幸運２点 貴重な１点 ボカスカ６点で絶好発進

１７安打９得点というお祭り試合でめでたく２０１３が開幕。しかも相手はどうやって勝てば良いのかわからなかった苦手の館山。●を付けられなかったのはいかにも残念だったが、降板時点のスコアは３－０だから、「負かした」に近いとは言える。

ただ初回の２得点は単に幸運にめぐまれたもの。先頭西岡のセンター前こそしっかり打った打球だったが、他はラッキーが団体さんでやってきただけ。大和の初球、バントの構えからヒッティング、ボール球にバットを投げ出すように空振り、だけど走者は動かず。誰のミスかはわからないが、明らかにサイン伝達に不備があった様子で、コーチ陣もいきなりあたふた。しかしここは走者を失わずに済んでラッキーその１。

大和へのサインはバントに切り替わったが、高めの変化球を見逃して追い込まれてしまう。４球目に一走西岡スタート、大和は外のボール球に腰を落としてなんとかバットに当てる…するとその打球は絶妙の「セーフティーバント」もどきの打球になってオールセーフ、ラッキーその２。

鳥谷はフルカウントまで粘って、走者スタート＆二ゴロで結果進塁打、一死二三塁。

４番良太は叩き付けた高いバウンドの二ゴロが前進守備だった田中のグラブを弾き１点先制。後方に動かされる打球だったから、キャッチしていても得点は入っていただろう（良太に打点が記録された）。しかしここでアウトが増えなかったのが後で響いてラッキーその３。

一死一三塁、ここで福留は三塁近辺にポップフライを打ち上げるが、これが風でふらふら、ショート森岡がこれを落球、ラッキーその４。すぐさま二塁に送球し一走を封殺して二死したが（記録は遊ゴロ）、その間に大和が本塁を陥れる好判断＆好走塁で２点目ゲット！

ということで、「いいね！」は西岡のヒットと大和の走塁だけで、あとはラッキーばかりだったが、それを呼び込んで生かしたのだからいいね。

その後館山は立ち直り、３，４回はピシャリ。それだけに５回表の３点目こそ、「今季タイガースの１点」と誇りたい。先頭西岡倒れた一死から大和が甘い変化球を「なめんなよ」と左前にクリーンヒット。塁上走るぞ走るぞとプレッシャーをかけるがなかなか走らない。館山打席の鳥谷に集中しきれず大きく外れる球が目立つ。５球目大和スタート、絶妙のワンバウンド送球がスライディングしてくる所に行って大和は刺されて二死となるが、鳥谷はしっかり粘って四球を奪い取る。ホッとさせない。

鳥谷もまた一塁で走るぞ走るぞの構えで重圧を加える。牽制で警戒し、制球を乱した館山は良太にも四球で二死一二塁。良太も甘いところに来れば持っていくぞというスイングを見せていたからそれも投手への重圧になったはずだ。そしてこの好機で福留がしぶとく二遊間に弾き返すタイムリー。

これは自力でこじ開けた見事な１点だった。スコアブックだけ見れば「館山突然の制球難」に見えるかも知れない。でもそうじゃない。１番～３番が塁に出れば、まず盗塁を仕掛けてくるに違いないとバッテリーを警戒させ、心理的に揺さぶった結果の乱調だ。押したり引いたりで投手の重心を崩す攻撃が点を呼び込んだと言える。これこそが今季タイガースの１点。

この３点でスッキリ勝ち切るというシナリオも良かったけれど、５回ウラ一瞬のエアポケットにはまるようにメッセンジャーがつかまり３失点して同点になる。だけどメッセンジャーはいい。不運に直面しても、心理を立て直して立ち向かっていける。再びリードをもらった６回をピシャリ締めて疲れる疲れる開幕投手お疲れさま。去年は不遇にしてしまったけれど、今季はいっぱいラッキーに恵まれるよ。

６回の勝ち越し点はコンラッド左の右線二塁打から。初日にクリーンヒット出て良かった。藤井の不細工なバントでナイスジャッジ（？）二塁に戻ってオールセーフ。
メッセ、ナイススリーバントの一死二三塁で西岡は二ゴロコンちゃん本塁憤死。しかしこの二死一三塁で大和が内角どん詰まりながらもどんぶり飯パワーで三塁頭をフラフラ越すタイムリーヒット！決勝点となり、さらにスワローズ中継ぎ陣を粉砕する打線爆発を呼んだ。

終わってみれば西岡３安打１得点２打点、大和４安打１得点１打点、鳥谷１安打２四球で２得点、良太はヒットなしながら１打点、福留１安打２打点、マートン３安打１得点１打点、コンラッド左右で鋭い二塁打１本ずつ、藤井２安打２得点１打点。さらには代走俊介もしっかり生還、代打新井もラッキーポテン二塁打で出てブサイクなスライディングで生還（笑）、代打関本は三振だったが野手たちには気持ちいい初日だったろう。

投手陣も７回４点差で安藤がビタビタ、８回６点差で福原がズバズバ、９回も６点差のまま久保がニョロニョロっと抑えて、勝ちゲームメンバーの演習ができた。ま、これも初日特別としてはいいだろう。次回からは点数状況に相応の投手に投げさせるだろう。

守備面などにツッコミどころがなかったワケでもないけれど、まずラッキーに恵まれたこと、そしてそれによってチームに笑顔が拡がり、伸び伸びと力強くバットを振れたこと、腕を振って投げられたことを歓迎しよう。