2017年前半戦最後の試合は、その前半戦を象徴するような、「競争」「カバー」「ねばり」「積極性」の試合ができた。
先発秋山はここ数試合のキレに欠ける投球から脱し、得意の糸を引くような速球が戻っていた。相変わらずスピードガンは出ないが、打者を押せるまっすぐ。ところが初回、アンラッキーな内野安打で走者を出すと、前回も手痛い一発を食らったゲレーロに2ランホームランを打たれる。外角を狙ったスライダーがど真ん中に抜けた大失投だった。この日、球審福家のストライクゾーンは非常に大きく、いかにゲレーロが苦手だったとしても、いくらでも打ち取りようがあった。本当に痛い一発だった。
中日の先発は苦手バルデス。4番中谷、5番原口、6番レフト大山と右の強打者を並べた。早めの反撃は2回ウラ、一死一塁で、右打席の大和がインハイ直球を巻き込むように振り切る。レフト線を破る打球処理をゲレーロがもたつく間に一走大山が生還した。
しかしその後の攻撃はなかなか思い通りにならない。残った一死二塁のチャンスは生かせず。3回、4回は先頭打者を出しながら併殺で潰し、いつものバルデスペースにはまる。
立ち直りを見せて粘っていた秋山だが、6回表、先頭京田のヒットをバントで送られた一死二塁で、3番大島への直球が甘く入り、会心の当たりをライトポールにぶつけられる。この日、2本目のツーランホームランで1-4。秋山は全体として素晴らしい投球を見せながらも、「その打者にその球は」という2球のために4失点。後半に向けて、明るさと課題が両方見えた。
そんな秋山を打線がすぐにカバーした。6回ウラ、一死から上本がショート左への内野安打で出ると、糸井が一二塁間を鋭く破るヒットで続き、上本俊足飛ばして三塁へ。一死一三塁で4番中谷が「狙っていた」という初球、逃げていくチェンジアップに対して腕を伸ばして、強引に引っ張った。ライナー性の打球がレフト前に落ちて2-4と反撃開始。一死一二塁から原口も右方向意識の打球だったが弱すぎて二ゴロ。二死二三塁、大山は選球眼よくボール球にバットが止まり四球、これがよかったね。
二死満塁で大和。場内騒然の中、バルデスも追い込まれて3ボール。一つ見た後の3-1から、アウトローの直球。いい球だったが、大和にしてみれば待っていた球。きれいに右前に打ち返し、三塁から糸井、二塁から中谷が帰って4-4の同点に追いついた。
好投しながら痛恨の2球に泣いた秋山の黒星を消した。このあたりは投打の噛み合いを感じさせた。
勝ち越しまではならなかったが、ホームなら同点でも優位だ。7回表は下位打線を桑原が危なげなく抑え、リズムよくウラの攻撃。投手は2番手岩瀬。代打陽川が詰まりながらも三遊間を抜く今季初安打で出塁し、鳥谷が今季初送りバントで一死二塁と好機を作るが、上本、糸井が倒れて勝ち越しならず。
8回はマテオ。簡単に二死を取ったが、亀澤、大島に連打を浴びて二死一三塁のピンチ。しかしここはゲレーロにとんでもないボール球を3つ振らせて空振り三振。ボールになる軌道のスライダーに目がついていかないのを見抜いた。梅野が落ち着いていた。
8回ウラ、中日投手は3番手又吉。好投手だが、阪神打線はなぜか得意にしている。先頭中谷が今度は右に狙い打ち。右前に運んで無死一塁。4番でタイムリー含む3安打と結果を残した。続く途中出場の梅野が送りバントを決めて一死二塁。うまいね。
ベンチの金本監督、片岡コーチが入念な打ち合わせの後、変則の右に対して、大山への代打は高山。福留も糸原もいる中での選択だった。3球目、インローへのスライダーを大飛球、ほんのわずか右ポールの右をかすめるファウル。おしい!結局三振で二死。
打席にここまで2本のタイムリーで3打点の大和。この日初の左打席へ。ファウル2本で1-2と追い込まれた4球目、外角低めへ逃げ落ちるシンカーにバットを合わせる。スライスのダウンザラインがネットではなくサードの頭をふわっと越えて、正確にラインの内側に落ちる。甲子園の美しい芝生がウィンブルドンに見えた。二走中谷が生還して勝ち越し。大和は二塁でアウトになったが、これはいい走塁死。
いやあ、素晴らしいね。これで3安打4打点。この3試合、糸原の日があって、上本の日があって、大和の日だ。みんな必死だよね。これが競争の効果だろう。
9回ウラはドリス。ヒット性の打球もあったが、自分と上本の好守に助けられた。
後半で3点のビハインド。しかし粘り強い反撃でで追いつき、追い越す。それを支える投手陣の頑張り。つなぎ、積極性。福留なしで勝ったのも大きい。いいところが出た前半戦締めくくりの試合だった。
コメント
本当、前半戦締めくくりにふさわしいナイスゲーム!
「幸せを運ぶ大和の笑顔」しばらく美味い酒が呑めそうです。
「糸原デー」→「上本デー」そして二人とポジションが被る「大和デー」、迫り来る「西岡の影」も影響し、これぞまさに『競争原理』かっ。
それにしても、日曜あれだけ打った糸原(レギュラー確定かと思われた)を、次の試合から大和に代え、その大和が前日のボークアピールや好守連発からの大活躍!
そして昨日は更に、福留(前日ミサイル弾)、梅野(前日タイムリー)、高山までベンチスタートという大胆な起用法は、金本野球の原点回帰とも取れる大胆起用で面白い。
ただ、糸井に関しては本人が「出たい」と言えば下げられないのは、獲得時の約束事なのかな?!
秋山は失投をキレイに捉えられ、2ランを2発食らいましたが、そのコントロールの良さでバックも守りやすいのか、しっかり守ってくれ そして打つ方も度々助けてくれますね。
ギリギリのトコロで良く踏ん張ったので、6回4失点で勝ち負け付かない結果は妥当であり、最低限の投球は出来たと思います。
6回までリードかイーブンならもう「タイガースの野球」!
抜群の桑原(神レベル)と、小劇場はあってもしっかり仕事をするマテ・ドリ、万が一延長になっても高橋 岩崎が控えるリリーフ陣は本当に心強いです。
最後に、自然災害に苦しむ九州出身二人の感情を抑えてのヒーインは、心に響きました。
いち早い復興を祈るばかりです。
待ちに待った大和デー!糸原デー、上本デーに続いた二遊間トリオの大活躍で見事3連勝の前半戦締めくくり。期待通りの結果で気分よく、AS期間休養&調整しカープとの戦いに臨めます。
3本打つことも素晴らしいけど、すべて打点付しかも追い上げ・同点・勝ち越しと三拍子揃ってる。それを左右両打席でやってのけるとは!どんだけマルチやねん(笑)「打つ方さえ何とかなれば」の定冠詞が常に付いて回ってましたが、今回の活躍を機にレギュラーへの足掛かりとして欲しいものであります。
金本監督は後半戦、二遊間をどう組んでいくのでしょうか?大活躍の3人に加え西岡も帰ってくる。好調な選手を相手投手に合わせての併用になるんでしょうかね。センターラインなので固定できれば理想ですが、今季の状況なら競争させながらの併用が良いように思えます。
大事なのは競争する選手のモチベを上げつつ、プレッシャーを軽減させてやり、尚且つ公平な競争をさせる事。この4人の使い方は後半戦の戦いに大きく影響すると思います。
ダウンザライン、ウィンブルドンの文章が美し過ぎて、まさに甲子園のグリーンが眼前に浮かんできました。
大和デー、波動砲ぶっぱなしまくりでしたね!まだ右打席の方がしっくり見えていましたが、こうして左でも結果が出るようになったらもっと出番が増えますね。
若手の育成とベテランの休ませどころがいつも話題になりますが、大和や上本や俊介あたりの中堅が日替わりでスターになると、チームとしての地力が見せ付けられているようでワクワクします。
勝ち波が上がってきたところでしばらく「タイガース」が見れないというのは少々もったいない気がしますが、いいイメージで休養をしっかりとって、後半に破竹の快進撃を期待したいです。
伝七親分の「ヨヨヨイ ヨヨヨイ ヨヨヨイ ヨイ!めでてぇな」が聞こえて
きそうな前半戦ハッピーエンド。
秋山は被安打4で4失点。
投げてる球は悪くないけど、効率よくやられた。
変わった見方かもしれないけど、大島にポール直撃のHRを打たれた後、
ガックリと頭を垂れ、膝に手をついた姿を見て「秋山は勝敗を背負える投手
に、ようやくなったんだな」と思った。
与えた追加点の持つ意味を重く受け止めた証左が、あの落ち込みを現して
いるように感じた。
明日はチームを背負ってオールスターの晴れ舞台へと駆け上がる。
どういう出場機会になるか分からないけど、今の自分を目一杯世の野球ファンに
見てもらえ。
昨日はまさに大和デー。
3安打4打点で、左右の打席で打点を挙げた。
先日来からの九州地方の集中豪雨と鹿児島での地震。
昨日は中日の監督選手と共に募金活動にも参加した。
九州出身選手としては、心痛める毎日だと思う。
ほんの少しでも、被災された方々に力を与えられたら良いですね。
秋山の2失投は痛かったですが、秋山は打たれた後も落ち着いた投球で貫禄さえ感じました。
ゲレーロ、大島には少し慎重さが足りなかったですね。今後に生かしてくれたらね。
大和の活躍は素晴らしい!
5打点のうち4点は大和。右に左に打ちまくり、本当に昨日は大和デー。
4番中谷の活躍も素晴らしかったが、上本の活躍も凄かった。
皆の必死さが伝わりました。
鳥谷、梅野の綺麗なバントは魅了しますね。(バントに魅了するなんておかしい?)
兎に角、最後まで若い選手達で楽しませてもらった試合でした。
しばらく間が開きますが、落ち着いた気持ちで、試合時間のソワソワ感がなく過ごせます。
寂しいですが、楽しみです。
勝てないが負けない秋山。もしかしたら野手が「秋山で負ける訳にはいかない❗」と感じているのかも。後半は「不在の日本人エースの座」を勝ち星と共に手に入れろ。
俺の得技の1つに「ヒーインの内容を勝手に想像して号泣する(泥酔時のみ発動)」というのがある。昨日なら大和に「僕は一生涯タイガースの選手です❗」と言ってほしかった。そんな大和のヒーインを想像して号泣。九州地区の辛さが重なり号泣。「九州地区のタイガースファンを勇気づけるはず❗」と思い号泣。FA前に言えないのは分かるが昨日は聞きたかったなぁ。
ベンチの高山が居心地悪そうなのが気になった。後半は期待してるぞ。
後半戦、マツダで広島に勝つのが最重要課題。8ゲーム差の首位攻防戦、どこまで縮まる?
昨夜はまさに「大和デー」。
あんなに力強い大和は珍しい。競争効果が如実に出たゲームでした。
大和に特別の思い入れをお持ちの虎じじいさんのお喜びもいかばかりかとお察し申し上げます。タイガースにとっても、大変価値ある勝利でした。日替わりヒーローの重要性を解説の上田二郎氏も強調されておられました。いいオールスターブレイクになりました。
虎じじいさん→虎ジジイさん でした。名前(特に人名)の間違いはいけません。反省です。
昨日は現地観戦でした。ゲレーロのホームランは打った瞬間に入ったと思う打球でしたが、大島の打球は切れると思ってたら、風に押し戻されたかな?って感じでポールに当たってしまいましたね。
どちらも失投やと思うが、その失投を逃してはくれへん打者ですね。
33から始まり、00が続いて、0も続いた(笑)なんかのゲームか?ってな感じの日替わりヒーローですね。
大和のスイッチヒッター転向に気付かなかった昔の首脳陣は、今は何を思って解説者席に居るんでしょうかね?(笑)
又吉が出てきた時には、何故か勝てる気がしました(笑)
前半戦は3連勝フィニッシュやったんで、オールスターブレイクは爽快に過ごせますね。
タイガースありがとう!
こんにちは。
前半最終戦が素晴らしいゲームになりましたね。
目覚ましい活躍を見せた大和ですが、過去の傾向としては一旦打てなくなると長いこと不調が続くので結果的に率が残せない選手だったわけで、それが前半戦いい数字のまま維持できたというのは、やはりスイッチ転向の副産物なのでしょうか?技術的なことは分かりませんし、スイッチ転向と聞いて正直今さらかと阪神半疑でしたが、このまま大成功だと言える成績を収めてくれると嬉しいですね。
みなさんこんにちは。
昨日は現地観戦でした。大満足です。
がヒーローインタビューでアナウンサーが大和にスイッチヒッターに「挑戦中」という言葉に引っかかりました。
「転向」であって挑戦ではない。アナウンサーは今シーズンの大和を見て、挑戦中(未完成)と解釈していたのかもしれないが、ヒーローインタビューなんだからましてやプロのアナウンサーなんだからそこは持ち上げようよ。
山椒は小粒でピリリと辛い。糸原、上本、大和とナメていたら痛い目に合うというのが相手方に沁みたでしょう。素晴らしい活躍ぶりでした。
大山は変化球でひどく釣り出されることが少ないですね。出来る限り自分のポイントとスイングで対処していると思います。非常に将来が楽しみです。
気持ち良くASGが迎えられます。
toraoさん、8回ウラ
誤『ベンチの金本監督、片岡監督』→
正『ベンチの金本監督、片岡コーチ』
では?
フレッシュオールスター、滅多にNPBの試合が観戦できない静岡・草薙球場での開催!悪コンディションは残念でした(>_<)掛布二軍監督に小野、福永、長坂、大山の4選手。いつもと違う何かを得ていればと思います。
讀賣の斎藤雅樹二軍監督、一軍投手コーチに転任の報道( ゜o゜)後半戦の讀賣、変わるかな?
直しました。ありがとうございます。