理学療法士トレはいいと思う

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このオフ、藤浪について報じられる内容のほとんどに加えられているのが、《武豊が総合プロデュースする京都市内のジムで、理学療法士の指導により可動域を広げた》というもの。
ポイントは「理学療法士」だ。

はて、理学療法とはなんじゃろな。昭和40年6月29日に制定された「理学療法士及び作業療法士法」には、
《第二条 この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。》
とある。
また第3項には、
《この法律で「理学療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、理学療法を行なうことを業とする者をいう。》
とある。
堅いことを言えば、上の定義からすればアスリートの運動能力向上を指導する仕事は「理学療法」とは言わないし、理学療法の業務からは外れている。つまり理学療法士じゃなくてもできることではある。ただし、私はバランス、敏捷性、コントロール、アジャストといった能力を開発するのにもっとも適した人は理学療法士だと思っている。

理学療法士が学んでいる内容は、運動機能を失くした人が、それを回復するためにどうすればいいかだ。脳からどういう電気信号が発せられる必要があり、どのように伝わり、どの筋肉を収縮させて、どの骨をどう動かす必要があるか……それらを知っていなければならない。一つの動作でも、使われる筋肉は一つではなく、それぞれがどんな割合で使われるのが理想的であるかとか、瞬発系のパワーを発揮するのに必要な筋肉はどれで、持続的な出力はどれで、どの筋肉とどの筋肉が平衡してバランスを取っているいるか、骨をどの角度にすることで出力を調整しているかなどなど、運動についての物理的な考察をいちいち持っている。
可動域というと、なんとなく「もっと曲がるもっと曲がる」みたいな、「イテイテイテテテテ」みたいなものを想像してしまうが、そうじゃない。出力が小さくなっている筋肉があることを見つけ出して、それを克服する練習をするとか、背骨を構成する椎骨のうち、あまり動いていない骨を見つけて他の椎骨に負荷が集中しないように正すとか、上半身と下半身、右半身と左半身といった対をなす部分の連携をスムーズにして無駄な力がかからないようにするとか……とにかく、「もっとできるもっとできる」的なトレーニングとは別のアプローチで、より大きな範囲で運動できるようにしたり、強い出力を可能にしたり、はたまた俊敏に動けるようにしたり、思った通りに体を動かせるようにしたりといった「運動センス」のアップにもつながっていく。

といった理学療法士さんが監修する本を手伝ったことがあるので、ひけらかしてみた(笑)。

taijiku

 

コメント

  1. いわほー より:

    理学療法士(病院内での略称は「PT」)の主たる職場はリハビリテーション科の病院だったりするのですが、近頃ではスポーツ施設や団体にも職域を広げつつあるようです。
    それだけスポーツ分野でも理学療法士の役割が期待されていることの証といえましょう。
    医師の治療行為に対して理学療法士は身体機能の回復支援を担っています。
    長寿化、高齢化が進む社会にあって、今後も需要が高まる職種のひとつとされています。

    といった理学療法士さんの成り立ての息子をひけらかしてみた(笑)。

  2. 西田辺 より:

    この10年15年くらいで、「体幹」「可動域」と言った言葉が耳に入るようになり
    体の強化=筋トレ、みたいな古臭い図式が段々と変化してきましたね。
    藤浪の場合も、筋力の強化に伴って体幹のバランスが崩れたり股関節・肩関節の
    可動域も狭まって行ってたとの事。
    野手は多少可動域が狭くなっても、技術でカバーできるらしいですが、投手は
    フォームにも影響が出てくるだけに重要なトレーニングポイント。
    藤浪本人も肩や股関節の可動域の狭まりは自覚してたらしく、それを力で抑え込もう
    として、余計に制球を乱したと解説しています。
    その原因さえ排除できれば・・・という期待は高まります。
    まぁ、そんなに簡単な話じゃないのは分かりますが。

    昨日、大坂なおみ選手が昨年の全米に続き、全豪OPも見事優勝しました。
    以前は、力を認められるもののチョットした事で試合を諦めたり、ネガティヴな
    思考に嵌まり込んで試合に集中できないという悪い癖があり、なかなかランキングを
    上げられなかった。
    でも、今回の戦いを見ていても、そういう悪い流れになりそうな時でも、シッカリ
    と気持ちを立て直してプレーに集中する姿が目立ちました。
    勿論、テニスの技術も向上してますが、最大の弱点であった精神面をコントロール出来る
    術を身に付けたのが、彼女の活躍の大きな要因だと思います。

    もしかすると、今年藤浪も・・・と私が強く期待するのも強ち根拠のない事ではないでしょ?
    やりますよ、今年は。

  3. なかっち より:

    わざわざデイリーをコンビニまで買いに行き、藤浪がどんなトレーニングをしているのかを読みました。
    本当に地味なトレーニングをしてますね。コアを鍛えて、身体の柔軟性を出してるとか。ウエートで筋肉を付けたのは良いが、筋肉が硬くなって可動域が小さくなってたんですね。
    柔軟性を付けた事で肩の可動域が広くなったようですね。

    球速がアップし、コントロールもつきやすくなるそう。

    今年は無双の藤浪が見れるか?楽しみになってきました(笑)

    理学療法士の方をタイガースは雇うべきやと思います。選手個々のパフォーマンスが上がれば、間違いなくチームとしてもプラスになるはずですから。

  4. トラ11 より:

    あんなに筋力をつけて大きくなっていたのに何故、成績に繋がらなかったのか分からなかった。

    このようにスポーツの分野にも理学療法士の方が活躍され、各々のスポーツ選手の指導に当たっているのは理にかなったものだと思います。
    藤浪は瞬発力、持続力が付き、可動域が広がってきた。
    考えただけで今後の藤浪に期待感一杯になります。

    大谷選手が体を大きくしたのは、単に大きくなっただけでなく、あの体にはそれなりの、理学療法士さんのような方が指導されての体造りをしていたのだと痛感します。

    この指導と努力がこれからどのような成果に繋がっていくのか、とても楽しみです。

  5. hi64 より:

    藤浪の努力も良い方へ向かってくれることを祈るばかりです。

    今日のデイリーの記事で、その理学療法士の方が、藤浪の股関節の柔軟性が失われているという話をされていますが、一昨年か3年前か、藤浪のコントロールが不安定になったときに、ここのコメント欄でどなたかが、藤浪の不調の原因は身体が成長したことにより股関節が固くなったからだと喝破されていました。
    改めてその慧眼に驚きました。

  6. 虎轍 より:

    藤浪が二桁勝てば優勝出来ます!

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