「高校生」躍動

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2回に小幡と髙寺、4回に輝明と小幡また2本目と、ヤクルト先発吉村に4本のソロ本塁打を浴びせる。競争状態が白熱しているショートとレフト。ベテランとも言える大卒8年目の熊谷が、競り合いのレベルを一段も二段も上げたことで生まれたようにも感じた。8回には森下の長打から、「前にも見た」大山がインハイおっつけのタイムリーで加点。

投げては先発才木が好投。ツメが割れるアクシデントで6回76球で降板したが、前回に続き打者を圧倒する投球ができた。3点差の7回は湯浅、4点差となった8回はドリス、9回は桐敷とそれぞれパーフェクトでつないだ。岩崎を説得して「リフレッシュ抹消」したことが痛みにならない、それどころか他の投手をランクアップさせるチャンスにしていることに感服するしかない。

「阪神は高校生を育てられない」とよく言われたし、事実そうだった。それが変わったと再確認できた試合だった。球団が方針を出し、それに即した選手をドラフトで指名できるようにスカウトが足を運び、過程を大切にしながら一二軍で育てる。育つ土壌ができてきたと察知すれば、安易に補強で全ポジションを埋めようとせず、チャレンジ枠を活かして少しずつ選手のステージを上げていく。

最終的には現場責任者の手腕が目立つが、それだけではない。球団全体の力(情報収集力、分析力、判断力、指導力)が上がったことで、育成に関しても指揮命令系統が機能し、「高校生を育てられない」という壁を壊そうとしている。
あとよろ。

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