ダルビッシュは速いな。なにをやらせても(笑)。
最終的にとんでもないワンサイドになったが、4回ウラまでは全然違う試合だった。
G先発木佐貫は、2回無死満塁、3回二死一三塁のピンチを招くもフォークの多投で三振を奪って切り抜ける。直球を見せながら、腕振り良くフォークでカウントを稼ぎ、フォークで空振りを取る。12アウトの内、三振が8アウト。タイガースとしては、前日の追撃ムードを序盤戦に持ち込みたかったが、あと一本が出ないイヤな雰囲気に包まれていた。
しかしそんな重苦しさを多少なりとも和らげたのがボーグルソンの投球リズムとバックの堅い守り。6番一塁で先発の葛城が、1回ウラ先頭高橋由の一二塁間ヒット性を横っ飛びで一つ目のアウトが象徴的。イクロー集中してたねぇ。2回は李に二塁打、阿部を歩かせて背負った一死一二塁のピンチで、清水を4?6?3の併殺に取る。3回も一死一二塁から遊前ボテボテを鳥谷が好ダッシュと強肩で裁いてなんとか切り抜ける。
4回ウラの3アウト目は、阿部のレフト線上への詰まりフライ。右よりにいた金本、走って走って走ってグラブのウェブの先でナイスキャッチ。痛いヒザに急停止はきついから、丸く走って出っ張り席フェンスを避ける。そこにいた少年ファンにボールをひょいと手渡して、いつもの「ひょうひょうジョグ」でベンチに帰る。カッコイイ!ベンチ前では円陣が組まれて、戻ってきた金本もそれに加わる。
円陣組んでの作戦タイム、ここでコーチから出される指示なんていうのは、おそらく大したことじゃない。相手投手の球種構成、組み立ての傾向や狙うべき球など、試合前のミーティングから修正すべきこと、あるいは再徹底することを確認し合う作業なのだろう。それよりも大きいことは、まず、体を寄せ合って、一人の声に皆が耳を集めて、全員の意識の向きを揃えるという「形」の問題。そしてもう一つは、相手バッテリーに対して、余計なことを考えさせるという陽動作戦である。ああやって集まってなんか指示が出ているのを見ると、人間誰だって「何しゃべってるのかなぁ、フォーク狙いに切り替えるのかな、低めは捨てろという指示かなぁ」と気になるし、「そんならイッチョ裏かいたろか」という気もおきる。
そこへうまいこと5回表先頭のボーグルソンが外へ逃げる変化球を拾ってヒットで出塁。さらに、顔を見てても何考えているかわからないことにかけてはタイガース一の鳥谷が、初球フォークを空振り、3球目直球を見逃し、カウントはあっさり2?1。やっぱりフォーク狙いの指示なのか、ナマズっぽい顔の阿部が危険を予知し、草食動物っぽい顔の木佐貫も必要以上に警戒する。きわどいフォークを投げ、きわどいスライダーを投げ、しかし鳥に表情はない。まんまと四球をせしめた。鳥谷は何も考えてなかっただけなのに(そら失礼やわw)。
無死一二塁、赤星のバントは投手右へ。これが絶妙なコース。二塁走者がボーグルソンだから、バントなら三塁で封殺したい。当然サード小笠原はベースに入って、三塁側に転がった球を投手が裁くフォーメーション、右への球は一塁手がダッシュして裁く。赤星の転がした場所は、投手正面のちょっとだけ右、投手と一塁手の受け持ちの中間点、まさにグレーゾーン。一瞬の迷いの後、え?オレ?と慌てて木佐貫が掴み、慌てて一塁へ悪送球、労せずして先制点をもらった。さらに無死一三塁、この時点で木佐貫は群れからはぐれたインパラ状態だったが、さらに赤星が盗塁を決めると目が泳ぎはじめ、シーツに高めへのぼう球を左前タイムリー。2?0となったところで原監督、投手交代。あれだけの投球をしていたのだから交替が早すぎる?いや、木佐貫はこうなったらもうムリ。原監督の決断は正解だと思う。
無死一三塁、G二番手投手は山口。以前の対戦でも、怖いもの知らずでグイグイ攻めてきたし、正直金本はイヤな投手だったと思う。「何でもいいから1点をね。犠飛でも、併殺でも、相手のエラーでもいいと思ってたよ」という通り、初球から踏み込んで行ったところに、内角に直球が抜けてくる。いつものようにワチャーっと逃げて、ムっとした顔で阿部をチラリ、山口をジロリ。ああ怖い。山口も殺されるくらいなら打たれてもいいやと思っただろう(笑)。弾き返しただけのセンター前タイムリーで3?0、無死一二塁。
続く林も思いっきり引っぱたいたが、投手足元へのゴロはアンラッキーバウンドになって併殺打、二死三塁となる。ここで好守に良いところを見せた葛城に代えて濱中。ふうむ。初球、甘い直球を見送って、二球目落ちるボール球を空振り。ダメな代打の典型で、あちゃーと思っていたら、4球目、外へのシンカーがベース板の上、甘いよそりゃ、ハマちゃんガツンと左中間を破る。4?0、これはデカイ、二死二塁。そして矢野が、おっさんパワーあるなあって感じのバックスクリーン弾を突き刺して、6?0。勝負あった。
後はもう打撃投手状態のG投手を、打撃練習状態のT野手が打っただけだから、まあ参考記録やね。スタメン落ちの桜井も良い四球と、インコースを巧みに裁いたレフト線への二塁打で良い印象を持っただろうし、シーツも右へ左へ真ん中へ、得意のバットコントロールが完全に戻ったし、関本も狙ってHRガツン行けたしね。
投手が悪かったといったって、Gの一軍メンバーなんだからね、彼らの戦い方に今後大きく影響をあたえるだろう。これは大きい。そして、出てくる左投手を、タイガースの右打者がガチガチ打っていったのは、ひょっとしたら今日の試合にもいろいろ生きてくるかも知れないよ。
ボーグルソンを5回で下げちゃった理由は球数かな?まあいろんな投手に投げさせたかったのかもしれないから良いけどね。杉山、江草、桟原、能見、それぞれに課題は見つけただろうしね。
さて、できれば前日の試合に2点ほど返済して、3戦目に10点ほど繰り越せれば良いんだけど、そうもいかないんだな。今日の高橋尚はこうはいかないだろうからね。とにかく、正面から「やっぱりタイガースは強い」と相手を怖がらせるような戦いをして、しばらくお休みだった彼らに良いところを見せてもらおうかね。頼むよ。
コメント
>顔を見てても何考えているかわからないことにかけてはタイガース一の鳥谷
ナマズっぽい顔の阿部が危険を予知し、草食動物っぽい顔の木佐貫も必要以上に警戒する
皆が思っている事を上手く表現しはるなあ。toraoさん笑わせて貰いました。
今日もイケイケで行きましょう。
私も鳥谷のくだりで大笑いしました!確かに阪神一「何考えてるんかわからん」顔ですよね。ナマズ顔の阿部、草食動物→群れからはぐれたインパラの木佐貫、、、ずっと思っててなんと表現したらいいのかわからんくてむずむずしてたのを、ずばっと言われた気分です。
鳥谷はめっちゃ男前だと思いますが、最近なんだか阪神らしい顔になってきましたよね。いいなぁ鳥谷。
それにしても(昔から思ってたのですが)toraoさんって文章を書かれるお仕事されてるんですか?
家人とも話していたのですが、金本の「ワチャー逃げ」と殺人視線は若手投手にはビビらせ効果絶大ですね。
アウトローに投げられても、あの仕草と表情で甘い球を誘うという作戦はいかがでしょうか。
きのうのtoraoさんの予言がズバリ的中して、セ4強で勝ったのはウチだけ。
ヤキュってほんとに蠱惑的ですねぇ…。
昨日はむこうの中継ぎひど過ぎましたからねぇ?
ある意味打って当たり前でした。
今日その反動がないとよいのですが…
もうドラのしっぽが目の前に…(^^♪
>鳥谷は何も考えてなかっただけなのに
この一文が笑いのツボにはまって、しばらく大笑いしてしまいました!(⌒▽⌒;
ボーグルソンの降板は、5回に脇谷選手の打球を足に当てた影響かなと思ったのですが、どうなんでしょうね。
G軍投手陣が「寝た虎」を起こしてしまったかのごとくオドオドしている様が痛快でした。このごろのタイガースって相手チームにとって「怒らすと怖い」イメージが定着しつつあるんでしょうね。
『南社長“岡田監督留任”認めた』という記事が昨日のスポ紙に踊ってましたが、この時期にああいう発言で記事を書かせる南社長ってやり手の印象ですね。今の好調時のうちに楔を打っておいて、ややモチベーションの下がり気味な一二軍選手(彼とか彼とか……)の求心力を高めようとの意図が感じられます。結構、私、この社長を買ってるんですがね。
円陣を組んでいる時の見方が変わりましたよ。
今回の円陣は大成功でしたね。
今夜は早いうちに点をとってJFKといきたいところです。
お初です。
昨日はほんまに「どんだけ?」と言いながら見ました。
巨人のピッチャー野口氏、
シングル・2ラン・3ラン、ホームランを1イニングで打たれて
なんか記録にならないのかな?
4回ウラ金本のボールプレゼントは、さりげなくかっこいいと思いました。
山口ジロリの顔もgoodでしたね。
何故かひとり打てなかった鳥谷くん
今日はがんばってね!!
始めまして以来のコメントです いつもうんうん!! と読ませていただいています
昨日は なんだかすごい試合でしたね!?
関係ないところにいってしまいますが どうして最近 藤本選手は打席を与えられないのでしょう?? 何かあるのでしょうか?
関本選手は 絶不調の時も出ていたのに 最近は守備固めばかりです??
藤本選手をスタメンにって言っているんじゃなくて 併用でって思っているのですが・・・
昨日の試合なんか出しやすい状況だったと思うのですが 9回表のネクストまででした??
ここの「評論家たちの声」でも ダントツだったのに??
最近とっても不思議で toraoさんにお尋ねしたのです
to たまねぎおじさんさま
自分を棚に上げて、あんまり人の顔をネタにしちゃいけませんね(笑)。ただ木佐貫の崩れっぷりがあんまり見事だったので、つい…(笑)。
to でるさま
評論家ですから、もちろん文章を書くのが仕事ですよ。誰からも報酬はもらえないんですけど(笑)。
to 一虎ファンさま
一人や二人殺したくらいではあの視線はできませんよね(笑)。
一つの敗北に絶望し、一つの勝利に狂喜乱舞する。げに野球とは人を惑わすものなり。
to トラキチさま
負けパターンのリリーフを打ち込むって、すごく大事なことなんですよね。チーム全体としての信頼感を落とすことができますから。こちらにとっては参考記録ながら、Gにとってはズシリと響いてくることでしょう。
to たーぼーさま
なんとか鳥谷を大興奮させる方法はないものかと、考えてしまう昨今です。
そういえば打球当ててましたね、その後の様子では問題なさそうでしたね。
to いわほーさま
南社長は、村山さんの専属広報をやられていて、信頼が厚かったという話を聞いただけで、もうあんたは間違いないと思ってしまいました。ええ、単純です(笑)。本社筋では例年この時期に「さて来年は…」みたいな話が出るんじゃないですかね。新聞社って、「今日は何の日」みたいなのには敏感ですから。
to たかさま
特に木佐貫のような投手には円陣って効きそうです。
to とらみちゃんさま
ようこそ!
そういえばそうですね、あと満塁HRがあれば、1イニングでサイクルHRだったんですね、そんなんあったら大記録ですね、ある意味「監督のヘボ記録」でしょうけど。
鳥谷は、あの四球がものすごく貢献度高かったのでOKです。
to 桜さま
JFKで逃げ込むのが一つの勝ちパターンですので、試合の前半は攻撃力を重視するということなのでしょう。今、関本はかなり良い状態になりましたからね。それと野手関本のリーダーシップと機転に期待しているというのもあるでしょう。現状、藤本が控え野手のポジションにいるのはやむを得ないかな。
でも、藤本、今季は打撃も良いですからね。ベンチに置いておくのは本当にもったいないです。もうちょっと使って欲しいですね。同じ後半から出場にしても、JFK開始と同時に入れてやったりとか。それと藤本はみんなに愛されるキャラなので、途中から出て活躍すると、チームがムチャ盛り上がるというのも、捨てがたい起用方法だと思うんですよね。
とにかく藤本もよう腐らずにやってます。きっと首脳陣も一所懸命フォローしてるんだと思います。またでっかい仕事しますよ、ヤツは。
15得点の大勝した翌日、今日の試合を見に行ってきます。高橋尚は難敵ですが、向こうだって同じ人間です(笑)。連勝を信じて応援してきます。
Toraoさん
笑わせてもらいました。(あっ、また同僚の青い視線が…)
まあ点数の繰越はできないにしても、打線の好調は、せめて週末まで繰越してもらいましょう。
to ぴゅあらっくさま
良い試合でしたね。長時間の応援お疲れ様でした。
to Salutさま
ねえ、なにも6,2,7なんて取らなくても良いのに…(笑)。練習だと割り切って欲しいと思います。