突き抜ける若手の背景

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定期投稿

文春野球では、今回もたくさん応援をいただき感謝します。
なかなか票は獲得できませんでしたが、配信先のYahoo!ニュースなどで多くの方に読んでもらえる機会は、とても貴重なものでした。「暗黒時代のエース」みたいな位置付けだったため、来季どうなるかはわかりませんが、とにかくこちら「ホームグラウンドのみなさん」にご協力いただいたことで、なんとか形にはしてもらえたと思っております。お力添えいただき、ありがとうございました!

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輝明がNPB左打者史上初となる新人から2年連続20発を成し遂げたが、それがかなり霞んで見えるのは、同期であるDeNAの牧が右打者とはいえあっさりそのハードルをクリアしていて、総合的な成績としても安定的に上をいっているからだ。加えて同じ左ならプロとしての経験は長いが年齢はひとつ下の村上が、はるか先を突っ走っているからでもある。しかし、輝明はある意味スタートが遅い選手なので、これから先は彼らに負けないだろうから別にいい。心配していない。

言いたいことではそんなことではなくて、若い世代の活躍が本当にすごいということが言いたい。阪神でもそうなのだが、これはどの球団にも見られる現象だ。どんどんレベルが上がっている。

理由は多数考えられる。もっとも大きいと思われるのが映像技術の進歩。すべてにおいて動画の撮影、保管、分析等に必要なコスト(費用、時間)が大幅に低下し、技術向上を効率的にしたことだ。これはどの職業においてもいえることだが、それまで熟練のために必要だった経験年数が、情報化が進んだことではるかに短縮している。その波が野球選手の技術向上をも促進している。

関連する部分も多いが、指導者の意識変革も大きい。明治以来、野球指導は軍事調練との親和性が高く、簡単に言うと「帝国軍隊式の指導」を伝統の源に持っていた。昭和が遠くなり、戦後の意識変革が進んだ今、野球指導の現場から暴力(言葉を含む)が根絶されつつある。

それによって、指導者は論理的に説明したり、暴力や虐待に頼らない精神力のトレーニング、さらにもっとも重要な考え方や判断方法のトレーニング、厳しさと優しさの共存など、様々なテーマを持って方法論を進化させてきた。

現在、若い選手たちが、これまでのNPBの歴史になかったパフォーマンスを示しているのは、こうした新時代の指導方法がもたらしたものだと思う。

伝統すべてが大事なのではなく、時代を超越する本質が大事なのだ。常識は無条件で受け入れるものではなく、常に懐疑的な目を向け、精錬していくことで進歩するものなのだ。

コメント

  1. 虎ジジィ より:

    佐藤輝明の2年連続20発からの歴史の奥深いお話、勉強になります。

    昨日は、他人の不幸を喜んではいけませんが讀賣が負け、当然 先発戸郷にも勝ち星が付かなかったのは いろんな意味で大きかったです。

    タイガースにとって最高のシナリオは、
    まず今日讀賣が大野に手も足も出ず敗退&ヤクルトが優勝を決め残りの全阪神戦を調整試合へ〜
    火曜日、青柳がヤクルトに勝利で単独最多勝へ〜
    水曜日、伊藤将司がヤクルトに勝利で江夏さん以来の新人から連続二桁勝利〜
    10.2最終戦、才木から必勝リレーで3連勝フィニッシュCSへ〜
    CSで下克上から日本一、矢野監督涙の胴上げで勇退。
    みたいな絵空事を描いているアホのような自分がいます。

    もう少し夢を見せてもらいたい。

  2. こうさん より:

    とにかく来季はストレートに強いチームを作らなければならない。村上を育てたコーチに憧れるよりもパ・リーグに学ばなければならない。変化球主体の投手はデータを駆使すれば攻略に繋がるがストレートを打つのは打者の実力に頼らざるを得ない。糸原はライトに引っ張りありきで結果、流し打ちになると気付かなければ。

    プロ野球というフィルターは変わらないが中身やルールは変化(進化)している。もしかしたら自信のない監督やコーチに変わってAIロボがベンチに座る時代が来るかもしれない。「感情がないプロ野球」…楽しいとは思えないけどね。

    村上やサトテルが監督になる頃、プロ野球はどんな風景になっているのだろう。

  3. 虎轍 より:

    文春野球お疲れ様でした。接戦でしたが、試合で負けたから、せめて文春野球だけはと組織票にやられましたかな?勝てると思いましたがね。残念です。

    時代に合わせた指導者が必要ですね。
    タイガースOBのコーチ陣では厳しいですね。
    そういう意味でピンキーコーチを入閣させたのでしょうが、タイガースOBコーチに交わってしまって特色が無くなってしもたのかも(笑)
    タイガース戦をテレビ観戦してても、タイガースOBの解説ではどうしてもタイガース贔屓に聞こえますし、解説者としては色々と球団を渡り歩いた野口氏あたりがコーチに向いてるのかも。
    まぁ野口氏もタイガースOBで矢野選手の控えでしたが。
    来年の監督が誰になるのかは分かりませんが、自分の好き嫌いで選手起用をせずに、ちゃんと競争をさせて、懲罰交代をしたり出来る厳しさもある監督がええですね。
    平田二軍監督の昇格かな?またタイガースOB(笑)
    疫病退散!
    頑張ろう日本!

  4. 岩修 より:

    投手の平均速度が10キロアップしムービング系全盛のこの時代、打者達は大変だし、放たれた速く変則打球を処理する守備陣の苦労は言うまで無いと思う。自分の業界の若い人達も最新技術を早くから学び自分のものにする為に日々励んでいるし、そうしないと勝ち残れ無いと話していた。
    自分はと言うと古い技術、当たり前の事を丁寧に出来無きねば新しいことも出来る訳無いと何十年も生きてきたのですがやはり少し寂しいし情けない。
    努力で這い上がろうとしている原口と複数ポジションをこなす努力の塊大山が来季の鍵になりそう。
    支払いでごそごそ一円出すのはダサいからと妻に教わりpaypayで初めてデイリー買って喜んだじじぃだけどタイガースの応援だけは死ぬ迄辞めないかな。関係無い話すいませんでした。

  5. タクロー より:

    育てる 伸ばす 引き出す 

     惜敗の文春野球、必ずや来期にはリベンジをしてくださるものと期待しています。

     輝明に、牧、そして村上と若手の活躍、競い合いワクワクしますね。かつて12球団のほとんどの4番は、助っ人外国人かベテランが当たり前のように鎮座していたのが懐かしく思える。それが魅力ある若手にとって代わってきている。それに加えて、俊足好打の高卒2年目、3年目の若者が活躍している。野手ばかりではなく高卒2,3年目の投手が150キロ台の速球をバンバンと投げるようになっている。これからFAで出てくる選手など興味なしというような感じになってくるのかな。
     彼らは、高校で良きに指導者に育てられ、プロの世界で良き指導者のもと懸命に努力しているだろう。阪神の中堅どころ、髙山や北條、江越などは、プロの世界に入り飛躍するステップのところで踏み間違えたのかもしれない。うまくサポートする指導者に巡り合えず、迷い道に迷い込んでしまったのかもしれない。だけど、彼らには、まだチャンスがあると思いたい。 来季こそ、阪神には巡回コーチが必要な打撃コーチではなく、選手の力を引き出すちゃんとした指導者が来ることを期待するばかり。
     とはいうものの、それでもやっぱり強力助っ人が欲しい。FAの西武森もいいね。藤浪とのバッテリーは魅力あるな。

  6. より:

    >伝統すべてが大事なのではなく、時代を超越する本質が大事なのだ。常識は無条件で受け入れるものではなく、常に懐疑的な目を向け、精錬していくことで進歩するものなのだ。

    タイガースはトレンドに乗っかるのが本当に遅いんですよね
    OB解説者の解説内容も古いのが多いですし

    再三書いてますが、これからはデータがあるのは当たり前で、それをベースに自分なりの発明が必要になってくると思います
    浅い回では送りバントしないのも(下位打線を犠牲にしてでも)2番にそれなりに打てる打者を置くのもブルペンのローテーションを導入するのも最早常識で、そこから何をやるか
    今のトレンドもすぐに古くなる(ひょっとしたら浅い回からの送りバントが有効になる時代が来るかもしれない)。それが現代野球のサイクルになってます

    高津スワローズの超間隔ローテは量的評価が基軸となるセイバーメトリクス的にはあり得ない采配でしたが、今季も引き続き成果を挙げているようですし、正に発明でした
    タイガースの才木が病み上がりを考慮されて超間隔ローテが適用されていますが、毎度素晴らしいピッチングを見せている点、超間隔ローテの効果を考えずにはいられません。次の監督には是非導入を検討していただきたいです。スワローズの投手陣であれだけの効果が出るのであれば、強力なタイガースの投手陣ならどれくらいの効果になるのか、想像するだけでワクワクします

    まー他人の真似してるだけじゃその上にはいけんよな、とも思うのでタイガースなりの発明をしてほしいなぁとも思います

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