切替も好循環キープ

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下柳が05年最終戦以来の完投で3勝目。


初回アレックスにはど真ん中のスライダーをソロHRされてしまったが、以降はスイスイスイの投球。この日は非力な打者に対して食い込む球でインハイを攻めたことが球数減少に貢献していた。下柳と言えば右に左に真ん中に「おじぎする球」の見極めが難しい投手なのだが、時々ハッとするような高めが混ざるとついつい手が出る。そしてそれが内に切れ込んでくればどうしても詰まる。打ち取られる。ファールで逃げても、次は詰まったという意識があるから低めで泳ぐ。んまあ、老バッテリーによる「術」だわなぁ。
初回、C先発宮崎から赤星がヒットで出塁。平野への初球で盗塁を試みる。捕球したところが二塁ベースという石原の完璧な送球でタッチアウト。あの場所でさえなく、捕球→タッチという動作があればセーフだったろう。でも全然OKなのよ。初球から行った、もうここのことでチームはつんのめって行けるんだから。
前回内角攻めで調子を狂わされた投手だったが、今の新井はもうどっしりしたもん。内角を投げてもらったおかげで自信を持って外を待てる。追い込まれるまでは、内角の甘い球をガツンといったろうという気持ちも持っている。外を待った同点のきっかけのセンター前、内を待ったレフト前逆転タイムリー、充実ぶりがわかる2安打。
追い込まれてからの外よりの直球を左中間に運んだ金本。出だしの絶好調から比べたらまだだけど、「意識のスランプ」からは完全に抜けて、また上昇中だろう。はじめから行くと決めている新井ナイスランでホームイン。
ちょっと落としていたかなと見えていた、平野と鳥谷がイイ感じ。良く振れていた。特に鳥谷は凡退した打球もすべてヒット性。スバラシ。
もう好走塁や、下地となる好プレーは、毎試合必ずちりばめられるようになったね。凄いことだ。例えば下柳は打席内でしっかり粘っり(というかタイムリー含む2安打、スゴイ)。平野のセンター前ライナーのヒットで赤星が三塁に行くのは当たり前すぎたり。一二塁から金本の大きなライトフライで二走新井が三塁へ行くのはもちろんだが、一走平野も二塁を獲ったり。一三塁で石原が自分のすぐまえにコロコロっとボールを弾いただけなのに、一走鳥谷が鋭く二塁を奪ったり。投手の足元を鋭く抜くゴロに二塁平野が追いついてあわや二塁封殺できそうだったり(惜しかった)。
まあ長いから短く言うと「お前ら良いよ!」ってこと(笑)。
16試合目にして初めて投手・捕手以外のスタメンを変更する。
今岡がスイングできずに3三振した前日の試合後、スタメン変更を決めたという。タイミングとしては遅いけれど、遅すぎるという程ではない。また、フォードも同時に代えることで、全体の流れに影響がないように配慮し、またどちらかといえば「心の不振」である今岡に配慮した。
個人的にはスタメン決定のプロセスについても、手直しのタイミングについても不満がある。しかし現にこうして6カード連続勝ち越し&貯金10という快進撃と、チャンスをもらった関本と葛城が勝利に絡む活躍をする様子を見ると、悪手を打っているわけではないのがわかる。
体調万全の試合の中で落ちるところまで落ちたから、やっと今岡は浮上する力を得たと言える。これもまた必要なプロセスだったのかも知れない。
葛城と関本が働いた。きっと出れば働くと思っていたけれど、もし働かないと逆にイヤな雰囲気になる。勝ち続けているチームをいじるのは難しいことだ。
2人とも2安打。どっちの2安打も素晴らしかった。どっちもすぐには結果を出せず、押し気味ながらもリードは1点しかないという中盤6回で、本当に欲しいヒットを打った。
無死一塁で一塁線を破る二塁打でビッグチャンスを作った葛城。
キャンプ、オープン戦で、他とは違う打撃力を見せていた。その躍進はレギュラー確保でも不思議じゃないものだった。それでもレギュラーは今岡、フォード。
シーズンに入っても代打で強打者の格を見せ続けていた。出ればヒットだった。それでも代打の切り札は桧山。
ようやくめぐったチャンスだったが、第1打席はチャンスで凡退。第2打席の打球は良かったが右飛。焦るところだったが、本当に欲しいところで出た二塁打だった。試合に出ていなくても、同じ気持ちでチームを支えていなかったら、あそこであんなヒットは出ない。
カープはこのピンチで鳥谷を歩かせ無死満塁を作る。矢野のヒット性を二塁山崎の好守でまんまと1アウト。8番関本が併殺ならこの試合はまだわからなかっただろう。ここで関本は右におっつけライトオーバー二塁打。嬉しい今季初ヒットで2点追加。試合の趨勢を決める一打。犠打、守備固めだけじゃないというところを見せつけた。
こうやって少ないチャンスをものにする選手がポンと(しかも二人も)現れると、他のベンチメンバーも当然燃える。平野だって大いに刺激を受けるだろう。しばらくはこの好循環をみんなでまわし続けていきたい。

コメント

  1. ジジィ より:

    鳥谷が、ノーアウトで敬遠される打者になった事に、喜びを感じました。
    起用に応えた、関本&葛城、大きなプレッシャーの中、いい仕事をしましたね。
    怖いぐらいの好循環です。

  2. あけの より:

    岡田監督の「他の奴が打ったらええやん」
    これは、「(今岡が打てへんのやったら)他の奴が打ったらええやん」 ではなく
    「他の奴が(5番を)打ったらええやん」だったわけで。
    岡田監督のコメントはどのようにも解釈できるよなあ、
    と改めて思った次第です。
    どこに括弧を入れるかで全く別の意味合いを持ったコメントになってしまうなあ、
    とこれまた今更のように思ったのでした。

  3. ごんたくれ より:

    下やん2005年以来の完投勝利おめでとう。
    前回の登板でも点差があれば完投は余裕のペースだったけど昨日もわずか97球での完投劇。
    やっぱり打てそうなところに球が来るからみんな手をだすんだろうなぁ。見事な出し入れ(投球術)に脱帽。
    アニキも2000本達成後、毎試合適時打。いい場面できっちり打ってくれる。さすがやわ。そろそろ新井の本塁打が見てみたいなぁ!

  4. すたん より:

    タイガースが強すぎて、何か悪い事が起きるかも?
    と思ってる人は私だけ・・?w
    昨日コメントで引用したニュースの岡田監督のコメントはあけのさんが仰った方の意味だったのですねw
    最近よくみかける、誰かのコメントに()をつけて
    補足するのって、ただの推測なんですよね。
    それにしても、杉山のピッチングが見たいのに。
    先週から嫌な予感はしてたけど、また雨(笑)
    他の先発ピッチャーがみんな勝ち星上げてるので、
    次投げる時に変なプレッシャーかかんなきゃいいけど。
    明日あたり、中継ぎで1回くらい投げさせといて欲しいな・・・

  5. 広虎 より:

    おっしゃるとおり誠のスタメン落ちは遅すぎる程でなくよかったと思いますわ。連勝中に変えるというのは将としての貫禄でしょう。そしてイクローもようやってくれた。が、フォードについては今年は我慢して使っていいんじゃなかろうか。TORAOはんの予想のように誠に気を使いつつリフレッシュならええが、守備走塁はええんやから来年以降ラミちゃんみたいに打ってくれというくらいの期待で見ておきたい。

  6. 猛虎くん より:

    岡田監督って、そういう含み持たせたコメントしますもんねー、今年の采配は的中しますね^^勝ちすぎてコワイです、

  7. やっぱりトラ! より:

    先発陣、勝率10割・防御率1点台が3人!!!
    すごいねぇ、いかに相手に恵まれているとはいえ、去年のことを思うとひたすらすごいわ。
    長打力がここまで無いとは思わなかったが、まさかそれを走塁でカバーするとは…何があったん?と気になって仕方ない。
    つながりを欠いた打線への見事なテコ入れ…采配も切れ味抜群やね。
    ケチのつけようがおまへんな。

  8. rainbow hill より:

    今年の阪神は層が厚いですね。二軍にも上にあげて良いぐらいの選手が投手にも野手にもいるのに…。この調子でオリンピックの期間も乗り切れるかな?

  9. toyo より:

    怖いくらい、勝ちますね?
    115勝ペースや!みたいな新聞記事でてましたが、そんなアホな?ですわ(笑)
    スタメン変えるとは、思って、おりました(今岡→坂or関本)が、2枚同時とは‥
    やりまんな?寛美はん!マコサンのプライド守れたと、感じているのは、私だけ?

  10. banzai より:

    年に一度見れるかどうか、貴重なシモのボケヒーイン寄席。それを生かすも殺すも相方のツッコミとインタビュアーの機転。
    矢野やアニキが相方なら鉄板だが昨夜は関本。シモも気を使って普段より多めの言葉数だったがそこは腐っても関西人のサガ。「下柳さんに今季初安打を先越されたんで・・」とまずまず合格点。
    あれが鳥谷だったらシモがもっと気を使ってボケをかまさんといかんかっただろう。でも今年の鳥の覚醒ぶりを見てたらもしやいきなり関西弁でノリツッコミなんかしたりして?ないない。
    大阪は昼に雨上がって道路もすっかり乾いてる。今夜はやれるのかと思ったら2時にもう中止決定。おすぎの日だからってそんな早く判断しなくても・・明日から初ヤク戦。あちらは先発足りないらしいから3つやりたいなぁ。とか思ってたら足元すくわれるぞ?!

  11. とらぽるた より:

    新井サードとしなかったことは依然として今岡待ちのスタンスですね。
    相対的に右が弱い打線だから今岡の爆発を期待するのはわかる。
    ひたすら競争を避け、守備・走塁に目を瞑り、打撃復活に賭けて三年目。
    その頑固さには頭が下がる。もう好きにしなはれ。
    桧山のように花咲くか。はたまた「復活するするサギ」で終わるか。
    しかし、今年は雨も巡り合わせがいいですね。
    杉山には悪いけど、絶対に働き時はやって来る。くさるな!

  12. のののー より:

    コーチ陣の口ぶりだと、葛城と関本の調子が良いうちはこの先発メンバーで行くようですね。
    今岡は代打で結果を出さないと、林と入れ替わりで二軍でしょうね。ルーが落ちてもバルが上がるから、首の皮は繋がりそうにない。

  13. 西田辺 より:

    ピッチングと言うのは面白いモノで、150km/hの剛速球が打たれるかと思えば、
    画面で見ると
    「何で?」と首をかしげる球が打てない。
    心理面の駆け引き、緩急・上下左右の目の錯覚と、あらゆる術を駆使する。
    昨日の下柳の投球を見ると「達人(マスター)」の称号をあげたい位の域でした。
    今岡。
    自分で感じて、振り込んで、今岡誠のスイングを取り戻すのを待つしかないのかな。
    金本。
    2000本安打打った時のコメントで、彼のスイングで気になる所が
    あると書きましたが、毎打席ではないにせよ、スイング後の
    フォローで、左手を離すのが早い時があります。
    手首か、肘か、肩か、脇腹か・・・。
    でも、骨が折れたって出て結果を残す人だから心配するだけ
    無駄な事かも知れませんね。

  14. torao より:

    to ジジィさま
    無死での満塁策は決まれば流れを変えるバクチでしたね。そうさせなかった関本、偉かったです。
    to あけのさま
    記者たちは勝手に()をつけないで、もっと真意をただすような質問をしたら良いのに、と思います(笑)。
    to ごんたくれさま
    中盤まで競り合って、終盤にセーフティリードをとるというのは、先発投手にとって一番投げやすいかも知れません。投打の歯車ガッチリですね。
    to すたんさま
    >タイガースが強すぎて、何か悪い事が起きるかも?
    そう言う時は、「軽い悪いこと」を自分で誘発してガス抜きしちゃいましょう(笑)。
    to 広虎さま
    たぶんルーは来年から甲子園に導入されるというリボンビジョンが一番似合うと思うんですよ。場内一週「ル?????」の文字がぐるっとまわるんです。
    to 猛虎くんさま
    しかも奇跡的な勝利、劇的な勝利ってのもありませんからね。安定して強いです。
    to やっぱりトラ!さま
    おまへんな(笑)。
    to rainbow hillさま
    勝つことでさらに強くなることもありますからね、楽しみですよ。
    to toyoさま
    配慮してますよね。
    to banzaiさま
    ビジターでインタビューされる時は普通だったですけどね、シモ(笑)。甲子園だと、クラシカルなボケに徹します。キャラ作り上手いです(笑)。
    to とらぼるたさま
    今岡は「これになる」と決めてから、徹底的にそれになるために必要なことを理詰めでいくタイプ。だから不調となれば、そこを再整理させる時間は必要だと思うんです。
    to のののーさま
    葛城が物怖じしないで力を発揮できれば、このオーダーかなり協力です。ライト守備は遜色ないですし、サードは相当上がるでしょう。
    to 西田辺さま
    加えて、味方を励ましたり、脅したり、まあいろんな手を使って勝とうとします。マイスターやね。

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