しいかを感じた
    この序盤だったと思います。

    本当はここまでで、やったね今日も頑張ろうで終わりたかったんですが・・・
    何なんですか、あの監督インタビューでのアレは。
    知り合いの書家か何か知りませんけど、ファンからしてみれば「はぁ?」ってな
    もんですよ。
    取り様によっては、この書のおかげで勝ったと解釈されかねない。
    まさか、試合前のミーティングとかでこんな話ばっかりしてるんじゃないでしょうね?
    書の話などは、監督個人の話ですから公共の電波に乗せて言う話じゃない。
    監督個人の心の中で、勝手に思う話ですよ。
    選手にしてみれば「知らんがな」ですよ、こんなもん。
    チームをシッカリ統括することに集中してください。
    あなたは宗教家やセミナー講師じゃなく、プロ野球チームの監督なんですよ。

    • hi64 より:

      ミーティングでも、この書の話はしたと報道されていました。
      ヒーローインタビューで、輝明が、「波に乗っていきたい」みたいなことを言ってましたが、この書の話を受けてのものだと思われます。

  10. きびだんご より:

    子供たちと一緒に見てて、すごく盛り上がって、監督インタビューで我が家のリビングはどえらい空気になりましたよ。。。
    あんな感じのミーティングを繰り返してるのかな…

    まぁタイガースの監督というのはそれくらいのプレッシャーのかかる仕事なのだろうとは思いますが。

  11. ヒデボー より:

    勝利の六甲おろしの後のポカーン(笑)
    日刊スポーツによると昨日の試合前の声出しは矢野監督。あの色紙を選手にも見せて、波がどうたらこうたら、選手にも言ったんですかね?詳細が分かりませんが、上昇のキッカケになれば良いです。
    私も部屋に『道一筋 岡田彰布』サインの色紙を飾ってます。

  12. いわほー より:

    勝利が決まった瞬間、ついに首位チームと肩を並べたんかと錯覚した気になりました。
    これが2勝目だったんやと現実に引き戻されてもんどり打ってコケました。
    すこしずつでもチームの勝ち癖、勝ちパターンを固めていってほしい。
    あとひとつ、早く世にいう「タイムリーヒット」なるものが見てみたいわ。

    私はインタビュアーが予定調和を求めるだけのヒーインや監督インタビューが苦手なので見てなかったんですが、矢野監督の監督インタビューが波紋をひろげているんだとか。
    スピリチュアルに救いを求めるのは個人の自由なので、どうぞお好きにですが、社会の共有財産ともいえるタイガース球団の選手やファンに押し付けがましくスピリチュアルを説くことだけはお止めいただきたいね。

  13. タクロー より:

    「オーッホッホッホッホッ…」

     まるでシーズン開幕戦で読売相手に快勝した喜び爆発の甲子園だった。勝ち方がよかった、大いに良かった。。。
     いきなりヒットを打たれ、あっさり先行されてしまい、「青柳、お前もか」。相手はスガノ。たかが1点、されどこの1点が重い。だけど、こっちも中野がいきなり安打でお返し。輝明、近本の打ち取られたあと大山がつなぐ。打ち気満々のロハスが初球を当てられて、さあ2死満塁。ここで6番サード糸原。まだ、スタメンで使われていることが謎だ。予想を裏切らない力のない凡飛。期待も何もありゃしない。せめてもの救いは、セカンドを守らせることをやめたこと。調子が悪い?いやもはやスタメンの実力がないことは明らかなのに指定席のように任せるベンチ。まだ、続けそうなのが残念でしかたない。流れが止まる。重たい空気は増幅する。
     それを取り払ったのは、青柳の丁寧な投球。そして一発欲しいところで放った輝明のライナー弾。「ドーン!!!!」見事、重い空気を切り裂いてくれた。
     そして、皆様も書かれているように、4-6-3のダブルプレーを繰り返し華麗に成し遂げた小幡、中野の二遊間コンビ。センターラインはこれでやっと決まり。ベンチが血迷わない限り。
    それから追加点がほしいところで出たロハスの初球をとらえた2ラン。放たれた瞬間、行った!と確信できた、美しい豪快な一発だった。最後はきっちり岩崎が抑えて、相手にあってこっちにはない失策。いいね!締まったゲームだった。
     解き放たれたヒーローたち、輝明、ロハス、そしてよく通る声の青柳のインタビューもよかった。

     あとは、彼の「ココロのスキマ、埋めてやってください」。もう期待もしていないけど。

  14. 鳴尾浜トラオ より:

    なぜか、コメントがすべてスパム扱いになってしまうという現象が起きております。発見し次第、救出しておりますので、繰り返し投稿ではなく反映までしばらくお待ちください。以降はスパムにならないとは思うのですが……。ご迷惑をおかけしており、すみません。

  15. セサミ より:

    会社経営に関わっていますが、
    もし会社の役員や部長等の責任のある人物が勝手に自身が辞める時期を公表したり、
    個人的な伝手で講師を呼んで自己啓発セミナーを部下に受けさせたりしていたら、
    そういう人物のことは体張ってでも排除しようとすると思います。
    まさか球団も認めているなんてことはないと信じたい。

  16. setta より:

    久し振りに書かせて頂きます。

    いつも、torao様によるタイガースへの叱咤激励の文を楽しみに読ませて頂いております。皆様の熱いコメントも毎日楽しみに読ませて頂いております。
    昨日は、小幡の素晴らしいダブルプレーからのロハスの一発の所で泣いてしまいました。良い守備は良いリズムを生みますね!
    矢野監督の最後の色紙紹介は??でした。

  17. 大虎真弓 より:

    勝った試合でも反省をしているのか?
    チャンスで進塁打を打たないor打てないのは今後試合を重ねていくのにマイナスにしかならない。
    特にロハス、大山、梅野、小幡、高山は厳重に注意が必要だ。
    打ちたいと言う欲に負けるな!
    ランナーを進めるために何をすべきかを考え打席に入れ。

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