会心の逆転勝利！――結果としてはそう。そしてそれは采配に間違いがなかったからなのだと思う。でももやもやする。間違いではないけど、当たってもいない。だったら間違ってほしかったという気持ちがあるからだ。
１回表、阪神は西岡ヒット出塁を受けて、珍しく２番上本に送らせた。１点でそんなに安心できるのなら、今までそうしなかったことと釣り合わない。結局二死一二塁となって５番中谷が三振でチェンジ。
よし、この試合、もう一度チャンスで回ってくる中谷が決める。それが金本阪神の法則よ、そらそうよ。
そのウラ、小野の立ち上がり。田中への初球ヒット。菊池への初球先制２ラン。２球で２失点。今日こそ初勝利と意気込む新人には気の毒すぎる。
前日、岩貞が初回の２四球から３失点した反省からグイグイくることを読まれた。それにしてもあんまりだ。
しかし小野はよく踏ん張った。腐らず投げる小野に、福留が援護の一発を放り込む。２－２同点。球場を包み込む「楽勝ムード」に冷水をぶっかけた。
追いついても小野の投球は変わらなかった。４回無死一二塁も併殺で切り抜ける。踏ん張る。
打線からも、「なんとか初勝利を」という気持ちは伝わってくる。
５回ウラ、先頭西岡が四球で出塁。上本が送り、福留とは勝負を避け、一死一二塁でロジャース勝負。併殺を狙ったバッテリーだが、ロジャースはいい。バッテリーの心理をよく読んで、予測をしているから、誘いに乗らない。際どいところも見極められる。ゲッツーへの誘いを冷静に見切って四球、一死満塁で、中谷。ほらきた！……と思ったけれど、ここで２打席連続三振の中谷に代打隼太。ふむ。チャンスで高め直球で攻められた第１打席、二死走者なし一発狙いの打席でアウトローに変化球を集められた第２打席。抑えてはいるが、どっちに張られているかわからないこの打席は、１球で仕留められる可能性もある。バッテリーだっていやだったはず。見たかったなぁ。
結果的にギアチェンジした大瀬良に隼太を空振り三振、鳥谷は合わせただけの左飛で退けられた。
６回も小野をマウンドに送り出したが、先頭エルドレッドにヒットを打たれる。大瀬良への代打西川に四球を出して、二死一二塁。打順が１番に戻ったところで小野から岩崎へスイッチ。小野１１４球。球数からいっても、力量からいっても、ここが限界という判断は妥当だろう。小野はなんとしてでも９番打者までで片を付けたかった。それが四球となって、どこまで切り替えできるかわからない。
それでも小野に「あと一人頑張れ」とやらせてほしかった。この試合、同点にしたのは福留の一打があったからだが、６回まで作ったのは間違いなく小野。勝ち越し点を取られるかもしれないし、抑えたところで白星を呼ぶ１点をその次の回で取れるとは限らない。たぶん１点取られていたと思う。それでも小野の「あと一人」、私は見たかった。
どちらも勝ち越し点が奪えないまま８回ウラ。６回ウラのピンチを抑えた岩崎が７回も続投、ピシャリ。８回は３番手髙橋。しかし先頭の松山がライトスタンドに運ぶ。痛恨の被弾。どっちにしても負ける気はしないという球場の空気が、「ほらみろやっぱり」となる。
ところが今年の阪神はそう簡単じゃない。広島の守護神今村に黒星をつけた。四球２つは完全に独り相撲だったが、その引き金となったのが先頭、代打高山のボテボテ。そろそろこういうラッキーが阪神に向いてくれてもいい頃だ。
夏場、どこのリリーフも疲れている。必死のプレーで心拍数が上がり、悔やまれるフィールディングで精神も揺さぶられたのだろう。一発で逆転という映像がよぎったのかもしれない。西岡凡退後、上本、福留が連続四球。
ロジャースいいよロジャース。球の待ち方、狙い方、予測が素晴らしい。日本球界で何年もやっているみたいに頭が整理されている。ありがたい。どういう意図で変化球か。なぜ外角低めか。わかっているからボールは振らないし、追い込まれるまで厳しいコースには手を出さない。２球目、直球は抜け気味、意図せず内角高めへ。これを払うようにミートして、左線へ弾むヒット。三走高山、二走上本と帰って４－３と逆転した。
最後はドリスが締めて、逆転勝利。
先入観というのは恐ろしいもので、勝ちまくって広島は打ちまくって勝ちまくって強すぎると思ってしまいがちだが、そうでもない。３－４、４－３。１戦目岩貞先発試合で６安打、２戦目小野先発試合で７安打。どちらも８安打した阪神のチーム安打より少ない。
狐につままれたような球場の空気が心地いい。心地いいけれども、悔しい思いをしたヤツの応用力、思考力、集中力がものをいう、そんな金本阪神の醍醐味を見せてほしいとも思う。私はね。
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コメント
確かに初回の攻防(送らせて…と、打たせて…)に、何か目に見えない差を感じました。
そして8回まではホントにフラストレーションの溜まる試合でした。
小野はソコソコ頑張ってはいるのですが、こんなに分の悪い球場で初回先頭から2球で2失点してしまっては気持ちも萎える。
その後、立ち直りピンチを凌いだ直後５回表の攻撃、
大瀬良が３四球で
１死満塁の頂いたチャンスに「謎の代打 隼太」の失敗で、「今日も小野の初勝利は無理かぁ」とフラストレーションもマックスでした。
これは、別に隼太自身が悪い訳ではなく、今までそんな場面で使ってない隼太(二死ランナーナシや大差のゲームで2流投手から打率を稼いでいる)を、いきなりプレッシャーのかかる場面で、好調中谷に代えて出したベンチのミス。残念でした。
あとは、８回裏に松山に打たれ勝ち越された時は「ハイハイ今季は全てカープ様の思い通り、どうせ９回表は抑えられてアッサリ終了」しか思い浮かびませんでしたが、ロジャースが溜まりに溜まったフラストレーションを全て吹き飛ばしてくれました。
この粘り、金本阪神の醍醐味?これからもたくさん見せて欲しいです。
toraoさんさすがです。勝った勝ったわーい！ではない、カープのように当たり前のように強くなるためのプロセスを育てることに熱を感じることが根底になければということでしょうか。
詳しいことはわかりませんが、私も中谷選手の3打席目をどうしても見たかったひとりです。ハヤタ選手の期待値や結果どうこうではない部分で。ここで中谷、それがスタメン5番の意味ではと。
初回上本選手にバントを命じたベンチでしたが、そこで「手堅く先制」が金本イズムだったっけ？と感じました。終盤でのチャンスや胸突き八丁のペナント天王山ならいざ知れず…いや、そういうシーンに立ったときこそ「イケル」という強い気持ちを育てるのが二年目監督のチーム指針だった気がします。
小野投手は痛恨の2球でしたが、投球内容は素晴らしかった！ストレートの球威も変化球のコントロールも抜群でした。白星がつかないことで腐ったりする選手ではないでしょうし、しっかりローテを担ってくれたら近い将来当然の1勝はつくでしょう。
中谷代打は正解かと。負けられない試合で同じ球に同じようにタイミング合わず空振り三振。石原に手玉に取られてました。代打の人選はわかりませんが、代打を出したのは正解やと思います。
しかし小野には続投させてあげてほしかった。これからも魔の６回が頭をよぎるのでは？どこかで払拭しないといけませんから。
それにしてもロジャースがここまで活躍するとは思いませんでした。入団前動画を見たとき打てる気がしませんでした。ロジャースごめんなさいm(_ _)m
小野の初白星が遠いですね…。
でもこういう僅差の試合で相手の抑えを崩して勝てたということはとても大きいです。それも小野の好投あればこそ。2球で2失点した時はさすがにびびりましたが、それ以降安易にカウントを取りにくいような事はなく丁寧に投げていました。
ロジャースはいい意味で金本野球に染まっていないからか、プレッシャーを感じることなく逆転タイムリーを打ってくれました。必ずしも最善手を打てるわけではない首脳陣の尻拭いできる力はあります。早い話ですが、できれば来年もいてほしいですね。
今日は岩田と中5の九里。先発・中継ぎの疲労度を加味すると贔屓目を抜きにしても分がありますから連勝といきたいところです。
東京開催予定なのに「茨城」と打ち込もうとしてるイカれた俺。
おっしゃるように初回のバント、ありゃダメだわ。「勝つ気あるから」の作戦だろうけど「勝つ気あんのか⁉」と思ってしまう。広島に一死を与えて一点で終わる攻撃で勝てる訳がない。ベンチが縮こまるから選手も萎縮する。なら二番にキャッチャーを置けばいい。1-3塁を作る気がないなら。
小野はいい❗素晴らしい❗勝てない。「未勝利」という十字架を背負いながら今、自分に出来る精一杯の投球をしている。「小野の初勝利からの大逆転優勝」という筋書きを期待せずにはいられない。
最終回は桑原-マテオ-ドリスの「一人一殺」を期待してしまった。そんな意地の見せ方も見たかったなぁ。
中谷を２打席で代えた。「３歩すすませて２.８下がらせる」ベンチ。中谷を、どうしたいんだろう？
第1戦が３－４、第2戦が４－３。
ゲーム差はアレですが、1位と2位の戦いらしい緊迫の2戦でした。
初回、田中菊池に2球で2点。
前日に菊池が同じ様な場面で送りバントをしてきたので、チョット安易に
バントと決めつけていたかも知れませんね。
あの辺はバッテリーとしてシッカリ反省して欲しい。
何でもできる上位打線だけに、注意力レベルを下げた途端にやられる事は
頭に入れとかないと。
2回以降は制球がバラつきながらも、ゼロを並べたのは評価したい。
球数は相当かかったけど。
昨日見てて感じたんですが、広島打線って緩急よりも高低の揺さぶりに
弱点がありそうですね。
球威があるのが条件でしょうけど。
福留は流石の二桁10号。
前の打席で仕留め損ねた内側に食い込むスライダーを狙い打ち。
バット投げも決まってた。
小野の後を継いだ岩崎も良い仕事。
特に7回の菊池・丸・鈴木の厄介な所をピシャリ！
場面を問わず本当に頑張ってくれています。
8回の松山の一発は本当にダメ。
昨日も書いたんですが、あの場面で大きいのがある打者にインコース要求は
考えられない。
あそこは下位に打順が行く場面なので、最悪シングルはOKの状況。
前も筒香にインコースを意識させる為と言ってドカンとやられた。
回が深まって意識させる必要は何もないんですよ。
今年の松山は左投手の方が打率が良いんです。
本当に坂本は状況を分かってサインを出しているのか疑問に感じます。
意外な事に高橋は今季初被弾。
ロジャースはクレバーな選手ですね。
外国人打者にありがちな外の変化球をブリブリ空振る事もないし、投手心理も
読めている。
最終打席の成績が良いのは、読みと集中力に優れているのでしょうね。
何とか広島のマジック点灯はお預けにしたけど、こうなったら勝ち越して
関西に帰りたいですよね。
西田辺さま
松山ＨＲの場面、坂本は何を意図しあそこに構えたのでしょうか？私にも意図が理解できません。ボール要求ならまだしも左対左でインローに投げるのはとても難しいと思います。追い込んでから意表つくならまだしも１－１から要求する場面ではないでしょう。解説の黒田氏にも苦言を呈されてましたが。
とらかっぱさん、返信どうもです。
百歩譲ってインを使うならボールゾーンだと思うんですよ。
まして高橋は腕を上から振り下ろすタイプで、横の角度は
つけにくいタイプ。
左打者からすれば、そんなにインが怖い投手ではないんです。
坂本ばかり言及して申し訳ないんですが、まだ教科書に頼った
配球しか出来てなんですよ。
相手の読みとか状況判断の要素が薄い。
昨日私が言った「自分本位の配球」とはそう言う事なんです。
タイガースの投手陣が優秀なので助かっている部分が相当
ありますが。
期待の新人ピッチャーがほぼ６回まで２点に抑え、３番が同点ＨＲでを打ち、４番が逆転決勝タイムリーと言えば、文句の付けどころもない完勝なんですがねぇ。なにか私の中にも釈然としないものがあります。
１回のバントの場面は、先制し未勝利の小野をなんとか勝たせたいとの親心と信じ、カード初戦のカープにやられた所に触発されたものでないと、思いたい。なんか一貫性なく納得できんけど。
５回の中谷に代えて隼太の場面は、大瀬良対しにまるで合ってない空振りしまくってた中谷が悪いのであって、中盤にクリーンアップに代打という自身の選手起用に自信を持てない采配ではない、と信じたい。なんか納得できんけど。
その場面で早打ち隼太が珍しく、１球目ボールと２球目ファーストストライクの、厳しいインコースカットボールを敢えて見逃したにも関わらず、その後ボールくさいアウトハイに及び腰スイングだったのも、今季初めて痺れる場面での代打だったから仕方ない、と自分に言い聞かせたい。やっぱり納得できんけど。
しかし、勝ったのは事実であり、それも超絶アウェーのＺOOMZOOMで首位カープからの逆転劇であったのだから、差し引きトータルでも良かった、と。怪我人続出の中、取ってつけたような（失礼！）補強のロジャースが、本当にアタリっぽいところなんかも、まだまだカープ追撃はあきらめへんでって雰囲気を呼び込めて良かった、と思うところであります。
打線・投手陣に少し疲れが見え隠れするカープに、勝ち越せる流れは出来ました。今度こそ自身の力で復活した姿を見せて欲しい岩田に、今日は目一杯期待しておきます。
まだ二週間ほどなのにパンダはすくすく成長中。
このまんまもっともっと大きくなって猛虎のバースになあれ。
みなさんこんにちは。
はっきり言って松山のＨＲの、あとは連敗を覚悟して見ていました。心の中では「ゲーム差ほどの試合内容では無い」と自分に言い聞かせて。
ですが‥やってくれました。本当は小野に勝ちがつけばなお良かったのですが。
勝ったにもかかわらず気になった事を。
松山のＨＲのあとエルドレッドにもインコース要求。結果はストレートの四球でしたが少し間違えれば連発されると思い見てました。
はっきりしたボール球の要求にはテレビ画面からは見えませんでした。あぶねぇー。
それと9回無死一塁、打者西岡でバントという作戦はありませんでしたかね？
一昨日は同じく初回西岡出塁から強攻に出て，三者三振。
一昨日のカープは初回田中出塁から菊池送って結果３点先制。
昨日は逆にタイガースが初回西岡出塁から送って無得点。
昨日のカープは初回田中出塁から菊池強攻で２点先制。
昨日のタイガースは，初戦の先制出来ずを気にしすぎたということなんだろうなと思います。
打率がチーム２番目（規定以上）の打者に初回からバントさせるのが金本やきゅとは思えないんですが。
何度も言っていますが，タイガース的には，もう中谷は調子の良しあしで代える選手じゃないです。
せっかく２０発打てるかもしれない右の大砲が育ちつつあるのに，何を焦ってるんだか。
小野も，あと一人でしたけどね。
大瀬良に四球を出した分が，あそこで田中にまで回る遠因となったということを気付いてほしいですね。
初回西岡ヒットで上本が送りバント。前日の広島のような攻撃をしたかったんでしょうね。福留の大きな当たりがホームランになってたり、ヒットになってれば違ったんでしょうがね。
その裏２球で２失点…
打ってくるのか、バントするのかを様子見で投げた甘い球を振られてしまって、バットに当たってしまって、福留と同じような打球でしたが、フェンスオーバーって…
正直、今日は何点取られるんや？と思いましたが、その後は吹っ切れたように、ガムシャラに投げ込む小野の姿に感心しました。
投げ終えたあと、ストライクコールされれば、口元が「ヨシッ」と動いたり、気迫を出してくれてました。
まだまだ課題は多いですが、一度勝ち星を稼いだら、ずっと勝てそうな気がしたピッチングでした。余分な四球を減らせば、球数も抑えられるし、長いイニングも投げれる。長いイニングを投げられれば、勝ち投手の権利も増える。こんな好循環なサイクルになればええですね。
中谷の代打は仕方無しですね。前の打席内容が悪すぎでしたから。ただ、中谷は代打を出されたり、スタメンを外されたりすると、次の日の試合でホームランを打ったりしますからね。そこの「ナニクソ根性」に期待しましょう。
クソボール振って打者優位からピンチに追い込まれて三振したハヤタは論外です。
坂本の配球も考えものです。
パンダのパン打は良かった。
赤ちゃんパンダの名前募集にロジャースと投書したいくらいです(笑)
さぁ今日勝って、勝ち越して関西に帰ってこよう！
岩田はガムシャラに投げ込んで、自分の投球で勝ち星を掴め！勝とうぜタイガース！
トラオさん
昨日の勝ちは価値高いです。
あの今村の青ざめた顔。
4点先制、今日も勝って！ここから、9点差ならぬ9ゲーム差、ひっくり返しましょう。
ファンも選手も思い込んじゃえばいけます（笑）