懲罰

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心も体も傷ついてしまったが、とりあえず甲子園に帰ろう。


この遠征の間に、とっておきの代打桧山が帰ってきた。甲子園のタイガースファンは、きっと大きな声援であたたかく迎えてくれる。遠征勝ち越しようやった。お疲れお疲れ。
試合が始まってしまえば、選手の技量任せなのが岡田野球。したがって巷で言われるほど「采配で負けた試合」というのは少ない方だと思う。今春の低迷についても、ゲームの采配というより、シーズンへの準備を責められるべきだろうと思う。ただこの試合については、「采配で負けた」と言わせてもらいたい。
前半、チャンスを作りながら得点に繋げられなかったことについては「まあそういうこともある」という感じ。それは監督こだわりのスタイルなわけだから、当たる時もハズレる時もある。10安打3点は褒められた内容じゃないのは確かだが、この試合は守りの用兵ミスが勝敗を決めてしまった。
手短に言えば、「打ち込まれたダーウィンを早めに代えるべきだった」「7回裏試合を決める2失策をした藤原を一塁に入れるべきではなかった」。結果論もたいがいにせいという2つである。だがそんな結果論はどうでも良くて、監督にはもっと大きな問題について、よくよく考えてもらいたい。自分の判断を間違わせ、選手を萎縮させる問題があることを認識して欲しい。
2試合好投の能見ではなく、ダーウィンを先発に立てた。「懲罰」とも言われる無期限抹消中のジャンに代わって久々の一軍。
ダーウィンは今年もサブ外国人投手として開幕から二軍。しかし真面目に調整を続け、ジャン、ウィリアムス、ボーグルソン、シーツが、入れ替わり立ち替わり、故障や不調から登録抹消される中、5月末から7月末まで、一軍登録された。主にビハインドでの救援。その期間は、まさにチームが不調のどん底から、徐々に自信を回復していく時期で、辛抱して辛抱して逆襲の機運を掴んで行くチームの象徴的存在でもあった。最終的に、ジェフが二度目の抹消から戻って、外国人枠がいっぱいになった時、やはり落とされたのはダーウィンだった。
それから約1ヶ月。誰が落ちるとも思えない状況の中で、ダーウィンは一軍での仕事とは違う先発調整をしていた。次に上がるチャンスが来るとすれば、ジャンかボギーの穴埋めかも知れない。そうわかってはいても漠然としたものだったろう。そしてやってきた懲罰とも言われるジャンの「無期限」抹消。
今回のダーウィンの先発起用は、二軍での好調を受けてのスクランブルだったはず。もちろん、すごく良ければローテに組み込みたいが、そこまで期待するのは欲が深すぎる。ロングリリーフのつもりで行けるところまで飛ばして、つかまったらすぐに、本当ならつかまる前に代えてやる使い方で行くものと思っていた。前日はJFKが1回ずつだから、この日もそれで行ける。6回まで、ダーウィン、江草、渡辺で持ってくればよい。3回をゼロ、カンペキだった。4回1番からの打順で代えても良いと思った。行かせた。それはそれで良い。打たれた、掴まった、代えてやれ、もう十分やってくれたじゃないか。4回を投げ切らせて4失点。ダーウィンをどうしたいというのか。
7回ウラ久保田を投入するにあたって、林を下げてそこに久保田を入れ、一塁に藤原を入れた。ムチャクチャ違和感アリアリの交代だった。ビハインドゲームではずっと下げることのなかった林を下げた。これが1つめの違和感。チャンスで凡退を繰り返したことへの「懲罰」という感じ。1点ビハインドの試合で久保田に回ってから代打を出せば良いだけの話なのに、わざわざ打順をいじったということは2イニング以上投げさせる可能性があるということか。これが第二の違和感。前日の退路をバッサバッサと断っていくような潔さがない。そして一塁に入れたのが藤原、これが3つめの違和感。一塁守備固めの形ならシーツを回して、関本を三塁に入れる。前日チャンスでやっちまって、この日スタメンを「懲罰」的に外されていた関本は使わなかった。だいたい藤原は外野守備固め、ピンチバンター、代走では使われていても、一塁に使われることはまれ。まだ葛城の方が場を踏んでいる。次の回に回るであろう藤原の打席に何を期待しているのかもわからない。きっと本人もわからなかっただろう。結果、懲罰的に代打を送られてしまうのだから、わかりようもない。
動揺の中でフィールドに立ち、動揺のままに試合を決める2失策。この失策は監督につけるべきだ。
「普通にやったらええんよ」の次にある言葉は、「責任は使ってるオレにあるんだから」だと思う。懲罰主義は、このチームに合わない。この小さな動揺は激震に変わりかねない。そしてそれはこのチームの持ち味を失うことを意味する。
岡田監督には、もう一度自分の野球の原点に立ち返って、真っ白な気持ちで残り試合に臨んで欲しい。

コメント

  1. たしかに自分も藤原一塁に違和感がありました。その違和感の所に微妙に難しい打球が来るのだから野球はおもしろいですね。藤原は可哀想でした。1点入った一塁ゴロにしても例え捕って投げていても英智の足だからセーフのような気がしました。ダーウィンに関しては替え時が難しかったですね。森野の所で江草がベストかな?
    でも自分は切り替えてますよ。死のロード12勝8敗1分上出来です。ナゴヤドームも勝ち越し。チーム防御率1位とV奪回の条件は揃いました。
    そして明日から甲子園9連戦です。昨年の8月27日、球児の涙から今日で一年。あの日から去年は32試合25勝6敗1分でした。今年残り33試合です。必ず逆転優勝出来ると信じています。

  2. 酔虎伝 より:

    変な試合でしたが、
    ナゴドで勝ち越しは、凄いこと。
    4月5月悪かった分、
    9月10月、虎にええことあるのでは?

  3. とらみ より:

    落合監督のコメント
    『この試合が逆なら眠れんやろね』
    …考えさせられます。
    失敗は次の糧に…
    明日に備えて、岡田監督、
    今日はぐっすり眠ってください。

  4. torao より:

    思えば先週は、桧山祭りから始まって、ジャン騒動、大勝&大敗に懲罰動議まで、ずいぶんと騒がしかったですね。
    to クリキントン飛雄馬さま(メアドは入れない方が良いよ)
    たぶん今年は沈み込みが長くて大きかった分、ロングスパートが長すぎてしまって、その間延びがイヤなんでしょうね。岡田監督は。ピリッとした空気を作っていきたいのでしょう。そうか、球児の涙は今頃だったんですね。なるほど。
    そう、ロードからの帰還という、ものすごく切り替えやすいタイミングでもありますからね。大丈夫でしょう。
    to 酔虎伝さま
    4?6が悪く、7?8月は申し分なしですね。ここからが本番です。
    to とらみさま
    珍しく、明らかに「ゲームの采配」で負けた試合でしたからね。岡田監督、そりゃもう悔しいでしょう。成長の源になる試合だったと思います。

  5. ume より:

    toraoさん、こんにちは。
    確かに『違和感』ありありの敗戦でしたね。
    でもこんな試合が天王山だったとはとても思えません。
    つまり昨夜は天王山のための『布石』なんだと・・・
    思うことにします。
    まず、先発ダーウィン。能見もいけたのにダーウィン。
    これは必殺「能見隠し」という技でCS対策です。
    さらに関本でも葛城でもなく藤原起用で「めくらまし」。
    これは今回は藤原本人の目がくらんでしまって失敗。。。
    これで中日の先発陣ともひと通り対戦できたわけですし、
    『死のロード』を終えて甲子園に帰ることですし、
    ゲーム差以上に未来は明るいと・・・思うことにします!
    (去年同様の追い込みを計算しちゃいけないとは思います)
    がんばれ関本!

  6. 一虎ファン より:

    誰が見ても妙な「守備固め」でしたね(守備固めになってさえいなかったわけですが)。
    ========================スパパパパっ!========================
    明日から甲子園。
    金本、林の復調を信じて、打線爆発を期待します。

  7. ume より:

    スポニチ紙面を読んで追記しています。
    【虎と竜を知る男】長島清幸氏が赤星の守備を指摘していました。
    中前打で一塁走者の三進と打者走者の二進を許したんですね。
    かーつ(喝)だー!
    守備走塁で一つの塁を防ぎ狙う意識は緩めちゃダメですよね。

  8. とら田 より:

    林、浜中、誰かて打てなくなるときはあると思う。そんな時岡田監督は「自分で這い上がれ」といつも言いますが、試合に負ければ自らの責任だし、鳥谷、檜山のふたりは悪くても一年間使い続ける理解できない。
    きっちりと打撃指導を誰でもいいから林、浜中が打てるようにしてくれ。
    昨年のような追い込みは期待してないがやはり一位でシーズンを終わりたい。

  9. 西田辺 より:

    私も昨日の試合の「違和感」の正体を考えていました。
    前日まで1勝1敗ではあるが、まるで昨年のナゴドでの戦いに戻った様な
    この3連戦に、将の焦り、迷いが出たのかも。
    「普通にやれば」が口癖の将が、一番平常心を失ったか。
    結局、今シーズン対阪神に温存していた三人の投手を攻略できなかった。
    この事実は以降の苦戦を予感させるに十分な要因となり、正常な判断を
    狂わせてしまったのかも知れない。
    この感情の軋みが、チームに悪影響を与えなければ良いのですが。

  10. ドラ より:

    こんばんは。はじめまして。名古屋生まれの名古屋育ち、ドラファンの30半ばになる者です。今回のナゴヤドームでの3連戦、全部観戦することができました。
    第3戦、タイガースファンの方からすれば本当にガッカリの試合だったと思います。4?3まで追い上げたのにその後の守りが…というところですね。
    ドラゴンズも継投ミスを犯してしまいました。この前の京セラドームでの高橋聡文の投球は奇跡でしかありません。あの回に聡文に変えたときに「まずいな。」と思ったら案の定2失点で降板してしまいました。それに、リードはしていたものの、雰囲気は完全にタイガースペース。この後に出てくる投手の顔ぶれを見てもドラゴンズの方が不安を大きく抱えていましたから。
    先発・ダーウィンも最初に失点したときに交代かなと思ったら続投で更に追加点をいただく格好になってしまいました。
    それから、本当に気の毒としか言いようがないんですが、手痛い2つの失策を犯してしまった藤原という選手、お恥ずかしながら全く知らない選手でした。守備固めなのかどうかもよく分からないうちにああなってしまいました。
    ドラファンの私にとってはもうけたと思う試合で
    した。
    逆にこの負け方、今後のタイガースが尾を引きずる可能性は十分にあると思います。今日からのカープ戦は嫌なムードを払拭する大切な試合になると思います。
    ドラゴンズは今日からずっと遠征で横浜、広島を相手にします。できれば大きく貯金をしたいところですが今の順位にいるのが不思議なくらいのチーム状態ですから多くは望めません。とりあえず、6戦トータルで負け越しだけはしてくれるなといったところでしょうか。
    長々と失礼しました。もし不適切なコメントだと判断されたときはどうか削除してやってください。よろしくお願い申し上げます。

  11. torao より:

    to umeさま
    もちろんこれが天王山じゃないです。
    ドラゴンズとの決戦は甲子園でってことになりますね。
    赤星は守備位置深かったですね。両翼が深いのですから、赤星は前でかっさらわないといけないのになぁ。
    to 一虎ファンさま
    打ちますよ。グライシンガーだろうがなんだろうが!
    to とら田さま
    一位ちゃいまっせ、セ・リーグ優勝でっせ。そして他にあるのは、「日本一」と、日本シリーズに負けたチーム、それだけです。目指せ!優勝&日本一!
    to 西田辺さま
    ではその焦り、迷いはどこから来たのか。ドラゴンズやナゴドというより、先発予定のジャンを外さなければならなくなったことにあるのかも知れませんね。
    to ドラさま
    ようこそ!他球団ファン、大歓迎です。
    タイガースにとって幸いなことに、とりあえず巨大空母「甲子園」に帰還できます。ロングスパート中のチームにとっては、完全に水をさすような敗戦でしたが、うまく切り替えられるような気がします。苦戦の根本にあるのは、ジャン離脱によるスクランブル体制と金本&林の不振ですので、殿ご乱心はついでです(笑)。
    まだまだ熱い勝負が続くはずですので、お楽しみに!
    コメントありがとうございました。