世界の中のNPB

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阪神タイガースが、アトランタ・ブレーブスと業務提携へ。これはビッグニュースだ。選手、コーチの交流、野球留学、(将来の)レンタル移籍など、育成能力の高い強豪チームとの提携は活用のしがいがある。一方、これまでほとんど身のない「姉妹都市」のような関係だった「デトロイト・タイガース」とは提携解消。先に暗黒脱出しちゃった。わりぃ!(笑)


サンスポより「プロアマ合同の全日本野球会議が都内で開かれ、来年のインターコンチネンタル杯(11月・台湾)とアジア大会(12月・ドーハ)に出場する日本代表はアマ選手で編成することを決定した。」
ふうむ…。「野球A代表」は、WBCと五輪(とりあえず北京まで)だけということか。
でその後、日本野球連盟で途方もなく長い間会長を務めた山本英一郎前会長の功績を称えるパーティーがあって、プロ・アマ球界の要人が多数参加したらしい。NPBの根来コミッショナーや、国際野球連盟のノタリ会長も来たんだって。この二人の名前の語感がなんとも野球界らしいよなぁ、ひねもすまどろんでいる感じ(笑)。
ポスティング廃止論が盛んになってきた。その席でGの渡辺氏が吼えたらしい。運用上不平等条約になっているというのはそのとおり。選手を売るなんてけしからんという言い分も良いだろう。ただし、スターを抜かれて、球団には何も残らない…。これは、チームによっては「今までありがとう」だけでは済まされない、厳しい現実だろうとも思う。力を外に使ってもらって、力のある選手がメジャーに行く時、いかにして日本球団に金を払わせるか、交渉の余地はないものだろうか?
ここまでいずれも国際的な話題なのだが、どれ一つとっても、なんだかシステムとしてすっきりしてない話ばかり。すべては国(NPB)としてのポリシーが定まっていないことに起因する。
間違ってたらゴメンだが、日本サッカー協会の場合は、上から下まで結束して、「将来、日本がワールドカップで優勝すること」を一つの目標にしている。だから、トップクラスの選手がレベルの高い海外でプレーすることを(心の中で何を考えているかは別にして)良しとする。すべての制度がそのポリシーに基づいて作られているし、今後もそうだろう。それにより、一時的にJリーグの隆盛に水を差されることがあっても、遠くの目標とタテマエがあるから、選手も現場指導者もクラブ運営者も出資者も観客も納得できる。
翻って日本の、そして世界の野球界には共通のゴールがない。今はムリでも、20年後、100年後に叶えたいという目標がない。これが不幸の元ではないだろうか。MLBにしてもNPBにしても、今ある商権を維持拡大または死守することだけが目的となってしまっているのではないだろうか。これは発生の歴史から言って仕方のないことだが、いつまでたっても変革の兆しがないのがなんとももどかしい。

コメント

  1. maruko1192 より:

    ああ、それに気がついてしまうと危険です…。 
    元野球ファンの転向組が、誰もが通った道です。

  2. ichiken より:

    サッカーとの違いとなると、全体を大きな一つの興行団体と考え、大きなシナジーを追求するリーダー(キャプテン)が居るか居ないかでしょうね。
    これを、「たったそれだけのこと」と変わる未来を信じるか、「根本的な問題」と諦めるか…。
    自分は前者でありたいと思います…。

  3. 森 無礼 より:

    知らなかったなぁ!ブレーブスはアトランタなのか?私の中では
    ミルウォーキーの侭だった。タイガースはデトロイトで変わっちゃいない。ドジャースはブルックリンが頭から離れないし、困った
    ものだ!
    ホーナーだつたかRホワイティングだったか忘れたが、野球と
    ベースボールは全く異質のものとか言っていた。その時代の感覚で
    野球を捉えている私の世代が消滅するまで、まだ暫くはかかるだろう。団塊ジュニァが切り回す時代には絶対変わるはずだ。
    サッカーはなまじ商業化されてなかったからこそ、思い切りがよい
    スタートが出来たのでしょう!大丈夫、間違いなく変わってくる!
    少しは興味が分散して、ファンの減少があったとしても、日本人は
    野球が好きだもの!

  4. いわほー より:

    日ごろからタイガースのみならず、球界全体を大所高所から俯瞰して、問題意識を持って意見されるtoraoさんの姿勢には敬服いたしております。
    それに引き換えこの私は、デトロイトタイガースとアトランタブレーブスの、どっちのチームが優良球団で、先々お付き合いして、”美味しいチーム”なんやろか??などと、下世話で志の低いことしか考えられない奴なんです。A^^;
    もうこうなったら、toraoさんをNPB事務局入りしてもらうしかありません。つきましては、私を代理人に指名してもらえれば、契約条件諸々‥‥‥‥(笑)。

  5. そのサッカーの共通目標を模倣するのが、WBCであり、アジアシリーズだったのでは?
    WBCは時期や方法等まだまだ議論の余地はありますが、一応メジャーから名の通った選手が参加しそうなので、「初めの一歩」としては期待できそう。
    でも根本的に、見て「面白い」、一所懸命に応援したい、というようなものさえ見せてくれさえすれば、
    例え理念がなくても、例え形は商業主義でも、ファンは満足できるのではないでしょうか。

  6. torao より:

    to maruko1192さま
    いやだなぁ、maruko1192さん。このブログは熱狂的なタイガースファンが、6年の歳月をかけて、虎と日本プロ野球を捨てて、同じ黄&黒の柏レイソルサポになるまでを綴る大河ドラマじゃないですか!(笑)。
    それはさておき、理屈抜きで、ダメなものを応援し続けることにかけちゃ、日本全国探しても我々の右に出る者はいないんですよ(笑)。
    to ichikenさま
    おお、今ichikenさんが良いこと言った。本当にそうですよ。そして信じた上で、動いていくんですよ!野球だけじゃなくて、何事もね!
    to 森 無礼さま
    なに、森さんボケちゃったのかなぁ、ブレーブスはハンク・アーロンの時からアトランタ、ミルウォーキーは江夏がチャレンジした時からブルワーズじゃない!と思って調べたら、1966年に移転だって。あら、私の生まれた年だわ(笑)。
    よく私の実家らへんが、いっこうに再開発されず、昔のまんまのダメな感じの町で、みんなが言うんですよ。地主が次の代に変わらないとダメだねって(笑)。やっぱり、次の代に変わって行かなきゃダメなんでしょうね(笑)。
    to いわほーさま
    いや、とかなんとか言いながら、本日もっとも重要だと考えているのが「アトランタ・ブレーブスと提携」だったりしますので(笑)。
    どうも、中間マージンにこだわってるなぁ(笑)。
    to ばかぼん父さま
    その通りですね。ただ悲しいことに、それぞれの底の浅さが見えてしまう…。
    >例え理念がなくても、例え形は商業主義でも、ファンは満足できる
    それもその通り。でも志のありなしは、いずれ露呈してしまうようにも思います。理念は口で言えばよいという者ではなく、心からの欲求だと思います。それがあれば、スタンスも決まり、やるべきことも決まって来る。口では「国際的な野球の普及」とか「子供たちの夢」とか言っちゃたり、ものすごく現象面だけサッカーを意識しちゃったり…遠くに到達点したいものさえ見据えていられれば良いのになぁ…と。
    実は、悪名高き「野球協約」には、「世界一決定戦を実現させる」とかなんとかいうくだりがあるんだそうです。つまり、本来ある理念を忘れて、やるべき努力を怠っているということなのかも知れませんね。ichikenさんが言うとおり、それを掲げて旗を振る人がいないということなのかな。

  7. 森 無礼 より:

    ほっとしたよ!ブレーブスがミルウォーキーを本拠地にしていた
    のが判って!しかし、66年とは古いねぇ!
    その昔は映画館で本編上映まえにニュースが写されてそこで得た
    情報が全てだった。当時の私には野球とベースボールは似て非なる
    ものと感じていた。マイナーリーグのSFシールズに全日本チーム
    がコテンパンにやられたんだから、仕方ないことだ。
    思い起こせば、当時法政大学の関根さん(元ヤクルト監督)が力投
    して、大学選抜チームが唯一の引き分けだった記憶が朧にある。
    その時の力量の差が、日本人を奮起させ、また彼等の物見遊山気分
    の来日もあって、少しずつ追いついてきて、今日がある。
    私の頭の中に存在するメジァーリーグはフィールドオブドリームス
    の世界であり、モノクロの世界のままなのである。
    半ボケ老人の独り言、お許しを!

  8. grayghost より:

    野球とサッカーは、比べられないですね。
    サッカーは、世界的なスポーツであり、世界中でもっとも熱狂的な支持を得ています。
    野球は、世界的には小さな世界です。
    結局、オリンピックからも消えるのですから。
    日本におけるサッカーは、財団法人日本サッカー協会(JFA)が統括しています。
    サッカーだけでなく、フットサルも統括してますね。
    もちろん、女子サッカーも。
    野球にない偉大な点として、プロ・アマの活動を一本化して管理しているのです。
    しかも、上位組織の国際サッカー連盟(FIFA)、アジアサッカー連盟(AFC)、
    東アジアサッカー連盟((EAFF)に所属しています。
    また、国際オリンピック委員会(IOC)、財団法人日本オリンピック委員会(JOC)、
    財団法人日本体育協会に所属しています。
    さらに、JFAの下位組織として、9地域のサッカー協会、各都道府県のサッカー協会があり、
    Jリーグのチームから実業団、学生チームに至るまで各都道府県のサッカー協会に所属しています。
    FIFAという、絶対的な存在があるからこそ、世界基準なのです。
    一方、野球はというと、
    国際野球連盟(IBAF)というものがありながら、
    野球界最大の組織であるメジャーリーグ協会が加盟していません。
    これが悪の根源なのです。
    メジャーが参加していれば、世界的に野球を普及することに繋がるでしょう。
    メジャーは、オリンピックやワールドカップに非協力的で、
    今度はメジャー主催で、たった16の国でワールド・ベースボール・クラシックと言い出す始末。
    そして、日本の野球の場合。
    日本野球機構(NPB)は、日本のプロ野球を統括する組織で、
    日本の野球を統括する組織ではないのです。
    だから、今の日本のプロ野球で一番最初に出来た読売が偉そうなんです。
    日本の野球の全てを統括する組織ってないですよね?たぶん…
    次々と独立リーグの構想も出てきていますが、
    日本の全ての野球をまとめる組織のない限り、プロ野球は今のままだろし、
    メジャーがIBAFに参加しない限り、サッカーのような世界基準にはならないと思います。

  9. torao より:

    to 森 無礼さま
    いやいや、びっくりしましたよ(笑)。ブルックリンドジャースとかは聞いたことあったんですけど、ミルウォーキーブレーブスとはねぇ…。
    それにしても…、法政の関根投手ですか!こりゃまたびっくりですわ(笑)。
    to grayghostさま
    長文ご苦労様でした!これまでの歴史がおさらいできました。さて、産業規模としてアメリカにつぐ日本プロ野球の取るべき戦略とは何か。サッカーを模すのは容易でなくとも、無策でいるわけにも行きません。
    とにもかくにも日本プロ野球としてどこに行きたいのかをまず言うことからすべては始まると思います。
    >日本の全ての野球をまとめる組織のない限り、プロ野球は今のままだろし、
    メジャーがIBAFに参加しない限り、サッカーのような世界基準にはならないと思います。
    私も「歴史認識」はgrayghostさんと同じですよ。でも、結びの文をちょっと変えませんか?
    日本のすべての野球を束ねる組織を作れば、日本球界はガラッと変わるし、メジャーがIBAFを無視できない状況を作れば、世界の野球が変わる…と。

  10. ますとら より:

    ブルックリン?ていうたらジャッキー・ロビンソンやなあと思っていたら、話が凄い方向に行きましたね。
    toraoさん仰せのとおり全体を統括するリーダーは必要でしょうね。
    できる資格のある人は、野球人でかつ相当なカリスマを持つ人物でないと無理でしょうね。そうなるとできる方は現在1、2人しかいないと思っています。
    もちろん現コミッショナーや読売の爺さんでないのは確かです。

  11. torao より:

    to ますとらさま
    川淵キャプテン希望!(笑)。王さん、星野さん、古田さん。以上、4名かな?
    川淵さんはやりたいって言ってました。本当かどうか知りませんが。

  12. かよ より:

    こんにちは 初心者ですが コメントさせてください。
    今日のニュースを見て 怒りを覚えました。WBCについては 詳細なルールなどまだ整備されていないとのこと。また、投球回数のしばりで王監督が抗議するところからも 本気モードの日本に対して メジャーは明らかにお祭りモードであるようにさえ思えてしまいます。
    野球とサッカーの大きな違いの一つは
    共通のルールの有無ですよね。
    今後の為にも 大会よりもまず先に ルールの整備と審判の育成が必要ではないかと思ってしまいました。

  13. ワールドベースボールクラシックって…。

    サッカーのワールドカップドイツ大会のシード国も決まり組み合わせ抽選がもうすぐ行われます。前回大会が日韓共同開催だったため 地元札幌でもビッグゲームが行われ、札幌ドームも建設されました…。かよ姫の野球人生(大げさ…)にとって サッカーワールドカップは 

  14. grayghost より:

    日本の全ての野球を束ねる組織を作れれば、日本球界はガラッと変わるでしょう。
    でも、実際、困難な話ですよね?
    実は、統括する組織については、サッカーの成功例に対し、
    プロレスの失敗例も書きたかったのですが…長すぎるなと(笑)
    でも、ちょっとだけ。
    アントニオ猪木が「異種格闘技戦」を行ったことや、
    UWFという団体が、ショー的要素を排除したセメントマッチ(真剣勝負)を展開したり、
    そんなことの積み重ねが、今の総合格闘技に繋がっていると思うんです。
    でも、プロレスそのものは、人気が低迷しています。
    それは、プロレスという括りが、もはや収拾つかないからでしょう。
    今現在、プロレス団体がいくつあるのか分からない程あります。
    設立されては、消滅し、そしてまた新しい団体が…
    それでは、誰が一番強いだなんで分からない。
    もし、日本のプロレスを統括する組織があったなら…
    今、野球がその流れになりつつあるような気がします。
    独立リーグの乱立とか、野球中継の視聴率低下とか、サッカーの台等とか。
    もっと、各球団に危機感を持って欲しいですよね。
    p.s. タイガースマスクがいる限り、大阪プロレスは応援しましょう。(笑)

  15. torao より:

    to かよさま
    本当にそうですよねー。それでも日本球界は一歩踏み出すしかないんです。もう、絶対に勝たねばならぬ国際大会と思いこんで、「必死ダナ」とか「カコワルイ」とか言われながらも盛り上がる必要があるんでしょう。どんなへなちょこな一歩でも、今回はその一歩に価値があると思いたいです。
    to grayghostさま
    >でも、実際、困難な話ですよね?
    そうですかね。世界を束ねる形は出来ていて、メジャーが参加していないことは確かに大問題。でもそれはとりあえず、放っておく。日本国内のプロアマの垣根は確実に低くなっているので、プロを含むA代表を頂点とする組織は作れる。その場合、NPBという興業団体はそれを支える「外郭団体」であっても良いかな(入れ替え制がとれないので、サッカーを模してプロを頂点にはできないのかなと)。とにかく、メジャーを本気にさせないとね。バスケの時みたいに。
    野球の対抗はサッカーじゃなくてプロレスだという面白いエントリーをずっと前に読んだのですが、どこだったかなぁ…。

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