10月10日は体育の日……は昔の話。今は10月第二月曜がスポーツの日だ。晴れの特異日だからと1964年東京五輪の開会式が行われた由緒正しき休日。運動会はこの日にやるものと決まっていた。変動するハッピーマンデーにしてしまうことに違和感を覚える。
とにもかくにもクライマックス・セ1回戦の決着をつける第3試合は、旧・体育の日とたまたま重なったスポーツの日に行われた。
初回、DeNA先発濱口から先頭中野が四球をもらう。2番二塁でスタメンの北條は送りバントで先制機を作ったが、アウトをひとつもらって落ち着いた濱口は、近本二ゴロ(中野三進)、大山遊ゴロでチェンジ。
流れを掴み損ねたことで、序盤はDeNAペース。初回2番楠本の三ゴロを輝明が前進してランニングスローを試みたが逸れて記録悪送球。続く佐野の一ゴロも原口があわや二塁へ悪送球というワンバン送球、ベースカバーの中野が好捕したためことなきを得たが、どうにも守備に硬さが見える。
2回表も輝明の四球と暴投で一死二塁の得点機を作るが、陽川、梅野と倒れて無得点。するとそのウラ、先頭の宮崎が才木の外角高め直球をライトにソロ本塁打。先制したチームが完封勝利しているシリーズは、DeNAが先手を取った。
阪神は3回表も中野がチーム初安打で出たが、一塁ソトの好守もあり反撃ならず。逆に横浜はそのウラ、一死から1番関根がきわどい球を見極めて四球で出ると、楠本が右前快打で続く。この打球をライトスタメンの大山がファンブルする間に、打者走者も二塁へ進み、一死二三塁でクリーンナップを迎える。佐野に対してカウント1-1からワンバウンドのフォーク、梅野ブロッキング。2-1からの4球目も同じくフォークを要求したが、またもワンバウンド。弾み方が悪かったか梅野が後逸(記録暴投)し、ただで2点目をあげてしまった。
さらに佐野を四球で出して一死一三塁で4番牧。ここで早くも矢野監督が動いた。才木に代えて浜地を投入、2016年ドラフト3位と4位、6年目の同期リレーだ。牧は初球をスイング、カットボールがやや高めに浮いたが微妙にバットの芯を外し、あらかじめベースに寄っていた二塁北條へ併殺コース、しかしこれが手につかずポロリ! ヒヤッとしたがすぐさま二塁へバックトス、これを受けた中野が素早く一塁へ送球し併殺完成。もしも3点目が入れば試合が決まりかねないところを浜地の好リリーフで防いだ。
0-2となり、早めに反撃したい4回表。しかし大山は右飛、原口は7球粘ったが打球持ち上がらず三直で二死。試合がまったりと落ち着いてしまいそうなところだった。しかしここで輝明が流れを変える。初球、当たり前のように投じられた内角直球。輝明は遅れることなく豪快にしばき上げた。高く舞い上がった打球はいつまでも落下せず、ハマスタの高いフェンスを越えてバックスクリーン右に飛び込んだ。浜地が踏ん張って試合を留め、逆に1点差に迫る。1点以上の価値があるソロホームランだった。
回をまたいだ浜地は、4回ウラ先頭宮崎をストレートの四球で出してしまう。しかし続くソトにはまたもカットボールで芯を外し6-4-3の併殺完成。連続イニング併殺で阪神への流れをじりじりと太くする。
5回ウラ、3番手は岩貞。8番戸柱から始まる打順をトントントンと簡単に三者凡退。これで勢いは完全に阪神のものになった。
6回表、先頭2番北條が鋭く三塁線を破り二塁打。スタメン起用に応える価値ある一打だった(代走熊谷)。打席には中野と並び、このシリーズでヒットが期待できる数少ない打者近本。ここで矢野監督が選択した作戦は、初回に続き送りバントだった。おそらくもう決めていたのだろう。進めないで悔やむくらいなら、バントでいいと。しかし問題は、矢野監督が思うほど阪神の選手はバントが上手くない。近本はバントをふたつファウルにしてカウント1-2。さすがにバントはあきらめて、おそらく右方向への進塁打を要求したのだろう。フォーク、直球をなんとかファウルで逃げて6球目、内角直球をコンパクトに弾き返すと打球はライトへぐんぐん伸びる……ここでバックしていたライト楠本がくるりと振り返り、落下点に入ったようなフェイクを入れた。打球はフェンスに当たり、跳ね返りを処理して中継へ。熊谷がどのような走塁をしていたかは確認できなかったが、ハックホームより先に余裕で本塁を駆け抜けたところを見ると、少しだまされかけたものの、熊谷の打球判断と俊足をもってすれば問題なかったのだろう。近本のバントミスからのタイムリー二塁打で2-2同点に追いついた。
ここでDeNAは投手交代。二番手は強い球の入江が上がる。なおも無死二塁で打者は4番大山。決めてしまっている矢野監督、ここでもやっぱり送りバントのサインを出す。結果は捕邪飛。見ている私のイライラは頂天に達したが、矢野監督はおそらくなんとも思っていなかっただろう。なぜなら決めていたことだから。迷わないし悔やまないから、決めてしまった人は強い。
しかしここはなんとしても越さなければならない。一死二塁で原口。カウントは3-1となり、戸柱は5球目を外角の直球で取りにいく。これが逆球となって内角へ、ところが原口がこれを空振りしてフルカウントになった。6球目、要求は再度外角低めへの直球、しかしこれがまたもや逆球で内角低め、原口のヒットコースへ吸い込まれる。原口今度は逃さず、測ったようにショートの頭を越えて左前へ。あらかじめ外野は前だったが、近本が完璧な打球判断でスタートを決め、本塁返球より早く足から滑り込んだ。3-2、このシリーズ初めての逆転シーンとなった。
6回ウラ、浜地に続き岩貞も回をまたぐ。守備も大きく代えた。代走の熊谷がサード、サード輝明がライト、ライト大山がレフト、レフト陽川に代えてセカンドに小幡が入った。DeNAは、先頭楠本へ代打桑原。本調子ではないようだが、気迫を見せ、追い込まれてから粘った。8球目、クリーンに捉えた打球が左中間を襲う。しかし反応よく飛び出した近本が左へ走って走って最後は横っ飛びでキャッチ! 先頭打者の「長打」をアウトにする「1点プレー」だった。
岩貞は佐野を退け二死となったところで4人目の西純にスイッチ。このあたりにも矢野監督の迷いのなさが感じられる。しかし牧は左前ヒットで出塁、宮崎の打球もセンターへのヒット性だったが近本が前進してキャッチ、ことなきを得た。
7回表、DeNAはエスコバーを投入。こちらももう絶対に点をやらない構えだ。梅野が倒れて一死、西純も回をまたがせるようでそのまま打席へ。そして内角への155キロに対して肘をたたんで先に抜きながら体を回してバットの芯にミート。読売坂本ばりの内角打ちでレフトの頭を越す二塁打になった。来季は左キラーの代打でもいけるがな。しかしせっかくの好機も、中野の大飛球がライトを越さず(西純三進)、熊谷三振でチェンジ。
打って走った西純が7回ウラのマウンドへ。先頭のソトは内角高めで詰まらせて二飛。大和は力ない遊ゴロ。戸柱には外角高めに集めて二ゴロ。期待に応えて下位打線を三者凡退に斬って、貴重なイニングを食った。その姿の楽しそうなこと、純なこと。あと2イニングは岩崎、ケラー、湯浅でいける。万一延長になったら藤浪が行ける。本当にこの西純の1.1回は大きかった。ナイスピッチング、おつかれさん!
8回表、マウンドには伊勢。追加点は欲しいが相手がそう来るのなら容易ではない。ただここで三浦監督が不可解な選手交代をする。なぜか伊勢を戸柱のいた8番に入れ、次の回の先頭である9番に捕手の伊藤光を入れた。いい代打がいるのに、8回ウラの先頭を伊藤でいくのは解せない。ちょっとした勘違い、ミスではなかったか。
伊勢に対して、近本から始まるクリーンナップが簡単に打ち取られる。それはまあ仕方ないのだが、ベンチ前で西純がキャッチボールをしている……な、なんで? 確かに結果的にゼロだけれども、制球にはバラツキもある。球の威力としても抜群の殺傷力というほどでもない。さらに回をまたがせる根拠はどこにあるのだろう……。
これは当てずっぽうでしかないが、矢野監督は伸び伸びと楽しそうに投げる西純のほうが、ガチガチの緊張感でマウンドに上がる岩崎やケラーより結果を出してくれると考えたのだろう。あるいは、今、ここで8回のマウンドに西を送り出すことで、西にとってはかけがえのない財産となる大きな成長の機会を与えられるとひらめいたのかもしれない。こと若手投手の育成にかけては、矢野監督の4年間で大きな成果をあげてきた。その根本にあるのは、ちょっと背伸びする場面でも、思い切ってやらせてみることだ。打たれても、そこに学ぶ材料があったらいい。いろいろと疑問を感じることの多かった矢野采配だったが、ことその部分については信念とも言えるようなものを感じさせた。
8回ウラ西純。先頭、伊藤の打球は三塁線を襲ったが熊谷がこれをジャンピングキャッチ。これまた抜けていて、フェアになっていたら「同点必至」の先頭長打になっていた。熊谷の「1点プレー」、危ない危ない。三浦監督は、8回ウラの先頭伊藤光の「ヒット」が見えていたのか。ミスではなかったのかもしれない。
しかし西純、1番関根にストレートの四球を出して一死一塁。続く桑原に三浦監督は送りバントを命じる。桑原は1球で決めた。8回二死二塁となったところで、矢野監督は湯浅にスイッチ。これで、浜地から岩貞、西純、湯浅と全員回またぎ(西純は大またぎ)だ。それにしてもこの西純のまたぎまたぎの2イニングは大きかった。西にとっても今後に繋がる大きな登板になった。
二死二塁で3番佐野。湯浅の初球は、外角へのフォークが低く外れる。2球目、内角低目への速球150キロ、佐野もこれを狙っていた。捉えた打球が一二塁間を襲う。しかしこの回から一塁に入っていた大山が逆シングルでがっちりキャッチ、素早くベースカバーに走っていた湯浅に送球して3アウト! 佐野と牧の分断に成功したのもデカい。あと1回だ。
9回表、DeNAは山﨑康晃を投入。輝明、小幡、梅野と簡単に三者凡退に終わる。
9回ウラ、湯浅は先頭の牧を3球で追い込むも4球目のフォークを見切られて2-2。そこからは直球を3つ続けたが、牧はフォークを警戒しながらギリギリのタイミングでで間に合わせてファウルで逃げる。8球目、ストライクコースのフォークにも対応してファウル。フォークの後の9球目、ストレートに張った牧が、152キロの速球に合わせて、広く開いた三遊間を破る。牧は一塁で大きく息を吐き、珍しく気勢を上げる。4番の気迫、2位の意地があふれ出す打席で、球場の空気が変わった。
打者宮崎。直球が抜けたように高めのボールが2球続く。すかさず大山や糸原ら内野陣がさっと近づき、声をかけた。湯浅に表情が戻る。ホールドを重ね、自信をつけた上でクローザーに抜擢された湯浅は決して気圧されていない。内角低めに直球を投げ込みふたつストライクを奪うと、5球目は同じところからフォークを落として宮崎は空振り三振。あとアウトふたつ。しかし、そのふたつが遠かった……。
一死一塁でソト。初球こそタイミングを外すフォークでストライクを取ったが、以後は低目を狙った球がことごとく低すぎて四球。一死一二塁。クローザー山﨑まで投入した三浦監督はここで決めるとばかり、二走牧に代走神里、一走ソトに代走森を送る。
ここで大和に代えて、とっておきの代打オースティン登場。オースティンへの初球はソトと同じようにカウントを取るフォーク、これをものの見事に狙われた。痛烈なライナーが投手の右を抜けるが、あらかじめベース寄りにポジションを取っていた小幡が懸命に追って横っ飛び、しかしライナーはそのグラブの先をわずかに抜けてセンター前に落ちた。この小幡の守備もまた「1点プレー」だった。結果的に捕球できずクリーンヒットに変わりはないが、あきらめずに打球を攻めたことで、捕るのか捕れないのかギリギリまでわからなかった。そのため二走神里は帰塁できる場所に釘付けにされた。抜けたのを見てからスタートをしたが、センター近本のチャージも良く、本塁に突入できるタイミングではなかった。
しかし一死満塁、一打逆転サヨナラ、絶体絶命のピンチになった。
すると、矢野監督が自らマウンドに近づいて行く……。いつもは福原投手コーチに任せっきりの矢野監督がマウンドに行くのは珍しい。
そしてマスクを外すと笑顔だった。受け持ちクラスの生徒たちを励ます先生の笑顔。ずっと努力を、挫折を、成長を見守ってきた先生の笑顔。みんなも笑顔を取り戻す。野球が楽しくて仕方ない野球小僧の笑顔だ。
さっと円陣が解け、試合再開。一死満塁、打席には山﨑への代打、ベテラン藤田が向かう。監督の言葉と笑顔が湯浅の勇気になった。初球、魂のこもった152キロのストレートがど真ん中へ。一撃必殺を狙った藤田が振り抜くも、打球は前進守備の二塁小幡の正面へ。小幡ステップを踏みながら捕球するとリズミカルにバックホーム、ベースを踏む梅野が落ち着いて一塁大山へ転送する。
4-2-3。一瞬の出来事。この日3つ目の併殺が美しく完成し、その瞬間に大熱戦となったシリーズが終わった。
一塁へヘッドスライディングした藤田は起き上がろうとしない。コーチに抱き上げられた。若い阪神の選手たちが飛び跳ねて身を寄せ合って大きな声をあげて喜びを表現する。感情が爆発する試合では、必ずほんの少しの差で勝者になるものと敗者になるものが分かれる。
この日の選手起用と、マウンドで見せた笑顔から、あらためて矢野燿大という監督の哲学を見た。選手を成長させる、野球選手として幸福にする、人を残す。それが矢野監督の究極の目標なのだ。長いようで短い限られた野球人生、悔いのないように楽しめよ。ドラマの主人公は自分やぞ。
ひとしきり喜んだあと、タイガースのみんなは、レフト観客席に陣取った黄色いファンにお辞儀をし、手を振った。そのスタンドの向こうで、運動会の日の夕焼けが一部始終を見守っていた。
コメント
おはよう御座います♪
torao 様の今朝のコラムは最高です。
何も書くことは無いのですが、私なりに。
歓喜の瞬間でした。
しかし、疲れました。
半分、負けを覚悟しました。
牧がファウルで2球粘りだした頃から、嫌な予感が頭を持ち上げてきました。
宮﨑の三振で息を吹き返したのも、束の間。
ソトには厳しい内角攻めからの四球。
オースティンの当たりに目をつぶりましたが、2塁ランナーは三塁止まり。
まだツキはあります。
いや、しかし厳しい!
内野に小幡、中野、マウンドには湯浅。若い選手たち。戦士達。
経験値がそれなりにあるのは、梅野、大山だけ。
あっそういえばサードは熊谷から糸原に代わっている。
糸原が熊谷から代わっていることに、若干の安心感を感じた瞬間。今シーズン初めての不思議な気持ち。
守備のうまさより、場馴れがある。それだけ。
湯浅のフォローに梅野が走るがこういう時は少しでも経験値が抱負な内野手が多いに越したことは無い。
しかし、こんなヒリヒリする場面にタイガースの生え抜きの若手選手たちが堂々と立ち合い、向き合っていてくれている事に、思わず感動した私。
すかさず矢野監督自らが湯浅に向かう。
思い切り楽しんでこい!
ベンチに帰る矢野監督の背中をもう少しだけ見たいと思った。
采配より選手たちのモチベーションとリリーフ投手の肩、肘の状態を優先してきた矢野監督だが、ここへ来て、早め早めの勝負と信じた選手を思い切って使っている。
早めの浜地投入、お見事!
西純のロングリリース天晴れ!
おそらく多くのファンは8回は岩崎投入と思うところ、矢野監督は西純続投。
二死二塁の場面で、湯浅投入は、私もそうするはずと思ったので、正解!
しかし、粘るベイスターズもお見事でした。
ヒーローインタビューはまたまた湯浅でしたが、個人的には難敵・入江から逆転打を打った原口です。
いや、この試合、全員がヒーローでしたね。
特に、最後のダブルプレー。
痺れる場面で、小幡、梅野は良く守ってくれました。
ファイナルステージも楽しみたい。
打順の都合もあったけれど糸原守備崩しというか守備緩めは不安でした。
やっぱり⁈
かつての「体育の日」に絡めた1冊の本のストーリーみたいな素晴らしいコラムに喜びが蘇ります。
やはり4年連続CSを経験している矢野監督の短期決戦用「後悔のない継投」は流石でした。
打線は水ものであり、どのタイミングでタイムリーが出るかは「運」の要素も強いですが、継投に関してはベンチの策が大きく勝敗を分ける事を痛感したゲーム。
先発才木も2安打ピッチングですからそれほど悪い訳ではありませんでしたが、引き分けも許されない戦いの中では2失点がデッドゾーン、
ピンチを残して「ピンチにめっぽう強い浜地(7回の男)」を3回に登板させ、見事にピンチを切り抜けたところで逆転の可能性を残した。
あとは「今好調な投手」を回跨ぎさせながら、ペナントレースでは有り得ない継投で相手にスキを与えませんでした。
特にラッキーボーイ的な西純矢を打席に立たせてまで続投させたシーンは、もし失敗していたら「あそこは代打で8回岩崎(ケラー)でしょ」と袋叩きに合っていたかも知れない策ですが、
投げてみないと分からない岩崎やケラーより西純矢の度胸と好調さに託した矢野監督の勝負勘が見事にハマったシーンでした。
8回2死からのピンチで左の好打者(最多安打男) 佐野のところでは「さすがに左の岩崎か?」と思われましたが躊躇なくシン守護神の湯浅を投入したのにも驚きました。
相手の左右関係なく、現状一番信頼出来る湯浅を送るという事で腹を括り、
9回裏1死満塁の絶体絶命でも その気持ちに揺らぎはなかった。
矢野監督自らマウンドへ行き「ドラマ作るなあ。もういくしかない。強気や。思いっきり楽しんで。この場面、お前にかけているから、どんな結果でもいいから思い切っていってくれ!」の言葉で湯浅が開き直りゲッツーで締めた時には感動しました。
最後の代打が大田じゃなく藤田だった事にも救われた、あれは三浦監督には悔いが残ると思います。
余談ですが
「球場声出し応援」が物議を醸していますが、勿論できるだけマナーを守る事は当然ですが、自然発生的に出てしまう「よっしゃー」とかは ゲームに集中している以上 仕方ないようにも思います。
恥ずかしながら私も「佐藤輝HR」「近本同点タイムリー」「原口勝ち越しタイムリー」「ゲームセット」の時は家で叫んでしまい、上の階でイヤホンして受験勉強していた娘に「声がイヤホンを突き抜けて聞こえたよ」とうるさがられる程 絶叫していたようです。
さて、明日からの神宮球場ヤクルト戦も失う物は何もない、思い切って行け 私達もどんな結果でも受け入れるから!
昨日は厳しいことを書いたが、あれで終わりを迎えなくて本当に良かった。
結果は3対2、タイガースが勝った。もちろん喜び爆発、何度も流れる牛丼屋さんのCMに「早く終われ!」とツッコミながら、けれども観たくないようなドキドキとワクワクが入り交じった感情。
試合後は歓喜の雄叫び…けれど冷静に考えてみたら「どうして勝てたのか」分からなくなった。流れは完全にベイ、逆転しても三浦監督は動じない。サヨナラの場面を作り上げてベイファンの気持ちをマックスまで持ってった。
5回だったか、濱口が三振して梅野がボールを拾ってタッチしようとしたが、濱口は笑いながら避けていた。カメラには映らないが梅野も笑っていただろう。「余裕かましやがって…」と苛ついた瞬間。間違っても打たれると思っていなかった濱口。
ベイよりもタイガースが上に行けた要因は矢野さんのCSの経験値だけだと思う。三浦監督の矢野さんに対するイメージを、矢野さんは上回ったのだ。まるで「シーズン中は大人しくしてた」ように別人だし「こんな監督なら」とタイガースの選手もフワフワしていた。
ベイの濱口が泣き、藤田は崩れた。あの姿を決して忘れてはならない。神宮で恥ずかしい試合はできない。
弱点は下位打線、特に梅野。好き勝手に振っているしフォアボールを取る気もないし投手を疲れさせることもしない。西を見習え。食らいつけ。頭を使え。
それと大山。試合に入り込めてるか?全くオーラが伝わらない。自力で掴んだ4番ではないが座ったなら4番の顔をしろ。大山の復調なくして神宮での勝ちはない。
いつまで投手に「おんぶにだっこ」なんだ? もちろん技術は大事だが気迫を見せてくれ。高津監督は矢野さんにビックリしているはずだ。けど本当にビックリさせるのは打撃陣じゃないと。
勢いはタイガース。波に乗り遅れるな。
北條の二塁打からの同点&逆転劇、こうさん様の昨日のコメント「糸原を外して北條ですね‼️面白くなりますよ」がすげぇと思いました。
球児がYoutubeで濁しながら言っていたのですが、大山は故障してるみたいですね(いろんな要因があって三塁はできない、球団が公表していない情報があると思う、と言ってました)。
哲様ありがとうございます。決して糸原が外されて万歳ではなく矢野さんが「動いてくれた」ことが嬉しかったです。大山、ケガですか…。情報がないとはいえキツイ書き方をしてしまいました。けど大山しかいないんですよねぇ。短期決戦では外国人の守備が不安ですから。奮起せよ、陽川!
まるで録画を観るかのようなコラム。いやtoraoフィルターを通したタイガースファンには味わい深い内容に朝から感動しています。
そもそもCSには反対派だったのですがあれだけ熱い戦いを見せつけられると頑固な頭もコロッと変わってしまいます。タイガースの選手も湯浅を筆頭にアツかったが、ベイスターズのエスコバーの煽り、牧の咆哮、藤田の硬直を観て敵ながら感動してしまった。それに打ち勝ったタイガースがさらに凄かったのですが、監督自らマウンドへ行っての言葉で笑顔を見せた湯浅やこれまたにこやかな笑顔で投げて打つ西純を観てたら、これは矢野監督だからこそのものだろうなと感じました。情に流されやすかったり空気が緩いと言われますが、その空気のおかげで選手は楽しみながらノビノビと野球が出来ていたのかと退任間際になって初めて感じました。だからいい悪いではなくこれが「俺たちの野球」なのでしょう。
ファイナルは勢いに乗ってそのまま行くのか返り討ちにあいコテンパンにやられるのか分かりませんが、まだアツい戦いが観れるのが楽しみでしかありません。
ハラハラドキドキ、胃がぶっ壊れるかと思った3日間でした。
序盤、チャンスを作りながらも活かせず、2回3回と失点した時には、
半ば敗退を覚悟していました。
それだけに直後の佐藤輝の一発は、チームに活力と「まだ行ける!」
というファイトを取り戻してくれました。
今季レギュラーシーズンの最終戦で、西純先発の試合で才木が延長3イニング
を助けたお返しに、今度は才木先発で西純が大きなリリーフの仕事を
やってのけました。
こういう繋がりって、結構チームにとって大事だと思う。
「誰かのために」と言うのは大きな力になるし、次の時は俺が頑張って
助けてやると言う力になります。
昨日は6回の同点・逆転のシーンから、体が震えて止まりませんでした。
こんな事は滅多にないのですが、選手たちの「この試合勝ちたい」という
気迫が画面を通じても伝わってきたので、こちらもいつも以上に感情移入
してしまいました。
近本の同点打の後の、セカンドベース上での安堵の顔。
原口の逆転打で近本がホームインした時の、佐藤輝のガッツポーズ。
今思い出しても、こみ上げるものがあります。
9回裏の攻防も両チーム素晴らしかった。
先頭牧がレフト前を打った後、ベース上でチームを鼓舞するような雄たけび。
一発を打ちたいであろうソトが四球を選んでガッツポーズをする姿。
まだの場面で、オースティンを残している選手層の厚さ。
正直あのオースティンの当たりで「負けた」と思いましたが、小幡が捕れずとも
ギリギリのプレーをした事でセカンドランナーの生還を許さなかった。
最後の4-2-3のホームゲッツーも、一つの淀みもなく美し過ぎるプレーの
連続でした。
内野守備練習でも、あんな綺麗なホームゲッツーはお目にかかれません。
一塁ベース上で起き上がれない藤田。
その藤田を抱きかかえるオースティンとコーチ。
その横で歓喜の輪を作るタイガースナイン。
勝者と敗者の残酷なコントラストですが、一つ間違えれば立場は逆になって
いたはず。
まさに死力を尽くしたCS1st。
両チームに惜しみない拍手を送りたいと思います。
高津監督のお望みとは違って、ファイナルに歩を進めたタイガース。
どうせ、借金持ちの3位チームなんですから、余計な色気を出さずに全力で
チャンピオンチームにぶつかって欲しい。
Back to 甲子園!
あの4-2-3のホームゲッツーは世界遺産に登録しておきたいくらいに美しかった。
一瞬、2014年の日本シリーズ最終戦の最後の西岡のアレが
頭に浮かんだのは内緒(笑)
例の守備妨害のやつね。
あの時もヘッスラすればもうちょっと感情移入できたのに。
私もです、、、
自分の長文コメント(しかもだいたいトラオさんが書いてくれてる内容)を付けることに躊躇するトラオさんの名文!朝から泣きそうになっております。
白状しますが、自分は三裏の大山ファンブル→才木ワイルドピッチで失点で終戦してました。
CS進出も個人的に終戦してから実現したので、私はこのままもう終戦モードでいた方がいいのかもしれません・・・(笑。
以下、一応観てたところまで&試合後収集した情報を受けての個人的ポイントです。
■対濱口2球以下で凡退(全球見逃し三振の方がマシ)
一表 北條、近本、大山
■ここで走らんのか~
一表 無死一塁 走者中野 打者北條
三表 一死一塁 走者中野 打者北條
■他
・初回先頭打者に四球出して苦しい濱口にわざわざあっさり1アウトあげる御人好し采配。初戦2戦目とアレだけ盗塁決めてきたのは何やったんや。その後も濱口は球浮いてたので本当にもったいなかったですね
・まさかの輝明の方が糸原より三塁守備下手なのでは説(辛い)
・宮崎のアレがホームランになるハマスタ恐るべし・・・大山、陽川もアレやればええのになー
・観てませんが、六表無死二塁1点ビハインドで打者近本、同同点で打者大山が送りバントできなかったようで。私はここの送りバントはアリだと思うんですが、やっぱり批判もされてるようですね・・・特に近本にバントさせようとしたことに関しては次の大山が現状あまり期待できない点からもなかなかの叩かれっぷりのようで。勝ったのに無能采配と言われる矢野監督が気の毒です(笑(三浦大ちゃんも最後の代打が大田じゃなかった点で散々叩かれてますが・・・)
・西純は二刀流させます?(笑
torao様の文章で昨日の試合の臨場感が沸々とよみがえってきました。
ありがとうございます。
采配は謎が多いですが、選手の信頼、育成に関しては最高な監督なんでしょうね。
このまま神宮も勝って日本シリーズに行きたいですね。
疫病退散!
頑張ろう日本!
チケットか取れて友人と現地参戦でした。普段は黄色ジャージーも4割以上は居る3塁側内野Aでしたが、なんと昨日は95%はブルージャージーでした。レフトウイングシートも真っ青。
さて、ゲーム内容についてはtoraoさんの渾身の描写に尽きます。何も足さない、何も引かない見事な筆致の名文でございます。
でも回裏一死満塁のシーンでは負けを覚悟していました。太田ではなく藤田が出て来た場面でも覚悟は変わりませんでした。前進守備のセカンド正面、4-2-3と絵に書いたような併殺でした!満塁でのワーという大歓声。ゲームセットの瞬間の地鳴りのような歓声…83年生きて来てこんな感情は初めてでした。ここまで来たらファイナルも私なりに楽しみ、上手く行けば日本シリーズへ勝ち上がって欲しいですが、欲は出さずに楽しみたいです。
今シーズン1,2を争うtoraoさの気合の入ったテキスト。
試合の内容もそれに見合うだけの味わい深い一戦でした。
両者のせめぎあい、しのぎあいはどちらを勝者にしてもおかしか無い試合。
ラスト、ベテランDeNA藤田がヘッスラゲームセットで、しばらく立ち上がれない姿に高校球児の最後の夏が重なって見えたのは私だけ?(ちょっと泣けた)
『なんで阪神が勝ち上がったのか、なんでDeNAが負けたのか
ぜんぜん根拠の探せない答えのないシリーズでした』
3試合通じての藤川球児さんの感想でした。
ドキドキする試合をありがとう❗
昨日の矢野監督は序盤からいい表情してた。
ファイナルもあの顔で試合出来たら甲子園に帰れるかも‼️
昨日も現地で観戦していました。
思わず声が出た矢野采配。
①1回表北條にバント指示
②3回から浜地投入
③6回表近本にバント指示
④6回表大山にバント指示
⑤8回裏西続投
⑥9回裏ピンチで監督がマウンドへ
納得できる判断ばかりではありませんが,結果勝ったのだから矢野監督が博打に勝ったということでしょう。
特に,浜地投入と,西続投は秀逸でした。
選手の感情とプライドを慮って型通りの采配をしていたときとは違い,
果断で見ていて気持ちいい。
このCS中でも若手投手が目で見てわかるほどグイグイ成長しています。
湯浅しかり,西純しかり,浜地しかり。
矢野監督は,若手の成長に魅せられて,
こんな言葉あるのか分かりませんが,監督′sハイの状態だったのかもしれません。
願わくば若手野手の成長も見たいものですが。。。
試合を通して成長する,これが矢野監督が目指していた野球なんでしょうね。
torao様渾身の大作に昨日の試合を思いだし何度も泣いてしまった。
何度も名シーンがあり珠玉の宝石箱の様な試合だった。才木、浜地、西純と湯浅の若き虎四天王にザ,パワー岩サダを挟む見事な継投だった。けれども佐野の所は岩ザキでも良かったかもだけど矢野さんに迷いは無かったのでしよう。
北條、近本、サトテルに原口本当にありがとう。そしてダイビングと華麗なグラブ捌きと好送球小幡に感謝。
勝った瞬間、たまたま帰省していた息子と妻の3人で何度もハイタッチしたのだった。もしも最後代打大田だったらサード糸原なのでちょっと怖かったかも。お通夜の様な三浦監督のインタビューだったけど、この3日間本当にベイは強いチームと確信した。
でも湯浅が言う熱い試合を本当にありがとう。
こうさん様そして皆様、行きましょう、神宮へ。
toraoさんのコラムと皆さんの熱いコメントで感動で私は、その様なコメントを書く自信が無いので簡単に。
選手の皆さん、タイガースファンの皆さんCSファイルステージ進出おめでとうございます(私自身は微妙な気持ちですが、やはり嬉しい)
選手の皆さんファイルステージも頑張ってください。
ファイナルを間違えてファイルと書いてしまいました。スミマセン。
感動しました。
皆さんのコメントで書き尽くされましたので、何も言うことはありません。謝謝。
今シーズン初めて、「勝ちたいんやっ」の気持ちを感じました。何としても1点取るぞという執念が随所に見られ、うるうる