どうでもいいことをつらつらと……

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実際に病気に罹って悩んでいる方も多いだろうから、「たとえ」として使うのが少しはばかられるのだけれど、「組織」とか「システム」とかと呼ばれるものの中で、「人間の体」ほど上出来なものはめったにない。だから、野球チームのこともついついそれにたとえてしまう。
野球チームを強くすることは、体を健康に保つことに近いのではないかと。
「弱いチームは血の入れ替えが必要」。星野さんがよく言っていた。これなどはまさに外科的な治療にたとえている。「カンフル」なんて言葉も使う。

野球チームにおいて「外科治療」が有効なのはふたつのケースか。まずは「手術」。本来の機能がなくなっていたり、重大なダメージの元凶となっている「部品」を取り去り、代替品に入れ替える。
「補強」とか「移籍」に相当する。勝つための基本的な機能、打つべき打順の人が打てない、守るべきポジションの人が守れない、抑えるべき投手が抑えられない……このような時には、外科手術が有効だ。

もうひとつは「輸血」。手術により大量出血が必要なときや、すでに大量出血しているときには血を足さなければ、全身に酸素や栄養分、さらには免疫細胞やホルモンが行き渡らず、健康状態の回復はままならない。
野球チームなら、組織が硬直化し、対策が対策にならないような状況を改善するためには、構成員のうち少なくない割合をを入れ替える必要がある。よくあるのは首脳陣の入れ替え。ときには大量解雇のような形で、選手を入れ替えることもある。星野元年(02年)のオフなどはまさにそれを断行したのだった。

しかし、外科的治療は万能ではない。症状については完璧に手当を行ったかもしれないが、「病気になるもと」については手を打っていないからだ。
「病気のもと」を乱暴にまとめてしまうなら、先天的なもの(遺伝的なもの)と、後天的なもの(環境によるもの)に分けられる。別の言い方をすれば、改めることができないものと改めることができるものだ。しかし、遺伝的に病気になりやすい要因があっても、環境に恵まれて、運に恵まれれば発症・発病しないケースもある。逆も真。
どんなに頻繁に「手術」や「輸血」を行っても、「どうして病気になりやすいのか」というところに向き合わなければ、早晩発症が繰り返されることになる。

では何をすればいいのか。健康の三大要素は栄養・運動・休養だ。血肉とエネルギーになる、たんぱく質、脂質、糖質。少量ずつでも多種多様な機能を果たすビタミン・ミネラルを欠かさないために、多種多品目を摂取する。
野球チームでいえば、文字通り栄養学に注意するばかりでなく、バリエーション豊富な選手を揃え、それを機能させていくことの重要性。もちろん選手ばかりでなく、球団全体にも言えることだ。

動物は、座って生きていくようには設計されていないので、運動不足は健康を害する。
野球チームでいえば、文字通りトレーニングをハードにやること。筋肉組織はハードワークによって傷つくことで肥大していく。同じように強度と難易度の高い練習によってチームは強くなる。
運動によってもたらされる利点には、代謝のアップや血流の好転もある。新しい細胞が生まれ、栄養分や免疫力や指示命令が全身に行き渡る。その状態を作り出すのも運動の働き。
球団においては、利潤を適正に再分配したり、活発に設備投資したりという取り組みも「運動」だといってもいい。

休養、睡眠によって疲労を回復したり、筋組織の肥大を促進する。さらには脳の活動を停止させることにより、重要な記憶の定着を行ったり、生きていくために必要なメモリ領域の解放「忘却」をおこなったりしている。逆に休養が不足すれば、筋肉は増強どころかエネルギーに変えられて減少してしまう。疲労が蓄積すれば出力は低下する。脳の休養が不十分だと、記憶の出し入れの能力が低下して処理効率が下がり、さらにメモリ領域が不足しオーバーハングし「死への願望」が芽生えてしまう。
チームでいえば文字通り、練習の休みを適度に入れていかなければ「マイナス成長」になりかねない。頭脳的な野球をやるためにも、一方向から思い詰めず、さまざまな角度から考えていけば、リフレッシュにもなる。

健康を考えるときに、面白いことがいくつかある。
健康を望み、健康のためならどんなことでもする!と取り組んだ人が健康でいられるとは限らないということ。これには先述した先天的なものだけでなく、ストレスというものが大きく関係する可能性がある。ストレスは、ストレスが健康に悪いと思っている人にだけ害を与えるという学説がある。
健康であるにもかかわらず、いつか病気になることに不安を抱えて幸福感を持てない人もいれば、病気にかかりながらも心の平安を得て、幸福感とともに生きているひともいる。
これらもまた野球チームに置き換えることができるのかもしれないね。

コメント

  1. HiRO より:

    「血の入替」は、首脳陣の入替だけでなく、負け犬根性が染みついた「血」を入れ替える、そんなケースも多々あります。
    福岡から買収された西武ライオンズが、数多くのトレードを断行したのもそう。ホークスが福岡移転後、西武ライオンズの血を大量輸血したのも然り。近年ではオリックスにホークスの血を輸血して良くなりかけましたが、それを活かしきらなかった例も。また井口ロッテもまたホークスの血を輸血して強くなろうとしてますし、石井一久楽天はヤクルトの血と西武の血を入れようとしている?
    考えてみれば、パ・リーグばっかりですがw

    • 鳴尾浜トラオ より:

      おお、HiROさんお久しぶり(笑)。
      うん、そうですね。星野監督の1年目オフもそれでした。
      実は今年、矢野監督が中日の青い血を入れようとしていて、阪神の血が緑色になりそうです(笑)。

  2. 虎轍 より:

    山本昌臨時コーチが江越を勿体ない選手として指導をしてくれてます。
    藤浪、江越と能力面はあるのに力を出しきれてずにいる選手を指導してくれてるのは助かりますね。
    タイガースのコーチが出来なかった事を元中日の山本昌、井上、新井良太が鍛えてくれて成長してくれるとええですね。
    あとは北川コーチがスパイスになって、仕上がってくれると、尚ええですね。

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