役に徹した糸原が秋山復活勝利を引き寄せる

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3連勝して、ちょっと残念な逆転負けをはさんで、また3連勝。いいじゃない!
この日の勝ちのよかったところは、すごく強いという感じではないのに、結果的にまるですごく強いかのような試合展開ができたところ。

試合開始直後は、こういう大差の展開になるとは思わなかった。大きなチャンスをもらっても1点しかとれないとなると、相手のほうが意気が揚がりそうなものだが、そうならない。その理由は秋山が丁寧に、本人曰く「心をこめて」投球したからだろう。故障、手術さえなければ、今頃エースとして君臨していなきゃいけない投手。地道なリハビリで、段階を踏んで戻ってきてくれてよかった。93球で7回か、次は8回目標だね。

攻撃面では、チャンスの作り方が非常によかったから、大量得点を逃しても、相手に流れを渡す結果にならなかった。初回、先発アドゥワの立ち上がりにつけこめたのは、無死一塁で四球をもぎとった糸原の活躍が大きい。きれいに打ち返すためには前でさばく打ち方がいいに決まっている。しかし、糸原はあえてそれをしない。自分の役割に徹しているのだ。打つのには不利な、遅いタイミングのとり方をあえてすることにより、逃げていく変化球にはまったく手を出さず、タイミングが遅れる直球はギリギリのファウルで逃げる。第1打席10球、2打席目9球、3打席目8球で合計27球。アドゥワは5回までで105球を投げたので、その4分の1以上を一人で投げさせたのだから、そらもうピッチャーはやってらんないだろう。
前日は糸原だけでなく、近本も同じような働きをしていたが、たいして打てない阪神打線が、この日最終的に11安打8得点できたのは、各イニング内で投手に球数を投げさせ、塁上からも重圧をかけて投手のスタミナと集中力を奪い、さらには長時間の攻撃で相手野手陣の攻撃や守備のリズムを崩したことにある。なんたってこの日は1番2番が10回打席に立って、9回出塁したんだからスゴイよね。
こんなふうにジワジワと得点差を広げていけば、当然、出てくるリリーバーの質も「それなり」になるから、勝ちやすくなる。

逆にいうと、スコア的にすごく強い勝ち方みたいな試合の中で欠点をさらけ出したり、ガス抜きができたりできたのもいいことだ。2番手の島本がバティスタに3ラン本塁打を喫したが、ぜんぜんいいの。まったく打たれないというわけにはいかないんだから、こういう試合で打たれればいい。もう島本も、こういう試合で打たれるくらいまで格が上がったということだ。
気負っているマルテのブレーキが「敗因」にならなかったのもよかった。そうこうしているうちに、波に乗るきっかけをつかんでくれればいいし、「使いたい内野手が余っている状況だから、無理してマルテを使わなくてもいいか」という形になるならそれでもいい。私は、「外国人さえ良ければ強くなり、そうでないから弱い」という短絡的な考え方(「バース信仰」ともいう)を否定してくれるような一塁手が出てきてくれるのを願っている。

相手の元気のなさも目立ったが、バッテリーを中心に、センターラインの守備力で失点を防ぎ、多様性を備えた攻撃陣が、泥臭い攻め方で得点を奪い取る。そんな甲子園向きの野球ができてきている。そのための「主役」の姿が見えてきた。もちろん、ライバルたちも完全に主役が固められてしまわないように抵抗を続けるだろう。
あとは、一般的に「主役」と呼ばれる、攻撃型の選手たちがタイムスケジュールどおりに成長してくれれば、個性がきらめくいいチームになっていくね。

コメント

  1. 虎ジジィ より:

    秋山「狙っていた」平成最後の勝利投手おめでとう。
    久しぶりに秋山らしい制球の安定した素晴らしい投球でした。

    ガルシアの誤算、メッセの負傷から「怪我の功名」とでも言うべきか、今日の才木が好投すれば、もう「裏ローテ」が「表ローテ」と言っても過言ではないほどの嬉しい誤算です。

    攻撃陣は「流れストッパー、(2併殺)マルテ」が普通に打っていれば、もっと楽な展開になっていたと思いますが、
    タイガース自慢の「粘れる1、2番」がとにかく流れを引き寄せた。

    「(2番)役に徹した糸原」はもちろん、
    1番近本も、「選球眼、脚、長打力」の3拍子揃っており、
    ランナー無しなら粘ってとにかく出塁(最悪でも球数は稼ぐ)、ランナーが居たら長打!
    出塁すれば相手投手が盗塁警戒して制球を乱す、小ヂカラがあるから得点圏にランナーが居ても外野が前進守備もできない、
    本当に相手が嫌がる理想的なトップバッターに育ちつつある!

    下位の梅野や木浪も好調なので、下位がチャンスメイクし、近本&糸原で帰すカタチもできつつあります。

    あと「主役」大山が得点圏で打てるようになるか?
    と、ファースト問題ですが、高山が好調なようなのでマルテを外してどこかに入れたいですが、もともと内野手だった福留はファーストは守れませんかねぇ?
    レフト高山、ファースト福留が入ればマルっと収まるような感じがしますが、素人の愚策でしょうか?!

    それと、余談ですが
    1.江越には「三振(振るな)」のサインが出てたの?
    2.2度も目の前のプレーを誤審した審判に、ペナルティはないの?
    余談でした(笑)。

    • 虎轍 より:

      虎ジジィ様こんにちは。
      昨日の一塁塁審須山はまだ一軍での審判経験が浅いので許したってください(笑)
      白井みたいに横柄な感じには見えなかったんで反省はしてるでしょうね(笑)
      何の競技もですが、審判がしっかりしてくれんとダメですね。
      まぁ野球に関してはリクエストが出来るようになって良かったです。
      ライトスタンドから見ててもアウトって判ったので、近いベンチからは良く判ったでしょうし、矢野監督も出てくるのが早かったです(笑)

  2. 虎轍 より:

    ええ勝ちかたやった(笑)
    先制点に中押し、だめ押し、詰め寄られての突き放しで次の日の為に二桁得点をせえへん勝ち方(笑)
    相手投手の四球連発で先制点を貰って、ありがたい勝利でした(笑)
    ただ大山の腰を引いた三振はあきまへん!
    踏み込んでの三振は大丈夫ですが、右足をひいて、踏み込まずに腰を引いての三振は情けないだけや!
    マルテも相手が四球のオンパレードやのに初球に手を出すのはアカンよ!
    ここの皆様が言う初回の送りバントってのは、ヒットのあとはバントはokなんです。
    四球のあとにバントは相手を助けるバントになるんですよね。
    ましてや相手投手がエース級なら、立ち上がりにバントをして1アウトを献上してでも1点を取りにいく野球が最適なんですよね。
    ただ、四球で与えてくれたランナーは簡単に送りバントは違うんですよね。
    それは判を押したようにやってた和田と矢野の違いなんですよね。
    野球ってのは流れがあるスポーツなんで、しかも生き物なんです。
    それをどっちが呼び込めるかなんですよね。
    そんな気持ちで見た聖地甲子園の平成最後の試合でした。
    令和最初の試合もタイガースの選手が一丸となって勝てる試合にして欲しいですね。
    12球団平成最後の勝利投手秋山。勝利チーム阪神タイガース!
    今日も聖地甲子園の年席のライトスタンドから勝てるように応援を頑張ります!
    平成の借金は平成のうちに返せへんかったけど、令和初日に借金の無い綺麗な姿で新しい年号を!
    言いたくは無いですが、今日も勝つばい(笑)

  3. こうさん より:

    トラオさんに書きたいことを書かれてしまったような心境。矢野監督になってから「適材適所」が浸透しているように思える。個人個人が自分の持ち場で力を発揮している現状。近本の存在がデカすぎる。彼がチームに与える影響は計り知れない。ベテランを巻き込んでいるのが素晴らしい。

    苦手な甲子園、初戦で頭を取ったのはデカイ。「今、読売と当たりたいなぁ‼️」と思わせてくれる試合だった。

  4. トラ11 より:

    平成3連勝で最後を飾った阪神タイガース!
    平成最後の勝利投手として記録に残した秋山投手!
    「ねらってました」と言った秋山の笑顔が爽やかだった!
    ルーキー近本・木浪、キャプテン糸原、扇の要梅野。若い選手が活躍し、徐々にチーム全体が持っている力を出してきましたね。
    大山もチャンスで打てるようになると、もっと得点できるようになりますが、焦らずに見守ります。

    高山が調子を取り戻したら楽しみ!
    考えてみれば、高山も糸原も中堅になっているのか… 年月が経つのは早い。

    才木、令和の最初の勝利投手になれ!

  5. ジュビロタイガース より:

    これだけ1・2番が塁に出て、先発ピッチャーのコントロールが良ければ、楽な展開になるね。
    秋山は無理をさせる段階では無いので、四球を出したし、交代するには良いタイミングでした。
    リクエストは2回ともこちらに味方しました。際どいタイミングでしたが、どうもNPBの審判は近くで見過ぎかなと。しかも脳内でリプレイしてからジャッジでも良いと思いますがねえ。
    江越の脚は戦力になりますね。もっとファーストストライクを振ってくれればですね。

  6. Akira28 より:

    いや〜、嬉しい!嬉しい!
    一昨日の青柳の場面と違って、怪我明けの秋山を7回で変えた矢野采配にも納得です。
    昨日の試合についてはtoraoさんや皆さんが詳しく書かれていますし、皆さんのコメント読んで、全くその通りだと思いました。
    なので、私からは一点だけ。
    矢野監督体制になってヒーローインタビューで話す選手たちのコメントも随分楽しく、選手たちの強い意志も聞けるようになったなぁということが印象的な試合でもありました。
    令和開幕戦、今日も勝つバイ!
    我が家の庭には、マリーゴールドやチューリップの黄色花が咲き乱れ、黄色に染まっています。