ゴメス、梅野がスタメンに戻る。二神先発の谷間。4回途中まで3失点、無死満塁のピンチを作って歳内にスイッチ。歳内が後続3人をピシャリと抑えて、逆転のビッグイニングに繋げた。あとは榎田、安藤から福原、呉昇桓と繋いで逃げ切り。相手の拙攻やミスにも助けられて連敗脱出。
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対ヤクルト 13回戦 甲子園
ヤ | 2 0 0 1 0 1 0 0 0 | 4
神 | 1 0 0 4 0 0 0 0 x | 5
勝:歳内1勝1敗0S
S:呉昇桓1勝2敗25S
敗:石山1勝5敗0S
ヤクルト:石山 – 松岡 – 山中 – 江村 – 秋吉
阪神:二神 – 歳内 – 榎田 – 安藤 – 福原 – 呉昇桓
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先発の二神は立ち上がりからつかまった。素晴らしいカウント球で追い込んでも、勝負球がことごとく甘くなる。一死も奪えぬまま3連打で2点を失い、続く4番バレンティンもヒットで無死一二塁。しかしここで雄平が併殺打、ようやく落ち着いてなんとか2点でしのいだ。2,3回はテンポよく救援登板の時と同じような投球ができた。しかし4回はまた連打のリズムにはまる。四球を挟んだ3連打で1点を失い、なお無死満塁というところでタオルが投げられた。
二神は「思ったところに投げられなければ打たれる」この事実とどう向かい合うかだろう。世の中の多くの投手は、「多少甘くなっても打ち損じすることもある」という前提で、気合いと気迫を込めて腕を振っているというのに、二神はそうじゃない。甘くなれば、「ほぼ100%」打たれている。逆に思ったところに投げられた場合、「ほぼ100%」打たれないし、三振も取れる。
ここから二神はどうするべきか。さらなる精度を求めるか。まあそりゃそうなんだけど、今と同じ道筋では大きな進歩は望めないだろう。むしろ、どうしたら甘いコースでも打たれないようにするかというアプローチをしなければ、大事な場面での縮こまりグセの克服は難しい。どうすれば「コースはど真ん中でもいい」という気持ちで思いっきり腕を触れるようになるか。新チームに組み込んでもらえるよう、新たな工夫にも取り組んで欲しい。
無死満塁、打席は投手の石山。いいタイミングで二神から歳内に交代した。スワローズサイトとすれば、1-2-3の併殺なんていう最悪なことをされてはかなわないので、「ゆさぶるだけゆさぶってバットは振るな」という指示だろう。期待はできないが、とんでもない場面で放り出された若い投手だけに、制球が乱れてくれればラッキー程度。もちろん梅野もわかっているから、初球からど真ん中まっすぐを投げさせた。打ってこないのはわかっているが、もし万が一、「初球、ど真ん中まっすぐだから思い切って振り抜いて来い!」という指示が出ていたら…実際、この場面での指示はこのどちらかしかない。私はたとえ併殺になったとしても後者の指示が好きだ。最悪の併殺でも二死二三塁と走者は残る。ボテボテなら併殺にならないし、守備のミスだってある。内野フライなら三振と一緒。まぐれ当たりでヒットや外野フライもある。点が入れば当然投球でも乗っていける。そしてもし初球、見事な空振りをすれば、投手は2球目以後、より警戒心が強まり制球が乱れる可能性が高まる。
とにかく初球、ど真ん中にまっすぐを投げる投手の側からすれば、たとえ振ってきても当たらない球を投げなきゃいけない。自分の球を信じ、思いっきり腕を振って、打てるもんなら打ってみろという球を放り込むこと。石山はバントの構えをする。歳内の初球、梅野はど真ん中にミットを構える。144km/hのまっすぐ、力を感じるいい球。見逃し。指示は「振るな」だ。そうなればどんどん攻める気持ちが沸いてくる。一つボールが挟まったが、見逃し三振1アウト。
一死満塁、打者は山田、さあここだ。このチームで今一番いい打者だ。やっぱり併殺になっても投手に振らせた方がイヤだった。二死の方が、打者は何も考えずに集中できるだろうから。さあ一死満塁で山田。逆に歳内は自分の球の走りに自信を持てただろう。初球、サイン交換で首を振る。梅野の構えは「原点」、144km/h直球が外角高めに行くが空振り、1ストライク。何も恐れていないのがわかる投げっぷり。欲しいのは三振だ。2球目、同じく構えは「原点」。1球目との調整か抑えすぎた147km/hストレートは外に低く外れて1ボール1ストライク。3球目、サインに一発でうなずいて投じたのは遅いスライダー、これはハッキリとボールとわかるワンバウンド。梅野おさえて2ボール1ストライク。この球もあると見せておきたかったところだが、逆に「この球はない」と除外できる。打者からすれば、得意のフォークとまっすぐの二択。バッテリーとすれば一番苦しいところ、ベース板の上で勝負しなければならない、この4球目が分かれ目だ。フォークの握りでボールをグラブに隠して、セットポジション、クイックモーションから投じた第4球は131km/hフォーク!ど真ん中の軌道からベース板の後ろでワンバウンドする絶妙の落ち方、山田これを空振りで2ボール2ストライク。梅野自軍ベンチを確認、さてどんなサインが出ているのか。梅野以上にジャンケンの上手いコーチがいるのかな。ひょっとしたら「お前の責任でサイン出せ」のサインが出てるんじゃないのかな(笑)。5球目、梅野の構えは真ん中、132km/hフォークがやや高くなり三塁線へのファール。歳内のフォークは急速がないが、落差が大きいので、多少甘くなってもタイミングを外すことができる。やや内に切れ込んだのも幸いした。6球目、梅野は一塁側をチラリ、三塁側をチラリ、打者の全体をチラリ、そして歳内に「来い、来い、来い」とミットで手招きしながらサインを出した。歳内、一発でうなずいてセットポジション、投じたのはフォーク!外角高め、高い!と思うところからドロンと逃げ落ちて山田空振り三振。狙ったコースとは全然違うのだろうが、直球との二択の中でフォークにタイミングが合わないことを見透かした。一瞬ボールか?と思わせつつ、ストライクの高さに落ちてくるから、緩急と高低を上手く利用でき、結局振り遅れての空振りを取った。見届けると、グラブを拳でぱちんと叩いた。
2アウトとなって森岡、初球外角低めに滑り落ちるフォークを引っ掛けて二ゴロ、不規則バウンドとなって上本が一度こぼすが一塁間にあってアウト!歳内の好リリーフで壊れかけた試合を立て直した。
面白いもので次の回、タイガースの打線が繋がり、また代打良太の「併殺打」でチェンジのところがセカンド山田の悪送球で点が入り、さらに同点、逆転と繋がっていく。併殺崩しとまで言っては大げさだが、梅野がそこそこいいスタートとスライディングで山田に重圧をかけられていたこと、鳥谷の逆転打で二走今成がすばらしいリードとスタートを切っていたことも挙げておきたい。もちろん隼太、今成らのバッティングも素晴らしかった。これらはすべてマウンド上で溢れるような闘志を発散させて、力一杯の投球をした歳内が引き出したものだ。
打つべき時に打ち、守るべき者が守り1点差逃げ切り勝利。その瞬間、歳内に嬉しいプロ1勝目がもたらされた。おめでとう!初勝利に相応しい投球だった。阪神タイガース「新チーム」へようこそ!
コメント
toraoさんの二神に対する愛情がひしひしと伝わります。次回はガンバレよ二神!
ニューヒーロー、アッパレ歳内!
正直4月にボロクソだった歳内を見て「プロの投手としては厳しいのかなぁ」と思っていましたがとんでもない、この人はストレートがある程度走ればスプリットが素晴らしく機能しますねぇ。
あそこで一本打たれたらゲームが決していただけに、最高の仕事をしてくれました。
高校野球の季節で「輝いていたあの頃」を思い出したか本当に痺れる投球でした。
打線もよくカバーしました。
無愛想ながら、猛暑にも負けず黙々とゲームに出続ける鳥谷はまさに鉄人!
決勝点になった打球も鳥谷らしくダウンスイング→ライナー性でククッと伸びる素晴らしい打球でした。
緑ユニもさすが男前、一番似合う!
余談ですが東海大相模の豊田君、何とかツバをつけて「虎の恋人」にできないものか?!(笑)。
初回2点取られラジオを消して ふてくされたオレ。深夜に結果を確認してビックリ。我慢して聴いてりゃよかった…
今日はいつもより長文お疲れさまですo(^-^)o
二神はどこを目指すしてるのか?
まあだいたい誰々二世というのは劣化コピーにしかならないのだが….
まさか鶴のように藤川球児を目指してるのではないだろう。
同じぐらいの球速の中日吉見を目指したほうがいいと思うが。
いずれにしても二神には残念な結果だった。
まあ昨日は最初から二神と歳内でなんとかかんとか試合を作れたらいいと
思ってたんで歳内がよく凌いでくれた。
toraoさんの記事を読んでなんだか涙が止まらない(笑)
あの歳内がねえ…1イニング14球?ではあるけれど、これまた梅野と共に濃いドラマでした。
二神もきっとやれば出来る子なんでしょう。歳内の直球・スプリット見たいな武器を身に付けてくれば…もう精神面はヒゲ21様に聞いて下さい(笑)
久しぶりに野球マンガのような「どりゃぁぁぁ〜!」なマウンドを観させていただきました。
初勝利おめでとう、パピー!
頑張れ能見さん!
準備万端のズバズバ継投は見応えありました。
若いパパの大一番お見事でした!
あそこは金田でも山本でも抑えられなかったかも?
歳内の良さが光った11球でしたね。
その裏良太のボテボテゴロを悪送球を招かせた梅ちゃんのスライディングにも
拍手を送りたいと思います。
他の誰とも違うリードで勝ち取ったこの勝利は若いバッテリーにとっても
一勝以上の価値があるものに繋がるでしょう。
2回3回は立ち直ったと思ったんですがねぇ・・・
二神は今回の結果を受けて、これからどういうスキルアップを目指すのか。
もう一度チャンスを上げて欲しいです。
持ってるものは良いんだから。
歳内はナイス火消し&祝初勝利!
ヒーローインタビューでも言ってましたが、対山田には高校時代甲子園でホームランを打たれているので
一方ならぬ思いがあったんだと想像します。
暑い中、引き継いだ中継ぎ陣も強力打線相手に頑張りました。
最近榎田がいい感じですね。
右足を上げた時に、シャンと背筋が伸びて軸足に体重が乗っかる感じで。
疲れてくると、すぐ背中が丸くなって肘に負担のかかるフォームになるので要注意なんですが。
もう一度先発に返り咲けるように、結果残すしかないね。
さて今日は悩めるエース能見。
先制点を奪って、久々の白星をプレゼントしたいところです。
歳内クン、梅ちゃんのバッテリー、本当によくやってくれた。ピンチの裏にチャンスあり。よく言ったものです。良太のゲッツー崩れ、ともかく打ったからゲッツー崩れにつながった(ちょっとムリか)
そこで数ゲーム出なかった押し込む力が出た。鳥谷の打者一掃、関係者一同、梅、上、今成、全員野球でした。
ちょっと危ないごヒイキ榎田、安藤さん、福原さん、呉さん、ありがとう。
歳内投手にやっと高校時代の輝きと言うか闘争心満点の好いマウンドさばきでしたね☆ 去年は同期の松田投手に先を越されましたが両投手共にまだまだ可能性を感じる好い投手だからこれからも投手の原点である逃げない気持ちでマウンドを守って欲しいと
ken3953さん、トラ11さん、ありがとうございます
あの日スタメンを見た気持ちを親子目線で綴ってみました
「売る虎」は他のチームに活力を与え「買い虎」は金額に見合った選手が入らない我がタイガース
「育てる」よりも「出来上がった(ピーク過ぎかけ)」選手を集めるチームだから、しゃあないか
さて昨日の試合
岩田は「俺も梅野に投げたかったなぁ」って思ったことだろう
梅ちゃんが座ってるだけでチームに太い芯が見える
過大評価ではなく、間違いなく屋台骨
和田氏、いい笑顔だったなぁ!
「放送席、放送席。それでは、こちらから和田監督のノリツッコミです」
「まさかね。あそこで無失点で…まさか言うたらアカンがな!」
「放送席、放送席。以上です」
繰り返すが、いい笑顔だった!
職場の同僚(阪神ファン)と話し合った結論
「鶴岡の出すサインにはパスボールが、あるらしい」
首を振れピッチャー陣!
勝ち越しだタイガース!
能見への援護射撃を!
二神は残念でしたが、ランナーを出すと弱気の投球。
もともと良いものを持っているから先発のチャンスがもらえたのです。
精神面を克服して是非先発ローテの一角を任せられる投手になって欲しい。
歳内は無死満塁のピンチを凌いで初勝利、おめでとう!
この修羅場をくぐった経験がこれからに生かされることに期待が大きく膨らみます。
今日こそ能見に勝利を!
村中から打ちまくって援護を!
いつも通りの席で観戦、二神に付いては結果が見えていたけどこちらの思いを裏切るような好投を見れるかと言う淡い部分もあったが二神は二神、下で見ているのと何ら変わらん、出て来る人と言うのはこういう時に光るもの見せるのだが。
歳内は押さえた次の回が正念場と思っていたが、打順も廻り結果逆転で勝利投手となったので、
また次回期待してみたいが本音は押さえた次の回の投球を見てみたかった。
伊藤隼太、守備は分かっているが走塁センスももっと上げないと残れないと思う、相川が弾いているのに行くそぶりもない、今下にいる選手の大半が走塁と守備を疎かにしているのでは無いかと常々思っていたのだが、これも下の試合見ているのと何ら変わりなし
本当に大化けして良かったと思わせてくれる選手が増えて欲しいものだ
歳内は最も期待していた部類なんだけど
なかなか抜けてこなかった。
確かに最近は調子も良かったのだろうが
昨日の場面は逆に気楽にというか、あまり
考えずに投げれる場面だったのでラッキーだったと思う。
とはいえ、ファン以上に初勝利が遅かったと歳内本人は
思っているハズだがあのような形で初勝利を挙げた訳だし
今年の岩田のように1つの勝利をキッカケに飛躍すれば良いと願う。
二神は可哀想だが無理だと思う。ついでに
白仁田も。あの球威とコントロールではって、もうとっくに見切りをつけて良かったハズだが。
去年、サイドハンドで意外に良い感じだったのに何故戻したのかな。
昨日の印象では、二神は先発より、3イニングくらいのロングリリーフタイプではないのかな?
プレッシャーがあまりかからず、先発が早い回で降板してしまったような試合で力を発揮しそうな感じがします。
その辺の投手も金田同様に競わせたら良いと思う。
歳内君初勝利おめでとう。
あの投球が長いイニング継続出来るようになれば、先発も見えてくる。頑張れ!
榎田は先発より中継ぎの方が向いてるのかな?近い将来、岩崎や岩貞など左の先発は、岩田含め
『トリプル岩』
で何とかなりそうやし、左の中継ぎは貴重!肘に不安を抱えてるのは承知してるが、今の起用法は間違いやないと思う。
さあ今日は能見!
以前掛布さんもおっしゃってましたが、これから如何に能見で貯金を作るか。
前回の登板は良くなりそうな兆候があったので、8月の能見の逆襲を願う意味でも、7月最後の登板は重要だと思います。
今日は絶対落とせない!頑張れ能見!
昨日マウンドに君臨していたのは誰やねん?鳴尾浜で観た弱々しさは微塵もなく、堂々投げる姿は頼もしくさえあった。
せやけど真価を問われるのはこれから!覚醒した歳内を刮目したい。
あと二神。君もできる!信じている!応援している!
歳内、プロ初勝利おめでとう。
二神は残念でしたが阪神の勝利は普段でも嬉しいですが歳内、梅野と若手選手が活躍しての勝ちは格別嬉しいです。