はじめに。昨日は予定していた更新をしませんでした。ごめんなさい。日本シリーズまで時間がありますので、じわじわやります(笑)。
日本シリーズの相手決定戦は、ファイターズが「稲葉さんパワー」からのシフトチェンジで驚異的な粘り、決着は今日の最終戦へ持ち込まれた。聞けば、ホークスはビールかけの準備万端、3位通過のファイターズは日本一まで胴上げ&ビールかけまでとっておく方針とのこと。2位通過からクラシリを制覇したタイガースも胴上げ、ビールかけをしなかったが、個人的にはとても良かったと思う。和田監督がインタビューで「あくまでもセ・リーグのチャンピオンは巨人」とリーグ優勝に敬意を払うことは、クラシリという「不完全な戦い」を行っていく上での前提事項だから。現実問題としては、半年以上も戦って勝ち取ったリーグ優勝の喜びを、その直後に、たった6つの勝利(今回タイガースは5つの勝利と1つの引き分け)で上書きしてしまう恐ろしいものだ。だから派手な祝賀をしないのが好ましい。ただ選手たちには、どこかでこっそりシャンパンファイトをやっていて欲しい。次への弾みになる「中間の祝賀」に相応しいようなやつをね。ま、それはこちらの関知することではないね。
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「シーズン中、勝負どころで勝てなくて、ファンの皆さんには歯がゆい思いというか、悔しい思いをさせました。今日やっと少しだけお返しできたと思います」
「今日来てくれた皆さん全国のタイガースファンの皆さん、本当に温かい、熱い、ご声援ありがとうございました。日本シリーズもチャレンジャー精神で大暴れしてきたい」
日本シリーズ進出を決めた、ファイナル第4戦の試合後、優勝監督インタビューで和田監督が声を張った。監督の言葉通り、選手たちの活躍はめざましかった。だが、迫力ある強い声でファンにまっすぐ思いを伝えた和田監督自身が、このシリーズでもっとも活躍し、これまでとの違いを表現できた男だったと思う。
ファイナルの試合前、「暴れてこい」という言葉で選手を鼓舞したという。監督自らの決意だ。球団上層部の意向、ファンの反応、コーチや選手の気持ち。それらを破綻なくまとめようとし過ぎて、生来持ち合わせる鋭い闘志が行き場をなくしてとぐろを巻いていたようだった。和田監督の監督生活3年間は、内側にため込みすぎていたように見えた。
ファイナル4試合、和田監督の采配は素晴らしかった。これまで「破綻させないこと」に重きを置きすぎ、それが「判断が遅く、後手を踏む」「動かないことによる硬直化」「抑揚がなく勝負所での集中力不足」そんな状態に陥っていた。収益をもたらす2位の確保、来季続投の正式要請、ファイナルの相手は相手はチャンピオンであり宿敵…余分なことを考えなくていい状況の下、ようやく和田監督の「色」が現れ、それがチームに行き渡った。勝負への集中力も尋常ではなかった。第2戦、西岡の打球がロペスのミットをかすめたのではないかと抗議に走った和田監督の反応は、シーズン中にはあまり見られなかったものだ。「闘志をたぎらせ、攻める時は迷うことなく一点突破せよ」。それがもっとも現れたのが、ファイナル初戦、そしてこの第4戦の1回表、「立ち会いのぶちかまし」だった。
試合の前から、1回表の重要性が非常に高い試合になっていた。3連勝してはいるものの、過去の経験則から「こんなもんじゃない」「一つやられれば、一気にいかれる」と、過剰なまでに警戒せざるを得ないのがジャイアンツ。先手必勝、先攻めの立ち会いの良さから第1戦、勢いに乗って第2戦ととったが、前の試合では先攻を許してしまった。真剣勝負から離れ、試合勘を失っていたジャイアンツが目を覚ます予感はある。先発投手はと言えば、レギュラーシーズンでまったく打てていなかった小山が相手。こちらはジャイアンツに勝てていない能見。1回の攻防でどんな雰囲気が醸し出されるかが重要だったのだ。
そこでタイガースは見事なぶちかましを決めた。それを可能にしたのが「カバーリング機能」が働く打線。1番西岡はムードメーカー、声と表情でチームの空気を作れる男。ここは凡退したが、2番上本、チーム盗塁王が三塁強襲内野安打で出塁、1番をカバーする。1,2番のどちらかは出塁するという調子良さがある。
3番鳥谷、チームでもっともアウトになりにくい最高出塁率争いの常連は、高性能かつ多機能、打線のキーだ。状況により、1,2番の補完としてチャンスメーク、拡大の能力があると同時に、クリーンアップの先頭として走者を返すこともできる。ひざの状態が万全ではないらしいが、試合になれば守備でも走塁でも一切それを見せない。「凄みはないが常に高性能」それが鳥谷の凄みだ。ここは詰まりながらも中前に落とすヒットで一死一二塁と好機を拡大する。
4番ゴメスは打点王。三振も多いが、スコアリングポジションに走者がいると集中力が増す。特に非常に粘っこい打撃で、変化球に食らいつくことができるようになる。ここも小山得意のフォークに食らいつき、ファールで粘ったが、最後は高めの直球に反応が遅れ、空振り三振で二死一二塁、バッテリーに裏をかかれた。
5番マートンは首位打者。相手投手の持ち玉を把握し、的確な状況判断で狙い球を絞る。いかなるコースでも理想的なポイントでボールを捉えるバットコントロールが確立されている。集中力が高まっていれば、より思い通りの打撃ができる。ゴメスが倒れて二死一二塁、取るか残すか、大事な初回の先制機、マートンの情報処理機能は極めてシンプルに働いていた。狙いはカウント球として使っているストライクゾーンに来るフォーク。2球目、それが甘く来る。ゴメスへの投球をたっぷり見て、タイミングは取れていた。ジャストミート。打球は打った瞬間それとわかる弧を描いて左中間スタンド深くに飛び込む。先制スリーランホームランという大きな仕事を素直に喜ぶリーディングヒッターをベンチのチームメイトが気合いの入った笑顔で迎える。この一打で、タイガースサイドの数限りない心配事のうち、半分以上は消えてなくなった。
6番福留、生き返った男。今季終盤のタイガースの開き直りは、福留の開き直りなのかも知れない。態度や表情から感じられたのは、「意地」「プライド」。二軍落ちを契機に、そんな孤独な戦いに終始せず、フォア・ザ・チームに徹するようになった…もちろん体調、コンディションの上昇が復活の主原因だろうが、チーム内での存在感に変化があったように見える。1st ステージでのマエケンからの一発、前日の代打同点タイムリー二塁打、そしてこの日この打席、フルカウントからの高め直球に反応し、ライトスタンドに叩き込む。二者連続ホームラン、1回表の猛攻で4-0。この場所、この相手に限れば安全圏ではないが、初回立ち会いぶちかましにしては十分なリードだった。
(明日へ続く…たぶん)
コメント
パリーグも熱い戦いが続いていますね。
個人的には「どちらとやりたい」は無いですが、勝つ為には日ハムの方が組み易い感じがします。
toraoさんも書いておられる和田監督の「リーグ制覇の讀賣に敬意を払う」、そんな謙虚な姿勢がクラシリの素晴らしい采配に繋がったように思います。
さて日本シリーズの先発ローテはCS通りメッセ→ 能見→藤浪→岩田→岩崎→メッセ→能見でしょうか?
個人的には、短期決戦での経験が出来ていない岩崎は各ゲームの第二先発ロングリリーフに回し、お疲れ気味の能見を3戦目に、元気なメッセと藤浪を中心で回すメッセ→藤浪→能見→岩田→メッセ→藤浪→能見&岩田でどうでしょう?
打撃陣のスタメンは捕手以外はおそらく不動でしょう!
今成が間に合えば、残念ながら梅野はベンチ入りできないかもしれません。
いろんな妄想をしながらワクワクの1週間、キンモクセイが散る頃まで野球が楽しめる事に喜びを感じます。
昨日は浮かれまくり、大阪往復の切符を手配した後、昼間っから祝杯をあげ、5時頃にはマーライオン状態→6時には寝ていました。今朝は心地よい頭痛です(笑)。
各スポーツ新聞紙上もこのCSでの和田采配の積極性にビックリしてる記事が多数でている。私もそう思う。短期決戦は動くことがポイントで和田本人も決戦前から宣言していた。なぜペナントレースでこの采配ができなかったか?要は沖縄キャンプを中心にエンドラン、盗塁、走塁などの練習不足につきる。練習量が少ないからどうしても長丁場のペナントレースではこういった積極采配ができない。日本シリーズも是非積極采配で突破してほしい。
本日デイリースポーツ阪神CS突破特集号(350円)が発売されます。
和田さん、和田ちゃんに戻らないでね♪ いやあ〜本日も実に清々しい朝ですね。
第4戦のぶちかましはあの忌々しい(笑)レフトきょずん応援席へマートンが!
ライト本丸席へ福留が! あとは一塁ベンチにファール球をぶちこめば完璧でしたね(ウソ)。そしてあの男も・・・CS突破を記念して?息子に私のメッセユニをぶん取られました(笑)。
ありがたや 家族をつなぐ タイガース くだらない一句でした。トホホ・・・返して(涙)。
何となく釈然としないものがあったのですが、もう切り替えて、『行くで!日本シリーズ!』胴上げ
すみません。途中で送信になってしまいました。
胴上げヘ!一直線!ってコメントしたかったんです。
toraoさんの文章でCSクライマックスの興奮がよみがえりました!
あとは、、、甲子園チケットあたってくれ~
CSクライマックスて、、、orz
攻撃こそ最大の防御なり。
1年通じて、戦う戦術としてはどうかなと
思うが短期決戦、それも相手は絶体王者。
守って勝てる相手ではない。
第一戦の初回、上本のバスターエンドラン
(決まらなかったが)の一手が最終的に
四連勝の快挙を生んだと思う。
個人的には第三戦のライトスタメンに良太を
起用した采配も結果はでなかったが評価したい。
この姿勢が来期のペナントレースでも続く
ことを願ってやまない。
いやはやいやはや、年齢と共に二日酔いが長引く今日この頃です!!
パリーグファイナルS、壮絶な試合で今日の6戦まで縺れました。
全体が真っ赤に染まったスタンドの中に柵で区切られわずか少数の
日ハムファンの声援を背に受け延長逆転勝ちでしたネ。
2位オリックスを倒し、パ覇者と互角に戦う日ハムは怖いです。
25日(土)から始まる日本シリーズ、相手がソフトBなのか
日本ハムなのかどちらにしても一筋縄にはいかないような気がします。
がんばれ阪神タイガース!!
振り返ってみて今年の戦力からしてcsでの勝ちっぷりはある意味当然かとも…先発4枚が確立されクリーンナップも一年間ほぼ不動…多少の故障者も出たがこの戦力で勝てなかった問題点を分析しつつここ一番の試合ではcsでの戦い方を参考にし来季こそは真のペナント奪回をして欲しい!
ここ数日間でのトラオさんのタイガース奮闘記を楽しみにしときます!
まさに混パの今季を表しているかのようにCSも最終戦へ決着は持ち越し。日ハムのチーム力その中に引退は早すぎだろ!稲葉!(引退する選手があんなに何回もチャンスで打てるかいや)持ってる男中田翔!
球団の顔になった大谷!
僕は日ハムに来て欲しいです!
日本シリーズで藤浪対大谷とか熱すぎるでしょ!!
大阪桐蔭対決も見れますし!!
日ハム頑張れ!!
シーズンオフは先発投手の補強を!
金子、山井、有原君全てタイガースに来ないかなぁ!
和田監督は変わってない!あくまでも今の采配は短期決戦用!来季になれば今年と同じ采配になると思う。シーズン中と短期決戦は違う。
メッセンジャーも能見もシーズン中なら続投していたはず!
今の采配をシーズン中にしていたら、選手は潰れる。まず中継ぎ陣がもたない。
若干の積極性はでるかもだが、簡単に自分の意思を曲げる男ではないと思う。
こんにちは。
金子投手、山井投手を補強するとなれば人的保障が発生しますね。報道によると、楽天の嶋捕手、日本ハムの宮西投手がFAを行使した場合は獲得に乗り出すとのこと。来てもらうの有り難いけど、代わりの選手を差し出すのは少々痛いですね。変な言い方になるかもしれませんが、お金で解決していただきたいところです。
さて、有原投手を始めとするドラフトの目玉選手は、当然の如く競合となるでしょう。和田監督の強運を信じたいところですが、運を殆ど全部使ってしまうとなると、日本シリーズが心配になってしまいます。
ファイナル制覇後和田監督の言葉に感動したのが甦り、今朝もトラオさんの力ある文章を涙しながら読みました。
ファンの批判、激励を受けながら監督業としてどのようにチームを率い采配していくかを謙虚に学んでいったのか、開き直った結果なのか。
さて日本シリーズはソフトバンクが来るのか日本ハムが来るのか毎日試合を観ているのですが全く分からなくなりました。
青空天井の金額で選手をあちこちから獲ってきたソフトバンクに反発し、最後となる稲葉、期待のかかる大谷側の日本ハムを応援していましたが、勢いある日本ハムのほうが手強いように感じてしまいました。
とにかく、和田采配がどのように機能するのか土曜日が楽しみでたまりません。
感動的な試合後の和田氏のマイク。
CSファースト開始時から背中に「YKK」のチャックが…!!
中身は誰だ!?
CSから中身は菅野徹という人物が入っていたらしいです。
食事の時はフナッシーみたいにイリュージョンを使うみたいです(笑)。
虎ジジィ様、参りました!
ソフトバンク来たぁ!
いや~昨日の大谷君!2回の彼は”中の人”ハンカチくん?(笑)
でもなんとか立て直しチームも土俵際こらえ仕切り直しの大一番は本夕
中6日で26の甲子園。VS藤浪で膨らむよ妄想は果てしなく~~~(^^)
あ~チケットplease(祈)
このCS6試合見ていて、やはり和田監督が変わったんだろうな、と思える。それが来年の監督要請を受けての腹が据わった事なのか何かは分からないが、とにかくベンチでの表情がドッシリして見えた事は確かだ。
やっと監督自らが熱くなってくれたのか?
就任会見で言っていた、少しのスパイスと言うフレーズ。あれは監督自身の事だったのでは無いのかとも思える。前監督から今までと、03、05年を比べるとベンチ内での熱量が圧倒的に足りなかったのは見ていても感じた事。恐らく中にいた選手達にはもっと感じられたのではないか?
前にも書いたが、部下は上司の態度はよく見ている。どれだけ目標に向かって一途に熱くなれるかと。
そう言う面ではCSでの和田監督は素晴らしかったと言えるんでは無いでしょうか。昔を賛美する訳ではないが、星野、岡田時代には見られた光景。これが無いのは戦う集団として少し寂しかったのは事実ですから。
後はこの良い雰囲気。ただの一過性の確変状態のフィーバーで終わるのか、それともチームに根付くか?期待して見ているよ、和田監督。
もっともっと「熱くなれ!タイガース!」
『和田監督の監督生活3年間は、内側にため込みすぎていたように見えた』
まさに我が意を得たり、であります。有難うございます。やっとすっきりしました。
パ・リーグのCSクライマックスは熱戦続きで凄いですね。確かなことは、ソフトバンクと日ハムのどちらがでてきても強敵であることですね。
セ・リーグのCSクライマックスで個人的に印象に残っているのが最終戦になった4戦目で9回に呉昇桓が打たれた時に和田監督が自ら、マウンドに行って呉昇桓に言葉をかけた場面でした。何を言ったのかは、わかりませんが自ら言葉を発したことに意味があった感じがします。
Toraoさんご指摘どうり、直近の和田監督の采配は以前とは大違いでした。これが本来ならば、来季も期待出来ると思います。但し、cs6試合は敵失(特に巨人)にも恵まれた面もあったと言わざるを得ないと思います。この勢いで日本シリーズも戦って欲しいです。
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