黒田ショックから思ったこと

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昨日のニュース「黒田カープへ電撃復帰!」は、ファンを含めた野球界を激しく揺さぶった。そこで私は井川のことを少し考えていた。

「セ界最後の20勝投手」井川がなぜMLBに行ったとたん活躍できなくなってしまったのか。あっちのコーチの指導がどうとか、投球スタイルが合わないとか、体調がどうとか、海外での生活になじめなかったとか、いろいろ伝わってはいたが、本当の理由を私は知らない。渡米前、あれほど安定した成績を残し、類い希なタフネスを発揮していた左腕が、まだ働き盛りの35歳なのに「たそがれ感」を漂わせてしまっているのが寂しい。

井川は高卒4年目の2001年にローテに定着し、リーグ最多の28試合に登板して防御率2.67。チームが弱すぎて9勝13敗だったが、普通のチームなら少なくとも勝ち負け逆だったろう。それ以来最後の2006年シーズンまで、先発ローテをきっちり守り続け、二ケタ勝利を楽々越えている。その6シーズンのうち、4季は200イニング以上を投げ、残りの2季も190回、170回をクリアしている。最多奪三振が3度。本当に、本当に輝かしい成績だ。黒田も立派な成績だったが、井川はもっともっと凄かった。

約30億円のポスティングで球団への恩返しもすんで、達成してしまったということなのか。結婚を機にあらたな価値観の中で生きているのか。もともとよくわからない井川だからその気持ちは知る由もない。

「思ったこと」というのは、カープとの違いだ。もし井川がアメリカで黒田のように成功を遂げていたとしたら、井川が阪神に戻ってくることがあっただろうか。もし黒田が井川のようにアメリカで失敗していたとしたら、黒田はどのような形で日本に戻ってきていただろうか……だ。

今回、広島が称賛されたのは、黒田は必ず戻ってきてくれるものだと信じて疑わずに行動をし続けていたこと。おそらくファンもまったく同じ気持ちでいたのだろう。黒田をしのぐ貢献をしてくれていた井川に対して、タイガースは球団もファンもどういう気持ちでいたのか。それと照らし合わせて、やはり広島を尊敬するとともに、自分を含めて感謝の気持ち、応援する気持ちが欠けていたように思った。

向こうでの失敗のことは気にするな。もう一度甲子園のマウンドに立てば、「あの井川」になれる。その前に虎風荘にご飯を食べに来たらいいじゃないか。そんな阪神タイガースであれば良かったのにな。そんなタイガースファンでありたかった。「いまさら」すぎだけど。

コメント

  1. 虎ジジィ より:

    背番号を空けて待っていたカープもさることながら、20億円以上のオファーを蹴って4億円で古巣に恩返しする黒田には強い「男気」を感じます。

    井川は鳥谷と同様に日本でも「タイガース愛」というよりも、一プレイヤーとしてプレーしていた感じだったので、タイガースに戻るイメージはありませんでした。
    アメリカで何故成功できなかったのかは、素人の私には全く解りませんがアメリカでは「ジャパンのタイガースはろくな選手をよこさない」と揶揄されているようなので、もし鳥谷のアメリカ行きが決まったら活躍を期待します。

    それにしても、敵ながら黒田の男気はアッパレだ!!

  2. 阿太郎 より:

    鳥谷が残留しても今更感が強く喜べない。腹括ってメジャー挑戦して下さい。

  3. yalkeys より:

    Toraoさんのご意見はいろいろ考えさせられる内容を孕んでいます。鳥谷が残留しても黒田の広島復帰とは明らかにニュアンスが異なります。タイガースには黒田はいなかったと言うこと、黒田を迎え入れるバックグラウンドも無かったと言うことではないでしょうか。

  4. 虎っしー より:

    僕も戦力的なことや営業面を考えると鳥谷には阪神にいてもらったほうがいいのですが、個人的にはメジャー挑戦をして欲しい気持ちがどんどん増えて居ます。
    阪神に残ればやっぱり金かと思って叩き出す人も居るかもしれません。メジャーから正式に2塁手でオファーも来てる様なのですが、答えを出すのを来年まで待って下さいと言っている鳥谷自信相当悩んでいるのでしょうか。
    広島を引き合いに出す訳では有りませんが、それこそ向こうで失敗しようが成功しようがまた阪神に戻ってきてくれる事を信じて見守るしかないですね。

    井川が活躍していた頃は僕はまだ高校生とかでしたが、井川=阪神のエース、井川=球界を代表する左腕って感じでした。近年の井川は確かに成績もパットせず、その個性的なキャラで更にモヤモヤする日々ですが、また縦縞をきて甲子園のマウンドで投げてくれたらいいのにと思うことが良くありますよ。

  5. 金沢の虎 より:

    井川が出て行った頃は、それでも毎年優勝かAクラス争いしていたタイガース。かたや黒田が出て行った頃のカープは毎年最下位かBクラス争いでしたが、そこにも去って行った選手への想いが違ったのかも知れませんね。

    良く言えば過去よりも楽しい今を夢見る事が出来た。悪く言えばそれによって自分達が応援してきたものまで忘れ去った。

    ただ、これは球団も同じ。どちらかと言うと罪が重いか?出て行った選手の背番号を直ぐに他の選手に与えて、まるで「無かった」かのようにした。最近では井川の後を小嶋、球児の後はスンちゃん。勿論、背番号は球団の所有物だからどう扱おうとどうこう言われる筋合いも無いのだろうが…。

    個人的には、出て行った選手達もいずれは帰って来て欲しい。藪がコーチとして帰って来てくれた時は本当に嬉しかった。球団には、タイガースにいただけでは決して味わえない経験を積んだ選手をもう一度迎え入れる度量を持って欲しい。藪なんてコーチとして一度だめだったからお仕舞いでは無く海外での貴重な経験を今度はタイガースに還元する、そんな機会を与えて欲しいですね。

  6. TJ風船 より:

    カープ球団、ファンの誠と黒田の誠に1ミクロンのブレがなかったのでしょう。裏事情なんて知りませんが、カープ球団、ファン、選手共に謙虚に熱く野球を追い求めている印象です。
    私はてっきり井川は阪神ファンに嫌気が差したのだと思ってました。出来る事なら今からでも帰って来ていただきたいです。お隣の大阪の球団に在籍しているのは井川なりのアレなのかなぁと考えたりもしました。

  7. 西田辺 より:

    ファンの歓迎の度合いは違えど、新井も黒田も戻った。
    しかも黒田に対しては、15番をずっと空けていたと言う。
    黒田にしても、年俸が4分の1とも5分の1とも言われる世界に戻る。
    お互いの球団愛と執念に感動すら覚えます。
    井川の話題が出ましたが、タイガースから海を渡った選手で現役選手として
    戻った例はまだなかったような・・・。
    今、球児が新しいチームで復活を賭け、鳥谷が可能性を探っている。
    将来彼らが日本に戻る意思を示した時、果たしてタイガースはその選択肢に
    入れるのだろうか?
    少なくとも今は、そういうチームではなさそうではあるけどね。

  8. としとまき より:

    今日のトラオさんブログには私自身非常に思うところがあります。広島に復帰した黒田の男気ももちろんですが、背番号15をあけてずっと待っていた広島球団に阪神にない選手に対する愛情を感じました。あれだけ阪神のために尽くしてくれた井川の背番号29もすぐに小嶋に渡し、同じく藤川球児の背番号22も呉に渡した。古くは掛布の31も萩原に渡した。背番号は選手にとって分身であり思い入れが非常に強いもの。この背番号の例からもわかる様に阪神は選手に対して本当に冷たい。今年の補強でことごとく失敗したのは外から見てても選手自身が阪神の冷たさを感じたからだと思う。フロントが納会や仕事納めでなんぼかっこいいことを言っても実際所属する選手がどう感じるかが大事で、口だけやなって感じてしまってるんではないだろうか。時間はかかるが80周年の今年こそフロント、選手が真の意味で一致団結して結果をだしてもらいたいです

  9. 虎蜂 より:

    私の中では井川は長いイニングを投げてくれる反面、安定感に欠けるイメージが強く、黒田よりも良い投手という認識はありませんでした。

    ただ、JFK全盛だったあの時期に完投が期待できる井川は間違いなくチームに欠かせない存在だったと思います。体が強く、怪我をした記憶がないところも素晴らしかったですね。

    黒田とカープの間では毎オフ相思相愛のニュースが出ていましたが、本当にそれが実現したことで黒田に男気を感じたことはもちろん、カープの努力とカープファンの熱意に感動しました。

    しかし、これは黒田とカープだから美談になって、井川とタイガースだとそういう風にはならないのかなぁと思うのは私がひねくれているのでしょうか(笑)

  10. サヨナラ3ラン より:

    黒田の広島復帰のニュースを知り、広島球団と選手・ファンの
    絆の深さを感じた。
    さて件の井川。
    私は長いファン歴の中で唯一、ナンバージャージというものを
    購入し応援したのが井川だった。
    初めて井川を見たのがプロ入り2年目くらいだったと記憶している。
    ハマスタでのナイターだったが、初回に先発投手がマシンガン
    打線の餌食に遭い、1回で試合が決まってしまった。
    確か井川は試合が決まった2回から投げていたが、その試合で
    大敗なんて、どうでも良くなるくらいの快投を見せてくれた。
    6イニング(だったかな)をゼロに抑え、その潜在能力の高さを
    示してくれた。その後の活躍は周知のとおり。
    プロ野球選手というのは人気稼業でもある。プロ野球選手、特に
    阪神の選手というのは本業以外のスキルも要求されると思う。
    その点で、井川はファンにお世辞のひとつも言えないような
    不器用な選手だった。
    しかし私は、そんな井川が好きだった。
    だからポスティングという身勝手ともいえる行動で阪神を離れる
    時も、阪神よりも井川本人を応援したいと思い、個人的には
    快く送り出せた。
    アメリカで全くダメだったことに関しては原因は分からない。
    ただ、引退までアメリカに拘ってほしいと願っていたし、
    出ていく過程を考えればアメリカ球界に骨を埋めるのがスジだと
    考えていたので日本球界に復帰すると聞いたときは寂しかった。
    だから日本球界復帰の時点で私の井川に対する思いは消えた。
    当然、阪神への復帰など絶対に認めたくなかった。
    ファンは人それぞれ。何が正しいかなんか分からない。
    暖かく迎え入れるのも正しい。でも私のように井川復帰を例に
    取れば、Noと言うファンも間違ってはいない。
    1日遅れましたが11周年 おめでとうございます。
    これからも的確で愛情あふれる記事を期待しております。

  11. 虎風 より:

    記憶違っていたらすいません。
    カープ時代の黒田がFAして、地元阪神に来る!みたいな流れになっていた時に、当時の広島市民球場に驚くばかりの背番号15のビッグユニホームがかがげられ、残留の一因になった、というニュースを思い出します。
    井川も鳥谷もビッグユニホームをスタンドにかがけたら、メジャーに行くことを思いとどまる、もしくはメジャーから阪神に帰ってきてくれたでしょうか?
    黒田はカープファンにとって、唯一無二の存在なのでしょう。
    ひとつ言えることは、来季のカープは手強い!でも倒しがいあります!

  12. ヨシハル より:

    鳥谷がどうなるかは未確定ですが、あと1ヶ月ちょっとでキャンプインです!
    2015年スタート、楽しみです!

  13. なかっち より:

    新井と黒田の違いって何ですか?
    新井は広島ファンに相当叩かれてました。同じFAで出て行った選手ですよ!

    帰り方が違うからかなぁ?

    井川の件ですが、アメリカで成功出来なかった理由はわかりません。しかし1度海を渡ったのなら、引退するまでアメリカにこだわって欲しかったです。

  14. トラ11 より:

    黒田はメジャーへ行っても、自信はカープの黒田、カープのファンの黒田という意識を持ち続けたのでしょうね。
    メジャーへ挑戦するのなら頑張れ!と球団もファンも応援できた。
    国内の他球団へ行ったのならきっと応援は無かったのかも。
    阪神タイガースもメジャーへどうしてもと言って引き止めることのできない選手を出すときは応援して出してあげたいですし、帰ってくる時はタイガースへという、その後のフォローも必要だと思います。

  15. こうさん より:

    新井の兄ちゃんを穫ったことへの広島ファンの憤りが黒田獲得で中和される…なんて思う、ひねくれ者の俺。
    鳥谷が海外に行ったとして、もしも帰ってくるとしたらウチなのかな…。
    バリバリに大和がショートで活躍してたら…。
    セカンドには生え抜きが定着してたら…。
    鳥谷が40間近だったとしたら…。
    監督が関本だったとしたら…。
    「受け入れらんないよ!」というファンが大多数だったとしたら…。
    「タラレバ」で書いてみたが、井川は甲子園の温かさも厳しさも知り尽くしてたから、怖くて戻れなかったのかな。
    新庄に聞いてみようか。

  16. 英くん より:

    広島カープと黒田は日本球界でも希な球団と選手だと感じます。
    井川と阪神を比較なさっていますが阪神に限らず他の11球団が普通の球団で広島は特別な球団ではないでしょうか。
    同じ、メジャー帰りである元西武の松坂と中島は西武の獲得打診を断って同一リーグのソフトバンクとオリックスに入団しました。西武のファンはどう感じているでしょうか。
    広島カープと黒田は私も尊敬しますが比較をする必要は無いと思います。

  17. 熊虎 より:

    黒田投手について
    広島ファンへ率直に「とても羨ましい」。過去に横恋慕を入れた球団のファンから見て、毎年メジャーの一線級の戦績を残す元所属投手へダメモトが当たり前でもラブコールを送り続けた球団と、40歳の年齢までエース級の実力を示し続けた選手が、相思相愛の関係で5倍の年俸を断って国内球団はおろかメジャーの熱烈な誘いを「現役最後の選択」として古巣に戻るなんて・・・阪神ファンの立場を忘れて感動する。
    心からおめでとうございますと言いたいです。広島ファン・球団・黒田投手ご本人の幸せな関係に祝福を!

    井川投手について
    藤川投手も井川投手も久保田投手も矢野捕手というスーパーキャッチャー抜きの実力・・・というより投手としての才能の開花はどうだったのだろうか?と思わずにいられません。矢野捕手はやる気の失せた時のダレ具合はともかく、コントロールがアバウトな投手の最大限の能力を引き出す「良いボールを最大限に引き出し通用させる)リードと、ことストレートを要求するときの不動の意志の強いコーナーワークは別格でした。勿論、下柳や能見へのギリギリのコーナーを突くリードのパターン形成も別格でしたが、ともかく阪神での狩野・城島以降、MLB移籍以降のキャッチャーからの要求枠とピッチャーの能力発揮の(これまで慣れ親しんだ)枠が違いすぎて、普通のキャッチャーが彼らを活かしきれないこと以上に、彼らが普通のキャッチャーに苦しんでいるように見えました。一番適応しているように見えた球児でさえ、私から見たら球質と球道でフォームを分けて投じているように見えるくらいでした。
    恐らく矢野捕手の形作ったパターンは、井川投手に対して適当なボールでファールなどでワンストライク、地力を存分に出した荒れ球・特に高めのストレートで2ストライク・ストライクゾーンから消えるチェンジアップで三振ないしはゴロアウトで切ってとり、球児にはコーナーヘ決まる浮き上がらないストレートと変化球で2ストライクまでを整えて、最後のストレートを中腰で構えるパターンで三振を狙うなど、彼等の決め球を演出していたのではないでしょうか?
    演出家なきステージでもがいているのが球児で、開き直ったのが井川のように見えるのは一ファンの勝手な妄想かもしれませんが・・・。

    ちなみに私は黒田投手の復帰に際して思い起こしたのは、藪投手が全盛期をすぎて球団に義理を通した形でFA宣言して渡米し、短期間ながらメジャーで成績を残し、尚且つメジャーを退団後もマイナーや独立リーグを経て現役志向で日本球界に復帰後、阪神は現有能力への判断で手を挙げなかったものの国内他球団で嘗ての成績との比較では全く花を感じさせない成績で現役を終えて、直ぐに阪神のコーチとして古巣復帰を果たしたことでした。
    私は詳細は知りませんが、藪コーチの体型の変化も併せて現実的ながらも幸せな復縁に見えファンとして幸せな気持ちになりました。

  18. 虎見 より:

    この清々しくとても羨ましい黒田投手の英断‥井川投手オリックス入りは岡田監督だったからだと納得していました。
    メジャーからの復帰の仕方について、田淵さんや江夏さん、掛布さんがメディアへいつも下さる「阪神に育てて貰った」というコメント、イベントで必ずタイガースのユニフォームを着て下さっている事に、阪神球団とファンに対する恩義慕情を感じ長年とても誇らしく嬉しい気持ちでいさせて頂いています。掛布さんは事ある事に、田淵さんから教わった事継承を託された事をコメントされています。時代と選手の本質が、昔と変わったんだなと、少し寂しい気持ちで見ています。
    成功したか・野手と投手・戻るタイミングでの情勢等、様々要因は選手により異なるのだとは思います。他球団の選手含めて理由を考えいつも複雑な気持ちです。

    ファンが愛する選手達に、愛されるファンになりたいですし球団になって欲しいと願ってやみません。