2番シーツ説は本当?

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NHK?BSでやっていた、日本人メジャーリーガーの群像「井口資仁・勝利を呼ぶ2番打者」という番組を見るともなく見た。


夢と希望に燃えて渡米した井口が、2番打者として送りバントや進塁打のサインに戸惑いながら全米優勝を勝ち取るまでという内容。ホワイトソックスのギーエン監督が標榜する「スモールベースボール」の中核をなす働きぶに改めて感心した。
「スモールベースボール」とは、文字通り小さな野球、小技を使って繋ぐ野球を意味するらしい。日本のプロ野球では、ある意味「スモールベースボール」が常識だった。「ドジャース戦法」などと呼ばれ、V9時代のジャイアンツで貫かれていたし、私の知る限り高校野球は常にスモールベースボール全盛だ。豪快さが特徴のメジャーで、こういう野球がもてはやされると、なにか違和感を覚える。
とはいえ、昔からピート・ローズやリッキー・ヘンダーソンなど、小技の効く選手は大人気だったわけで、要はここしばらくのホームラン至上主義の反動が来ていると見るべきかも知れない。豪快も過ぎれば「大味」と飽きられ、小技も過ぎれば「せこい」と飽きられ、諸事同様、周期的に巡っているということか。
2番打者に誰を据えるかによって、そのチームの攻撃スタイルがどういうものであるか明らかになるとは言えるだろう。井口が葛藤していたように、ストライクを1つ2つ、走者にあげなければならないという点で、盗塁王クラスの1番打者の後は辛い。昨年の鳥谷の場合は、適任者が結果を出せずになんとなく入った2番で、2番打者の役割を要求されることもほとんどなかった。鳥谷としては、自分の打撃をすることで精一杯だったことが、そこそこの結果に繋がったのだろう。かえって赤星の方が辛い思いをしたに違いない。
結果、タイガースの攻撃は、それぞれがそれぞれで判断する野球になり、それが「個」としての勝負強さの形成に役立った反面、「集団」の力として+αを十分に発揮できなかったとも言える。
岡田監督が談話でほのめかしたことから、来季はシーツが2番に起用されるのではないかというのがもっぱらの噂だ。基本的にバントは好まない岡田監督だが、赤星を活用するための2番打者には工夫の余地ありと考えたのだろう。赤星も歓迎の様子だ。
今季のシーツは、クリーンアップの一員として、インハイ&アウトローのボール球を多めに配する組み立てに脆さを晒した。また昨年に限って言えば、右方向にゴロを転がすような打撃はほとんど印象がない。キャンプでライト前ヒットを打つ打撃をどれくらい見せてくれるのかで、期待値が変わってくると思う。
しかしもともとチームプレーへの理解は深く、制約があった方が結果を出すタイプなので、面白い試みになるだろうと思う。2番打者といえども、チャンスでまわればクリーンアップと同じ、無走者でまわれば一発もあった方が良いに決まっている。打てるに越したことはない。
また、2番打者はサインの縛りがあれば、査定に対する影響なども気になってフラストレーションのたまる打順でもある。その点、外国人選手の場合は、細かい出来高契約で割り切ることができるかも知れない。
しかし、本来そういう役割でポジションを獲らなければいけない選手もたくさんいるわけだ。二塁手や外野手からも、2番打者を狙うような選手が出てきてくれないと困る。

コメント

  1. BSミツルH より:

    2番打者で長打力が落ちない流線形打線は面白いと思います。ただ、昨年のデータそのままの活躍をするという前提で打線を組むなら、誰が何番というよりも昨年の2番を抜いて前へ詰める方がツナガリについてはいいと思いますが、そうはならないでしょうね(笑)。

  2. おかぼん より:

    おはようございます。
    昨年暮れから,監督岡田のバックボーンを知りたいという気持ちもあって,亡くなった仰木さんの師である「魔術師」三原脩監督についての本を少しずつ読んでいます。西鉄ライオンズでは,2番に強打者を置く「流線型打線」で一時代を画したと言われています(3番中西太,4番大下弘の前に2番豊田康光というラインナップ)。これは,メンバーの個性や力量を考え,得点力向上を目指して組んだ打線とのことですが,やはり基本はいかに攻撃をつなぐかということに尽きるみたいですね。
    本来クリーンアップを打てる選手を2番に持ってくるためには打撃陣の層の厚さも必要ですし,今のタイガースには「赤星スペシャル」の効果をいかに生かすかという命題もあるので,「2番問題」は悩ましいところですね。
    05年の2,6番のツープラトンはあくまでも過程の姿で,岡田監督としては,可能な限り固定されたスタメン,レギュラーで臨みたいという気持ちがあるようです。それは分かったうえで,対D,Sなどには,赤星?赤松の1,2番をぜひ試してほしいんですが…。
    (余談)本の中に,三原さんの巨人監督時代,5番青田昇が無死1,2塁で自分の判断でバントを試みたのに対して激怒したというエピソードがありました。理由は,ファンが強打者であるお前に何を期待しているか分かっていないということでしたが,昨年のゲームの勝負所で「今岡のバント」に対して岡田監督が怒った場面を思い出しました。

  3. いわほー より:

    シーツは、もともとバントや小技が利く選手。昨シーズンの場合、三番打者を意識するあまり、すこし強引に振り回していた印象が強いように感じられました。しかし打者としての適性は、三番よりも二番にあると思います。まあ、二番打者の理想形は空想上・・・。
    岡田野球が求める二番打者像は、バント、右打ちなどの進塁打だけに固執しない。進塁打にこだわるあまり、限りなくバントに近い消極的右打ちをむしろ嫌う。『一軍しがみつき打法』だ。それなら多少のリスクは承知の上で、引っ張ってもいいからしっかり振って、ヒットを狙えと。そうすれば一、三塁でチャンスが広がるやん、という考え方だ。「野村の考え」では絶対許されない考えだ。岡田イズムを感じる。
    ただ誤解されやすいのは、岡田采配が常に無策なヒット狙いを説いているわけではないこと。そこのところの状況判断を二番打者に求めている。関本と鳥谷は両極端に見える。シーツに求められるのはその中間。私は適任だと思うのですが。

  4. 足のあるランナーの後の2番打者は、滅私奉公の気持ちが要求されるので、これから売り出そうという発展途上の選手にはかわいそうな打順。
    1塁ランナーの動きが背中になる左バッターには、さらにハンデがある。
    「2番セカンド赤松」がハマればパズルの完成だが、
    なんぼなんでも簡単にはいかないだろう。
    ならば、ベテランや助っ人の「右打者」に、やってもらうほうが良い。
    「管理野球」の中の2番は、監督が思い描く通りに、バントや進塁打の小技をキッチリこなせれば良いので、誰でもスキルを磨けばこなせるはず。
    井口のように監督がことあるにつけ「よくやってくれている」と言ってくれれば、(内心はイヤでも)モチベーションを保てるでしょう。
    しかし、岡田阪神は「廃・管理野球」のチームで、
    なおかつ監督は「バントなんかせんでもええのに」と言うタイプ。
    2番打者を育てるより、どうしても個人の能力と判断力に頼る事になる。
    自分で状況を考えたプレーのできる赤星とシーツのコンビは現時点では最善手。
    これが上手く行くかどうかは、むしろ3番の濱ちゃんの方にかかっています。
    人並みの守備+今季のシーツ並かそれ以上に打ってくれるかどうかですね。

  5. kaleido より:

    今年の阪神のテーマである2番打者とライトのポジション争い。
    それに早くも先鞭をつけた岡田監督ですが、2番シーツが果たして適任かどうかは、シーズン始まってみないとなかなか判断がつきそうにないですね。
    去年のように、3番としてチャンスメイクや赤星を還すバッティングから、赤星を進める・後ろにつなぐといった意識に変わったとき、悪癖であった外の変化球にどう対応するかというのが一つあるでしょう。
    しかしまぁ、多くの阪神ファンが"理想の2番像"にこだわりすぎているようにも思いますので、ここらでその固定観念を崩してくれればいいんですがねw

  6. ひろひろ より:

    昨季3番に座ったシーツは、3番という打順故に後ろに金本今岡がいることが分かっていても、「自分が・・・」という気持ちが多少なりともあったと思います。
    とんでもない高めのボールや外に逃げていくボールへの脆さ、三振数リーグ2位という記録も3番という打順がそうさせたのだと思います(ていうか思いたい笑)
    シーツが2番に入ることで、繋ぎの意識をより高められ、コンパクトなスイングを心掛けることができれば、元々シャープな打撃ができる選手だし、何より、野球というものをよく知っている選手だと思うので、よくはまると思います。
    守備のうまさからか、”シーツは器用な選手”というイメージが僕の頭にはインプットされています。
    だからきっとやってくれますよ!
    この時期はまだ楽観的に考えられるので希望がどんどん膨らんでしまいます(笑

  7. 西田辺 より:

    私の知ってる限りで阪神最高の2番打者は
    和田豊(現打撃コーチ)さんです。
    氏が2番セカンドに収まってくれたら、
    どれだけ凄いチームだろうと、何度想像した
    事か。
    シーツに2番に適正があるかどうかは、試合
    が始まってからのお楽しみです。
    多方面での技量が問われる打順ですから、
    意外と面白いかも。
    あ?正月休みも終わっちゃったよぉ。
    ワイン飲み過ぎで、明日いきなり二日酔いかなぁ?

  8. since1970 より:

    私は開幕は、もちろんシーツで行くだろうけれど、最終的に今季は、関本がファーストのポジションを取ると思っています。何故なら、シ-ツは昨年のスタートはすごくHRを量産したが、後半はヒットは出ても、HRはかなり減った。その点が心配材料です。それに、赤星との連携で、調子を落とす可能性が大ですね。来日4年目で、攻め方を覚えられて来てます。toraoさんが本文で触れている様にクローズスタンスの構えの弱点を衝かれています。インコース高めで起こされた後、アウトコースの外れていくスライダー。調子の悪い時は、このスライダーが全く打てない。
    岡田監督もシーツが調子を落としても、それは折込済みだろう。その代わりは関本が居ると思っている。今季関本がポジションを獲っても、来季はキダゴーとのポジション争いを想像しているだろう。そうやって、チームの活性を常に考えている監督です。

  9. torao より:

    休みも終了。さあ、気合入れ直しますか。
    to BSミツルHさま
    「トル詰め」は魅力的ですね。そうすると5番に「元4番」のハマちゃん他を入れるようですね。うん、そっちの方が良いです。でも岡田監督は4,5番の並びは相当気に入っているようですからないでしょう。
    to おかぼんさま
    豊田さんの「サムライたちのプロ野球(講談社新書)」にも三原さんのことはちらっと書かれていて、なかなか愉快な野球をされた方だというのがわかります。岡田監督も三塁コーチに立ってくれたら良いんですけどね。よかったら読まれている本、また教えて下さい(笑)。
    to いわほーさま
    一塁走者の動きが見やすい右打者で、手元まで引きつけるタイプで、ライト方向にヒットゾーンを持っている。さらにバントも上手く、長打力もある。性格は沈着冷静、自己犠牲をいとわない。おそらくこれが理想の2番打者なのでしょう。「そんな奴おらへんやろ?」(笑)。あえて探せば…やっぱりシーツかな?(笑)。
    to ばかぼん父さま
    >これが上手く行くかどうかは、むしろ3番の濱ちゃんの方にかかっています。
    これが前提条件になりますね。個人的には、ここが思惑通りにならないようであれば、BSミツルHさんがおっしゃるように、金本、今岡を3,4番に上げて、5番に林やら誰やらを入れた方がスッキリしそうな気もします。でもせっかく今岡5番という型がはまったところなので、できたら3番がキチっと決まって欲しいです。
    to kaleidoさま
    一部では、シーツから今岡まで、4,5,6,7と背番号を並べたかったという説もありますが(笑)。
    >しかしまぁ、多くの阪神ファンが"理想の2番像"にこだわりすぎているようにも思いますので
    いやあ、「普通の2番打者」で良いんですけど…(笑)。
    to ひろひろさま
    アメリカでのキャリアは、1,2番打者、二遊間の守備というものだったのでしょうからね。もともとカープでもその役割を考えていたところ、打撃が思った以上に良くて…という流れでした。元に戻ってくれれば良いだけなのでしょうが、上手くいくかどうかは別の話ですね。なんとかなりそうだと思いますけど。
    to 西田辺さま
    そう考えると和田さんはついてなかったですね。良い1番がいて、良いクリーンアップがいてこその理想の2番ですからね。確かに今和田氏が現役ならピタッとはまります。
    さあさ、新年の勤務、頑張るとしますか。
    to since1970さま
    「強打者」のポジションである一塁手が2番を打つというのは、人の移り変わりまで考えれば理想的とは言えないですから、できれば二塁手か、右翼手に2番を打ってもらいたいものです。そしてファーストはあくまでも助っ人とバッティングで勝負。関本はそれを勝ち取るか、便利屋をつとめるかしかなくなってきました。シーツ自身も今年あたりまででハッピーリタイアも良いかな?なんて考えているかも知れませんしね。実際、下からの突き上げはあるので、今年だけじゃなく、まだまだ面白い攻防になりますね。

  10. 密林の猛虎打線 より:

    二番シーツは今の時点では一長一短あるとして、チーム全体にもっと走塁を意識した戦い方がすればなぁと思う。
    鳥谷や藤本がヒット打って、一塁ベース上で満足げな顔浮かべるのを観るにつけ
    「まだ仕事終わってないぞ」
    とツッコミ入れたい気分になったのは自分だけじゃないはず。
    二番:鳥谷はストレートの確立が高くなるとかなんとか言う理由も含まれてたような…

  11. grayghost より:

    シーツはカープで最初2番打ってたし、あまり違和感はないですね。
    岡田監督は、2番を関本に期待してるということも言ってました。
    シーツも関本も典型的な2番バッターという枠には収まらないタイプ。
    金本の4番も今岡の5番も、そして、鳥谷の6番構想も、
    岡田監督の考える打順というのは、
    その打者の持ち味が出せるところにハメていきますよね。
    いろんな形の打線がある中で、
    2番は小技師という概念が岡田構想にはないのでしょう。
    思うに、将来的に3番鳥谷4番浜中、それに赤松や喜田、林が絡んでくる打線になるための基礎工事をやってる感じですね。

  12. 中目虎 より:

    初コメントいたします。
    「2番 赤星」というのはあり得ないのでしょうか。
    この場合、1番は鳥谷です。
    岡田監督は「鳥谷の足」をどう評価しているのでしょうか。
    赤星のほかに、20くらい走れる選手をもうひとり作ってください。昨年の盗塁数は「赤星60、その他18」です。これでは、ロッテやSBに勝てません。
    (結果として、シーツはやはり3番ということになります。1?3番で得点圏をつくる考え方)

  13. torao より:

    to 密林の猛虎打線さま
    赤星を除いて、アグレッシブな走塁をする選手と言えば、金本になってしまう状況はあまり良くないですよね。
    to grayghostさま
    >思うに、将来的に3番鳥谷4番浜中、それに赤松や喜田、林が絡んでくる打線になるための基礎工事をやってる感じですね。
    そうですね。うまいこと言うなぁ。
    タイガースも高齢化社会なので、のんびりしてると基礎でとまっちゃうぞ!上を力で押しのけないといけませんね。
    to 中目虎さま
    ようこそ!
    >「2番 赤星」というのはあり得ないのでしょうか。
    数年前の優勝オーダーですから、可能性はないことはないでしょうが、岡田監督の中にはなさそうですね。
    1,2番でかき回すという理想型は持っていると思います。打者に「任せる」中で、盗塁のサインが極端に少ないのは淋しいと思う部分もあります。
    コメントありがとうございました。

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