思い切り半分、心情は変わらず1敗

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クライマックスシリーズ ファーストステージ第1戦は、マイコラスと藤浪の投げ合いでスタート。5回ウラ、マイコラスのタイムリーで読売が先制。さらに6回にも亀井のタイムリーが出て0-2。7回表に阪神が反撃、福留、マートンの連打、江越への代打俊介が送りバントで一死二三塁。ここでスタメンマスクの梅野がセンター左へのタイムリーで1-2、なお一死一三塁。続く藤浪への代打西岡が中犠飛で2-2の同点。試合は両チームリリーフが踏ん張って延長へ。最後は10回ウラ、安藤が一つ、高宮が敬遠気味含む3つの四球を出し、押し出しでサヨナラ負け。

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■2015/10/10 試合結果

対巨人 1回戦 東京ドーム

神 | 0 0 0   0 0 0   2 0 0   0 | 2
巨 | 0 0 0   0 1 1   0 0 0   1x | 3

勝:澤村1勝0敗0S
敗:安藤0勝1敗0S
阪神:藤浪 – 岩崎 – 安藤 – 高宮
巨人:マイコラス – 山口 – 澤村

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和田監督にしては先発メンバーは思いきった。1番に上本、2番今成、3番鳥谷、4番ゴメス、5番福留、6番マートン、7番江越、8番梅野、9番藤浪。とにかく「先に点を取って勝つのだ」というメッセージは発した。

2番手を岩崎で繋いだ。これもよく思い切った。ほとんどの先発試合で、一回り目は相手が間合いを取れずに直球で押し込めている。そこを活用した。これらは戦前のコメントのとおり、切り替えた戦い方だった。

ただし、試合全体に流れる「心情」は今シーズンそのまんま、4年間の和田タイガースそのまんまだった。ひたむきに、一生懸命、くらいつく。1点を大事に。失う点は1点でも少なく、奪う点は確実に。なぜなら勝ちたいからだ。その心情が試合を通じて流れていた。別に間違いではない。それによって生まれる感動はある。でも私が3位で借金ありなのにクライマックスシリーズに出ているチームに求めるものは、そんなものじゃない。

負けない戦いを目指してどうすんの。ここに来てまで破綻のない戦いだけやっていても、何も変えられない。ウケて、乗せて、盛り上げて、その結果、ラッキーが味方してくれれば、さらにもっと試合をやらせてもらえる、「盛り上げ役ゲスト」の身だ。今までどおりの野球をやるためなら、のこのこ上京してくる意味はない。そう思ったからこそあのスタメンで、岩崎ブルペン待機だったろうに。

江越へのピンチバンター俊介。見事作戦成功で同点に追いついた。筋書きどおり100点満点の結果を出した。この試合をなんとなく面白くしたキープレーだったことは認める。でも試合終盤の大チャンス、「まずは同点」では勝てない。それは今季も何度も経験したことだ。むろん追いつかれれば相手は悔しいし、焦る。だけど自分らはウラの攻撃で、なんといっても今季同じような展開で圧倒的優位に戦っている本拠地だ。それじゃ何も変えられない。

で、無死一二塁、打者江越のまま三振とか遊ゴロ併殺で、何か不都合はあるか。たぶんない。連打で大ピンチ、一発出れば逆転、繋がれてもそれが逆転の走者、そんな時にチーム有数のしっかり振れる打者を迎え、マイコラスの心理は「よしこの打者なら楽勝で三振だ」「ゲッツー取れるぜ」だっただろうか。むしろ和田監督の頭の中だけ「ああ、ここで江越じゃ三振だ」「いやいやゲッツーもあるある」だった。無死一二塁と一死二三塁、そんなに後者の方が同点にできる確率が上がるのか。現実に同点に追いついたのだから…というのは正しくない。江越が三振でも、併殺崩れの一三塁残しだったとしても、梅野がヒットを打ってくれさえすれば2点入る確率は相当ある。ポイントだったのは「重圧がかかった場面で梅野がヒット打てた」というところであって、その前にバントで二三塁にしてあったことにはそれほど大きな意味はない。それはもし一死二三塁で梅野が三振していたらと考えれば容易に想像がつく。

まあぐちゃぐちゃとまとまりがない文章だこと(笑)。何が言いたいか。この期に及んで、和田監督は「まずは同点にしておけば、すぐには負けない」となってしまった。まったく切り替えができていなかった。

ただ梅野のおかげで、西岡のおかげで、100点満点の結果が出て、同点に追いついた。しかもプランがはまって岩崎が7回ウラを抑えた。そして8回表、二軍戦で走れることも証明できた先頭1番の上本がヒットで出た。投手は今季、阪神戦以外では自信とプライドをズタズタにされた山口。レギュラーシーズンとは1本線を引いたこの場面、アウト一つをどう取るか、いや取れないかもという局面。確かに勝機はここにあった。

ここで今成に送りバント。いつも通りの戦いで和田監督が心の安定を覚える以上に、「あ、いつもどおりだ」と相手チーム、とりわけ山口が楽になった。とられても1点だ。今の阪神のリリーフなら攻撃が2回あって、最悪1点差なら、なんとかなりそうだ。そしていつもどおりなら、阪神はここで「その1点」を取れないだろう…。これが相手に与えた安心感だった。ここで勝機は去った。

こういう華のある試合だからこそ、走者を動かすプレーに価値が出る。ここで送って普通に1点取って、それで勝ちきれるなら苦労はない。ここで勢いに乗りまくって「5点取る」くらいの気持ちでちょうど良い。結果失敗して、アウトになって、この回0点で、はてそこで何か失うものってあったっけ?半笑いでやる試合を和田監督に求めるのは無理なんだろうか。最後くらいはと思ったのだけど…。

藤浪はまとまりとしては悪くなかったが、空振りが取れなかったところを見ると、球のキレはイマイチだったのかな。際どい球を見逃されると全部ボールという「3位チームペナルティ」に苦しめられた。意図的とは言わないが、結果的に解説者がうーんうーん唸るほど出ていた。もうそれはしゃあないこと。みんなが「なんであんたらここにおるん?」と思って見ているんだから。

だからこそ、「え?面白い戦いができるチームだからですけど、何か?」と、証明しなきゃいけない。それがクライマックスシリーズの存在意義であり、それを否定するなら参加しない方がいい。
伸び伸びと、腕を、バットを振りまくったらいいのに。そういう図太さ、図々しさを出す場所なんだから。「一生懸命、ひたむきに」は美しいし、感動も呼ぶ。でも往々にして負ける。それがまた判官贔屓を呼ぶのかもしれないけど、切り換えなきゃいけないのはそういう「心情」の部分だ。

コメント

  1. 虎ジジィ より:

    吹っ切れたのか、シーズン中とは違う攻撃的オーダーで臨んだ和田監督。

    中継ぎに 「先発でも一回り目までは完璧に抑える岩崎」を使ったのもナイス!
    現有戦力を惜しみなく使っての敗戦。
    ただ、確かに采配面でtoraoさんも仰るようにチラチラいつもの和田采配は出てしまった。

    結果的には互角に戦ったけど、やはり呉の不在も響いたか?!んー、仕方ない。

    最後も最高の守備隊形にしたけど、投手のストライクが入らないのだけは、高宮本人以外には どうする事もできない。高宮はシーズン中完全に抑えていた亀井への四球が痛かった。

    藤浪は投球に関しては普通に良かったと思いますが、投球以外の牽制やフィールディングは来季への大きな課題。

    細かいミスもあり、愚痴りたい事はたくさんありますが ここは飲み込んで、大好きなタイガースのゲームを楽しめている事を感謝します。

    野球の神様、できる事なら1日でも長く昨日のような、ハラハラドキドキなタイガースのゲームを楽しませて下さい。
    そして 私の第3戦のチケットを無駄にしないでください(笑)お願いします。

    • アリさんマーク より:

      同感です!第3戦、出来ればその後も…五歳の娘もマートンを見に行くと張り切っております!第3戦見たいです!

    • hattwun より:

      虎ジジィ様、アリさんマーク様。
      第3戦のチケットが無駄にならず良かったですね。応援も悔いが残らないように、そして現地観戦できないファンの分まで選手を鼓舞してください。
      熱い戦いで、勝利を見届けられればなお良いのですが。

  2. アルスタ より:

    「いつもと違う」がうまくいって「いつもと同じ」でうまくいかなかった。
    マスコミもファンも驚くスタメン。drもよーく考えてみたら極めて理にかなったもの。

    安藤、高宮を責めたいけど四球じゃなかったとしても打たれてたような気がするから責めないでおこう。

  3. 虎蜂 より:

    人間、ある日突然変わるということは難しいものだと思います。
    スタメンはマートンの状態が悪いから打順を下げた。戻ってこれたから上本を入れた。梅野のところの思いきりはよくわかりませんが⋯岩崎をブルペンに入れたのも単純にコマが足りなかったから。采配や戦い方、すべてにおいて何も変わっていません。
    でも、それが普通なんだと思います。昨日、いきなり今までと違うことができたら4年間で何かが変わっていたでしょう。今日も変わらず、選手の起こす奇跡に期待します。

  4. やっさん より:

    起床朝8時、試合開始午後2時・・・
    まるで小学生が早起きし遠足の集合時間まで身を持て余し行ったり来たり
    まるで檻の中の熊状態www

    さてシーズン中とは違い、藤浪 マイコラスの投げ合いは見所一杯、、
    スタメン梅野の3安打、攻撃重視のオーダーはさすが我が阪神。
    経過は岩崎と安藤のがんばりで延長戦へ・・・
    ところが2イニング跨ぎの安藤、私の記憶では先頭打者を塁に出すのは多い。
    結果10回裏 安藤1四球 高宮3四球で押し出しサヨナラ負けでお粗末な結末だ。
    層の厚さの違いって言ってしまえばそれまでだけど、一つ負ければ崖っぷち!!
    私の記憶違いなら詫びますが、昨日控え投手に岩田 能美の名前が無かった。、
    神宮のために温存???総力戦??短期決戦次は無いんだぞ。
    結果 豊チャンの同点野球は何も変わらずでした。
    救いは藤浪の意地と岩崎の出来、梅野の3安打!!

    豊チャン、最後なんだから 好きにせい~楽しんで来い~って言ってやれ!!
    もう私の心に豊チャンは居ませんが!!

  5. としとまき より:

    今年最後?の東京ドーム阪神戦を観に行ってきます。
    先発に梅野と江越を使って来年の阪神へ希望をもたせて欲しいです

  6. サヨナラ3ラン より:

    昨日のゲーム、記事は論点を6回の江越に代えて俊介の送り
    バント。
    そして7回の上本出塁でトライさせず今成に送りバント。
    ここに宛てているが同感です。
    和田の野球には面白味がないと言うのは今さらだけど
    せめて失うものは何もない今の和田阪神だから、今までとは
    違う野球を見せてくれると期待していただけに この状況でも
    和田は和田であり何も変わらんなぁと。
    この人には1発逆転とか 何かを一気にひっくり返すとか
    そんなイメージはないんだろうな。
    何かを変えるには動かすことだよ、和田さん。
    それが仮に失敗に終わろうが ここまで来たら どーでもいいじゃんか。

  7. 虎風 より:

    なんで江越に代打?
    しかも俊介で送りバントって・・・
    スンファンがいないのだから同点ではなく引っ繰り返してしのぎ切るしか勝ち目なかったのに。
    残念でならない。江越の育成にもつながらない。
    大事なCSは育成の場でもないし、相手にも敬意を欠いているかもしれないが、それでも代打でバントはない。
    以前名古屋で岡田さんが久保田に『めちゃくちゃやったれ!責任は俺にある』って掛けた言葉を江越に伝えてバッターボックスに送り出すくらいの器量が欲しかった。
    あ~愚痴ばかり。
    今日は菅野ーメッセンジャーかな?相手どうこうより今のメッセンジャーのモチベーションが試合の行方を左右しそうな感が。
    今はただ関本がバットを置く時が来るのが少しでも日延べされるよう勝利を願います。

  8. こうさん  より:

    昨日の夜に「いい試合だった」とコメントした自分が恥ずかしくなるようなトラオさんの文章。勝敗に目をつぶり、高宮の連続四球に目をつぶり、同点止まりの和田の野球に目をつぶり…。それでも「シーズンとは違う何か」を見せてくれたから、素直に「いい試合」と思った。ただ、やはり挑戦者になりきれない。大谷というピッチャーを打ち崩したロッテの「開き直り」。「空気を読めよ❗」という日ハムファンを凹ませたロッテの「開き直り」。下剋上Tシャツを作って一体感を作り上げたロッテの「開き直り」。それは「ここまでして勝てなかったらカッコ悪いな…」というネガティブさを全く感じさせない。タイガースという球団は「全員でクライマックス初戦突破」を望んでいたのだろうか?特に背広組。頭は来季へ、金本へ飛んでいたんじゃないか?いろいろ重なった読売に勝てない。スタメン野手(マイコはん抜き)に外国人が一人もいない読売に勝てない。原監督の目はヤクルト戦に向いていたのか?今日のスタメン、4番に福留か関本を望む。それは関本の「思い出作り」なんかじゃない。勝つための最善策だ。外国人のスタメンなしで戦ってみろよ❗それこそ挑戦者だよ。原監督も焦るから。メッセが先発なら梅ちゃんなしかな。ここも和田が試される部分。相性を優先して前日3安打の梅ちゃんを使わないなら、試合前に決まってしまうな。今までと同じ野球をしても、メチャクチャな野球をしても一敗は一敗。

  9. hattwun より:

    7回の攻撃、江越選手に代打を見てTVの前で義母がつぶやきました、「同点じゃ勝てないよ」。1死二三塁になったところで、「マートンに代走出さなきゃ」。
    現在の持てる実力は出し切ったと思います。選手たちの必死さも伝わりました。残念ながらこれが今年の到達点。勝ち切る為の何かを手に入れることは出来なかったですね。

    岩崎投手、いい経験ができましたね。この経験を来季の飛躍につなげてください。
    梅野選手、ナイスバッティング。この試合で先発マスクをまかせた監督のあなたに対する期待の大きさを感じたでしょ。あなたの成長なくして阪神の明日はありません。
    マートン選手、ゲームを楽しめましたか?最後にもう一度あなたの無邪気な笑顔を見せてください。

    さあ、もう1試合。和田監督、選手の皆さん、思い残すことのないように。
    タイガースよ、熱くなれ!!

  10. トラ11 より:

    相手投手にタイムリーを打たれたのが悔しい。そんな時にカメラが写すあの美人妻は見たくなかった。
    ただ、同点にしてマウンド降りたのが、せめて良かったかと。
    藤浪も頑張ったが、これからの藤浪を見せてくれた。岩崎も素晴らしかった。
    梅野もよく打った。江越もそろそろ打って行くかなと思っているところに代打に変わられたのはずっこけた。
    四球押し出しの敗戦は痛かったが、先攻チームの同点延長は苦しい。
    やはり、攻める野球をして欲しい。

  11. おかっきー より:

    トラオさんには申し訳ないけど7回、8回の和田さんの采配はごく当然と思います。昨日の江越と今成の出来で何かを期待するのは無理があるかと。。特に7回の俊介今成送りバントは私には共感できる作戦でしたよ。ただ、梅ちゃんは100点だけど西岡は100点結果ではないです。だからこそ梅ちゃんを走らせようとした。これを成功して一気に逆転したかったですね。
    あと個人的に江越には凄く期待してます。その上でコメントしてますので何卒ご了承を。

  12. TJ風船 より:

    スタメンはワクワクしました。3位チーム、もっと仕掛けがあってもなぁ〜とは思いました。高宮には是非リベンジさせてあげて欲しいですね。

  13. 西田辺 より:

    勿論、同点がなければ逆転もないんですけど、この舞台で
    阪神の立場で同点を目指す野球って…やっぱり支持できないです。
    「俺らしい野球」を目指したのかも知れない。
    でもその野球で4年間トップを取れなかった事は事実。
    最後まで気付いてもらえなかったみたいですね。