5出塁植田のブレーキ解除

スポンサーリンク
定期投稿

双方ともに思わぬ形で点が入っていった試合。試合前半の内容を思うと、よく逆転して勝てたと思う。

初回、広島先発薮田が連続四球の乱調で始まるも、糸井の右飛で三進を狙った鳥谷が鈴木の好送球で刺されて併殺。2回、3回と四球がらみで一死一二塁の好機を作るが、いずれも4-6-3の併殺網にかかって無得点に終わる。

一方、守りも冴えない。2回ウラ広島の若手高橋大のプロ初ヒットで一死一塁。しかし會澤が初球を打ち上げ一邪飛。しかし後方に上がったフライの落下点をロサリオが見誤って捕れず(エラー付かず。ロサリオは3回にもイージー一邪飛を落球し、こちらは記録「E」)。その後會澤が二塁打して一死二三塁の大ピンチ。結局二死後に連続四球で阪神先発岩貞が先取点を献上した。岩貞の制球も悪かったが、梅野に代わって先発マスクをかぶった原口が「梅野の失敗」に縛られすぎた部分もあった。

5回ウラには無死一塁でバティスタの遊ゴロを植田が捕球できず。併殺コースだったが打球の強さに押されて記録はエラー。続く鈴木の併殺崩れの間に2点目を失った。

立ち上がり制球がばらついた岩貞だったが、その後は破綻することなく6回117球を投げて先発投手の役割は果たした。勝利のチャンスをもってきた立役者のひとりだ。

5回の第3打席まで、1番鳥谷、2番植田ともにすべて四球をもらうというおいしい展開だったが、この日は3番糸井、4番ロサリオがブレーキ。中が当たれば前が出られず、前が出れば中が当たらず、まことにうまくいかない。
しかし6回一死から福留が右中間を破る三塁打でチャンスを作るが頼みの原口が三振で二死。しかしここで糸原が高いバウンドの二塁内野安打。これがタイムリーとなって1-2。
つづく7回は代打西岡、鳥谷とあっけなく倒れて二死となるが2番植田が一塁線に沿ってドラッグバントを転がして一塁セーフ。実はアウトくさい微妙な判定だったが、なぜかリクエストはなし。ここに勝負のアヤがあった。

打席に糸井で投手今村は当然、必要以上に走者を気にする。初球の直球がボールになり、2球目のフォークで盗塁成功。牽制球で徹底的に警戒していたはずが、捕手會澤が二塁に送球できないほど、植田は完璧に盗んだ。追い込まれて4球目、糸井は落ちる球に崩されながらヘッドをきかせて引っ掛けると、菊池がいる「せまい」一二塁間をゆっくり抜けて同点タイムリーになった。2番植田がひとりで投手を崩し、この日苦しんでいた糸井がもぎとった1点だった。

その後両チームのリリーフが踏ん張って延長戦へ。阪神は7回モレノ、8回桑原、9回を藤川から岩崎へとスイッチ。そしてセーブをあげたドリスまで、いずれも走者を背負う苦しい投球になったが、みんなよく踏ん張ったね。

延長10回表、先頭植田が左前ヒットで出塁。これで2打数2安打3四球。全5打席出塁。投手一岡はもはや打者に投げること以上に、塁上の植田に神経を使っている。糸井凡退で一死一塁、打者がロサリオに変わっても、一岡の意識は一塁走者に多く割かれる。3球目の失投の直球をロサリオが仕留め損ねてファウル。タイミングが遅れている。相変わらず打者に投げるより多く一塁に投じられる牽制球。4球目、なんと3球目と同じような失投が真ん中高めに。ロサリオ今度は会心のタイミング、会心のスイングでこれを捉えると打球はどこまでもどこまでも遠くへ飛んでいった。

金本監督は「打てる雰囲気はなかった」と言ったが、そうだろうか。ロサリオは自分の形を持ったバッター。だんだんと相手の組み立て、考え方がわかってきて、打席内での予測も当たるようになってきている。あとは投手が狙ったところと違う、甘い球を投げてくれるのを捉えるだけ。
問題は相手投手が「こうやって投げていれば大丈夫」と自信を持って投げられていたことにある。そうさせないようにするには、ロサリオ自身が打って状況を打開するのももちろんだが、周囲がその空気を作っていくこと、とくに上位を打つ打者が塁に出て、神経を使わせることがどれだけ大事か。広島打線がなぜ繋がるか。それは個々の選手の実力以上に、塁に出たときのいやらしさが投手への刺激になっているからだ。
糸井同様、この日ブレーキになっていたロサリオの一発を引き出したのは、間違いなく塁上の海だった。打てる雰囲気はあった。

決して力強くはないが、こんな勝ち方ができるだけの力は十分持っている。自信持っていけ。

■■■■■■■■■■■■■■■
6月4日(月)夜、東京都内にて
ベースボールクリックスさん主催
イベントが(ほぼ)決定!
内容はお楽しみに!近日発表予定
■■■■■■■■■■■■■■■

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
6月23日(土)夜
「虎バカ秘密基地@大阪ミナミ」
とりあえず〝基地〟確保に成功!
やっぱり「持ち寄り」はちょっと
ムリがあるかな。もう少し練る
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

コメント

  1. 虎ジジィ より:

    toraoさんの詳しい解説に、長い試合の忘れていた序盤までゲーム展開が甦ります。

    両先発が内容的にはピリッとせず、だけど打撃陣も決定打を欠く凡戦でしたが、その中で植田というスパイス(古い?)がタイガース打線を少しだけ活性化してくれました。

    金本監督の試合後のコメントが「うちがやられていた(投手が)走者を気にして、どうしても真っすぐになったり。投手の集中力も散漫になったりとか、植田の存在も大きかったですね」。って、分かってたんかーい!って感じですが、本当に気付いていてくれて良かったです。

    ヒーローは決勝HRのロサリオですが、サポートしたのはチョロチョロした植田!
    当然今日からのベイスターズ戦でも当然スタメン起用されるでしょうから、相手の大和に「先輩が抜けても自分が居るのでタイガースは大丈夫です」というアピールを続けて欲しいですね。

    ウチが着火してしまった絶好調 読売とは、総得点で倍ほどの差がついてしまっていますが、盗塁数や走塁の意識が変わってくれば、タイガースももっと得点できるはず!
    何とか9連戦を貯金で終えられるよう、巻き返して欲しい。

  2. こうさん  より:

    「代打や守備固めで文句を言われるなら最初から使ってやるわ❗」という開き直り?としか思えない鳥谷起用(鳥谷ファンの方すいません)。フォアボールで「さすが鳥谷」は分かるが1打席でセカンドまで行く可能性が下がるのも確か。自分と重なる鳥谷を見て「あの時」の周りの気持ちも分かり複雑なんだろうなぁ金本監督は。

    5月からの戦いを視野にいれて広島は全力でタイガースを潰しに来てた。薮田を下に下げる厳しさも見せつけた。広島の監督の視界にタイガースがいる証拠にもなる三連戦だった。

    植田、かき回せ❗「ブレーキの壊れたダンプカー」…いや耕運機か(田植え?)。苗を植えなきゃ稲穂は出来ない。秋の収穫の為の苗になれ。去年の糸原もそうだったが怪我には気を付けて。

  3. 西田辺 より:

    >神経を使わせることがどれだけ大事か。
    >広島打線がなぜ繋がるか
    昨日のポイントはココでしたね。
    打者と投手の1対1でやれば、統計的にも圧倒的に投手が有利なのは殆どの
    野球ファンや関係者が理解している所。
    パリーグ首位を行く西武の打線も、次もその次も怖いバッターが控えていると言う
    恐怖心が、投手の集中力を削ぎバッテリーの思考を混乱させる。
    如何に打者が打ちやすい(狙った球を放らせやすい・狙い球を絞らせやすい)環境を
    作ってやれるかがチームとしての仕事。
    強いチームと言うのは、いくつかのパターンを持っているもの。
    打つだけじゃなくて、投手陣も同じような事が言えます。
    かつてJFKと呼ばれた強力リリーフ陣を擁した阪神には、6回までにリードを
    取らないと抑えられると言う試合運びを相手は強いられた。
    相手の集中力を削ぐ、相手の攻撃範囲を狭める。
    今年のタイガースは、どういう手段で戦っていくのか。
    昨日の試合が一つの目安になったかも知れません。
    勿論植田だけじゃない。
    上本も高山も俊介も糸井も、走れる選手は実際走らなくてもバッテリーに重圧を
    かける仕草だけで、十分相手の神経を使わせる事が出来る。
    ロサリオが、額面通りの働きをすれば周りの打者に対する攻めも変わってくるはず。
    あとは狙った球が来た時にシッカリと捉えるだけ。
    ピッチャーの習性として、何点差あろうとも走られたくない心理が働くもの。
    そこはキッチリ理解して、戦術として活かさない手はありません。
    今日から甲子園でDeNA-中日との6連戦。
    3・4月は負け越したけど、5月は新たな武器と共に反撃といきたいですね。

    昨日、広島駅とズムスタの間くらいで向島からの脱獄犯が捕まったそうです。
    丁度その時間に、阪神揚塩社長も近くを通りかかったとか。
    ズムスタの観客の中に紛れ込まれたら、捕まえるのは難しかったでしょうね。
    もしかして昨日の試合が見たかったとか・・・。
    野球ファン・関係者に被害がなく何よりでした。

  4. レオン より:

    マツダでの3連戦、1、2戦とも
    私は紙一重の敗戦だったと思います。
    そして、迎えた3戦目マツダスタジアム
    独特の固いマウンドに両先発投手とも
    苦戦してましたね。
    (1番安定してたのは2戦目の能見投手でした)
    どちらも、後1本が出ず大量点が入ってもおかしくない試合が、お互い少ない失点で進み、決めたのは今日攻守で散々だった
    ロサリオ選手

    植田選手の一岡投手への撹乱が効き
    待ってましたの高めの釣り球、気味に投げたかったストレートを打った瞬間それと
    分かる当たりの確信歩き、しびれました!
    ヒーローは決勝ホームランのロサリオ選手
    ですが、5出塁の植田選手の存在は
    素晴らしい働きをしましたね。
    最終回の守備の大山選手や
    全力疾走で得点チャンスを作った福留選手も忘れてはいけません。
    少ない失点で踏ん張った岩貞投手、追加点を与えなかった救援陣も素晴らしいかった。皆で勝ち取った1勝ですね!

    こんなデータを見つけました。
    阪神タイガースの、ここまでの
    盗塁数が7(全て広島戦)
    そしてリーグ1盗塁を許しているチームが
    広島で24でした。
    今日のスタメンがどうなるか分かりませんが、暫く植田選手を固定で器用して欲しいですね。
    さて今日から5月
    月も変わって聖地甲子園に戻って
    DeNA、中日と6連戦。
    ロサリオの聖地、初ホームランに期待して
    先ずは借金を無くし、自分たちの野球をすれば、そこまで負けないと思います。
    ちなみに、
    広島は連勝中の巨人を向かえます。
    こちらも
    どう戦うのか気になりますが。
    今日は上本選手、植田選手の1、2番で
    塁上を賑わして欲しいです。
    安定している秋山投手のピッチングも楽しみですね。
    頑張れ阪神タイガース!

  5. 33 より:

    機動力を生かしたいから植田を使いたい。上本も使いたい。打撃で結果を残してる糸原は外せない。大山を大きく育てたい…

    でもこの4人は同時に使えない。なかなか心苦しいところです。

    そろそろ野手の1、2軍の入れ替えもあってもいいんじゃないかな?
    仕事場を失いつつある西岡、打ってナンボだが調子の上がらない高山。現実的ではないが鳥谷だって本来なら危うい立場。

    昨日は植田の機動力で刺激を与えた。この機にもうちょっと刺激を与えてみてもいいも思います。

  6. とらかっぱ より:

    終わった後で振り返れば、ロサリオが良く決めた、植田はよく出塁し良く走った。ですがもうちょっと早いうちに何とかしてほしかったゲーム。

    薮田は「点やるぞ~。点やるぞ~」的な、四球四球これまた四球で5回まで1・2番の鳥谷植田は3回まわって6出塁。それでも点取れずってクリーンアップも情けないけど無策のベンチはもっと嘆かわしい。超改革から始まった金本政権はタイガース伝統の「相手の嫌がることしない野球」は継承せんでもエエのに。

    けど巡り巡って植田のブレーキは解除され牽制しまくり走りまくり、ロサリオもエラーを取り返すモヤモヤ払拭弾も打ったし、今後に活きる流れとしては、結果良かったんかいなって思えたりもします。スイープされなくてよかったってのが個人的感想です。勝ったのにネガ投稿申し訳ありません。

  7. 虎轍 より:

    昨日の試合は前半は何点入るんや?と思うくらいの両先発投手の四球乱発でしたが、なんとか両先発投手が踏ん張ってましたね。
    タイガースは相変わらずの貧打…カープは丸が抜けての決定力不足か?
    鳥谷3出塁、植田海5出塁で結局は4点だけでしたからね。
    それでもロサリオの効果的なホームランで勝てて良かったです。
    ロサリオがこうやって効果的なホームランが出てくればチームが勝つっていうのが続くといいんですがね。
    金本監督もピンチキャッチャー梅野を入れて、きっちり盗塁阻止出来たり、守備堅めで大山を入れて守備で活躍したりと作戦が的中してきました。
    采配が冴えてきた時にチームが勝ったんで、これからはそういう采配を続けていって欲しいですね。
    苦しみながらも岩崎は粘られながらも、よく抑えたと思いますし、梅野もショートバウンドをよく止めてましたし、チームとして上を目指せる形になった試合やと思いたいですね。
    今日から甲子園に帰ってきてのDeNA戦ですが、気負わず、覇気をだしてガムシャラに勝ちにいこう!
    勝ちに行け!勝ちに行け!5月は貯金月間にしよう!
    今日もDeNAに勝ちたいんや!

  8. いわほー より:

    ロサリオ、最後の最後に見せてくれましたが、しばらくはポップフライが一塁側に上がるたびに肝を冷やしそう。
    両手キャッチは打球が流れたらかえって危なっかしい。
    クリーンナップの前にランナー置いたら常に投手に足を意識させられる選手は貴重。
    その意味でも植田は合格、鳥谷は失格。
    それにしても高山が一向にノー感じなのがなんとも残念。
    いっそ江越を上げて江越、植田の一二番コンビでいいんじゃない?
    すくなくとも今の江越なら高山より打ちそうだし、守備・走塁は高山の比ではないし。
    なにゆえ野手の入れ替えをする気配がない金本監督の真意がちょっとなあ・・・。

  9. なかっち より:

    見れなかった試合でようやく勝ちました(笑)良かったo(^-^)o

    昨日の植田の活躍で、如何に塁上で投手にプレッシャーをかける事が大事か金本監督はわかってくれたかな?(笑)

    これで上本の必要性もわかったはず!今日からのDeNA戦相手は全て左投手らしいです。1番上本、2番植田のスタメンは確実と思ってますが如何でしょうか?

    高山の状態も非常に悪いですし、そろそろ中谷の出番かなとも思ってますし、代走要員として島田や熊谷の昇格があっても良さそうではないでしょうか?(西岡降格させて)

    投手は能見と岩貞がそこそこ投げましたし、カープに負け越しはしましたが、良い内容のように見受けられます。(試合を見てないので一概には言えませんが)

    • 虎轍 より:

      なかっち様こんにちは。
      その中谷や北條、江越が二軍でもさっぱり打ててないんですよね。
      打率は二割前後なんです…
      熊谷は今日も盗塁を決めて15盗塁で断トツなんですが、江越は三振ばかりでした。

      • なかっち より:

        虎轍様2軍の情報ありがとうございます。なかなか下の情報が得れないので、嬉しい限りです。

        中谷、北條、江越が下で打率2割そこそこですかぁ。寂しいですね。なら島田や板山などはどうなんですか?
        高山の守備力を考えると今の打撃だと使い続ける価値はないと思うんですよね。同じ外野手の左打者は他にもいるわけですから、そろそろ刺激を与えても良いと思いますが。

        熊谷は今すぐにでも上げるべきですね。一応守りには定評があるわけですから、代走、守備固めで使えるはずですから。ぶっちゃけ現状西岡を置いておく意味がわかりません。

  10. ジュビロタイガース より:

    植田は残りGWを全てスタメンで。植田糸原大山上本をポジション含め、上手に回して欲しい。鳥谷の調子が良いなら文句は言わないけど、小学生じゃないんだから、練習で頑張ってるから使うはおかしいでしょ。

タイトルとURLをコピーしました